2022/04/12 経理代行とは?サービス内容やメリット、依頼先の選び方を解説

事業を営むうえで欠かすことができないのが経理業務です。事業で生み出す利益を確認するためには、日々の取引やお金の流れをきちんと管理しなければなりません。しかし、創業間もない会社や社内に経理担当者のいない会社・個人事業主の場合は、なかなかそこまで手が回らないこともあります。そのようなときに利用できるサービスが「経理代行」です。

ここでは、経理代行の特徴や経理代行サービスを導入するメリット・デメリットの他、依頼先を選ぶ際の注意点などについて解説します。

経理業務を請け負ってくれる経理代行

経理代行とは、その名の通り外部に依頼して自社の経理業務を代行してもらうことです。会社の経理業務を請け負ってくれる、いわば経理のアウトソーシングサービスといえるでしょう。

中小企業や個人事業主の場合は、経営者や経理専任ではない社員が経理業務を兼務することも少なくありません。経理業務は煩雑で範囲も広いため、専門知識を持たない方が行おうとすると、調べながら慣れない作業を行うため、多大な手間と時間がかかってしまいます。そのような場合でも、経理代行を依頼すれば、わずらわしい経理業務の一部またはすべてを請け負ってもらうことができます。

経理代行は、会計事務所や税理士事務所、税理士法人の他、経理代行専門会社やアウトソーシング業者に依頼が可能です。

経理代行と記帳代行では依頼できる業務内容が異なる

経理代行と混同されやすい業務に、日々の取引に関わる帳簿付けを代行してもらえる記帳代行があります。記帳代行では、領収書や請求書、通帳のコピーなどの書類を記帳代行業者に渡すと、仕訳して会計ソフトに入力し試算表や総勘定元帳といった帳簿の作成まで行ってくれます。

一方、経理代行とは、記帳も含めた経理業務全般のアウトソーシングです。経理代行では、記帳代行に加えて請求書発行や入金管理など、一般的に会社の経理担当者が行う業務全般を代行します。そのため、多くの場合、経理代行業者からスタッフが派遣され、社内に常駐する形で経理代行業務にあたります。

税務申告は税理士でなければ代行できない

経理代行と聞くと、「決算申告までまとめて依頼できるのでは」と考える方がいるかもしれません。しかし、税務書類の作成や税務申告の代行は税理士にしかできない業務です。税理士ではない経理代行業者に経理代行を依頼すると、決算申告の際に改めて税理士への依頼が必要になるため注意しましょう。

経理代行で依頼できる業務内容

経理代行を利用することで、経理の手間は大幅に軽減できます。経理代行サービスで依頼できる業務内容について、具体的に見ていきましょう。

記帳業務

記帳業務とは、日々の取引を帳簿に記載する業務です。取引に伴う入出金を仕訳して会計ソフトに入力し、現金出納帳、預金出納帳、試算表、総勘定元帳などの帳簿を作成します。

給与計算

経理代行には、給与計算を依頼することも可能です。給与計算に関わる業務としては、毎月の給与計算の他、それに伴う勤怠管理なども含まれます。

売掛金・買掛金管理

売掛金や買掛金の管理も、経理代行に依頼できる業務の1つです。入金や支払いの予定にもとづき、売掛金の請求漏れや入金漏れ、買掛金の支払い漏れがないかどうかを管理・確認します。

支払い・振り込みの代行

支払いや振り込みは、インターネットバンキングが定着してきた現在でも手間のかかる業務です。経理代行業者に依頼すれば、振込先や振込内容の登録までを行ってもらうことができ、その内容を自社で確認して決済をするだけとなり、業務の手間を削減できます。

経費精算

営業活動や出張などで社員が費用を立て替える経費精算も、経理代行に依頼できる業務です。領収書を整理して経費の記帳なども行います。

請求書の発行

経理代行では、請求に関わる業務を代行することも可能です。請求書を作成してメールや郵便で発送し、入金の確認、請求書などのファイリングも行います。

年末調整業務

年末調整とは、1年間の収入が確定した時点での正確な所得税額を計算し、あらかじめ毎月の給与から天引きされていた所得税額(源泉徴収額)との過不足を調整することです。毎年11月~12月に年末調整によって還付額や徴収額を計算します。年末調整は税に関わる業務のため、税理士のいる経理代行先に依頼する必要があります。

決算・申告業務

決算とは、一定期間の収入と支出を計算して、利益や損失を確定させることです。決算で確定した内容をもとに納めるべき税額を計算し、確定申告を行います。法人の申告には決算報告書の他にもさまざまな税務申告書の作成・提出が必要ですが、税理士事務所や税理士法人に依頼すれば、これらの決算・申告に関わる業務を代行してもらうことも可能です。
なお、税務書類の作成や税務申告の代行も、税に関わる業務のため税理士でないと代行できません。

経理代行で依頼できない業務は?

経理代行サービスでどの業務を請け負うかは依頼先によって異なります。経理代行とうたっている業者であっても、実際に行っているサービスは記帳代行のみにとどまるケースもあるため注意しましょう。

また、経理代行では財務部分の業務は代行できません。具体的には、融資の申し込みなどの資金調達業務や予算管理業務、投資やM&Aなどの資産運用業務が対象外となります。

経理代行を依頼するメリット

経理代行は経理に関わるさまざまな業務に対応できますが、依頼することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、経理代行のメリットを紹介します。

本業に専念できる

創業間もない会社や中小企業では、経理専任の担当者を置かず経営者や他の従業員が経理業務を兼務することは珍しくありません。専門知識を持たない方が経理業務を担当すると、慣れない作業で手間や時間がかかり、本業に支障をきたす可能性があります。経理代行を導入することで経理業務の時間を割く必要がなくなり、本業に集中できるようになるのは大きなメリットでしょう。

人件費の削減ができる

経理代行は、人件費の削減ができることもメリットです。経理担当者を雇用すれば、経理業務を一手に任せられますが、毎月の給与の支払いや社会保険料の負担などが発生します。また、採用コストや教育コストなどの間接的な費用も必要になるでしょう。経理代行を依頼することで、それらのコストを削減できます。

経理代行を依頼するデメリット

経理代行を依頼することでメリットがある一方、デメリットもあります。経理代行の依頼を検討するには、メリットとデメリットを理解しておくことが必要です。ここでは、経理代行を依頼するデメリットを紹介します。

社内の経理担当者を育成できない

経理代行業者に経理業務を依頼すると、従業員の経理スキルを育てることができません。その会社特有の知識やノウハウが内部で引き継がれないのは、経理代行のデメリットです。

外注のためコストがかかる

常駐で経理代行を依頼する場合、相場は1日あたり1万5,000~2万円程度といわれています。数か月に一度など、実際に顔を合わせる頻度が少ない場合は費用も抑えられるかもしれませんが、対面頻度が少ないほど自社の経理業務に対して適切な対応ができなくなる可能性もあります。外注費としてコストがかかるという点はデメリットといえるでしょう。

税務申告に関しては税理士への依頼が別途必要

前述した通り、税務申告の代行は税理士にしかできません。税務を扱っていない経理代行業者に経理代行を依頼する場合は、決算申告の際に改めて税理士への依頼が必要になります。税理士に依頼する手間とコストがかかってしまう点も、デメリットの1つです。

経理代行の依頼先を選ぶポイント

経理代行の依頼先は、税理士事務所や経理代行会社などさまざまです。依頼先を選ぶ際には下記のようなポイントに注意しましょう。

自分と相性が良いかどうか

継続して経理業務を代行してもらう以上、お互いの信頼関係は大切です。できれば事前に直接会って面談し、うまくコミュニケーションがとれそうか確認しておきましょう。

税理士がいるかどうか

年末調整や税務申告の代行を依頼したいと考えている場合は、税理士がいるかどうかは重要なポイントです。法律上、これらの業務は税理士でなければ代行できないため、税理士事務所や税理士法人に依頼するようにしましょう。

経理代行・記帳代行の依頼先を無料で手軽に探す方法

税理士に経理代行を依頼したいと思っても、自力で税理士を探そうとすると手間や時間がかかります。そのような場合は、弥生株式会社の「税理士紹介ナビ 新規ウィンドウで開く」がおすすめです。

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「税理士紹介ナビ」はこんな方におすすめ

「税理士紹介ナビ」は、特に次のような方におすすめです。

初めて会社を設立する方

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起業後の会計処理や決算が不安な方

会社を運営するうえでは、法人税や地方税、消費税など、さまざまな税や固定資産の知識が必要になります。そのような場合も、会計処理や決算に関することをまとめてプロに相談できます。

できるだけ節税したい方

「節税したいが方法がわからない」という方にも「税理士紹介ナビ」はおすすめです。税理士からのアドバイスで節税方法を理解できれば、戦略的な経営にも役立つでしょう。

記帳業務を丸ごとプロに任せたい方

日々の取引を記帳するには手間や労力がかかります。売上が増えるとともに経理作業量も増え、負担が大きくなってしまうでしょう。記帳業務を税理士に丸投げできれば、その分しっかり本業に集中できるようになります。

経理代行サービスを賢く利用して日々の経理の手間を省こう

経理代行によって自社の経理業務をどこまでアウトソーシングするかは、依頼先や依頼内容によって異なります。「常駐して経理全般を担ってもらいたい」「記帳代行だけ頼みたい」など、経営者の考え方によっても重視するポイントは変わってくるでしょう。

また、依頼したい業務に税務申告や年末調整を含むのであれば、税理士のいる税理士事務所や税理士法人などに依頼する必要があります。「どうやって税理士を探したら良いかわからない」という場合は、ぜひ弥生の「税理士紹介ナビ 新規ウィンドウで開く」をご活用ください。

監修:森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。
URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/ 新規ウィンドウで開く
著書に「プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて 新規ウィンドウで開く」がある。

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