売上原価とは?計算方法や決算整理仕訳のやり方をわかりやすく解説

2023/07/13更新

この記事の監修齋藤一生(税理士)

売上原価は、商品を販売した際にどれだけ利益が出るかを決める重要な数字です。売上原価の求め方や、売上原価にはどのような費用が含まれるのか、改めて確認しておきましょう。

本記事では、業種別の売上原価の考え方や、決算時の売上原価の処理方法のほか、売上原価からわかることなどをまとめて解説します。

売上原価とは、売上が上がった商品に直接かかる経費のこと

売上原価とは、販売した商品を仕入れたり、作ったりする際にかかった経費のことで、仕入代金や材料費などが該当します。

なお、売上原価はあくまでも売上に対しての経費です。「1個100円の商品を500個仕入れて5万円を支払い、そのうち300個が売れた」という場合、売上原価に該当するのは、売れた300個分の仕入れ代金である「100円×300個=3万円」です。

売上原価に含まれる費用

何が売上原価に該当するのかは、業種によって異なります。ここでは、小売業、飲食業、サービス業、製造業、それぞれの業種における、売上原価の範囲を紹介します。

小売業

小売業では、仕入代金のうち、実際に売れた商品分が売上原価に該当します。ただし、棚卸時に数が足りなかったロス分や、経年劣化などによる評価損も、売上原価に含まれます。

飲食業

飲食業では、基本的に食材の仕入れ代金が売上原価となります。光熱費や人件費、割りばしなどの消耗品費といった経費は、売上原価には該当しません。

ただし、焼き鳥店が串打ち専門の職人を雇っている場合など、飲食物を作るためだけに働いている従業員がいるのであれば、その従業員の人件費は売上原価に含まれます。

サービス業

サービスを提供するサービス業では、売上原価はほとんど発生しません。客先にサービスを提供するために必要な外注費は売上原価に該当しますが、それ以外の費用はほぼないといっていいでしょう。反面、広告費や販管費などが高額になりがちな業種です。

製造業

製造業における材料費や製品の製造コストは、販売する商品を製造するためにかかった「製造原価」として計上されます。そのため、製造業では売上原価という言葉は使いません。損益計算書にも、売上原価ではなく製造原価として原価が記載されます。製造原価には材料費のほか、商品製造に携わった従業員の賃金や光熱費なども含まれます。

なお、製造業でも、製造だけでなく自社で小売も行っている場合は、製造原価のほかに売上原価も併せて記載することがあります。

売上原価は損益計算書に記載されている

損益計算書例

引用元:法人決算_弥生会計|経理・会計ソフトなら弥生

売上原価は、損益計算書に記載されています。売上高のすぐ下に書かれていることがほとんどですので、確認してみましょう。

損益計算書(P/L)についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

損益計算書(P/L)とは?項目の見方と収益の読み解き方

売上原価からわかること

売上原価がわかれば、売上が上がった際にどれだけ利益が得られるのかがわかります。

売上に対して売上原価が低ければ、それだけ多くの付加価値を生み出す事業が行えているということになるでしょう。反対に、売上と売上原価の差が少なければ、新たな価値を生み出せていないということです。

売上高から売上原価を差し引いた粗利は、売上原価以外の販管費や広告宣伝費、保険料などを支払う原資です。十分な粗利を出せているかどうかを確認するために、売上原価を正しく算出する必要があります。

無料お役立ち資料【一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた】をダウンロードする

無料お役立ち資料【はじめての会社経営】をダウンロードする

売上原価の計算方法

売上原価は、一般的に売上高から仕入れなどにかかった費用を引いた額です。売上原価の計算方法と、計算例は下記のとおりです。

売上原価の算出方法

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

売上原価はあくまでも売上が上がった商品に対する仕入のみで判断します。そのため、算出には棚卸高の把握が必要です。

売上原価の計算例

  • 売上高:1,000万円
  • 期首商品棚卸高:100万円
  • 当期商品仕入高:500万円
  • 期末商品棚卸高:70万円

上記の場合、売上原価は下記のとおりです。

100万円+500万円-70万円=530万円

また、売上総利益(粗利)は、1,000万円-530万円=470万円となります。

売上原価に関係する決算整理仕訳とは?

決算にあたっては、仕入れて販売しなかった商品在庫は、費用である「仕入」から資産である「繰越商品」に振り替えなければいけません。これを、決算整理仕訳と呼びます。

決算整理仕訳は、期末に在庫数を確認した上で行います。期首商品棚卸高が5万円、期末商品棚卸高が7万円分の場合の決算整理仕訳は、下記のようになります。

決算整理仕訳の例
借方 金額 貸方 金額
仕入 50,000円 繰越商品 50,000円
繰越商品 70,000円 仕入 70,000円

期末商品棚卸高の算出方法

期末商品棚卸高は、会計年度の最終日の商品在庫の金額です。実地棚卸、または仕入や出荷の記録で確認します。実地棚卸と仕入や出荷の記録、それぞれの確認方法についてご説明します。

実地棚卸で確認する

期末商品棚卸高を実地棚卸で確認するには、倉庫などの棚卸を行い、数量を把握します。帳簿上の数量と数が合わない場合は、見落としがないか十分確認した上で、差分の処理を行わなければなりません。

帳簿より実際の在庫数が少ない場合

帳簿上の在庫残数から「棚卸減耗費」として不足分を差し引きます。

帳簿より実際の在庫数が多い場合

仕入の計上を忘れていた際に利用する「繰越商品」という費目を使って仕訳を行います。

仕入や出荷の記録で確認する

期末商品棚卸高を仕入や出荷の記録で確認するには、仕入や出荷をした際の記録を随時とっておき、それにもとづいて棚卸高を算出します。最終的には、実地棚卸在庫と数を照らし合わせる必要があります。

会計ソフトを活用して、売上原価を確認してみよう

売上原価は、粗利の金額を決める数字です。商品にどれだけの付加価値をつけられているのかを把握するために、自社製品の売上原価と粗利を把握しておきましょう。まずは、損益計算書の数字を確認して、売上と売上原価の比率や、粗利の推移を見てみることをおすすめします。

そこで、法人で経理初心者の方に導入をおすすめしたいのが「弥生会計 オンライン」。自力で損益計算書を作るには簿記の知識が必要ですが、会計ソフトを利用すれば特別な知識がなくても、データを正しく入力するだけで作成することができます。自動仕訳も充実していて、カード明細や銀行明細を自動取込・自動仕訳するので、入力と仕訳の手間が省けます。全ての機能が0円から利用でき、はじめての会計ソフト選びにもあんしんです。

また、青色申告をしている個人事業主も損益計算書の作成が必要です。弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」を使うと、書類の作成・提出を簡単に進めることができます。さらに、e-Taxを利用して確定申告書の提出まで可能です。画面はシンプル設計で、難しい操作も必要ないため、迷うこともありません。申告ソフトを活用して、簡単に間違いのない申告を行いましょう。

会計ソフトなら、日々の帳簿付けや決算書作成もかんたん

日々の帳簿付けと法人決算をスムースに進める大きなポイントが、使い勝手の良い会計ソフトを選ぶこと。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」です。

「弥生会計 オンライン」は、初めて会計ソフトを導入する方でもかんたんに使える、クラウド会計ソフトです。初年度無料ですべての機能が使用できるので、気軽にお試しいただけます。

簿記・会計の知識がなくても使える機能と画面設計

「弥生会計 オンライン」は、簿記や会計の知識がなくても使える機能と画面設計で、初めて会計ソフトを使う方でも安心です。取引の日付や金額などを入力するだけで、小規模法人に必要な複式簿記帳簿が自動作成できます。

また、日々入力したデータは顧問の税理士・会計事務所(※弥生PAP会員の税理士・会計事務所)とクラウド上で共有できます。受け渡しの手間が省けて効率的です。

銀行明細、クレジットカードなどの取引データを自動で取込できる

「弥生会計 オンライン」を使えば、銀行明細やクレジットカードなどの取引データの他、レシートや領収書のスキャンデータ、スマートフォンアプリで撮影したデータを自動で取り込み、自動で仕訳することができます。金融機関からダウンロードした取引明細や帳簿、ご自身で作成したCSV形式のファイルを取り込むこともできるため、入力と仕訳の手間を省くことが可能です。また、スマートフォンから直接入力もでき、出先や移動中の時間を効率良く使えます。

日々の取引を自動で集計でき、見やすいレポートで管理できる

「弥生会計 オンライン」を使えば、入力したデータをもとに日々の取引を自動で集計し、さまざまなレポートを自動で作成することができます。わかりやすいグラフレポートをいつでも確認可能なため、経営成績がひと目で把握できます。

初心者でも安心!カスタマーセンターがしっかりサポート

業界に精通した専門スタッフが、電話、メールでの操作サポートに加え、仕訳や経理業務の相談にもお応えします。製品の操作が不安な方や会計の業務が苦手な方でも、充実のサポートで安心してお使いいただけます。

  • カスタマーセンターによるサポートは、「サポート付きプラン(ベーシックプラン)」が対象です。

無料お役立ち資料【一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた】をダウンロードする

無料お役立ち資料【はじめての会社経営】をダウンロードする

よくあるご質問

売上原価とは?

売上原価とは、販売した商品を仕入れたり、作ったりする際にかかった経費のことで、仕入代金や材料費などが該当します。詳しくはこちらをご確認ください。

売上原価から何がわかる?

売上原価がわかれば、売上が上がった際にどれだけ利益が得られるのかがわかります。売上に対して売上原価が低ければ、それだけ多くの付加価値を生み出せているということになり、反対に売上と売上原価の差が少なければ新たな価値を生み出せていないということです。詳しくはこちらをご確認ください。

売上原価の計算方法は?

売上原価は、一般的に売上高から仕入れなどにかかった費用を引いた額です。「売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」という計算式で求めることができます。詳しくはこちらをご確認ください。

【無料】お役立ち資料ダウンロード

一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた

起業したての方におすすめ。
日々の帳簿付けから決算まで、これひとつですぐわかる!
全34ページで充実の内容です。

この記事の監修齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

初心者事業のお悩み解決

日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

  • お役立ち情報

    正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

  • 無料のお役立ちツール

    会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

  • 虎の巻

    個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

事業のお悩み解決はこちら