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白色申告者の家事按分のしかた

執筆者: 柳原つつじ

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個人事業主が自宅を事務所にしている場合の家賃・光熱費・プロバイダ料金や、携帯代などの一部は、経費として計上することができます。これを「家事按分」といいます。節税するために活用したいところですが、青色申告と白色申告でルールが少し変わってくるので、注意が必要です。家事按分の仕方について、説明したいと思います。

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POINT

  • 家事と業務の両方にかかわる家事関連費は、事業で使用しているぶんを経費にすることができる
  • 白色申告者は、業務上必要で、必要な部分を区分できる場合は経費として計上が可能
  • 青色申告者は、事業相当額を合理的に区分できれば、家事関連費をすべて経費にできる

家事按分とは?

個人事業主のなかには、自宅を事務所にしている人も少なくないでしょう。かく言う私も、今まさに、この原稿を自宅で書いています。電気スタンドを点けて、書籍やインターネットで調べながら、パソコンを用いて原稿の執筆をしています。時には、自宅の電話を使って、原稿について編集者と打ち合わせを行うこともあります。

この際、私は電気、インターネット、固定電話を業務のために使用していることになります。当然、そのぶん分は経費にすることができるはず。さらにいえば、部屋の一部を業務のためのスペースにしているわけですから、家賃についても同じことがいえます。

しかしその一方で、向こうの部屋では子供たちが夢中になって子供番組をテレビで観ており、妻は台所で料理をしています。業務以外にも使われているこれらの電気代などの費用を全額業務上でかかる経費とするのは、妥当ではないでしょう。

そこで、業務で使用する割合がどれくらいなのかを計算して、経費に計上します。これを「家事按分」といいます。

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青色申告者の場合の家事按分率について

家事按分の対象は、家賃や水道代、電気代、ガス代、電話料金、プロバイダ料金、携帯代、 インターネット接続代、月極駐車場の料金など多岐にわたります。きちんと行うかどうかで、支払う税金が大きく変わってきます。面倒くさがることなく、活用したいところです。

国税庁では、青色申告者の家事上と業務上の両方にかかわる「家事関連費」について、必要経費にできるものとして「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」と条件をつけています。

なんとなく自分の感覚で「これくらいは業務に使っているだろう」ということではなく、「全体で◯◯㎡あるうちの◯◯㎡を業務の部屋に使用しているため」だったり、電気のコンセントの数や使用時間、使用日数など、理由がきちんと説明できる根拠をもって、按分率を決めなければなりません。そうでなければ、いくらでも経費にしてしまえるので、当然といえば当然の条件ですね。

つまり、青色申告の場合、取引の記録をキチンとつけており、それが業務上必要であると説明できれば、その割合にかかわらず経費として按分できるということになります。

いっぽうで、白色申告者の場合には家事按分の際に条件がつくことになります。

白色申告者による家事按分の条件は、50%を超えるかどうかで判断?

白色申告者の場合は家事按分の際に注意する点があります。それは上記の条件に加えて、「業務・仕事の部分の割合がおおむね50%超の家事関連費だけが対象」だということです。

これは、家賃や水道代、電気代、ガス代、電話料金、プロバイダ料金、携帯代、インターネット接続代などのうち、「業務で半分以上使っている」ものしか経費に計上できないことになります。

私についていえば、この条件にあてはめると、家事按分できるものは何もありません。いずれも、割合としては業務に使っているといえるのは、せいぜい1~2割程度だからです。おそらく、自宅兼事務所にしている個人事業主の場合、多くの人が私と似たりよったりだと思います。

50%以上となると、事務所がメインで、そこを生活の場にしているというケースに近くなってくるので、むしろ少数派でしょう。よくあるような自宅兼事務所の一部屋を明確に事務所として使っているケース、例えば「家族も使用させずに1部屋を仕事部屋として使用し「プレート」などで屋号を貼って分離している」などなら、その事務所用の部屋の広さが全体の50%を超えていなくても、家事按分の対象にできます。

しかし、ご安心ください。所得税法 法令解釈通達45-2にて、「当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。」という通達が出ています。

つまり、青色申告でも白色申告でも言い回しは異なりますが、どちらも「家事関連費のどの部分が業務に必要だったのか」を明確にできれば、経費として計上が可能ということです。

ただし、証明が困難な場合も多いので、毎月の経費として計上できることを考えると、青色申告への変更を考えたほうがいいかもしれません。

青色申告ならば、家事関連費のうち「事業相当額を合理的に区分できる金額」のすべてを必要経費とすることができます。幸い、私は青色申告を行っているので、家賃や水道代、電気代、ガス代、電話料金、プロバイダ料金、携帯代、 インターネット接続代など家事関連費のすべてを、家事按分して経費にしています。ひとつひとつの金額は大きなものではありませんが、トータルにすると大きな経費となります。

青色申告には、白色申告にはない特典がさまざまあります。
最大65万円の特別控除や、赤字の繰り越しがその代表的なものですが、「必要経費にできる家事関連費の範囲が広い」という点も見落とすわけにはいきません。長く事業を行えば行うほど、これらの経費を計上できるかどうかは、経営に大きく影響してくるからです。

現在は白色申告を行っていて、自宅を事務所にして仕事をしている――。そんな人は、青色申告へのシフトを検討してみてはいかがでしょうか。

参考:国税庁 法令解釈通達:〔家事関連費(第1号関係)新規タブで開く

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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