消費税設定に迷った際の確認ポイント

 『弥生会計 Next』は、製品にログイン後、いくつかの質問に回答することで
お客さまの状況に沿った[初期セットアップ]が表示され、初期設定を進めることができます。

[初期セットアップ]内の[消費税を設定しよう]から設定した内容は、画面左側[設定]-[事業所]の[消費税設定]タブより、確認や変更が可能です。

弥生会計Nextの事業所設定画面。消費税の課税方式、経理方式、少額特例の適用などを設定する項目が表示されています。

こちらのページでは、上記[消費税設定]タブの項目に沿って、確認ポイントを解説します。

仕訳入力後に消費税設定を変更した場合、仕訳修正が必要になることがあります。
消費税設定は帳簿付けの開始前に行いましょう。

このページに記載の内容は、あくまでも一般的な判断基準です。
より詳細な確認をする場合、税理士か税務署にご相談ください。

免税か課税か?

<設立初年度・2期目の法人>

チェックリスト

下記2点に1つでも該当する場合は、課税事業者となります。
該当しない場合は、基本的に免税事業者です。

  1. (1)

    インボイス登録番号(適格請求書番号)が付与されている

  2. (2)

    資本金の金額が1,000万円以上

(1)インボイス登録番号(適格請求書番号)が付与されている

確認書類:適格請求書発行事業者登録通知書/自社の請求書

▼「適格請求書発行事業者登録通知書」
インボイス登録を行うと、税務署から届く書類です。

▼自社の請求書や領収書
「登録番号:Tから始まる13ケタの番号」の記載がある場合は、インボイス登録番号が付与されています。

インボイス対応の請求書サンプル。請求書内に適格請求書発行事業者の登録番号が記載されている箇所を示しています。
インボイス対応のレシートサンプル。店舗情報の下に事業者登録番号が印字されている箇所を示しています。
(2)資本金の金額が1,000万円以上である

確認書類:登記簿謄本(履歴事項全部証明書)/定款

<3期目以降の法人>

チェックリスト

下記2点に1つでも該当する場合は、課税事業者となります。
該当しない場合は、基本的に免税事業者です。

  1. (1)

    インボイス登録番号(適格請求書番号)が付与されている

  2. (2)

    前々年度の課税売上が1,000万円を超えている

(1)インボイス登録番号(適格請求書番号)が付与されている

インボイス登録番号の有無の確認については、上記<設立初年度・2期目の法人>のチェックリスト(1)をご参照ください。

(2)前々年度の課税売上が1,000万円を超えている

確認書類:前々年度(2期前)の損益計算書(P/L) ※売上がわかる資料

損益計算書を用いて、消費税の基準期間となる前々年度(2期前)の売上高合計金額を確認する箇所を示しています。

売上高が1,000万円を超えているかを確認します。

(注意)厳密には課税売上高で判定をします。 
正確な課税売上高を確認する場合は、税理士か税務署にご相談ください。

一般課税か簡易課税か?

前提

簡易課税を選択できるのは前々年度の課税売上が5千万円以下の事業者です。
簡易課税制度についての詳細は簡易課税制度とは?計算方法や届出書の書き方をわかりやすく解説をご確認ください。

チェックリスト

下記2点に1つでも該当する場合は、簡易課税選択事業者と考えられます。
該当しない場合は、一般課税となります。

  1. (1)

    「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している

  2. (2)

    直近の消費税申告書(提出時の控え)の右上に「○簡」または「(簡易課税用)」と記載がある

(1) 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している
消費税簡易課税制度の適用を受けるために、税務署へ提出する消費税簡易課税制度選択届出書のフォーマットです。
(2) 直近の消費税申告書(提出時の控え)の右上に「○簡」または「(簡易課税用)」と記載がある
消費税申告書第一表における一般課税用と簡易課税用の比較。右上の印などでどちらの申告書かを見分けられます。

事業所が簡易課税を選択しているかについては、所轄の税務署に電話で確認することも可能です。
電話での確認を希望する場合は、本人確認ができる状況で、所轄の税務署にお問い合わせください。

一般課税(比例配分)か一般課税(個別対応)か?

仕入れや経費を支払うときに含まれている消費税のうち、どのくらいの消費税を差し引いて消費税納付額を計算するか(控除するか)の方法を設定します。

  • 比例配分: 課税売上割合に応じて控除する消費税を計算(簡易的)

  • 個別対応: 取引ごとに「課税売上用」「非課税売上用」などに分けて計算(煩雑だが節税となるケースがある)

各方式の違いについて、詳細は消費税の個別対応方式と一括比例配分方式の違いをご確認ください。

「課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上」の場合は、仕入れや経費にかかった消費税額は全額控除となるため、どちらの設定であっても消費税の計算結果は同じとなります。

上記条件を満たさない場合に、「比例配分」か「個別対応」かの設定によって納税金額に影響が生じます。

どちらの方式を採用するべきかについては税務判断となるため、税理士か税務署にご相談ください。

(補足)

消費税申告書の付表を確認することで、直近の申告が「全額控除」・「比例配分」・「個別対応」どちらで計算されたかを判別することが可能です。

確認書類:直近の消費税申告書「付表2-3 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」

▼「課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上」で全額控除となった場合

消費税申告書の付表2-3。課税売上高5億円以下かつ課税売上割合95%以上の場合の、全額控除の計算箇所です。
付表2-3 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表

▼比例配分の場合

消費税申告書の付表2-3。一括比例配分方式を用いて、課税仕入れ税額の合計に課税売上割合を掛けて計算する箇所です。

▼個別対応の場合

消費税申告書の付表2-3。個別対応方式を用いて、課税売上対応分と共通対応分を分けて仕入税額を計算する箇所です。

課税開始日について

基本的には「期首から」を選択します。

例外として、現在設定している会計期間の途中でインボイス(適格請求書)を取得した場合に限り
「期の途中から」を選択し、「開始日」にインボイスの登録日を入力します。

インボイスの登録日については、国税庁の 適格請求書発行事業者公表サイト にて登録番号(T番号)をもとに検索することができます。
登録年月日がインボイスの登録日(課税開始日)です。

経理方式について

<課税方式>

決算書に表示する金額が税込・税抜どちらなのか に基づいて設定します。 なお、一度選択した方式は、原則として継続して適用されます。

  • 税込経理: 計算がシンプル

  • 税抜経理: 正確な損益管理が可能(消費税を除いた本来の収益・費用が明確)

確認書類: 直近の損益計算書(P/L)

損益計算書のサンプル。消費税の計算や課税事業者の判定基準となる、売上高合計の確認箇所を示しています。

売上高が税込金額で記載されている →税込経理

売上高が税抜金額で記載されている →税抜経理

<(内税)(外税)(別記)の選択 ※税抜経理のみ>

売上や経費の金額を 『弥生会計 Next』 にどのように入力するかに基づいて設定します。

税抜(内税):  税込金額のみ入力(消費税額は自動計算)

税抜(外税):  税抜金額のみ入力(消費税額は自動計算)

税抜(別記):  本体価格と消費税額を分けてそれぞれ入力

少額特例(事務負担の軽減措置)とは?

税込1万円未満の仕入や経費について、インボイス(適格請求書)の記載がなくても消費税の計算で全額差し引くことができる特例です。
通常は、仕入や経費の消費税を差し引くためにはインボイス(登録番号付きの請求書や領収書)が必要ですが、
この特例を使うと、1万円未満の支払いであれば、インボイスがなくても控除することが可能です。

特例を適用する場合は、帳簿(仕訳日記帳など)に取引内容を記録して保存しておく必要があります。

<『弥生会計 Next』での設定> ※一般課税の方のみが行う設定です

下記の条件に該当し、特例を適用する場合は「適用する」を選択します。

【適用期間】

2023年10月1日 ~ 2029年9月30日

【適用事業者】

基準期間(前々事業年度)における課税売上高が1億円以下

または特定期間(前年度前半6カ月)における課税売上高が5千万円以下