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確定申告で支払調書は必要ない?届かない場合どうする?

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支払調書は、報酬や料金の支払いをした企業や個人事業主が「誰に、どのような内容で、年間いくら支払ったか」を税務署に報告するための書類です。
個人事業主やフリーランスに対して支払いを行った取引先が任意で発行することもあります。支払調書には1年間に支払った報酬額や源泉徴収税額が記載されているため、確定申告の際に活用している方もいるでしょう。しかし、取引先から支払調書が届かないこともあります。支払先への支払調書の発行は義務ではないため、支払調書が手元に届かない場合でも、確定申告は期日までに行わなければなりません。支払調書がない状態で確定申告をしても問題はないのでしょうか。

ここでは、確定申告で支払調書を添付することの要不要や、支払調書がない場合の対処法、届いた支払調書の活用方法などについて解説します。

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支払調書とは、報酬を支払う側が作成する書類

支払調書とは、報酬や料金の支払いの内訳を示すために、報酬を支払った側が税務署に提出する書類です。報酬支払先への支払調書の発行義務はありません。商慣習や好意で発行しているにすぎません。支払調書は全部で35種類ありますが、個人事業主やフリーランスが受け取るのは、基本的には「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書新規タブで開く」と呼ばれる書類です。他にも、主な支払調書の例として以下の5種類があげられます。

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」以外の主な支払調書の種類

  • 不動産の使用料等の支払調書
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
  • 利子等の支払調書
  • 生命保険契約等の一時金の支払調書
  • 株式等の譲渡の対価等の支払調書

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、個人事業主などに対して一定の内容の報酬や料金を支払った際に、支払った側が発行する書類です。発行が必要なケースは法令で定められていて、例えば、弁護士・税理士などに対する報酬や、作家・画家に対する原稿料・画料、講演料などで、同一人に対する支払金額の年間合計が5万円を超える場合などに発行しなければなりません。

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」には、1年分の支払金額と源泉徴収税額がまとめて記載されていて、税務署に提出します。

なお、支払調書は、税務署への提出が義務付けられた「法定調書」と呼ばれる書類の一種です。法定調書は全部で63種類あり、給与所得者に対して発行される「給与所得の源泉徴収票」や「退職所得の源泉徴収票」なども含まれます。

確定申告で支払調書を添付する必要はない

確定申告で支払調書を添付する必要はありません。そもそも支払調書は、報酬や料金を支払った側が税務署に対して提出義務を負う書類です。既に支払者から税務署に提出されているため、報酬を受け取った側による提出は不要です。

繰り返しになりますが、支払調書を作成した事業者が、支払先の個人事業主などに対して支払調書を交付する義務はありません。支払調書を作成した際、個人事業主宛てにも支払調書を発送する事業者もありますが、あくまでも事業者の好意です。経費削減や工数軽減などで支払調書を個人事業主に送付することをやめる事業者も増えてきています。

「支払調書がないと確定申告で困る」と考える方もいるかもしれませんが、個人事業主の確定申告は、日々の取引内容を記録した帳簿を基に行います。帳簿には売上額や源泉所得税額が記帳されているため、支払調書がなくても確定申告への支障はないはずです。

なお、会社員などの給与所得者に交付される「給与所得の源泉徴収票」も法定調書です。「給与所得の源泉徴収票」は、本人への交付義務があり、確定申告が必要な際には確定申告時の添付も義務付けられていました。そのため、同じ法定調書である支払調書も支払者への発行義務と確定申告書への添付の必要があるといった誤解も生じていました。支払調書は支払者への発行義務はありませんし、確定申告時の参考資料には使えますが、確定申告書への添付も不要です。
なお、「給与所得の源泉徴収票」は、確定申告をする場合には、確定申告書の記載で参考資料として必要となりますが、2019年4月1日以後は確定申告書への添付が不要になっています。

支払調書が作成される理由

支払調書は、税務署に対して、支払先や支払額、源泉徴収税額を報告するために作成する書類です。

源泉徴収とは、企業などの事業者が支払いを受ける方の代わりに所得税を概算で徴収し、あらかじめ納めておくことを指します。しかし、所得税を納める際に個別に「◯◯さんの所得税として◯円」といった報告は行いません。そのため、支払調書がないと税務署は納められた税金の内訳を知ることができないのです。そこで、適正な源泉徴収が行われているかを税務署が確認できるように、支払調書による内訳の報告が必要になります。

また、支払調書がなかった場合、税務署が個人事業主の虚偽申告に気付けない可能性が高まります。例えば、実際は700万円だった売上を300万円としたり、実際は行われていない源泉徴収が行われたとして虚偽の申告をしたりしても、参考資料がなければ見抜けないかもしれません。ここで、支払調書と個人の確定申告書を照らし合わせれば、受け取ったはずの報酬が記載されていなかったり、源泉徴収税額が合わなかったりといった矛盾を見つけることが可能です。

税務署にとって、支払調書は個人の受け取った報酬や料金と源泉徴収税額を正しく把握し、申告漏れや虚偽申告を防ぐために必須の書類といえます。

支払調書の発行時期

支払調書は、1月1日から12月31日までに支払いが確定した金額を取りまとめて、翌年1月31日までに作成して税務署に提出します。個人事業主に対して送付する場合は、同時期に送付するのが一般的ですが、個人事業主への支払調書の発行は義務ではありません。また、支払額が少ない場合など、そもそも発行されないこともあります。税務署に提出したかどうかの通知なども行われません。

なお、支払調書にはマイナンバーの記載欄がありますが、個人事業主に交付する支払調書は空欄にします。個人事業主がマイナンバーを取引先に通知していた場合でも、個人事業主に交付する支払調書へのマイナンバーの記載は認められていないからです。

支払調書の活用法

支払調書は確定申告に添付する必要はありませんが、確定申告時の数字のチェックには役立ちます。支払調書には、1月1日から12月31日までに支払いが確定した金額と源泉徴収税額が記載されています。帳簿上の売上額や源泉徴収税額と照らし合わせれば、金額の記載ミスなどがないかを確認することが可能です。

なお、取引先別の売上額や源泉徴収税額は、確定申告書 第二表の「所得の内訳」欄に記載する必要があります。この欄には、支払調書の金額ではなく、帳簿上の金額を記載してください。そのうえで、支払調書が発行された取引先について、金額が同じかどうかを確認します。

支払調書と帳簿上の取引金額が一致しなかった場合は、帳簿の記載漏れや数字の転記ミスなどがあるかもしれません。請求書などを再度確認して、正しい数字を書き入れましょう。それでも数字が合わない場合、以下のような理由が考えられます。

支払調書と帳簿が一致しない場合に想定される理由

  • 自分と取引先で当年の支払いに含める範囲が異なっている
  • 訂正前の請求書を参照しているなど、資料の確認段階でミスがある
  • 取引先にミスがある

例えば、入金時点で売上を計上する現金主義で会計処理をしている個人事業主と、金銭の授受に関係なく売上が確定した時点で計上する実現主義で処理をしている取引先では、どこまでを当年の支払いと考えるかが異なります。また、取引先が支払日ベースで支払調書を作成している場合、現金主義で記帳をする個人事業主の帳簿とはズレが生じる可能性があります。

数字に差があり、その原因がはっきりしない場合は、自分の控えを基に確定申告を行ってください。支払調書はあくまでも取引先の好意で送られる書類であるため、その数字を基に確定申告の内容を変える必要はありません。

なお、届いた支払調書は破棄してしまわずに、保管しておくのがおすすめです。取引先との取引記録の一種であるため、保存義務がなかったとしても、安易に処分しないようにしましょう。

支払調書の必要性を正しく理解して、確定申告を行おう

支払調書は、確定申告に必須の書類ではありません。しかし、年間の取引額や源泉徴収税額の確認には役立ちます。確定申告には、さまざまな書類が必要となるため、書類ごとの特徴を踏まえて、必要な書類とそうでない書類を区別できるようにしなければなりません。

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この記事の監修者岡本匡史(税理士)

岡本匡史税理士事務所新規タブで開く」の代表税理士。
1979年和歌山県生まれ。滋賀県立膳所高校、横浜国立大学経営学部卒業。城南信用金庫、公認会計士事務所勤務を経て、2012年に豊島区池袋にて岡本匡史税理士事務所を設立。
低価格で手厚いサポートを行うことを目標としており、特に開業前~開業5年目の法人・個人事業主の税務会計が得意。
毎年、市販の確定申告本や雑誌の監修にも携わっている。

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