交通費精算を効率化するには?精算の流れや注意点と共に解説

2023/06/14更新

この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

経費精算の中でも頻繁に行われるのが、交通費精算です。交通費精算は頻繁に行う作業だからこそ、効率化すれば、時間と手間の大幅な削減につながる可能性があります。

ここでは、交通費精算の流れや精算時の注意点と共に、交通費精算を効率化する方法について解説します。

交通費精算とは、従業員が立て替えた交通費を会社から払い戻す手続きのこと

交通費精算は、経理業務である経費精算の1つで、営業活動のために従業員が一時的に立て替えた交通費を、後日会社から払い戻すまでの一連の手続きのことです。

会社の営業活動の中では、取引先への訪問をはじめとするさまざまな移動が必要になり、そのたびに交通費が発生します。特に外回りが多い営業担当者などは、電車やバス、タクシーなど、頻繁に交通費を支払うことになるでしょう。

しかし、これらの交通費は金額が細かいうえ、いつ、いくら必要になるかを正確に予測できず、前もって従業員に渡しておくことは現実的ではありません。そのため、多くの場合は、従業員が必要な交通費を一時的に立て替えて支払います。後日、立て替えた交通費を会社に申請し、承認を経て払い戻しが行われたら、精算完了です。

経理担当者は、従業員からの申請内容が適正かどうかを確認し、問題がなければ精算の手続きを取ります。会社によっては、営業活動における交通費の他、通勤費や出張費も含めて、交通費と呼ぶケースもあります。

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交通費と似た費用との違い

交通費と似た費用に、旅費交通費や通勤費があります。それぞれどのような違いがあるのかを確認しておきましょう。

交通費と旅費交通費の違い

交通費とは、一般的に、通勤以外で業務のために交通機関を利用した場合にかかった費用を指します。

例えば、電車代やバス代、タクシー代の他、車で移動する際の有料道路通行料金や駐車場代も交通費に含まれます。顧客や取引先への訪問、仕入れや納品、外注先との打ち合わせ、業務に関わる情報収集や取材、経理担当者が銀行を訪れる場合など、仕事での移動にかかる費用は交通費です。基本的には、日常の業務に関わる近場への移動の際に発生した費用を、交通費と考えて問題ないでしょう。

一方、旅費交通費は、出張のように、遠方への移動や宿泊を伴う移動をした際にかかった費用を指します。飛行機や新幹線などを含めた出張先へ向かう(または出張先から戻る)ための交通費、出張先での移動にかかった交通費、宿泊費、日当などが旅費交通費に該当します。会社によっては、旅費交通費の上限を定めている場合もあります。

交通費と通勤費の違い

前述したように、交通費は業務に関わる移動に伴う費用ですが、通勤費は会社に通勤する際に発生する費用です。電車代やバス代などの他、車で通勤する従業員のガソリン代も通勤費に含まれる費用です。全額支給や上限を設けて一部支給など、通勤費のルールは会社によって異なります。

なお、従業員に支払う通勤費は、給与とは違い、一定額までは所得税が非課税となります。ただし、社会保険料は、毎月の給与額に通勤費を含めた月収を標準報酬月額として算出します。

それに対して、交通費は、あくまで会社の経費を従業員が立て替えたものであり、従業員個人の所得には関係ありません。たとえ精算する交通費が高額になっても、それによって従業員に所得税が課せられたり、社会保険料が上がったりすることはありません。

交通費精算の流れ

交通費精算は、従業員の立て替え払いが発生するたびに行うこともあれば、1ヵ月に1度など期間を決めてまとめて行うこともあります。会社によってルールが異なるため、定められたタイミングで精算手続きを行いましょう。一般的な交通費精算の流れは、次のとおりです。

1 交通費精算書の作成

基本的に経費精算では領収書が必要とされますが、電車やバスなどの公共交通機関は、領収書が発行されないことも少なくありません。特に最近では交通系ICカードの利用が一般化しており、移動手段ごとに領収書をもらうのは難しいでしょう。

そのため多くの会社では、交通費の精算にあたり、領収書を添付する代わりに交通費精算書を作成しています。交通費精算書には、申請者の氏名や日付、訪問先、目的、使用した交通機関、経路、運賃などを記載します。

2 上長のチェック・承認作業

従業員が交通費精算書を作成したら、経理担当者に提出する前に、直属の上司の確認を受けます。上司は、従業員から提出された交通費精算書を確認し、その移動が業務上必要なものか、訪問先や訪問目的に不自然さはないかなどをチェックします。このような作成者と上司のダブルチェック体制によって、経費精算がよりスムースになるでしょう。

上司の確認後、問題がなければ交通費が承認され、経理担当者に交通費精算書が提出されます。

3 経理担当者によるチェック

経理担当者は、提出された交通費精算書を確認し、承認作業を行います。具体的には、下記のような点をチェックします。もし経理担当者によるチェックで漏れやミスが見つかった場合は、差し戻しとなります。

最安経路で申請されているか

交通費精算は、原則として最安経路で計算します。目的地までの経路が複数存在する場合は、最も運賃が安いルートで申請されているかのチェックが必要です。ただし、アポイントの時間に間に合わせるために移動時間を短縮できる経路を選んだ場合などの、正当な理由があれば問題ないでしょう。

必要な領収書が添付されているか

電車やバスなどの運賃は、領収書の受領が難しいため、添付がなくても問題ありません。税法上も、3万円未満の交通費については、領収書の保管義務が免除されています。ただし、飛行機や新幹線などの高額な交通費に関しては、交通費精算書と併せて領収書の提出を求めるべきでしょう。一般的に領収書が発行されるタクシー代についても同様です。

また、2023年10月からインボイス制度がスタートすると、添付した領収書が適格簡易請求書として使用できる書類かどうか確認する必要がある点にも注意が必要です。

インボイス制度開始によるレシートの扱いにおける変更点についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

インボイス制度でレシートはどうなる?発行側・受取る側が知っておくべきことを解説

社内ルールに沿っているか

会社によっては、交通費の上限やタクシーを利用可能な基準など、社内ルールを設けている場合があります。交通費を精算する際には、このような社内ルールに沿っているかどうかを確認することも大切です。

4 精算金の受け取り

経理担当者によるチェックで問題なければ、従業員に精算金が支給されます。精算方法は、現金での支払いや銀行振込、翌月の給与と合算しての支払いなど、会社によって異なります。

交通費精算を効率化するには?

交通費精算は細かい作業も多く、申請者と経理担当者の双方にとって、手間がかかりがちです。交通費精算を効率化するためには、次のような方法があります。

ICカード対応の経費精算システムを導入する

交通費精算の効率化に役立つのが、経費システムや経費精算アプリです。スマートフォンからも入力可能なシステムやアプリを使うと、移動中の隙間時間などに交通費を入力することが可能です。中には、交通系ICカードの情報を自動読み取りできる機能を備えたシステムやアプリもあります。業務用の交通系ICカードを従業員に支給したうえで、そのようなシステムを使えば、これまで手書きや手入力していた精算作業の負荷を軽減し、作業時間を短縮することができるでしょう。さらに、会計ソフトと連携が可能なシステムなら、交通費精算以外の経理業務も格段に効率化できます。

例えば、弥生が提供する「スマート取引取込」は、レシートをスマートフォンのカメラで撮影し、画像データとして対象製品に取り込むことができるアプリです。取り込まれた画像データは、経費精算アプリなどの連携サービスで仕訳データに自動で変換した後、対応する弥生のソフト上で自動的に仕訳され、確定申告や決算に利用することができます。

明確に経費精算ルールを決める

従業員から提出される交通費精算書に抜け漏れがあったり、社内ルールから外れた内容であったりすると、差し戻しに余計な手間と時間がかかってしまいます。そのような無駄を削減するために、経費精算に関するルールをしっかりと決めておくことが大切です。

例えば、交通費精算書の記載項目、交通費として認められる範囲、領収書の添付が必要なケースなど、明確なルールを定めて社内に周知することで、単純ミスの減少につながるでしょう。もしミスがあったとしても、経理担当者に提出される前に、上司のチェックの段階で修正が可能になります。

領収書を電子化する

経費精算システムの導入と併せて、領収書を電子化するのも1つの方法です。交通系ICカードやクレジットカードの取引情報をデータできちんと管理しておけば、紙の領収書を保存しておく必要がありません。また、会計ソフトの中には、スキャンや撮影した領収書のデータを取り込み、自動で仕訳が可能なものもあります。そのような機能を活用すれば、紙の領収書をファイリングしたり保管スペースを確保したりする手間もなくなるうえ、仕訳作業も自動化できます。

不正があった際の処遇を共有・社内周知する

経費精算にあたって避けなければならないのが、従業員による交通費の不正請求です。交通費は従業員からの自己申告になるため、どうしても不正のリスクが生じてしまいます。交通費精算のルールと共に、不正請求があった場合の処遇も明確に定め、社内にしっかりと周知させましょう。同時に、直属上司と経理担当者のダブルチェックなど、不正が起こりにくい体制を整えることも大切です。

交通費精算をする際の6つの注意点

交通費精算は、頻繁に繰り返し発生する経理業務です。また、従業員の数が増えると、交通費精算を行う頻度も多くなります。ミスや見落としのないように、下記の点に注意を払いましょう。

旅費交通費と出張費は区別して精算する

前述したように、日常的な近場への移動にかかる交通費と出張など遠方への移動にかかる旅費交通費は、内容にやや違いがあります。ただし会計処理上は、どちらも旅費交通費という勘定科目になります。会社によっては、出張の際に、出張手当のような日当を支給しているケースもあるでしょう。また、交通費の上限なども、近場の移動と出張時では異なるルールを設けている場合があるかもしれません。

精算のときに、どちらも同じ旅費交通費として処理してしまうと、確認や管理がしにくくなってしまいます。そのため、旅費交通費の勘定科目のうち、出張にかかった費用は出張費として区別して精算するのがおすすめです。

利用経路と運賃を確認しておく

交通費精算を行う際は、「どこから」「どこまで」「どんな手段で」「いくらかかったか」をしっかりと確認する必要があります。これらの事項は、交通費精算書にも必ず記載されていなければなりません。最安ルートでの精算とする場合は、その旨を社内ルールに定め、従業員に周知しておきましょう。暗黙の了解として曖昧なままにしておくと、後々トラブルを招きかねません。

定期区間控除や区間などの申請ルールを確認しておく

会社から従業員に通勤定期代が支給されている場合は、申請された交通費に通勤定期の区間が含まれていないか注意が必要です。通勤定期を使って移動しても、交通費はかかりません。交通費精算は、実際に支払った分のみが対象となります。

領収書のない公共交通機関の費用の申請漏れには注意する

一般的な経費精算は、領収書の提出が必須となります。しかし、領収書のない公共交通機関の運賃は、日々の業務に追われているうちに、つい申請を忘れてしまいがちです。申請の漏れや遅れがあると、精算ができずに従業員の不利益になるうえ、経理担当者の負担も増大します。そのため交通費精算は、あらかじめ申請期限を定めて社内に周知し、期限前には再度アナウンスを行うといいでしょう。

交通費として認められる限度額に注意する

会社によっては社内ルールとして交通費の上限を定めていることがあり、その場合は、申請された金額が、認められる限度額を超えていないかを確認する必要があります。また、通勤費についても、非課税となる限度額が定められています。例えば、公共交通機関を使って通勤する場合は、非課税となる限度額は1ヵ月15万円までです。車通勤の場合は距離によって限度額が変わるので注意しましょう。

インボイス制度開始以降は、領収書が適格請求書か否かを確認する

2023年10月からインボイス制度がはじまると、課税事業者はインボイス(適格請求書)がないと仕入税額控除が受けられなくなります。そのため、交通費精算を行う際には、それぞれの公共交通機関で発行された領収書がインボイスとして使用できる内容かどうかを申請前にあらかじめ確認しておきましょう。

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会計ソフトと連携できる経費精算アプリで経理業務の効率化を目指そう

交通費精算は、経理担当者にとって煩雑な作業の1つといえます。細かい経路や金額の確認も必要なため、できるだけ効率良く進めたいと考えている経理担当者も多いはずです。交通費をはじめとする経費精算を効率化するには、会計ソフトと連携したシステムを活用するのがおすすめです。

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この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。

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