許認可とは?手続きが必要な業種一覧や申請先の行政機関を解説

2023/12/04更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

起業・開業にあたって、業種によっては許認可の申請が必要です。許認可が必要な業種であるにもかかわらず、手続きを行わないまま事業を行うと、罰則を受けることがあります。また、許認可にはいくつかの種類があり、それぞれ申請先が異なるため、正しく知って準備することが大切です。

ここでは、許認可が必要な業種一覧と申請先の他、申請する際の注意点について解説します。

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許認可とは特定の事業を営業するために必要な手続き

許認可とは、特定の事業を行うために必要な手続きのことです。所定の行政機関で申請し、法律で定められている内容の許認可を取ることで、事業を行うことができるようになります。

許認可には「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」の5つの種類があり、業種によって種類や申請先が異なります。申請先となる主な行政機関は、都道府県や国土交通省、保健所、税務署、警察署など許認可の種類によってさまざまです。

許認可の5つの種類

許認可の5つの種類、「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」はどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの内容と対象となる主な業種は以下のとおりです。

届出

届出は、行政機関に法令で定められている事業内容を通知する手続きです。事業内容に違法性がなく、審査基準を満たしていれば、基本的に届出は受理されます。届出が必要なのは、クリーニング店や深夜0時以降に営業する飲食店などが該当します。

登録

行政機関に書類を提出し、名簿に登録されることで事業を行える手続きを登録といいます。届出とは異なり、名簿に登録されるまでは事業を始めることはできません。また、登録の場合は、書類の提出や試験の合格など、登録の種類に応じた条件を満たす必要があります。登録が必要な業種は、ホテル業や旅行代理店業などです。

認可

認可は、事業者からの申請に対して、行政機関が一定の基準を満たしていると認める手続きのことです。
私立学校や警備業は必ず認可が必要ですが、保育園などは認可を受けなくても事業を行えます。認可を受けていれば、補助金や助成金が受けやすくなる場合があります。

許可

許可とは、行政機関に申請して審査に通過すれば、公共の安全や秩序の維持などの理由から禁止されている行為を行えるようになる手続きのことです。許可が下りなければ、事業を行うことはできません。飲食店は営業許可、従業員がお酌や会話を提供する料亭やバーなどは風俗営業許可、薬局は薬局開設許可などが必要です。

免許

免許は、行政機関に申請し、一定の資格を持つ方が業務を行えることを認めてもらう手続きです。免許がなければ、事業を行うことはできません。免許が必要な職種として、美容師や看護師などが挙げられます。

許認可が必要な業種一覧と申請先

許認可が必要になる主な業種一覧と申請先は、以下の表のとおりです。ここに挙げた業種以外にも、許認可手続きが必要になる場合があります。起業・開業時には、自分が行う業種に許認可が必要かどうかをきちんと確認しておきましょう。

許認可が必要な主な業種一覧

業種 許認可の種類 申請先
美容業 届出
美容師や理容師の免許
保健所
旅行業 登録 一般旅行業・代理店業:運輸局
国内旅行業・代理店業:都道府県庁
保育園 認可 各自治体の児童課や健康福祉部児童家庭課
飲食業 許可 飲食店、食品販売業:保健所
建設業 許可 都道府県庁
宿泊業 許可 保健所
人材派遣業 許可 都道府県労働局
運送業 許可 運輸支局
薬局 許可 保健所
クリーニング業 許可 保健所
通信販売業 取り扱う商品によっては許可が必要 中古品:警察署
食品:保健所
不動産業 免許 都道府県庁
酒類販売業 免許 税務署

許認可を取らない場合のリスク

許認可が必要であるにもかかわらず、申請をせずに事業を行った場合、法令違反となり、さまざまなペナルティが発生します。許認可を取らない場合の主な3つのリスクは以下の通りです。

許認可を取らない場合の3つのリスク

  • 営業停止処分や刑事罰を受ける
  • 金融機関から融資を受けられなくなる
  • 業種によっては取引金額が制限される

許認可が必要とされる業種は、一部を除き、原則として許認可を取らなければ事業を始めることはできません。無許可で事業を行えば、営業停止処分や刑事罰を受ける可能性があります。例えば、飲食店が「営業許可」を取らずに営業を始めた場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる上に、罰則を受けると、2年間営業許可が取得できません。

また、許認可が必要な事業の法人や個人が、金融機関に融資の申し込みをする際、許認可の証明書類の提示や提出を求められることが一般的です。許認可を受けていない場合は事業を開始できないと判断され、融資を受けられないリスクがあります。

さらに、許認可を取っていないと、取引する金額が制限されるケースもあります。例えば、建設業では、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合は、必ずしも許可を取らなくても良いとされています。ただし、建設業許可を取得していなければ、1件の請負金額が税込みで500万円未満の工事しか受注することはできません。税込みで500万円以上の仕事を受けられず機会損失になるだけでなく、取引先との信頼関係を損なうリスクもあります。

許認可の申請を行う際の注意点

許認可の申請は、該当する許認可のWebサイトを確認して、記載されている手順で行います。申請時の注意点の1つに、法人でなければ申請できない許認可があり、その場合は原則として、法人登記後に申請を行います。

法人が許認可を取るには、定款や登記事項証明書(履歴事項全部証明書)などの書類の提出が必要です。定款や登記事項証明書に記載された事業目的が、許認可申請の対象となる事業内容と食い違っていた場合は、許認可が下りない可能性があるので注意しましょう。

また、許認可の要件は、会社設立前に確認しておくことが大切です。許認可の種類によっては、資本金などの要件が定められている場合があります。

その他、飲食店やクリーニング店などの場合、店舗内に設置すべき備品やサイズなどの規制があり、要件を満たさなければ、許認可は下りません。「店舗を作ったのに営業ができない」という事態にならないよう、店舗などの工事着工前に申請先へ相談するのがおすすめです。

※定款や履歴事項全部証明書については、以下の記事を併せてご覧ください。

許認可の申請や会社設立の手続きを手軽にする方法

許認可の申請は、行政書士などの専門家に依頼することが可能です。また、会社設立にあたって税理士に相談すると、提携する行政書士を紹介してもらえるケースもあります。会社を設立する際は、許認可の他にもさまざまな手続きや決めなくてはいけないことがたくさんあり、慣れない作業に時間や手間がかかります。専門家に手続きを依頼することは、会社設立後の思わぬトラブルを防ぐのにも有効な手段といえるでしょう。

その他、会社設立の手続きを手軽にするには、起業に強い専門家に会社設立手続きを依頼できる「弥生の設立お任せサービス」と、自分でかんたんに書類作成ができる「弥生のかんたん会社設立」を活用するのもおすすめです。

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許認可が必要な業種を知って、漏れのないように申請しよう

事業を行うにあたって、許認可が必要な業種は意外とあります。許認可の申請を忘れてしまうと、法令違反となり、さまざまなペナルティが発生することがあるため注意が必要です。

また、会社の設立には煩雑な手続きや決めることが多く、全てを自分1人でこなそうとすると、慣れない作業に時間や手間がかかります。便利なクラウドサービスの「弥生の設立お任せサービス」や「弥生のかんたん会社設立」を活用したり、専門家に相談したりして、事業開始をスムースに行いましょう。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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