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大学生でも副業は可能?副業を行うメリットと注意点を解説

監修者:齋藤一生(税理士)

2024/08/22更新

大学生でも副業で収入を得ることは可能なのか、知りたいと思ったことはありませんか?大学生にとって本分はあくまでも「学業」ですが、空いた時間を有効活用して何か仕事をしてみたいと考えている方もいるはずです。

本記事では、大学生が副業に取り組むメリットや注意点、大学生向きの副業についてわかりやすく解説します。副業の収入が増えた場合に気を付けておきたいポイントにも触れていますので、参考にしてください。

大学生の本分はあくまでも学業である

始めに結論からお伝えすると、大学生でも副業で収入を得ることは可能です。社会人が本業のかたわら副業に取り組むこともあるように、大学生が学業のかたわら副業をしてはいけないといったルールはありません。

副業とアルバイトの違いとは?

副業とは、本業以外で収入を得ることを指します。学生の本分が学業である以上、学業以外の取り組みを通じて収入を得るという意味では、アルバイトも副業に含まれると考えてよいでしょう。

アルバイトは短時間労働者(パートタイム労働者)の一種で、パートタイム労働法によって、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義されています。

副業にはアルバイト以外にも業務委託契約や単発契約、アフィリエイトなどが含まれており、本業以外の幅広い働き方が該当する点がアルバイトとの違いといえます。

大学生が副業するメリット

大学生が副業に取り組むことで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主な6つのメリットについて解説します。

就職活動に役立つ

副業を通じて収入を得た経験は、就職活動の際に役立つ可能性があります。厚生労働省が公表した資料によれば、社会人のうち副業をしている人の割合は全体の9.7%です。

近年は働き方が多様化しているとはいえ、9割以上の社会人には副業の経験がありません。学生時代から学業と副業を両立してきた経験があれば、能力や積極性を高く評価される可能性があります。

将来起業したい人の経験になる

副業の経験は、将来起業したい人にとって貴重な財産となります。副業は自主的に案件を探したり、仕事の進め方を工夫したり、自己管理に注意を払ったりしなくてはなりません。

起業に関しても、あらゆることを自分の意思で決め、実行していく点は基本的に同じです。与えられた仕事をこなすのではなく、自ら動いて収入を得た経験があるかどうかは、起業するにあたって大きな差となることも考えられます。

時間と場所の融通が利きやすい

副業として選べる仕事内容には幅広い選択肢があるため、副業の内容によっては時間や場所の融通が利きやすいといえます。

例えば、大学の講義や研究を終えた後の時間帯を活用して副業に取り組んだり、休日に集中して副業を進めたりすることも可能です。このような副業の働き方であれば、学業との両立がしやすい点が大きなメリットといえます。

経済的な余裕ができる

副業が軌道に乗れば、まとまった収入を得られる可能性も十分にあります。一般的なアルバイトでは時給が固定されているか、昇給したとしてもごくわずかというケースが少なくありません。

一方、個人ビジネスに該当する副業によって得られる収入には上限がないため、能力や取り組み方しだいでは多くの収入につながる可能性もあるのです。経済的な余裕が生まれ、挑戦したいことや学生時代にやっておきたいことに積極的に投資できるでしょう。

得意分野でチャレンジできる

自分の得意分野や能力を発揮しやすい分野にチャレンジできることも、副業のメリットの1つです。前述したように、副業ではアルバイトに限らず、業務委託や単発契約、アフィリエイトなど幅広い働き方や仕事内容を選べます。

仕事の選択肢が広がることによって、一般的なアルバイトの求人では見かけないような仕事に出会え、自分の得意分野や能力を発揮しやすい仕事に取り組める可能性が出てきます。

服装や髪型が自由なことが多い

個人ビジネスに該当する副業の多くは服装や髪型の制約がないことが多いため、自由な身なりで働ける点もメリットです。副業の内容によっては、在宅で仕事を進められる場合もあります。

接客がメインのアルバイトでは服装・髪型のルールが決められていることが多いことを踏まえると、自由度の高い働き方といえます。

大学生でも可能な副業の種類

大学生が学業と両立して取り組むのに向いている副業には、どのようなものがあるのでしょうか。得意分野を活かした副業や、コツコツと続けることで収入につながる副業の例を見ていきましょう。

得意分野を活かした副業

自分の得意分野や興味ある分野の副業を選ぶと、前向きに仕事に取り組みやすくなるほか、継続しやすい傾向があります。得意分野を活かせる主な副業としては、以下のようなものがあげられます。

Webライティング

Webページなどに掲載される記事を執筆するのがWebライティングの仕事です。文章を書くことが好きで、主にWebページを検索して情報収集するのが得意な人であれば、副業として成立する可能性があります

。パソコンとインターネット環境さえあれば始められるため、初期コストが少なくて済む点も大きなメリットです。

写真撮影・販売

フォトグラファーとして写真撮影をしたり、撮影した写真を作品として販売したりする副業もあります。スキル販売サイトや写真販売サイトに会員登録すればすぐに始められることから、写真を撮ることが好きな人に適した副業といえます。

最近のスマートフォンやタブレットには高性能のカメラが搭載されているため、高額なカメラを準備しなくても写真の撮影や販売は可能です。

プログラミング

プログラミングは、趣味や大学の授業で学んだことがある人が、スキルを活かして取り組める副業です。Webページ構築やCMSのカスタマイズなど、幅広い案件の中から得意なプログラミング言語やスキルレベルに合わせて選べます。

クラウドソーシングにも案件が多く掲載されているので、スキルさえあれば始めやすい副業といえるでしょう。

ハンドメイド

アクセサリーや雑貨といった手作りした作品を、ハンドメイド販売サイトなどで販売する副業もあります。元々ハンドメイドの制作が趣味の人にとって、趣味をそのまま副業に活かせる可能性があります。制作する点数やペースを自分で決められるため、学業と両立しやすい点も大きなメリットです。

YouTube・動画編集

YouTubeにチャンネルを開設して得意分野について情報発信をしたり、企業や個人から動画制作の案件を引き受けたりすることで収入を得ることができます。

本格的に取り組むなら高性能なパソコンや専用ソフトを用意する必要がありますが、簡単な編集作業であればスマートフォンやタブレットでも対応できる場合があります。

趣味で動画を編集したことがある人であれば、知識やスキルを活かして取り組めるはずです。

デザイン・イラスト制作

デザインやイラスト制作は、キャラクターデザインやロゴデザイン、イラスト制作の案件を受注して報酬を得る仕事です。デザインやイラストに興味があり、趣味で描いていた人はスキルを活かせます。

制作物の納品が報酬支払いの条件となる案件が多いことから、納期にさえ間に合えば自分にとって都合のよいタイミングで仕事を進められる点もメリットです。

電子書籍・ブログ記事の販売

電子書籍を制作して販売したり、有料記事を販売できるブログサービスで収入を得たりする仕事が電子書籍やブログ記事の販売です。

過去に自分が困ったこと・悩んだことの解決策など、自分の知識や経験を書籍化・記事化することで、同じ悩みや課題を抱えている人に読んでもらえる可能性があります。

本や記事を書けば必ず売れるとは限らないものの、書き手として注目されればまとまった収入につながることもあるでしょう。

翻訳

語学力を活かして翻訳や通訳を副業にすることも可能です。翻訳といっても求められる語学力は幅広く、研究論文や専門書から一般消費者向けのメディアや商品説明などまで、さまざまな案件の中から自分に合ったものを選べます。

初めは未経験者でも応募可能な案件から挑戦し、徐々に実績を積み重ねていくことでまとまった収入を得ることも可能です。

続けることが得意な人向けの副業

スキルのあるなしにかかわらず、コツコツと地道に続けていくことで収入を得られる副業もあります。主な仕事の例を7つご紹介します。

アフィリエイト

アフィリエイトは、ブログなどに広告を出し、広告経由で商品購入や問い合わせなどにつながった場合に報酬を得られるしくみです。

ブログ自体は無料で始めることもできるため、初期費用をかけずに挑戦できます。ただし、収益が発生するまでに半年~1年以上かかることも珍しくないため、ブログ運営そのものを楽しめる人に向いているといえます。

せどり

せどりは、仕入れた商品をオークションやフリマアプリなどで販売し、仕入額と販売額の差額から収益を得る仕事です。

商品を安く仕入れるコツをつかみ、適切な価格で販売することで着実に収益を増やせる点がメリットといえます。なお、中古の書籍やゲームソフト、おもちゃ、洋服などを仕入れて販売する際には、古物商許可が必要になる点に注意してください。

LINEスタンプの販売

LINEスタンプを制作し、クリエイターズマーケットで販売して収入を得ることもできます。登録・販売は無料で行えるため、初期費用をかけずに始められる点がメリットです。

その一方、スタンプが売れなければもちろん収益は得られず、売れた場合でも手数料を差し引いた売上金の一定割合が振り込まれるため、1件当たりの収益が少額になりやすい傾向があります。

絵を描いたり、デザインを制作したりするのが好き、なおかつコツコツ続けるのが苦にならない人に向いている副業です。

アンケートモニター

アンケートモニターは、企業が実施しているアンケートに協力することで、謝礼を受け取る副業です。案件数が非常に多く、幅広いジャンルでアンケートモニターを募集しているため、空いた時間を活用して手軽に収入を得られます。

1件当たりの報酬は低い案件が多いものの、条件があるために対象者が限られているアンケートが見つかれば、高額報酬を得ることも可能です。

データ入力

データ入力は、指定されたフォーマットに文字や数字を入力していく仕事です。効率良く収入を得るにはタイピングの速さが求められますが、特別な知識やスキルがなくても始めやすいうえ、パソコン1台で完結するため、1人で黙々と作業したい人に適しています。

ポイ活

ポイントサイトに登録し、アンケートに回答したり、広告を視聴したりすることでポイントを貯めていくポイ活も副業となります。

貯まったポイントは現金や電子マネーに換金したり、ギフト券などと交換したりできます。スマートフォン1台でも取り組めるため、移動時間など隙間時間を活用して副業に取り組みたい人に向いています。

採点・添削

試験の採点や教材の添削を引き受け、答案の枚数に応じて報酬を得る仕事もあります。まとまった収入を得るには多くの量をこなす必要があるものの、期限にさえ間に合えば自分にとって都合のよい時間帯に進められます。試験や添削教材は定期的に採点・添削案件が発生するため、継続して受注しやすい点もメリットです。

大学生の副業で気を付けたいこと

大学生が副業に取り組むにあたって、いくつか気を付けておきたい点があります。次にあげる4点に関しては、副業を始める際にきちんと理解しておくことが大切です。

学業の時間はきちんと取る

副業に取り組むのであれば、学業の時間を確保したうえで副業に使える時間を充てる必要があります。学生の本分はあくまでも学業です。副業が忙しくなったからといって、学業のための時間が取れないといった状況に陥らないよう十分に注意してください。

試験勉強やレポート作成などに必要な時間も加味したうえで、副業にどれだけ時間を確保できるかを先に計算しておくことをおすすめします。

すぐに収入になるとは限らない

副業の内容によっては、始めた直後から収入が得られないものもあります。例えば、写真販売やLINEスタンプ販売の場合、購入者が1人も現れない可能性があるからです。

副業を始める際には、できるだけ初期費用を抑えられる仕事や、ランニングコストがあまり必要ない仕事から挑戦することをおすすめします。最初から高額な機器を購入するなど、回収できるか不透明なコストをかけないほうが無難です。

危ない副業は避ける

世の中には副業案件を装って犯罪行為に加担させる「闇バイト」や、詐欺などの手口が少なからず存在します。不自然に高額な報酬を提示しているものや、仕事内容が明確に示されていないもの、FXや暗号資産のように損をするリスクのあるものは避けるべきです。

こういった副業案件の募集はSNS上で見られるため、特に初心者のうちは副業案件をSNS上で探すのは避け、信頼性の高い求人サービスなどを活用するのが安心です。

親の扶養から外れる可能性がある

大学生の場合でも年間の副業収入がアルバイトの場合は103万円、雑所得や事業所得の場合は所得が48万円をそれぞれ超えると、税制上の扶養から外れることになります。この場合、副業をしている本人に所得税がかかるだけでなく、扶養者である親に扶養控除が適用されなくなり、親の税負担が増える点に注意が必要です。

大学生の副業でも確定申告が必要

大学生は本業が学生なので、副業の所得が年間48万円を超えた場合や、勤労学生控除を受ける場合には所得税の確定申告が必要です。

所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額のことを指しています。副業でも雑所得や事業所得であれば経費は計上できます。副業をするうえで、必要な仕入や経費は、しっかりと計上しましょう。

経費は副業の種類によって異なりますが、例えば、ハンドメイド制作に必要な材料費やブログ運営に必要なインターネット回線使用料などは経費になります。

副業の取引先によっては、適格請求書(インボイス)の発行を求められるケースも出てきます。

適格請求書発行事業者となった場合、適格請求書(インボイス)の発行と保存、所得税の確定申告とは別に、消費税の申告と納税が必要です。学生の副業といっても事業ですので、所得税や消費税の申告を忘れずに行い、きちんと納税しましょう。

大学生でも副業は可能!自分の力で収入を得る経験を積んでいこう

大学生でも副業に取り組んで収入を得ることは可能です。学業への影響を考慮したうえで、学生時代から副業に挑戦し、知識やスキルを習得してきた経験は、将来活かせる可能性が十分あります。今回紹介した副業の具体例や取り組む際の注意点を参考に、自分に合った副業を見つけてください。

なお、副業で収益が出たら、確定申告が必要になります。確定申告の準備には、初めての大学生でも手軽に帳簿付けを進められる「やよいの白色申告 オンライン」の活用がおすすめです。

無料で利用できる「やよいの白色申告 オンライン」では、雑所得の確定申告はできませんが、その情報を転記することで国税庁の確定申告サイトから確定申告をすることもできます。確定申告をスムースにできるよう、ぜひ導入をご検討ください。

バックオフィス業務は弥生のクラウドソフトで効率化

事業所得になる副業の確定申告は会計ソフトを使って楽に済ませよう

会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。

事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムースに行えます。

副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。

なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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