クラウド会計ソフトとは？メリット・デメリット、必要な準備を解説
監修者： 小林祐士（税理士法人フォース）
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会計ソフトには、大きく分けて「インストール型」と「クラウド型」の2種類があります。会計ソフトを導入するにあたり、どちらが自社に適しているのか判断に迷っている事業者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、クラウド会計ソフトの仕組みやインストール型との違いのほか、導入に適している企業の特徴、クラウド会計ソフトのメリット・デメリットを解説します。導入前に整えておきたい準備や、選ぶ際に確認すべきポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
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クラウド会計ソフトとは、インターネット上で会計処理を行えるサービスのこと
はじめに、クラウド会計ソフトの基本的な仕組みと特徴を整理しましょう。従来のインストール型の会計ソフトとの違いに加え、どのような企業に適しているのかをご紹介します。
クラウド会計ソフトとインストール型との違い
「クラウド」は、英語の「雲（cloud）」に由来し、オンライン上のサーバーにアクセスしてサービスを利用する仕組みです。クラウド会計ソフトとは、この仕組みを活用して提供される会計ソフトのことを指します。
従来の会計ソフトは、特定のパソコンにソフトウェアをインストールして利用するタイプが主流でした。こうしたインストール型の会計ソフトは、作業がインストール済みの端末に限られるのはもちろん、データも端末に保存されるため、バックアップや共有に手間がかかるといった課題がありました。また、ソフトウェアの更新プログラムは自動的に配信されますが、端末ごとに適用しなければなりません。
その一方で、クラウド会計ソフトは、サービス提供会社に月額または年額の利用料を支払い、Webブラウザなどを通じて利用します。アップデートは自動で適用され、複数人が同時に作業できる点も大きな特徴です。そのため、より効率的で柔軟な運用が可能になります。
クラウド会計ソフトが適している企業
クラウド会計ソフトは、中小企業やリモートワークを導入している企業との相性が良いサービスです。少ない人手でも効率的に業務を進められ、経理担当者が自宅で仕訳入力や帳簿確認を行えるなど、働き方の柔軟性を高められます。
さらに、経営状態をリアルタイムで把握したい経営者や、経理業務を外部に委託していてデータ共有を円滑に進めたい企業にも適しています。
「柔軟性」や「即時性」を求める企業にとって、クラウド会計ソフトは大きなメリットをもたらすでしょう。
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クラウド会計ソフトのメリット
ここからは、クラウド会計ソフトのメリットを具体的に見ていきましょう。主に、次の6つのメリットがあげられます。
インストール不要
インターネットを介してサービスを利用するクラウド会計ソフトは、パソコンにソフトをインストールする必要がありません。パソコンの容量を圧迫することなく、パソコンを新しく買い換えても、インターネットにさえつながっていればスムーズに使い続けることができます。
インストール型の会計ソフトについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
バージョンアップの作業が不要
会計ソフトは、法令や税制の改正、ソフトの機能強化のために、バージョンアップが行われます。クラウド会計ソフトであれば、これらのバージョンアップはインターネット上のサーバーで行われるため、利用者が何か作業をする必要はありません。クラウド上でサービスがアップデートされ、利用者はそこにアクセスするだけで常に最新のソフトを利用できます。バージョンアップの費用は月額または年額の支払いに含まれるのが一般的です。
利用する環境の自由度が高い
クラウド会計ソフトは、インターネット環境と対応端末があれば、いつでもどこでも使えます。Webブラウザを使うので、Windows/Macの主要ブラウザで操作が可能です。利用するパソコンも固定されないため、オフィスだけではなく自宅や外出先でもスムーズに作業できるでしょう。
また、クラウド会計ソフトの中には、スマートフォンのアプリから閲覧や入力ができるものもあります。インターネットにつながる場所であれば、例えば出先で発生した経費の領収書を、移動の合間に会計ソフトに入力することも可能です。利用環境の自由度が高いことで、業務効率の向上にもつながります。
すぐに、手軽に使える
クラウド会計ソフトは、インターネット環境とパソコンがあれば簡単に導入することができます。簿記や会計の知識がなくても使いやすいように、機能や画面設計が工夫されているものが多く、経理初心者でも直感的に操作が可能です。会計ソフトによっては、電話やメール、チャットなどでの相談に対応してくれるサポートプランが用意されている場合もあります。
また、入力したデータはすべてクラウドサーバーに保管されるため、利用者側がデータの保存を行う必要はありません。万が一、パソコンが突然故障してしまっても、別のパソコンで引き続き作業ができるので、業務に支障をきたすことはないでしょう。
安全にデータを管理できる
クラウド会計ソフトのデータは、すべてクラウド上で保管され、自動的にバックアップされます。パソコンや記録メディアにデータを保存する場合、故障や盗難、ウイルス感染などによるデータ漏洩やデータ紛失のリスクがあります。きちんと管理・保守されたクラウド会計ソフトは、社内のパソコンでデータを管理するよりも、格段に安全性が高いといえるでしょう。
ただし、いくらクラウド上のセキュリティ対策が強固でも、クラウド会計ソフトのIDやパスワードが第三者に漏れると、簡単にデータは流出してしまいます。IDとパスワードの管理には十分注意しましょう。
データの連携がスムーズ
クラウド上でデータを一元管理するクラウド会計ソフトは、拠点や環境が変わっても同じ情報にアクセスできる点が特徴です。オフィスでの作業の続きを自宅で行ったり、在宅勤務や出張先でも問題なく利用できたりします。
さらに、顧問税理士や会計事務所ともオンラインでデータを共有しやすいため、やり取りの手間を大幅に削減できます。税理士とのコミュニケーションもスムーズになり、適切なアドバイスを受けやすくなるでしょう。
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クラウド会計ソフトのデメリット
クラウド会計ソフトには、さまざまなメリットがある一方で、次の3つのデメリットがあります。
インターネット環境が必要
クラウド会計ソフトは、インターネット環境があればどこでも使えるのがメリットですが、裏を返せば「インターネット環境がないと使えない」ともいえます。アプリケーションがクラウド上にあるので、インターネット環境がないとアクセスすることができず、データの確認や更新ができません。会計ソフトを利用する場所のインターネット接続が不安定であったり、セキュリティのためにインターネット接続できる端末が限定されていたりする場合は、注意しましょう。
通信料がかかる
クラウド会計ソフトは、インターネットを介してサービスにアクセスするため、インターネット通信料がかかります。契約が通信するデータ量に応じて料金が変わる従量課金となっている場合、通信料が高額になる可能性があります。心配な場合は、あらかじめインターネットの料金プランを確認しておきましょう。
入力操作が遅くなることがある
クラウド会計ソフトはインターネット環境に依存するため、接続状況によっては入力操作がもたつくことがあります。インターネットにつながりにくい状況だと、ページを読み込むのに時間がかかり、処理スピードが低下してしまう可能性もあるでしょう。大量のデータ処理でもサクサク動くデスクトップ会計ソフトに慣れている人からすると、ストレスを感じる場面があるかもしれません。
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クラウド会計を導入する際に必要な準備
クラウド会計ソフトを導入するにあたっては、どのような準備を整えておく必要があるのでしょうか。ここでは、主な準備についてご紹介します。
データや勘定科目の整理
既存の会計データをクラウドへ移行する際は、対応するデータ形式の確認や既存データの整備を進めておくことが大切です。これまでの仕訳データをインポートできるか、銀行口座やクレジットカード明細の自動取得に対応しているかなど、対応可能なデータ形式を確認しておきましょう。
併せて、勘定科目の重複や不要な項目を整理し、社内で統一ルールを定めておくことをおすすめします。あらかじめ統一されたルールや業務フローに沿って処理できる状態を準備しておくと、より効率的な運用が可能です。
顧問税理士との連携や対応の確認
税理士と契約をしている場合、導入予定のクラウド会計ソフトに対応可能かを事前に確認しておく必要があります。税理士によっては利用できるソフトを指定しているケースもあるため、非対応のソフトを導入するとデータ連携に支障をきたす可能性もあります。
導入前に、検討しているサービス名を伝え、対応可否を確認するとよいでしょう。すでに同じクラウド会計ソフトで他の顧客と連携している実績があれば、導入後の運用もよりスムーズに進む可能性が高まります。
対応するインフラや権限設定の整備
クラウド会計ソフトの導入にあたっては、使用するパソコンやインターネット回線がソフトの動作要件を満たしているか確認することも欠かせません。不足があれば事前に環境を整備しておきましょう。
また、社員ごとのアクセス権限を導入前に決めておくと、設定作業がスムーズになります。併せて、自社のセキュリティポリシーに則った運用ルールを策定し、必要に応じて社内教育を実施する計画を立てておくことで、導入後の混乱やセキュリティリスクを防止できます。
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クラウド会計ソフトを選ぶときのポイント
クラウド会計ソフトには多くの種類があるため、どのソフトを導入すべきか迷ってしまう場合もあるでしょう。ここでは、選ぶときに確認しておきたいポイントをご紹介します。
サービスのサポート体制を確認する
クラウド会計ソフトを選ぶ際は、導入後に操作の不明点やトラブルが発生したときに、どのようなサポートを受けられるかを確認しましょう。サポートの有無だけでなく、メール・チャット・電話などの対応手段、対応可能な曜日や時間帯まで把握しておくと安心です。複数のソフトを比較する際には、料金や機能だけでなくサポート体制も重要な判断基準になります。
セキュリティ対策を確認する
クラウド会計ソフトはオンライン上で利用するため、セキュリティ対策の有無は導入検討における大きなポイントです。データの暗号化、アクセスログの管理、定期的なバックアップ体制など、具体的にどのような仕組みで情報を保護しているのかを確認しておきましょう。セキュリティの信頼性は、安心して業務を任せられるかどうかに直結します。
利用料金やランニングコストを確認する
クラウド会計ソフトを利用する時は、導入コストだけでなく、運用を続けるうえでのランニングコストも大切です。月額・年額の利用料金のほか、追加オプションや拡張機能を利用した場合の費用、契約更新時の条件なども事前に把握しておく必要があります。複数のプランが用意されている場合は、自社に必要な機能がどのプランに含まれているかを確認し、中長期的なコストと併せて検討しましょう。
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会計ソフトなら日々の帳簿付けや決算書作成もかんたん
「弥生会計 Next」は、使いやすさを追求した中小企業向けクラウド会計ソフトです。帳簿・決算書の作成、請求書発行や経費精算もこれひとつで効率化できます。
画面を見れば操作方法がすぐにわかるので、経理初心者でも安心してすぐに使い始められます。
だれでもかんたんに経理業務がはじめられる！
「弥生会計 Next」では、利用開始の初期設定などは、対話的に質問に答えるだけで、会計知識がない方でも自分に合った設定を行うことができます。
取引入力も連携した銀行口座などから明細を取得して仕訳を登録できますので、入力の手間を大幅に削減できます。勘定科目はAIが自動で推測して設定するため、会計業務に慣れていない方でも仕訳を登録できます。
仕訳を登録するたびにAIが学習するので、徐々に仕訳の精度が向上します。
会計業務はもちろん、請求書発行、経費精算、証憑管理業務もできる！
「弥生会計 Next」では、請求書作成ソフト・経費精算ソフト・証憑管理ソフトがセットで利用できます。自動的にデータが連携されるため、バックオフィス業務を幅広く効率化できます。
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クラウド会計ソフトのメリット・デメリットを踏まえて導入を検討しよう
クラウド会計ソフトはインストール不要ですぐに利用を開始できることや、複数の端末・担当者で同時に利用できること、データの連携をスムーズに行えることが大きなメリットです。その一方で、インターネット環境が必須であることや、利用環境によってはインストール型の会計ソフトより入力操作が遅くなることなど、注意すべき点もあります。クラウド会計ソフトの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、自社に合っているかどうかを総合的に判断することが大切です。今回ご紹介したクラウド会計ソフトの仕組みや、導入に適した企業の特徴を参考にしながら、自社に最適な会計ソフトを選びましょう。
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よくあるご質問
クラウド会計ソフトのメリットは？
クラウド会計ソフトのメリットは、インストールが不要でインターネット環境と対応端末さえあれば利用でき、安全にデータを管理できる点です。また、法令や税制の改正やソフトの機能強化のためのバージョンアップ時も、利用者が何か作業をする必要がありません。詳しくはこちらをご確認ください。
クラウド会計ソフトのデメリットは？
クラウド会計ソフトのデメリットは、インターネット環境がないと利用できないことです。インターネット環境に依存するため、接続状況によっては入力操作がもたつくことがあります。詳しくはこちらをご確認ください。
おすすめのクラウド会計ソフトは？
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この記事の監修者小林祐士（税理士法人フォース）
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