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学生が起業するには?やり方やアイデアの出し方、成功のポイントを解説

更新

起業家の中には、高校や大学などに通いながら、学生のうちに事業を起こす学生起業家もいます。同年代の起業家が活躍している姿を見聞きして、「自分も興味があることを仕事にしてみたい」「学生のうちから収入を得る方法を知りたい」と考える学生の方もいるのではないでしょうか。

若いうちから起業するには、経験を積めるといったメリットがある一方で、限られた時間が奪われるといったデメリットもあります。また、学生に限らず、起業を成功へと導くポイントを押さえておくことで、安定した事業運営を行い、売上を立てていくことにもつながるでしょう。

ここでは、学生起業のやり方、メリットとデメリット、起業を成功させるためのポイントについて解説します。

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学生起業のやり方

学生起業の場合、すぐに会社を設立するのではなく、まずはどのようなビジネスで収益を得るのかを考えていきます。主な流れは以下のとおりです。

学生起業のやり方

  • STEP1.
    ビジネスアイデアを考える
  • STEP2.
    事業計画書を作成する
  • STEP3.
    会社設立や開業の手続きを行う

STEP1.では、ビジネスアイデアを考えます。一から新しいアイデアを出すことは難しいため、既存の商品やサービスを掛け合わせて新しい価値を見出したり、課題を解決したりするビジネスをいくつか出してみましょう。市場調査や競合調査を行い、市場のニーズがあるのか、収益を得られてビジネスとして成り立つのかも検証します。

起業するビジネスアイデアの検証後、STEP2.の事業計画書へ落としこみます。事業計画書は、起業して事業をどのように行い、どのように収益を上げていくかを具体的にまとめたものです。仕入れや設備、誰にどのように提供するのかをまとめます。販売方法、販路、集客方法を考え、いつまでにどれくらいの売上になりそうかという資金計画も立てておきましょう。

資金が足りない場合は、資金調達を行います。後述しますが、学生による資金調達は難しいこともありますので、初期費用が抑えられるよう小規模から始めるのも1つの方法です。

ビジネスが固まったら、STEP3.の会社設立を行うか、個人事業主として行うかを決め、必要な手続きを行います。会社設立をする際は、株式会社や合同会社といった法人形態を選び、それぞれに定められた設立手続きが必要です。また、設立には10万~20万円程度の手続き費用もかかりますので、費用を抑えたい場合は、個人事業主から始めるのもいいでしょう。

  • 起業アイデアの出し方や起業スタイルについては以下の記事も併せてご覧ください

学生のうちに起業するメリット

学生のうちに起業すると、学生ならではの時間の使い方やつながりを使えるため、以下のようなメリットがあります。これから起業するかどうかを考える際の参考にしてみてください。

学生のうちに起業する主なメリット

  • 同年代のニーズをリサーチしやすい
  • 失敗してもリスクを抑えやすい
  • ビジネスにかける時間を作りやすい
  • 学生向けの支援サービスを受けられる
  • 起業実績がついてアドバンテージが高くなる

同年代のニーズをリサーチしやすい

学校の同級生や先輩後輩といった学生ならではのつながりから、10~20代向けの商品やサービスのニーズをリサーチしやすいことがメリットとして挙げられます。同世代へリサーチを行うことで、若者向けの商品やサービスへの展開がしやすくなるだけでなく、フィードバックをもとに改善していけば、自社独自の強みにもつながるでしょう。また、同年代のつながりから商品やサービスの口コミ効果を狙いやすいこともメリットに挙げられます。

失敗してもリスクを抑えやすい

学生のうちは起業に失敗しても、生活費や学費に関しては保護者のサポートを得ていることが多いため、リスクを抑えやすいのもメリットの1つです。社会人になってからの起業は、自分が立ち上げるビジネスで生計を立てていかなければいけません。そのため、もし事業がうまくいかずに収入が減少すると、日常生活ができなくなってしまいます。また、学生のうちに起業に失敗したとしても、新卒で就職するという道も選べます。

ビジネスにかける時間を作りやすい

社会人に比べると、学生はビジネスにかける時間を作りやすいといえます。起業するには商品やサービスを企画、制作するだけでなく、販売方法を決め、宣伝を行って集客したり、取引先と交渉したりする必要もあります。また、会社を設立するなら、事業内容を決める他、定款の作成や法人登記申請などの設立手続きも必要です。学業の合間の時間を活用することで、スピーディーに取り組むことができるのも、学生起業ならでのメリットといえます。

学生向けの支援サービスを受けられる

学生向けの支援サービスを受けられることも学生起業のメリットです。学校によっては、学生の起業を支援する仕組みが用意されていたり、学校の設備をビジネスに使用することを認めていたりする場合があります。学校を拠点にすれば、オフィスを構える必要がなく、賃料や設備費などのコストを抑えることができるでしょう。若者の挑戦を応援したいという自治体の他、経営者や投資家などが支援するケースもあります。既に活躍している経営者や投資家と交流を持つことで、経営アドバイスも受けられるかもしれません。

起業実績がついてアドバンテージが高くなる

在学中に起業する学生は、学生生活やアルバイトでは得られない多様なビジネス経験を積むことができ、他学生に比べてアドバンテージが高くなります。起業すると、営業活動から集客、資金繰り、税務申告など、事業にかかわる全てを自分で考え、行動していかなければなりません。たとえ起業が失敗したとしても、ビジネスの基礎を体験していることから、起業の実績は社会人になっても経験として活かせるでしょう。

学生のうちに起業するデメリット

起業はかんたんなことではなく、学生のうちに起業するにはデメリットもあります。起業するかどうかは、デメリットも把握したうえで、メリットを活かせるように考えてみましょう。

学生のうちに起業する主なデメリット

  • 経験や知識不足で挫折しやすい
  • 学業との両立が難しくなる
  • 自由な時間が少なくなる
  • 資金調達が難しい

経験や知識不足で挫折しやすい

学生のうちに起業するデメリットとして、社会人経験や知識の不足によって、事業での判断が決められなかったり、対処法がわからなかったりして挫折しやすいことが挙げられます。会社に勤める社会人なら上司や先輩、同僚に確認しながら進められますが、学生起業家の場合、自分1人や学生同士で事業を起こすことが多く、確認の機会が少ないために、解決までに時間がかかるだけでなく、もどかしい思いをするかもしれません。うまく回らなければ、事業へのモチベーションが低下し、挫折してしまう可能性もあります。挫折しないようにするには、失敗して当然ぐらいの気持ちで臨むことも必要でしょう。

学業との両立が難しくなる

学業とビジネスの両立が難しいことも、学生のうちに起業するデメリットの1つです。ビジネスに力を入れるあまり、学業がおろそかになってしまうと、単位を落として留年といった事態を招くことにもなりかねません。たとえ、学業よりビジネスを優先したいと思っていても、学費を払っている家族から反対される可能性もあるでしょう。ビジネスで、安定した収入を得るまでに時間をかけないといけないこともありますが、学生である以上は、学業とビジネスの時間配分を考えることも求められます。

自由な時間が少なくなる

起業してビジネスを行うには、多くの時間と労力を要するため、学生として過ごす自由な時間が少なくなることもデメリットとして挙げられます。サークル活動をはじめ、友人と過ごしたり、趣味を楽しんだりしている周りの学生を見て、ビジネスに時間を追われる自分とのギャップを感じてしまうことはあるかもしれません。起業するには自分の力でビジネスを行っていくという覚悟も必要になるため、周りの雰囲気に流されないようにする必要もあります。

資金調達が難しい

事業実績のない学生は、金融機関から融資を受けづらいというデメリットがあります。融資を受けるには自己資金が必要になるため、初期投資が必要な事業で起業するのは難しいかもしれません。資金が必要な場合は、少ない開業資金で始められる事業を選ぶ、手持ちのお金でできる事業的規模からスタートするといった工夫が必要になります。

起業を成功に導くためのポイント

学生に限らず、起業して事業運営を安定させていくには、市場調査や集客戦略といった綿密な準備や、必ずやり遂げるという強い意思を持つことが求められます。起業を成功に導くためには、以下のようなポイントを意識してみましょう。

起業を成功させるために意識するポイント

  • 事業内容の強みや集客方法まで準備する
  • スモールビジネスから始める
  • 起業に必要な資金を準備する
  • あきらめないでチャレンジする

事業内容の強みや集客方法まで準備する

起業する際には、「起業して何をするか」という事業内容を固めるだけでなく、ターゲットや販売方法、集客方法、売上予測まで具体的に考えておくことで、自分の中に判断基準ができ、決断しやすくなったり、次に何をしないといけないかが見えやすくなったりします。

また、市場調査や競合の分析などを行い、強みを打ち出すことで、自社の商品やサービスを顧客に選んでもらうことにもつながります。ただし、入念な準備をしていても、うまくいかないときは他人の意見や周りの状況に流されてしまうかもしれません。自分の事業の軸がぶれないようにするには、起業する目的や理由を明確にし、判断基準を設けておきましょう。

  • 起業アイデアの出し方については以下の記事を併せてご覧ください

スモールビジネスから始める

学生起業だけでなくどのようなビジネスでも、1人で起業するなら何かトラブルがあっても自分でリカバリーできるような事業的規模から始めることも成功させるポイントといえます。中には、友達と一緒に起業したいと考える方もいるかもしれませんが、複数人で事業を始めると、後々意見が分かれたり、お金のことでトラブルになったりする可能性があります。

まずは1人で起業した方が、意思決定などもスムースに行いやすく、事業運営のイメージもつかみやすくなります。なお、会社を設立するよりも手軽に始めたい場合は、個人事業主を選ぶのも1つの方法です。

  • スモールビジネスについては以下の記事を併せてご覧ください

起業に必要な資金を準備する

起業時に必要な資金が足りなくなれば、事業を継続できなくなるため、起業前に資金を準備する必要があります。一般的に、起業時には初期費用に加えて、事業運営にかかる仕入れ代や家賃など毎月かかる費用である運転資金の6か月分程度を確保しておいた方がよいといわれています。

しかし、学生の場合はお金をためる期間が短いため、自己資金だけで事業にかかる費用全てをまかなうのは難しいかもしれません。できるだけ初期投資の少ない事業を意識し、それでも足りなそうな場合は、資金調達を検討するといいでしょう。金融機関からの融資は難しいかもしれませんが、自治体によっては、学生起業家を対象とした補助金・助成金を設けている場合もあるため、利用できる制度がないかどうか探してみましょう。クラウドファンディングや学生を対象としたビジネスコンテストを活用する方法もあります。

あきらめないでチャレンジする

起業に失敗はつきものですから、失敗してもあきらめないでチャレンジする気持ちを持っておくことも成功させるポイントといえます。どれほど綿密に準備をしていても、事業を軌道に乗せられるかどうかは始めてみなければわかりません。また、現在活躍している起業家の中でも、最初はうまくいかず、2回目、3回目のチャレンジで成功することもあります。

例えば、有名大学の学生が学生向けにする授業の動画配信サービスを提供する事業で起業したが、うまくいかず廃業。2回目以降は、徹底的に市場をリサーチし、勝てる筋道を作ってから、ITのマーケティング支援企業にチャレンジし、成功したという例もあります。

個人事業主と法人では事業開始の手続きが異なる

事業を行うには、個人事業主として開業する、会社を設立して法人となる方法があり、必要な手続きが異なります。個人事業主なら税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出するだけで費用もかかりません。一方、会社を設立するには、事業概要を記載した定款の作成や法人登記などの手続きが必要なだけでなく、株式会社なら最低15万円、合同会社なら最低6万円の登録免許税がかかります。起業する際には個人事業主と法人のどちらで事業を行うかを決め、設立手続きを進めましょう。

なお、1月1日から12月31日までの1年間で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。確定申告をスムースにするには、売上や経費など日々のお金を管理できるよう、確定申告ソフトを使うのもおすすめです。

  • 法人と個人事業主の違いは以下の記事を併せてご覧ください

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学生ならではの強みを活かしたビジネスで起業しよう

学生のうちに起業すると、失敗してもリスクを抑えやすかったり、ビジネス経験において他の学生よりもアドバンテージが高くなったりするメリットがあります。一方で、デメリットとして経験や知識の不足から挫折しやすく、自由な時間が少なくなることが挙げられます。在学中に起業した経験は、卒業後に事業を続けるにしても、就職するにしても強みとなるため、起業するメリットとデメリットを踏まえたうえで、起業の準備を進めていきましょう。

会社の設立手続きをする際は「弥生の設立お任せサービス」や「弥生のかんたん会社設立」などのクラウドサービスをぜひご活用ください。

この記事の監修者森 健太郎(税理士)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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