確定申告とは?全くわからない人向けに基本をわかりやすく簡単に解説!
2023/03/13更新

この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

確定申告とは、1年間の収入から経費等を差し引いて所得を算出し、そこから納める税金の額を計算して国(税務署)に報告する一連の手続きのことです。所得税や消費税の他、法人税の確定申告があります。個人事業主(自営業、フリーランス)の人は、所得税の確定申告が必要です。会社員やパート、アルバイトは、会社が年末調整で所得税の金額を確定しますが、自分で確定申告をしなければならない場合もあります。
しかし、確定申告をしたことがないと「確定申告のやり方がまったくわからない」「そもそも自分が確定申告を行う必要があるかどうかわからない」など、戸惑うことが多いかもしれません。ここでは、個人事業主の所得税の確定申告について、申告が必要な人の条件や手続きの流れなどをわかりやすく解説していきます。
所得税の確定申告とは所得税の金額を確定するための手続き
所得税の確定申告とは、1年間の所得から納めるべき所得税の金額を計算し、国(税務署)に申告する手続きのことです。個人事業主は、毎年1月1日~12月31日の所得をとりまとめて所得税の額を計算し、原則として翌年の2月16日~3月15日までに税務署に申告・納税を行います。
確定申告をする理由
納税は国民の義務であり、労働などによって一定額以上の所得がある人は、その金額に応じた所得税を納めなければなりません。所得税をはじめとした国の税金は、納税者がみずから税務署へ所得などの申告を行うことで税額が確定し、その確定した税額を納付することになっています。
源泉徴収や予定納税によって必要以上に税金を納付していた場合は、確定申告を行うことによって納めすぎた税金が還付されます。また、個人に課される税金の1つである住民税は、所得税の確定申告の内容をもとに各自治体によって計算されます。
なお、会社員などの給与所得者は、毎月の給与から所得税などが源泉徴収(天引き)され、本人に代わって勤務先の会社が納めています。そのため、一部のケースを除いて確定申告は必要なく、代わりに会社が年末調整を行って所得税の過不足を調整します。
所得と収入の違い
確定申告を行う上では、所得と収入の違いについて理解しておく必要があります。
「収入」とは、売上や給与など、1年間に得たすべての金額のことです。そして、収入から事業にかかる仕入や経費の額を差し引いた金額を「所得」といいます。さらに、所得から各種所得控除などを差し引いた金額を「課税所得」といいます。所得税は、この課税所得をもとに算出されます。
所得控除には、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、基礎控除など、15種類があります(詳しくは後述します)。この他、課税控除をもとに算出した所得税額から直接差し引くことができる税額控除もあります。
所得の種類
所得は、その発生形態などに応じて、下記の10種類に分類されます。例えば、会社員やパート、アルバイトの人が会社から受け取る給与は「給与所得」、個人事業主(自営業、フリーランス)などの売上は「事業所得」に該当します。
所得の種類 | 内容 |
---|---|
給与所得 | 勤務先から受ける給料、賞与などの所得。 |
事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得。 |
利子所得 | 預貯金や公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配にかかる所得。 |
配当所得 | 株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などにかかる所得。 |
不動産所得 | 土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付け(地上権または永小作権の設定その他、他人に不動産などを使用させることを含む)による所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除く)。 |
退職所得 | 退職により勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法にもとづく一時金などの所得。 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡、立木のままで譲渡することによって生ずる所得。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合には、山林所得ではなく、事業所得または雑所得。 |
譲渡所得 | 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、もしくは建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で一定のもの。ただし、事業用の商品などの棚卸資産、山林、減価償却資産のうち、一定の要件にあてはまるものを譲渡することによって生ずる所得は、譲渡所得とはならない。 |
一時所得 | 上記、給与所得から譲渡所得までのいずれにも該当しない所得。懸賞金や福引の賞金品、競馬・競輪の払戻金、生命保険の一時金、損害保険の満期返戻金など、労働の対価や譲渡による対価としての性質を持たない一時的な所得。 |
雑所得 | 上記のいずれにも該当しない所得。公的年金や非営業用貸金の利子、副業にかかる所得。 |
- ※ 国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし
」
無料お役立ち資料【「弥生のクラウド確定申告ソフト」がよくわかる資料】をダウンロードする
所得税の算出方法
前述したように、個人事業主の所得税は1年間の課税所得をもとに算出します。算出の流れをまとめると次のようになります。
所得税額算出の流れ
- 1.
1月1日~12月31日の収入の合計金額から仕入や経費の額を引き、「所得」を求める
- 2.
所得から所得控除額を引き「課税所得額」を求める
- 3.
課税所得額に所定の税率を掛け、「所得税額」を求める
- 4.
所得税額から税額控除額を引き、納めるべき「所得税額」を求める
所得税の算出式
所得税=(1年間の収入-事業にかかった仕入や経費-所得控除)×所得金額に応じた税率-税額控除
所得控除の種類
所得控除とは、課税所得を求める際に、所得から一定の金額を差し引くことのできるものです。所得控除は、下記の15種類です。下記の表の所得控除の要件に当てはまる場合は、所得金額から各種控除の合計額を差し引いて課税所得を求めることができます。
所得控除の種類 | 概要 | |
---|---|---|
物的控除 | 雑損控除 | 災害や盗難などによって、生活上の資産が損害を受けた場合に受けられる。事業用の資産の場合は、事業の損失として計上できるが、雑損控除にはできない。 |
医療費控除 |
納税者本人とその人と生計を一にする配偶者やその他の親族の、一定額以上の医療費を支払った場合に受けられる。 支払った医療費(最高で200万円)-保険会社から受給した保険金など-10万円(※)=医療費控除額
【特例】セルフメディケーション税制 対象医薬品の購入費-1万2,000円=所得控除額(1万2,000円超部分について、上限8万8,000円の医療費控除) |
|
寄附金控除 | ふるさと納税など国や地方公共団体などに寄付を行った場合に受けられる。 | |
社会保険料控除 | 健康保険料(税)や国民年金保険料などの公的な保険料を支払ったとき、または生計を同じくする配偶者や子供、親族の公的な保険料を支払ったときに受けられる。 | |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済などで支払った掛金の全額が所得から差し引かれる。 対象:小規模企業共済、企業型確定拠出年金(企業型DC)、個人型確定拠出年金(iDeCo)、障害者扶養共済制度などの掛金 |
|
生命保険料控除 | 民間の保険会社に生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料などの保険料を支払った場合に受けられる。最高額12万円まで。 | |
地震保険料控除 | 特定の損害保険のうち、地震による損害部分の保険料や掛金を支払った場合に受けられる。最高額5万円まで。 | |
人的控除 | ひとり親控除 | 婚姻歴や性別にかかわらず、同一生計の子(合計所得金額など、48万円以下)を扶養していて、納税者本人の合計所得金額が500万円以下の単身者は、ひとり親控除として35万円の所得控除を受けられる。 |
寡婦控除 |
原則として、その年の12月31日の現況で「ひとり親控除」に該当せず、次のいずれかに当てはまる場合に27万円の所得控除が受けられる
|
|
勤労学生控除 | 働きながら通学する勤労学生で、その給与収入が130万円以下である場合に受けられる。 | |
障害者控除 | 納税者本人や配偶者、扶養親族が障害者または特別障害者である場合に受けられる。控除額は、障害者一人あたり27万円、特別障害者が40万円。 | |
配偶者控除 | 控除対象となる配偶者の給与収入が103万円以下の場合、13万~48万円(納税者の所得額および配偶者の年齢で決まる)。 納税者の合計所得金額が1,000万円を超えると控除を受けられない。青色事業専従者給与・事業専従者控除との併用は不可。 |
|
配偶者特別控除 | 配偶者がいて、配偶者控除の適用外(配偶者の所得が48万円超133万円以下であるなど)の場合に受けられる。 控除対象となる配偶者の給与収入が103万円以上の場合、1万~38万円(納税者の所得額で決まる)。納税者の合計所得金額が1,000万円を超えると控除を受けられない。青色事業専従者給与・事業専従者控除との併用は不可。 |
|
扶養控除 |
一定の所得以下の子供や親、親族を養っている場合に受けられる。一般の扶養対象親族で38万円(年齢などによって控除額が変わる)。
|
|
基礎控除 | 2020年分から合計所得金額2,400万円以下の場合、48万円。2,400万円を超えると段階的に控除できる金額が減っていき、合計所得金額が2,500万円を超えると控除は受けられない。 |
- ※ 2020年分からに従来の寡婦(夫)控除の見直しが行われ、寡夫控除が廃止されると共に、ひとり親控除が創設されました。
関連記事
所得税の税率
所得税の税額は、課税所得に所定の税率を掛けて求めます。所得税は課税額が高いほど適用される税率が上がる累進課税方式となっており、税率は課税所得金額によって5%から45%の7段階に分かれています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から194万9,000円まで | 5% | 0円 |
195万円から329万9,000円まで | 10% | 9万7,500円 |
330万円から694万9,000円まで | 20% | 42万7,500円 |
695万円から899万9,000円まで | 23% | 63万6,000円 |
900万円から1,799万9,000円まで | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円から3,999万9,000 円まで | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
- ※ 国税庁「No.2260 所得税の税率
」
計算例)
課税される所得金額が350万円の場合の所得税額
350万円×20%-42万7,500円=27万2,500円
税額控除
税額控除とは、算出した所得税額から直接差し引くことができる控除です。税額控除は所得控除と混同されがちですが、「何から差し引くか」が違います。所得から差し引いて課税所得を少なくできるのが所得控除、その課税所得をもとに算出した所得税額から差し引いて納付する税額を少なくできるのが税額控除です。税額控除には、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や配当控除、外国税額控除などがあります。
確定申告と年末調整の違い
確定申告と年末調整は、どちらも所得税に関わる手続きです。大きな違いは、確定申告が「所得税の税額を確定させるために納税者本人が行う手続き」であるのに対して、年末調整が「所得税の過不足を精算するために会社が行う手続き」であることです。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。
確定申告は納税者自身が行う手続き
確定申告では、納税者自身が所得税を確定させ、税務署に申告を行います。個人事業主(自営業、フリーランス)は、1年間に得た所得をもとに納めるべき所得税を自分で計算します。そして、所得金額や所得税額を税務署に申告し、所得税を納付します。この一連の手続きが、確定申告です。
年末調整は勤務先が行う手続き
年末調整では、納税者に代わって勤務先の会社が手続きを行います。会社員など給与所得者の所得税は、毎月の給与から源泉徴収(天引き)され、本人に代わって勤務先の会社が納めています。
ただし、天引きされている所得税は概算であり、正しい税額ではありません。そこで、1年間の給与が確定した時点で会社は個々の所得税を計算し、正しい税額で納税する必要があります。このとき、正しい税額と概算の税額の差を算出し、納めすぎていれば還付、不足していれば追加徴収するのが年末調整です。多くの給与所得者は、年末調整によって、その年の所得税の納税が完了します。
すべての所得が対象となる確定申告とは異なり、年末調整の対象となるのは給与所得のみです。そのため、会社員などで給与以外に一定額以上の所得がある場合は、別途確定申告を行う必要があります。また、1年間の給与などの合計金額が2,000万円を超える場合は年末調整の対象外となるため、会社員で給与以外の収入がなくても個人で確定申告をする必要があります。
なお、所得控除の中には、医療費控除など年末調整では対応できない控除があります。そうした控除を受けたい場合は、年末調整を行っていても個人で確定申告が必要です。
確定申告の概要
一般的に、個人事業主(自営業、フリーランス)が確定申告を行うのは年に1回です。毎年1月1日~12月31日に得た所得にかかる所得税について、原則として翌年2月16日~3月15日の間に、納税地を所轄する税務署に申告を行います。
確定申告の期限
所得税の確定申告期間は、原則として、対象となる年の翌年2月16日~3月15日です。
例えば、2022年分の所得税の申告期間は、2023年の2月16日~3月15日になります。なお、確定申告期間の開始日や終了日が土日祝日にあたる場合は、それぞれ翌平日に変更となります。
確定申告の内容
確定申告には、所得税を納めるための「納付申告」と、納めすぎた税金の還付を受けるための「還付申告」があります。どちらも、提出書類などの手続きに変わりはありません。
-
納付申告
納付申告はその名のとおり、所得税を納付するための申告です。確定した所得税額は、期限までに税務署に納付しなければなりません。納付期限は、申告期限と同じ、原則として対象となる年の翌年3月15日(土日祝日の場合は翌平日が期日)です。 -
還付申告
還付申告は、本来の所得税額よりも多く納税していた場合に、納めすぎた税金を返してもらうための手続きです。個人事業主(自営業、フリーランス)は業種によって、報酬からあらかじめ源泉所得税(および復興特別所得税)が差し引かれて支払われることがあります。確定申告を行うことで1年間の所得税額を確定し、税金を納めすぎていれば還付されます。また、年末調整をした会社員などが、確定申告でしか適用できない所得控除や、年末調整で申告し忘れた所得控除などを確定申告で申告すると、納めすぎとなった所得税が還付されます。
確定申告をしなければならない人
確定申告を行わなければならないのは、次のような人です。勤務先で年末調整が行われる会社員やパート、アルバイトの方などは、基本的には確定申告の必要はありません。
企業に勤めていない個人事業主(自営業、フリーランス)の人
個人事業主(自営業、フリーランス)など、企業に勤めずに事業による所得を得ている人は、基本的に確定申告を行う必要があります。所得とは、前述したとおり、収入から仕入や経費を引いた金額のことです。つまり、1年間の売上から経費等を差し引いた「儲け」がある個人事業主(自営業、フリーランス)は、必ず確定申告を行わなければならないということです。
なお、赤字の場合は所得がゼロなので所得税も発生せず、確定申告の必要はありません。しかし、確定申告を行うことで、源泉徴収されていた所得税の還付が受けられることがあります。また、個人事業主(自営業、フリーランス)にとっては確定申告が所得の証明になるため、赤字でもできるだけ確定申告を行う方が良いでしょう。青色申告の場合、申告することでその赤字を翌年以降の黒字と相殺することができます。
なお、確定申告を行わない場合は、別途、住民税の確定申告をする必要があります。
企業に勤めているが副業収入がある人
企業に勤めている会社員などの場合、多くは年末調整によって所得税の納税が完了するため、個人での確定申告は不要です。ただし、副業の所得が20万円を超える人は、会社員であっても確定申告を行わなければなりません。
企業に勤めているが年末調整ができない・できなかった人
企業に勤めていても、次のような人は年末調整の対象とならないため、個人で確定申告が必要です。
-
1年間の給与収入が2000万円を超える人
1年間の給与収入の合計が2,000万を超える人は年末調整が行われないため、自分で確定申告をしなければなりません。 -
2か所以上から給与の支払を受けている人
年末調整は1か所でしかできないため、2か所以上から給与をもらっている場合は正しい納税額を計算することができません。このような場合は、各勤務先からの源泉徴収票をもとに給与を合算し、自分で確定申告を行う必要があります。 -
年の途中で退職した人
年の途中で退職し、その後再就職していない人は、個人での確定申告が必要です。退職前の給与からは所得税が源泉徴収されていたにもかかわらず、年末調整を受けていないからです。この場合、確定申告をすることで還付が受けられる可能性が高いでしょう。なお、退職した後年内に再就職し、その再就職先で年末調整を受けた場合は、確定申告の必要はありません。 -
非居住者
非居住者は年末調整の対象になりません。非居住者とは、日本国内に住所がない人や、国内に居住しているが、その期間が1年未満の人を指します。例えば、1年以上海外赴任している人や、日本に在住して企業に勤務している期間が1年未満の外国籍の人などが該当します。このような人は、個人での確定申告が必要です。 -
一定の条件を満たす日雇労働者
日雇いや単発のアルバイトなどで所得税の源泉徴収がされていない場合、年間の給与収入が103万円を超えたら確定申告が必要です。給与所得者は最低55万円の給与所得控除と48万円の基礎控除が適用されるため、給与収入が103万円以下なら課税所得はゼロになります。1年間の給与収入の合計が103万円以下なら所得税は発生しないため、確定申告の必要はありません。
なお、日雇いでも、「交通費を除いた日給が9,300円以上」「労働契約を結んでいる」「継続勤務が2か月以上」という3つの条件を満たす場合は源泉徴収が必要になるため、勤務先の会社で年末調整が行われている場合があります。
-
災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
災害によって住宅や家財に損害を受けたときは、災害減免法により、所得金額に応じて所得税額が軽減免除されます。所得税が軽減免除されるのは、災害のあった年分の所得金額が1,000万円以下で災害によって受けた住宅や家財の損害額(保険金などによる補填を除く)がその価額の2分の1以上、かつ、雑損控除の適用を受けない場合です。給与所得者がこの軽減免除を受けた場合は年末調整されないため、個人で確定申告が必要です。
確定申告が必要ない人
個人事業主(自営業、フリーランス)の人は、基本的には確定申告が必要です。しかし、次のような人は、確定申告を行う必要はありません。
-
個人事業主(自営業、フリーランス)で、収入から経費や各種所得控除を差し引いた課税所得が0以下の人
課税所得がゼロの場合は所得税額もゼロなので、確定申告を行わなくても問題ありません。ただし、源泉徴収されている所得税の還付を受けたい場合は、確定申告を行う必要があります。 -
勤務先で年末調整をしていて、医療控除などの確定申告でしか申告できない控除を適用しない人
所得控除の中には、医療費控除や寄附金控除など、年末調整では対応できないものがあります。このような控除の申告が必要ない場合は、勤務先で年末調整をしていれば別途確定申告を行う必要はありません。 -
給与収入はあるが、年間で103万円以下の人
年間の給与収入が103万円以下なら、給与所得控除と基礎控除を差し引くと課税所得がゼロになるので、確定申告は必要ありません。 -
副業の所得が20万円以下の人
会社員で、副業としてフリーランスとして活動しているような場合、副業による所得が年間20万円以下なら確定申告は不要です。ただし、副業の報酬から源泉徴収されている場合は、確定申告をすることによって税金が戻ってくる可能性が高いでしょう。
確定申告をした方が良い人
会社員のように会社で年末調整をしていても、場合によっては確定申告をした方が良いこともあります。次のような人は、確定申告をした方が節税につながる可能性が高いでしょう。
-
企業に勤めており年末調整をしているが、住宅ローン控除を適用したい人
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅ローンなどを利用してマイホームを新築、取得または増改築等したときに受けられる税額控除です。この住宅ローン控除を申請するには、住宅ローンを利用する初年度のみ確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で控除の申請ができるため、確定申告は不要です。 -
医療費控除など、確定申告でなければ申告できない控除を適用したい人
医療費控除や雑損控除、寄附金控除を受けたい場合などは、年末調整では対応できません。これらの控除を受けたい場合は、給与所得者でも別途確定申告を行う必要があります。ふるさと納税をしている場合、寄附金控除を適用できます。しかし、基本的に確定申告の必要がない給与所得者の場合は、ワンストップ特例制度を利用することで自動的に住民税から控除されます。その場合は、確定申告の必要はありません。
-
年の途中で退職した後、転職していない(年末調整を受けていない)人
年の途中で退職し、その後再就職していない人は、退職前の会社で源泉所得税を納めすぎている可能性があります。この場合、確定申告をすれば、多く納めた分の所得税が還付されます。
確定申告には2種類ある
個人事業主(自営業、フリーランス)の方が行う確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
青色申告は、事前に届出をして所定の要件を満たした場合に選択できる方法で、青色申告特別控除など税制上の優遇が受けられます。
一方、青色申告を行わない個人事業主(自営業、フリーランス)は、自動的に白色申告になります。白色申告は青色申告に比べて帳簿の作成方法がシンプルですが、青色申告のような節税メリットがありません。
青色申告と白色申告の主な違いは、下記のとおりです。
青色申告(特別控除65万円) | 青色申告(特別控除55万円) | 青色申告(特別控除10万円) | 白色申告 | |
---|---|---|---|---|
条件 | 不動産所得・山林所得・事業所得のいずれかがある人 | - | ||
申請 | 原則として青色申告をしたい年の3月15日までに所轄の税務署に「青色申告承認申請書」と「開業届」を提出(提出した翌年に行う確定申告から適用される) | 必要なし | ||
提出書類 |
|
|
|
|
記帳方法 | 複式簿記 | 簡易(単式)簿記でも可 | 簡易(単式)簿記 | |
所得税の確定申告の期限 |
2月16日~3月15日
|
|||
申告方法 |
|
|
|
|
その他の要件 | e-Taxによる申告または、優良な電子帳簿保存をしている | - | - | - |
税制上の優遇措置 | 青色申告特別控除(65万円) | 青色申告特別控除(55万円) | 青色申告特別控除(10万円) | なし |
その他 |
|
申告の手続きや準備が簡単 |
- ※1 確定申告書にはAとBの2種類がありましたが、確定申告書Aは2023年(令和5年)1月から廃止され、2022年(令和4年)分の確定申告からは一本化されて、確定申告書となります。
- ※2 青色申告決算書は損益計算書、「売上」「仕入」に関する内訳書、減価償却に関する内訳書、貸借対照表の4ページで構成されます。
青色申告
青色申告は、所轄の税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出すると選択できるようになる申告制度です。青色申告で複式簿記による記帳をするなど所定の要件を満たすと、最大で65万円の青色申告特別控除が受けられます。
なお、青色申告をすることができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人のみです。例えば、会社員が副業をしている場合、本業の給与が給与所得、副業が雑所得になるため、青色申告をすることはできません。
関連記事
白色申告
白色申告は、青色申告を選択しない場合の申告制度です。税務署に青色申告の申請をしていない場合は、自動的に白色申告になります。
白色申告の帳簿付けは「単式簿記」というシンプルな記帳方式で良いとされているため、青色申告に比べて確定申告の準備が簡単にできます。一方で、青色申告特別控除のような特典がないため、売上や経費の金額が同じでも青色申告より税金が高くなる可能性があります。
関連記事
確定申告の流れ
確定申告は1年間に得た所得の合計金額から所得税の金額を算出し、正しく納税するための制度です。ここからは、確定申告を行う手順について、具体的に解説していきます。
1. 必要な書類を準備する
確定申告を行うには、確定申告書をはじめとしたいくつかの必要書類があります。途中で慌てることのないように、次の書類をあらかじめ用意しておきましょう。
-
所得税の確定申告書
所得税の確定申告書は、「国税庁のWebサイトからダウンロード」「税務署の窓口で直接もらう」「税務署に依頼して郵送してもらう」「市区町村の担当窓口や指導相談会場でもらう」のいずれかの方法で入手できます。また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成し、e-Taxで申告することも可能です。e-Taxなら、スマートフォンからも確定申告ができます。- ※国税庁「確定申告書等作成コーナー
」
- ※国税庁「確定申告書等作成コーナー
-
マイナンバーがわかる書類
確定申告書にマイナンバーの記載が必要になるため、マイナンバーカードまたはマイナンバーの通知カードが必要です。なお、マイナンバーの「通知カード」は2020年5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続きマイナンバー確認書類として利用できます。 -
控除を受けるために必要な各種控除証明書
医療費控除を受けるなら医療費の領収書やレシート、社会保険料控除や生命保険料控除などを受けるなら各種保険の控除証明書、寄附金控除を受けるなら寄附金受領書など、各種控除の内容がわかる書類を用意します。 -
収入がわかる書類
個人事業主(自営業、フリーランス)で青色申告をする場合は「青色決算申告書」を、白色申告の場合は「収支報告書」を作成します。また、給与所得者の場合は確定申告書に源泉徴収票の内容を転記する必要があるため、あらかじめ手元に用意しておきましょう。公的年金を受け取っている人は、「公的年金等の源泉徴収票」が必要です。なお、源泉徴収票や公的年金等の源泉徴収票は、確定申告書類に添付する必要はありません。 -
口座番号がわかる通帳など(税金の還付を受ける場合)
還付申告をする場合は、還付される税金の受取口座を確定申告書に記載します。金融機関や支店名、口座番号などがわかる通帳などを準備しておきましょう。
2. 確定申告書を作成する
必要書類がそろったら、確定申告書を作成します。確定申告書を作成するには、次の4つの方法があります。
-
確定申告ソフト
確定申告ソフトを使うと、青色申告に必要な複式簿記での帳簿や「青色決算申告書」、白色申告に必要な「収支内訳書」などを手間なく作成できます。「やよいの青色申告 オンライン」や「やよいの白色申告 オンライン」など、確定申告ソフトの中には書類の作成だけでなくe-Taxを使った申告手続きまで行えるものもあります。 -
確定申告書等作成コーナー
確定申告書等作成コーナーとは、国税庁が用意している確定申告のためのシステムです。「作成開始」ボタンを押して指示に従って数字を入力していくと確定申告書を作成でき、e-Taxなら提出までワンストップで行えます。- ※国税庁「確定申告書等作成コーナー
」
- ※国税庁「確定申告書等作成コーナー
-
手書き
確定申告書は手書きでも作成が可能です。ただし、手書きの場合は計算をすべて自分で行わなければならないうえ、書き間違いなども起こりやすいので、ミスや漏れのないように十分注意する必要があります。 -
税理士などの専門家に依頼する
税理士などの専門家に確定申告を依頼する方法もあります。税理士事務所によっては、記帳代行から確定申告書の作成までトータルで対応可能な場合もあります。費用はかかりますが、税の専門家に依頼することで正確性が増し、節税のアドバイスを受けられることもあります。
3. 確定申告書を提出する
確定申告書の提出方法は、e-Tax、郵送、税務署に持ち込みのいずれかです。それぞれの提出方法についてご説明します。
-
e-Tax
e-Taxとは、インターネット上で確定申告を行うシステムです。受付は24時間行われており、提出期限は3月15日(土日祝日の場合は翌平日)の23時59分までです。なお、最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、e-Taxでの申告か電子帳簿保存が必要です。 -
郵送
郵送で提出する場合は、納税地を管轄する税務署宛に送付します。消印の日付が提出日として扱われるため、3月15日(土日祝日の場合は翌平日)の消印が押されていれば、期限内の提出として受理されます。
なお、郵送提出は、必ず信書便で行わなければいけません。宅配便などは利用できないので注意してください。また、郵送時には、提出用の確定申告書と必要書類に加えて、確定申告書の控えと返信用封筒(返送先を記載し切手を貼ったもの)を同封しましょう。同封しなくても確定申告は可能ですが、住宅ローンや自動車ローン、住まいを借りるための賃貸契約など、後日確定申告書の控えが必要になる場合があります。
-
税務署に持参
確定申告書は、納税地を管轄する税務署で直接提出することも可能です。税務署窓口が開いている時間であれば窓口で提出し、開庁時間以外の提出には時間外収集箱を利用できます。
4. 所得税の納付または還付を受ける
所得税および復興特別所得税は、原則2月16日~3月15日の間に確定申告を行って、それぞれの税金の金額を確定します。原則的に申告期限と納付期限は同じなので注意しましょう。納付には下記の方法があります。振替納税とクレジットカードによる納付は後払いのため、資金繰りに余裕が持てます。
所得税と復興特別所得税の納付方法
- 指定された金融機関の預貯金口座からの振替納税
- e-Taxによる電子納税
- クレジットカードによる納付
- QRコード※によるコンビニエンスストアでの納付
- 金融機関または税務署の窓口での現金納付
- スマホアプリ納付(2022年12月より)
- ※ QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
関連記事
確定申告についての相談先
初めて確定申告をする場合など、「やり方がまったくわからないから誰かに相談したい」ということがあるかもしれません。そこで、確定申告の相談に対応している窓口や相談先についてご紹介します。相談する際には、前述した確定申告に必要な書類を用意しておくとスムースです。
税務署の窓口
税務署では、電話や窓口で確定申告の相談に対応しています。窓口で相談をしたい場合は、必ず事前に予約を入れるようにしましょう。
また、確定申告の時期になると、税務署主催の相談会が開催されることもあります。相談会の日時や場所、予約方法などは、国税庁のWebサイトなどで告知されます。
税理士
税の専門家である税理士に確定申告を依頼することも可能です。税理士は、確定申告の相談にも的確に応えてくれるでしょう。確定申告の期間前などに、無料相談を受け付けている税理士もいます。ただし、税理士に確定申告を依頼するには費用がかかります。また、確定申告の時期が近づいてからの急な相談は受けてもらえない可能性もあるので注意が必要です。
青色申告会
青色申告会は、各地の税務署ごとに組織されている、個人事業主(自営業、フリーランス)を中心した納税者団体です。会員になると、確定申告をはじめとした無料相談会や研修会などに参加できます。
確定申告初心者の方は確定申告ソフトの利用がおすすめ
所得税の確定申告は多くの個人事業主(自営業、フリーランス)にとって、1年に1度必ず行わなければならない重要な手続きです。また、会社員で勤務先から年末調整を受けていても、場合によっては確定申告をしなければならない場合があります。しかし、確定申告を行うにはさまざまな計算をしたり書類を作成したりしなければならないため、慣れていないとハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。
確定申告を効率良く進めるポイントは、確定申告ソフトを活用すること。「やよいの青色申告 オンライン」なら、青色申告に必要な複式簿記での帳簿つけもスムースで、各種控除の計算も簡単にできます。また、青色申告を行わない方は、「やよいの白色申告 オンライン」ならずっと無料でご利用いただけます。確定申告ソフトを上手に利用してミスや漏れを防ぎ、手間なく確定申告を行いましょう。
確定申告ソフトなら、簿記や会計の知識がなくても確定申告が可能
確定申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくても確定申告ができます。
今すぐに始められて、初心者でも簡単に使えるクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」とクラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」から主な機能をご紹介します。
「やよいの白色申告 オンライン」はずっと無料ですべての機能が使用でき、「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料、かつ無料期間中でもすべての機能が使用できますので、どちらも気軽にお試しいただけます。
初心者にもわかりやすいシンプルなデザイン

初心者にもわかりやすいシンプルなデザインで、迷うことなく操作できます。日付や金額などを入力するだけで、確定申告に必要な書類が作成可能です。
取引データの自動取込・自動仕訳で入力の手間を大幅に削減

銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータやスマホで撮影したデータを取り込めば、AIが自動で仕訳を行います。入力の手間と時間が大幅に削減できます。
確定申告書類を自動作成。e-Tax対応で最大65万円の青色申告特別控除もスムースに

画面の案内に沿って入力していくだけで、確定申告書等の提出用書類が自動作成されます。青色申告特別控除の最高65万円/55万円の要件を満たした資料の用意も簡単です。インターネットを使って直接申告するe-Tax(電子申告)にも対応し、最大65万円の青色申告特別控除もスムースに受けられます。
自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる

日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。確定申告の時期にならなくても、事業に利益が出ているのかリアルタイムで確認できますので、経営状況を把握して早めの判断を下すことができるようになります。
無料お役立ち資料【「弥生のクラウド確定申告ソフト」がよくわかる資料】をダウンロードする
よくあるご質問
確定申告をしなくていい金額はいくらですか?
所得税の確定申告をしなくていい金額は、対象者がフリーランスなどの個人事業主か、副業をしている会社員などの給与所得者かによって異なります。まず、個人事業主の場合は、年間の所得が48万円以下であれば確定申告は不要です。このケースでは基礎控除48万円が適用されるので、所得が48万円以下であれば税金は発生しないからです。しかし、青色申告をしている場合、最大65万円(もしくは55万円)の特別控除の適用は期日までの申告が必須なので、確定申告をしましょう。次に副業をしている会社員の場合では、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。副業の所得が年間20万円を超えている方は、会社の年末調整とは別に確定申告が必要なので注意しましょう。また、所得税の確定申告は不要でも1円でも利益が出ていれば住民税の申告は必要です。
確定申告が必要な人はどんな人ですか?
所得税の確定申告が必要な人は「①フリーランスや自営業などの個人事業主で、事業収入がある人②不動産収入や株取引での所得がある人③一時所得がある人④退職所得があり、退職所得の受給に関する申告書を提出していない人⑤所得税の猶予を受けている人」です。ほかには、「給与額が2,000万円を超える」「副業で年20万円超の所得がある」「2か所以上から給与を受けており、年末調整を行っていない収入(主たる給与以外の給与)が年間20万円を超える」人は確定申告が必要です。①〜⑤の詳細については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
確定申告が必要な人の詳細はこちら
確定申告を簡単にできるやり方はありますか?
確定申告をやりたい方には、国税庁の確定申告コーナー で申告ができます。個人事業主の場合、申告書を作成するのに帳簿作成が必要なので、個人事業主の場合には確定申告ソフトの利用をおすすめします。例えば弊社の確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」や「やよいの白色申告 オンライン」なら簡単な入力で複式簿記の帳簿が作成されて、集計や計算も自動です。確定申告ソフトは難しい会計や簿記の知識がなくても問題ありません。安心して確定申告をされたい方は、ぜひ、利用を視野に入れてみてください。
確定申告をしないとどうなりますか?
確定申告をしないと、無申告加算税を課されたり延滞税を課されたり、所得税とともに住民税が徴収されたりする可能性があります。確定申告をしないことにより余分に税金を支払わなければいけなくなる可能性があるため、確定申告は必ずしましょう。「確定申告をしなくても大丈夫なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、高い可能性で税務署にバレます。なぜ税務署にバレるのかは本記事内で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所
四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。
