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インボイス制度の登録番号はいつ発行される?申請手順と併せて解説

監修者:宮原 裕一(税理士)

2023/12/26更新

インボイス制度の開始に伴い、適格請求書(インボイス)発行事業者となる場合には、登録申請をして登録番号を取得する必要があります。

この登録番号は、適格請求書の交付に欠かせない記載要件のひとつで、事業者ごとに発行されるものです。登録番号はいつ発行されるのか、登録申請の手順と併せて解説します。

インボイス制度の登録番号とは?

2023年10月1日から、インボイス制度が開始されました。インボイス制度は、取引先に正確な消費税率と税額を伝えるための制度ですが、適格請求書の記載要件のひとつに登録番号があります。

登録番号とは、適格請求書(インボイス)を交付する際に記載しなければならない番号です。適格請求書発行事業者ごとに異なる番号で、管轄の税務署へ「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、発行してもらいます。

登録番号は、法人の場合は「T+法人番号」となります。個人事業主などは、「T+13桁の数字」です。この登録番号を含む適格請求書発行事業者に関する情報は、国税庁の「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト 新規タブで開く」にて公表されます。

インボイス制度の登録番号はいつ発行される?

適格請求書発行事業者として登録申請すると、登録番号が発行されます。前述のように、適格請求書を発行するには、その番号を記載しなくてはなりません。申請後、登録番号が発行されるまでの期間は、申請方法によって異なります。

申請方法別に登録番号が発行されるまでのおおよその期間は、下記のとおりです。

インボイス制度の登録申請から登録番号発行までの期間

  • e-Taxの場合:約1か月
  • 書面申請の場合:約1か月

(注) 2023年11月現在

インボイス制度はすでに開始されていますので、適格請求書発行事業者に登録する場合は、速やかに対応するためにもなるべく早く登録申請をするようにしましょう。登録申請書の記載漏れや記載ミスなどがあった場合は、登録番号が発行されるまでに、上記よりもさらに時間がかかってしまうため、記載ミスなどには十分な注意が必要です。

登録番号は適格請求書の記載要件のひとつ

登録番号は適格請求書の記載要件のひとつで、登録番号の記載がないと適格請求書として取り扱うことができません。

インボイスとは、記載要件を満たした請求書を含む証憑書類のことで、正式名称を「適格請求書」といいます。名称に「請求書」とありますが、請求書だけではなく、領収書や納品書、見積書など、適格請求書の記載要件を満たしている証憑は適格請求書として取り扱うことができます。

インボイスには、現行の請求書である区分記載請求書に記載すべき事項が追加されます。適格請求書に記載しなければならない項目は下記のとおりです。

適格請求書に記載すべき事項

  • (1)発行者の氏名または名称
  • (2)取引年月日
  • (3)取引内容
  • (4)取引金額
  • (5)交付を受ける事業者の名前
  • (6)軽減税率の対象品目である旨
  • (7)税率ごとに合計した対価の額
  • (8)税率ごとの消費税額及び適用税率
  • (9)登録番号

一般的な領収書には(1)~(5)までの記載が必要ですが、区分記載請求書には、これに加えて(6)と(7)を記載しなければなりません。さらに、(8)と(9)が、インボイス制度で新しく記載が義務付けられます。
なお、(9)の登録番号が、インボイス制度の登録申請によって通知される番号です。

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インボイス制度の登録申請に必要なもの

インボイス制度の登録申請する際には、下記のものが必要です。取得方法などと併せてご説明します。

  • マイナンバーカードなどの電子証明書(パソコンまたはスマートフォンで申請する場合)

  • 利用者識別番号(パソコンまたはスマートフォンで申請する場合)

    利用者識別番号は16桁の識別番号のことで、電子申告をするために必要な番号です。e-Taxで取得できます。

  • 適格請求書発行事業者の登録申請書(書面で申請する場合)

    適格請求書発行事業者の登録申請書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。

  • マイナンバーカードなどの本人確認書類(個人事業主が書面で申請する場合)

    マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードなどの番号確認書類と運転免許証などの本人確認書類が必要です。

適格請求書発行事業者の登録申請の手順

適格請求書発行事業者の登録申請をする方法は、パソコン、スマートフォン、書面送付の3つです。パソコンおよびスマートフォンは、e-Taxにアクセスして登録申請を行う方法です。それぞれの具体的な登録申請方法や手順についてご説明します。

パソコンを利用して登録申請する場合

パソコンでe-Taxにアクセスして適格請求書発行事業者の登録申請することができます。具体的な手順をみていきましょう。

登録申請の手順

  • 1.
    事前準備

    パソコンで登録する場合、マイナンバーカードなど、電子証明書が必要です。e-Taxで利用できる電子証明書については、e-Taxの「電子証明書の取得 新規タブで開く」で確認できます。

    なお、e-Taxでの申請はe-Taxソフト、もしくはe-Taxソフト(WEB版)のどちらでも可能です。e-Taxソフトを利用する場合は、事前にソフトのダウンロードおよび最新バージョンへのアップデートをしておきましょう。

  • 2.
    登録するための申請データを作成し送信する

    電子証明書を取得したら、登録申請のためのデータを作成します。このとき、e-Taxソフト(WEB版)を利用する場合は、問答形式となります。画面に表示された質問に回答しながら、登録申請書の作成を進めてください。

    e-Taxソフトを利用する場合は、帳票形式です。画面上で、「適格請求書発行事業者の登録申請書」に必要事項を入力していきます。申請データを作成したら、画面の指示に従って登録・申請します。

  • 3.
    登録通知データを確認する

    登録申請したら、通知データが送られてきますので、内容を確認しましょう。

スマートフォンで登録申請する場合

スマートフォンで登録申請をする場合は、スマートフォンからe-Taxソフト(SP版)にアクセスして登録申請書を作成します。なお、スマートフォンで登録申請するには、マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンが必要です。また、スマートフォンで登録申請ができるのは国内の個人事業主のみです。

スマートフォンで登録申請をする具体的な手順は下記のとおりです。

登録申請の手順

  • 1.
    e-Taxにマイナンバーカードでログインする

    国税庁の「インボイス制度特設サイト」の「申請手続き」から「e-Taxソフト(SP版)」を開き、マイナンバーカードによるログインを実施します。ログインの際、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取りますが、マイナンバーカードの読み取りにあたっては、マイナポータルのダウンロードが必要です。画面の案内に従ってインストールしましょう。

  • 2.
    利用者識別番号を取得・登録する

    ログインしたら、氏名・生年月日などの必要項目を入力し、利用者識別番号を取得・登録します。すでにマイナンバーカードに利用者識別番号が登録されている場合は、この手順は不要です。

  • 3.
    登録申請データを作成する

    登録申請手続きを選択すると、登録申請データの作成に必要な項目が問答形式で表示されますので、画面にしたがって、入力していきます。

  • 4.
    登録申請データを送信する

    登録申請データの作成が完了したら、電子署名の付与画面になります。電子署名を行い、登録申請データを送信してください。電子署名とは、作成したデータが本人によるものであり、改ざんされていないことを証明するものです。マイナンバーカードに格納された電子証明書をスマートフォンで読み取ることで、電子署名を行ったことになります。

書面で登録申請する場合

適格請求書発行事業者の登録申請は、書面でも可能です。その場合は、国税庁のWEBサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入します。申請書は2枚あります。記入漏れ、送付忘れなどないよう注意しましょう。

適格請求書発行事業者の登録申請書

適格請求書発行事業者の登録申請書(次葉)

登録申請書は、課税事業者と免税事業者とで記入箇所が異なります。それぞれの記入・登録申請の手順は下記のとおりです。

課税事業者の登録申請の手順

初葉(1枚目)

  • 1.
    「申請者」の欄に必要事項を記入します
  • 2.
    「事業者区分」欄の「課税事業者」のチェックボックスにチェックを入れます

次葉

  • 3.
    「登録要件の確認」欄の該当するチェックボックスにチェックを入れます
  • 4.
    管轄税務署のインボイス登録センターに送付します

免税事業者の登録申請の手順

初葉(1枚目)

  • 1.
    「申請者」の欄に必要事項を記入します
  • 2.
    「事業者区分」欄の「免税事業者」のチェックボックスにチェックを入れます

次葉

  • 3.
    「免税事業者の確認」欄上段の「令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受け、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第4項の適用を受けようとする事業者 ※登録開始日から納税義務の免除の規定の適用を受けないこととなります。」のチェックボックスにチェックを入れます
  • 4.
    個人事業主は、「個人番号」欄に個人番号を記入します。
    法人は、「法人のみ記載」の「事業年度」「資本金」欄に記入します。
  • 5.
    「事業内容等」欄に必要事項を記入します
  • 6.
    「登録希望日」欄に登録を希望する日を記入します
  • 7.
    「登録要件の確認」欄の該当するチェックボックスにチェックを入れます
  • 8.
    管轄税務署のインボイス登録センターに送付します

通常、免税事業者が適格請求書発行事業者となるには、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出して課税事業者となる必要がありますが、2023年10月1日から2029年9月30日までの日の属する課税期間中であれば、次葉の「免税事業者の確認」欄の上段にチェックを入れた場合は、消費税課税事業者選択届出書の提出は必要ありません。

なお、管轄の税務署に直接出向くなどして、申請することはできません。書面での申請はインボイス登録センターへの郵送のみとなりますので注意が必要です。

また、個人事業主の場合、申請書にはマイナンバーカード等本人確認書類の写しも添付します。

管轄の税務署のインボイス登録センターの住所については、国税庁の「郵送による提出先のご案内 新規タブで開く」に記載されています。

適格請求書を発行するために重要な登録番号

登録番号は、適格請求書を発行するうえで非常に重要な記載要件のひとつです。登録番号の記載がない請求書は適格請求書として認められません。事業者ごとに通知されますが、登録番号が通知されると国税庁のサイトでも公表されるため、適格請求書発行事業者であることの証明にもなります。

適格請求書発行事業者として適格請求書を発行する場合には、なるべく早く登録申請をし、登録番号を取得しましょう。

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よくあるご質問

インボイス制度の登録番号とは?

インボイス制度における登録番号とは、適格請求書(インボイス)を交付する際に記載しなければならない番号のことです。適格請求書発行事業者ごとに異なる番号で、管轄の税務署へ「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、発行してもらいます。詳しくはこちらをご確認ください。

インボイス制度の登録申請はいつまでにすべき?

2023年10月1日のインボイス制度の開始から適格請求書を交付するためには、2023年9月30日までに登録申請をする必要があります。詳しくはこちらをご確認ください。

インボイス制度の登録申請に必要なものは?

パソコンまたはスマートフォンで申請する場合にはマイナンバーカードなどの電子証明書・利用者識別番号、書面で申請する場合には適格請求書発行事業者の登録申請書・マイナンバーカードなどの本人確認書類などが必要となります。申請方法によって必要なものが異なりますので、詳しくはこちらをご確認ください。

この記事の監修宮原 裕一(税理士)

宮原裕一税理士事務所新規タブで開く」代表税理士。弥生認定インストラクター。
弥生会計を20年使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。経営者のサポートメンバーとして会計事務所を営む一方、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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