1. 弥生株式会社
  2. クラウド給与計算・給与明細ソフト
  3. 給与計算お役立ち情報
  4. 労務管理
  5. 育児休業制度とは? 改正に対応するための企業担当者向けのポイント

育児休業制度とは? 改正に対応するための企業担当者向けのポイント

育児休業に関する制度は改正が進み、企業にはより柔軟な対応が求められています。とはいうものの、担当者の中には、どのように環境を整えればいいか頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、育児休業の申出期間や方法といった基本的なことから、企業が育児休業制度の活用を推進すべき理由、適切に運用するためのポイントなどを詳しく解説します。さらに、2025年から施行される新制度についても紹介しています。自社の制度運用を見直し、働きやすい環境を整えるための参考にしてください。

【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減

「弥生給与 Next」で給与・勤怠・労務をまとめてデジタル化
従業員情報の管理から給与計算・年末調整、勤怠管理、保険や入社の手続きといった労務管理まで、これひとつで完結。
今ならAmazonギフトカード半額相当がもらえる「弥生給与 Next」スタート応援キャンペーン実施中!
弥生給与 Next

無料お役立ち資料【「弥生給与 Next」がよくわかる資料】をダウンロードする

育児休業とは

育児休業の概要について解説します。

育児休業は法律で定められている

育児休業とは、労働者が原則1歳未満の子どもを養育するために取得できる休業制度です。育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)によって定められていて、男性・女性にかかわらず、一定の条件を満たす労働者は取得する権利があります。

たとえ企業の就業規則規定がなくても、またパートやアルバイトなど雇用期間の定めがある労働者でも、一定の要件を満たせば取得可能です。加えて、育児休業の対象期間は原則として子どもが1歳になるまでですが、保育所に入れないなどの特別な事情がある場合は、最長で2歳まで延長できます。企業は従業員から申し出があった場合は、休業を拒否することはできません。

育児休暇は会社の制度である

育児休業と同様に「育児休暇」という言葉も耳にする機会が多くありますが、両者は異なる意味合いを持ちます。育児休業は法律で定められた制度であるのに対し、育児休暇は一般的に、子どもの養育を目的に企業が独自に定める制度を指します。そのため、育児休暇制度を設けるかどうかは企業の判断に委ねられており、取得要件や内容、休業期間中の給与の有無といったルールも企業によって異なります。ただし、広義には育児休暇という言葉が、休業を含む育児に関する企業の制度全般を指す場合もあります。

改正育児・介護休業法により、国は仕事と育児の両立支援を推進しています。
さらに、2025年10月からは「柔軟な働き方を実現するための措置等」が施行され、企業は以下の5つの措置の中から2つ以上を選択して実施することが義務付けられます。労働者は、企業が選択した措置を利用がいる労働者に育児目的の休暇制度を設置することを努力義務として明記しています。このように、国は子育てと仕事を両立しやすい制度づくりを推進しています。しかし、育児休暇を導入している企業は少ないのが現状です。

企業が育児休業を推進すべき理由

厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」によると、育児休業の取得率は女性の84.1%に比べて男性は30.1%と男女差が垣間見えます。

法律で定められているとはいえ、「自社で前例がないので取得しにくい」「他の人の負担になるのではないか」「職場復帰後のポジションが不安」など、育児休業の取得をためらってしまう人もいるかもしれません。

ただし、育児休業の取得を促進することは、企業にとってプラスの影響をもたらす可能性もあります。例えば、従業員が働きやすさを感じることで定着率の向上や人材確保につながり、企業イメージの向上にも寄与することがあります。一方で、復職後のキャリアに不安を感じて退職に至るケースもあるため、育児休業中も適宜コミュニケーションを取り、復帰に向けたプランを共有するなどのサポートが求められます。

参照:厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査新規タブで開く

育児休業制度

育児休業制度の対象労働者や取得方法、必要な書類など、制度の詳細を解説します。

育児休業の対象労働者

育児休業は日雇い労働者を除くすべての労働者が対象です。パートやアルバイトなど、一日の労働時間が短い場合であっても、雇用期間の定めがない場合は育児休業を取得できます。

2022年4月1日の法改正で、雇用期間1年未満の労働者にまで対象範囲が広がりました。ただし、労使協定で「雇用期間が1年未満である場合は認めない」としている場合もあるので注意が必要です。それに対して、有期雇用の労働者は、「1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない」という要件を満たせば、育児休業を取得できます。

参照:厚生労働省「Ⅱ-1 育児休業制度新規タブで開く

育児休業の分割取得

分割取得には、それぞれの休業の際に申し出が必要です。

なお、改正前(2022年9月以前)も、産後8週間以内に育児休業(1回目)を取得すれば、その後、申し出によって再度育児休業(2回目)を取得できるという「パパ休暇制度」は存在していました。2022年10月以降は、上述した条件なしに、原則2回まで分割取得が可能になり、制度の拡充・明確化が図られています。

この改正は、夫婦が協力して育児することを促進すると共に、仕事と育児を両立しやすくするねらいがあります。パートナーの支えが欲しいタイミングで休業できたり、業務や会社の状況を踏まえながら休業できるようになったり、柔軟に育休を取得しやすくなった側面があります。また、夫婦が交代で取得しやすくなったことも大きなメリットです。

育児休業の期間・延長の条件

育児休業は原則として子どもが1歳になるまで取得できますが、事情がある場合は最長で2歳まで延長することが可能です。育児休業給付金を延長して受給するには、「1歳6か月までの延長」と「2歳までの再延長」のタイミングで、それぞれ申請が必要です。

給付金の延長受給の要件は、子が1歳または1歳6か月に達する日までに保育所などへの入園を希望して申し込んでいるものの、入園できない場合等です。2025年4月からは、市区町村が発行する入所保留通知書に加え、保育所などの利用申込書の写しなどを提出する必要があります。さらに、保育所等への申し込みが速やかな職場復帰のためであると公共職業安定所長に認められることも要件となります。

育児休業の申出期間・申出方法

育児休業を取得したい場合、原則として休業開始予定日の1か月前までに書面などで事業主に申し出る必要があります。その一方で、出生時育児休業(産後パパ育休)については、休業開始予定日の2週間前までに申し出る必要があります。もし、出産予定日前に出生するなどした場合では、1か月前でなくても出生後速やかに申し出ることで、育児休業を取得できます。ただし、1歳6か月と、2歳までの育児休業の場合は2週間前(休業開始予定日の2週間〜1か月前)までです。

また、育児休業申請書の様式は企業が独自に決められます。一般的には、申し出の年月日、労働者の名前、子どもの氏名と生年月日、休業開始日と終了日などを記載します。

育児休業の申出に必要な書類

育児休業給付金は雇用保険から支払われるため、育児休業給付金の申請には、育児休業給付受給資格確認票や、母子手帳のコピーなどが必要です。また、出生時育児休業給付金(産後パパ育休)の場合も同様に、育児休業給付金を受給するための申請が必要です。

企業は事業所の所在地を管轄するハローワークで申請する必要があり、申請の際は、労働者から母子手帳のコピーなどを受け取り、育児休業給付受給資格確認票などと併せて提出します。これらの手続きは電子申請も可能です。

また、企業は、従業員が育児休業を取得する際に、社会保険料の免除手続きや育児休業給付金の申請を行います。 まず、社会保険料の免除期間は、育児休業を開始した月から、休業が終了した翌日が属する月の前月までとなります。この期間中、給与に対する社会保険料の支払いが免除されます。そのため、企業は「育児休業等取得者申出書」を作成し、日本年金機構または健康保険組合へ申請する必要があります。

育児休業中の就業

基本的には、育児休業期間中の就労は認められていません。育児・介護休業法上、育児休業は子どもを養育するために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度であり、休業期間中に就労することは想定されていません。しかし、労働者が自ら事業主の求めに応じて合意することが必要です。労使の話し合いにより、子どもを養育する必要がない期間に限り、一時的・臨時的に就労することは可能です。この場合、労働者と事業主双方の同意が必要です。なお、事業主が一方的に指示して就労させることはできません。また、恒常的・定期的に就労させる場合は育児休業とは認められませんので、その点にも注意が必要です。

例えば、「災害が発生したため、初動対応に経験豊富な労働者(育児休業期間中)に、臨時的な初動対応業務を事業主が依頼し、双方が合意した場合」や、「限られた社員しか情報が共有されていない機密性の高い事項でトラブルが発生し、その詳細や経緯を知っている労働者(育児休業期間中)に一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、双方が合意した場合」といったケースは、就労を一時的に行う必要が生じた「発生経緯」の具体例に該当します。

こうした就労を可能とするには、あらかじめ事業主と労働者の間で労使協定を締結し、対象となる業務内容、就労時間、合意の手続きなどを明記しておく必要があります。この労使協定に基づき、育児休業期間中に就労する日数が月10日以下、または10日を超える場合でも月80時間以下であれば、育児休業給付金の支給対象とされます。

産後パパ育休制度(正式名称:出生時育児休業)

2022年10月から、産後パパ育休制度(出生時育児休業)が施行されました。これは男性が育児休業とは別に取得できる制度で、子どもの出生時8週間以内に、最大4週間の育休を2回に分けて取得できるのが特徴です。これにより、通常の育児休業と併せて、合計4回育休が取得できるようになり、配偶者と協力して育児しやすい環境づくりが可能となりました。

申出期限は、休業の2週間前までであり、休業期間の上限は延長できません。また、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業できるようになっている点が、通常の育児休業制度とは異なります。

パパママ育休プラス

パパママ育休プラスとは、両親が共に育児休業を取得する場合、一定の条件を満たせばその対象期間が1歳2か月まで延長される制度です。ただし、この制度では両親の合計で取得できる休業期間が延長されるわけではなく、通常の育児休業期間内で調整するしくみです。通常の育児休業のように、保育所に入れないなどの特別な理由がなくても利用でき、分割取得も可能です。

利用するための主な要件としては、「配偶者のいずれかが、子どもが1歳になる前に育児休業を開始すること」「本人の育児休業開始日が、子ども1歳誕生日の前であること」などがあります。また、夫婦揃っての取得が要件のため、どちらかが専業主婦(主夫)の場合は利用できません。夫婦で協力しながら子育てできる環境を整えやすく、特に父親の育児参加を後押しする制度としても注目されています。

その他の仕事・育児の両立支援制度

育児・介護休業法では、仕事と育児を両立できような環境を整えるため、以下の支援制度が設けられています。

 改正前(2025年3月まで) 改正後(2025年4月以降)
子の看護休暇 ①小学校就学前まで ①小学校3年生の修了まで
②勤続6ヵ月未満の労働者は対象外 ②勤続6ヵ月未満の労働者も含む
③病気や怪我、予防接種、健康診断 ③左記に加え、感染症による学級閉鎖、入園(入学)・卒園式
所定外労働の制限対象 3歳未満の子を養育する労働者 小学校就学前の子を養育する労働者
短時間勤務制度の代替措置 育児休業に関する制度に準ずる措置、始業時刻の変更等 小学校就学前の子を養育する労働者
短時間勤務制度の代替措置 育児休業に関する制度に準ずる措置、始業時刻の変更等 テレワークも選択肢に追加
育児のためのテレワーク導入 義務なし 制度導入の努力義務が追加
育児休業取得状況の公表義務 従業員数1000人超の企業 従業員数300人超の企業

子の看護等休暇

子の看護休暇等あとは、有給休暇とは別に取得できる制度です。2025年4月から、対象範囲が小学校3年生の修了までに拡大しました。また、病気や怪我、予防接種、健康診断だけでなく、感染症による学級閉鎖や入園(入学)式・卒園式でも取得できるようになりました。

週の所定労働日数が2日以下の労働者は取得できませんが、継続雇用期間が6か月未満の労働者も対象となり、子育て世帯を支えるしくみができています。

短時間勤務制度

3歳未満の子どもがいる労働者は、希望すれば短時間勤務制度を利用できます。就業規則などで定められた一日の勤務時間を短縮することが可能で、一日の所定労働時間は6時間までとされています。ただし、労使協定により、勤続1年未満の労働者などは対象外となります。また、短時間勤務の適用が難しい業務に従事している場合は、フレックスタイム制度や時差出勤制度の導入など、代替措置を講じることが求められています。2025年4月からは、テレワークを代替措置として認める内容が追加されています。

所定外労働の制限

仕事と子育てを両立しやすくするため、残業を免除する制度があります。2025年4月からは、対象が小学校就学前の子どもを養育する労働者に範囲が拡大されています。ただし、日雇い労働者などは制度の対象外となっており、事業の正常な運営を妨げる場合、事業主は申し出を拒否できるとされています。

時間外労働の制限

小学校就学前の子どもがいる労働者は、事業主に申し出ることで、時間外労働の制限を受けられます。この制度を利用すると、時間外労働を1か月で24時間以内、1年で150時間以内に抑えることが可能です。なお、日雇い労働者や1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外です。

深夜業(深夜労働)の制限

事業主は、小学校就学前の子どもがいる労働者から申し出があった場合、午後10時から午前5時までの労働を免除しなければなりません。この時間帯は、労働基準法第37条で深夜時間帯として定められ、労働者の性別や雇用形態に関係なく適用されます。残業が深夜に及ぶ場合でも制限を申し出ることができ、請求回数に上限はありません。

育児休業中の給与の扱い

育児休業の期間中は、企業が給与を支払う義務はありません。その代わりに、雇用保険加入者であり、育児休業前の2年間で11日以上働いた月が12か月ある等の要件を満たせば、雇用保険から育児休業給付金が支払われます。

支給される期間は、原則として子どもが1歳になる日の前日までです。支給額は休業前の給与に基づいて計算され、休業開始から180日目までは賃金の67%、それ以降は50%になります。

また、2025年4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、子の出生直後の一定期間に、両親がそれぞれ14日以上育児休業を取得した場合に支給されます。出生時育児休業給付金または育児休業給付金と併せて支給され、休業開始時賃金日額の13%が最大28日間支給されるものです。なお、ベースとなる休業開始時賃金日額は、育児休業を開始する前の6か月間の賃金を180日で割って算出したもので、上限や下限額が設定されています。

また、育児休業期間中には社会保険料が免除されるため、実質的な手取りが増える場合もあります。
休業開始時賃金日額の計算方法について、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

企業が育児休業制度を適切に運用するためのポイント

企業が育児休業制度を適切に運用するためには、従業員が安心して取得できる環境を整えることが重要です。そのためには、制度を正しく理解し、従業員に周知する必要があります。それぞれ押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

男性への育児休業取得の促進

政府は、2025年までに男性の育児休業取得率を50%、2030年には85%まで引き上げることを目標に掲げています。男性は女性に比べて育児休業の取得率が著しく低く、積極的な育児への参加を促進することが早急に取り組むべき課題です。

他方、厚生労働省の「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」では、回答者全体の69.7%が「育休取得実績」を重視し、61.0%が「就職活動で男性の育休取得実績がない企業に就職したくない」と回答しています。このような結果からも、企業には制度の充実が求められています。

男性の育児休業を推進することで、企業のイメージアップだけでなく、優秀な人材の定着や従業員の仕事意欲の向上など多くのメリットがあります。そのためにも、社内研修を通じて従業員に正しい理解を広めたり、育児休業を取りやすい雰囲気を醸成したりするなど、環境の整備に努めましょう。

参照:厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)新規タブで開く

育児のためのテレワーク導入の努力義務化

2025年4月から3歳未満の子どもがいる労働者に対し、企業側がテレワークを選択できるよう措置を講じることが努力義務化されました。これには、子育て中の労働者が柔軟な働き方を選択できることで、仕事と育児の両立が促され、離職防止や生産性の向上につなげるねらいがあります。努力義務であるため法的な強制力はありませんが、企業は時代の変化に対応し、テレワーク規定の策定や業務フローの見直しなどに取り組む姿勢が必要です。

柔軟な働き方を実現するための措置

柔軟な働き方を後押しするため、2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子どもがいる労働者のニーズに応じて、時差出勤やフレックスタイム制、短時間勤務など、2つ以上の制度を設けることが義務付けられます。労働者はその中から1つを選択し、柔軟な働き方を実現できます。制度導入の際には、労働者の過半数で組織する労働組合などの意見を聴取する必要があります。

個別周知と意向確認

育児休業取得を促進するため、2025年10月から、3歳未満の子を養育する労働者に対し、企業は労働者それぞれの状況に応じた個別の意向聴取や配慮を義務付けられます。これにより、育児と仕事を両立しやすい環境の整備が期待されています。なお、妊娠や出産を申し出た労働者またはその配偶者に対する個別の周知や意向確認は、2022年の法改正ですでに義務化されています。

企業は、対象の労働者に育児休業制度の内容を説明し、取得の意向を確認することはもちろんのこと、必要に応じて業務量の調整や労働条件を見直すことが求められます。周知する時期や内容、方法は定められていますが、家庭や仕事の状況は人それぞれであり、その都度変化するため、定期的に面談することが望ましいとされています。

ハラスメント・不利益な取り扱い防止

育児・介護休業法第10条で禁止されているように、育児休業取得によって起こる職場でのハラスメントや不利益な扱いは、社会的に許されない行為です。もし、解雇や契約更新を行わないなど不当な扱いをした場合は、法律違反に該当するため注意が必要です。

また、「休みを取るなら辞めてもらう」「男のくせに育児休業を取るのはありえない」と不適切な発言をしたり、雑務だけをさせる嫌がらせをしたりする行為は、個人の尊厳を傷つけるハラスメントです。こうした行為は労働者の働く意欲を低下させ、生産性や業務運営に支障が出ることもあります。そのため、企業は労働者が育児休業を取る際に後ろめたさを感じることなく安心して利用できるよう、社内研修の充実や相談体制の整備など対策に努めることが重要です。

育児休業取得状況の公表義務

育児・介護休業法では、企業が男性の育児休業取得率を年1回公表することを義務付けています。2025年4月からは、適用範囲が広がり、従業員が300人を超える企業も新たに対象に加わりました。

該当する企業は、男性の「育児休業の取得率」または「育児休業と育児目的休暇の取得率」のいずれかを選び、インターネットなどだれでも閲覧できる方法で公表する必要があります。女性の育児休業取得率も併せて公表することで、企業の育児支援の取り組みをアピールできます。

育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け

2025年4月から、従業員数が100人を超える企業は、育児休業の取得実態や労働状況を把握したうえで、数値目標を設定する義務が課されました。これらは同年4月1日以降に開始または内容変更する行動計画から適用されます。なお、従業員数100人以下の企業については、努力義務となります。企業は今まで以上に育児と仕事の両立をより積極的に支援することが求められ、労働環境の改善が期待されます。

育児休業に関するフローや環境の整備

育児休業の取得を円滑に進めるためには、企業側が取得までの流れをスムーズに進められるように業務フローを整えておくことも重要です。まずは、申出期限が決められている制度については、必要書類のリストアップや申請フローを整理し、社内で共有することが大切です。

また、個別周知が義務化されたため、労働者それぞれの状況に応じた対応が取れるよう準備する必要があります。さらに、育児休業後の職場復帰を円滑にするため環境整備を進める他、必要に応じて法改正に対応した育児介護休業規定の見直しも視野に入れておかなければなりません。

加えて、職場の理解が足りないままだと、制度は整っても、風土として育児休業の取得をためらう雰囲気が生まれる可能性があります。特に、限られた人しか業務を把握していない状態では、育児休業による一時的な不在が混乱を招きます。そのため、業務を分散化し、だれが育児休業に入っても問題なく対応できるよう、業務プロセスを整えることも大切です。

育児休業の制度を理解して対応しよう

育児休業は、育児・介護休業法で定められた労働者の大事な権利です。法改正により、分割取得が可能となったり、「産後パパ育休」「パパママ育休プラス」など多様な制度が整備されたりしたことで、育児と仕事の両立を図りやすい環境が整いつつあります。

育児休業の制度を活用していくためには、企業側の適切な理解と対応が大切です。事前に手続きを確認したり、社内の運用ルールを見直したり、環境を整えることが重要となってきます。「弥生給与 Next」では、育児休業給付の電子申請が可能です(※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります)。育児休業に関する業務の効率化などに役立てられますので、ぜひ活用してみてください。

無料お役立ち資料【「弥生給与 Next」がよくわかる資料】をダウンロードする

「弥生給与 Next」で給与・勤怠・労務をまとめてサクッとデジタル化

弥生給与 Nextは、複雑な人事労務業務をシームレスに連携し、効率化するクラウド給与サービスです。

従業員情報の管理から給与計算・年末調整、勤怠管理、保険や入社の手続きといった労務管理まで、これひとつで完結します。

今なら「弥生給与 Next」 スタート応援キャンペーン実施中です!
この機会にぜひお試しください。

この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
「日本で一番喜ばれる数の多い会計事務所グループになる」
この夢の実現に向けて、全力でご支援しております。
解決できない経営課題がありましたら、ぜひ私たちにお声掛けください。必ず力になります。

カテゴリ一覧

    人気ランキング

      初心者事業のお悩み解決

      日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

      • お役立ち情報

        正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

      • 無料のお役立ちツール

        会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

      • 虎の巻

        個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

      事業のお悩み解決はこちら