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介護休業とは?取得条件や期間、給付金をわかりやすく解説

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介護休業とは?取得条件や期間、給付金をわかりやすく解説

従業員は、家族の介護問題に直面したとき、介護と仕事を両立させるために「介護休業制度」を利用できます。しかし経営者や経理・総務担当者の中には、具体的にどのような制度なのか、企業側がどう対処すべきなのかわからない人もいるでしょう。

本記事では、2025年4月の「育児・介護休業法」改正も踏まえながら、介護休業のしくみや介護休暇との違い、申請方法、介護休業給付金など、企業が押さえておくべきポイントを解説します。法整備により、今後介護休業を取得する従業員はさらに増える可能性があります。適切に対処できるよう、正しく理解しておきましょう。

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介護休業とは

介護休業とは、要介護状態の家族を介護しなければならない労働者が利用できる休業制度です。要介護状態について、育児・介護休業法では、「負傷や疾病をはじめ、身体や精神上の障害で2週間以上の期間にわたって常時介護が必要な状態」と定めています。

家族が要介護状態となると、労働者はこれまで通りに業務に従事できなくなる可能性があります。場合によってはその労働者が離職せざるを得ないケースもあります。その後、家族の介護が不要になったときには、その労働者は再度就職活動を行わなければなりません。

介護休業は、このような人々をサポートするための制度です。介護休業を利用できれば、労働者は在籍している企業から離職することなく家族を介護できます。なお、介護休業は国が定めた制度であるため、企業が制度として設けていなくても労働者は利用可能です。

介護休業と介護休暇の違い

介護休業と介護休暇は、どちらも家族の介護を要する労働者を対象とした制度です。両者には、取得可能な日数や申請のタイミングなどの違いがあります。

介護休業は、介護を要する家族1名に対し通算93日までの取得が可能で、最大3回までに分けて取得できます。その一方で、介護休暇は介護の対象者1名につき年5日まで(2名以上の場合は年10日まで)、1日または1時間単位で取得可能です。

また、介護休業の場合、取得を開始したい日の2週間前までに書面で申請を行います。それに対して、介護休暇は休みたい当日に口頭での申請が可能です。

介護休暇については、2025年4月の法改正により、取得要件が緩和されました。従来は労使協定を締結している場合、「継続雇用期間6か月未満」の労働者を対象外とすることができましたが、この規定は撤廃されています。現在は「週の所定労働日数が2日以下」の労働者のみが除外対象となっており、入社直後の社員も介護休暇を取得しやすくなりました。

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介護休業の期間

介護休業は、介護を要する家族1人につき通算93日まで取得でき、最大3回に分けて利用できます。例えば30日、30日、33日と分けて取得することも、93日を連続で取得することも可能です。

介護休業はなぜ93日なのか?

介護は終わる時期の見通しがたたないため、介護に専念するなら93日間は短く感じられるかもしれません。しかし介護休業は仕事と介護の両立が可能な体制を整えることを目的とした制度です。

介護休業は、休業中に介護そのものを担うためではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間として位置づけられています。施設やサービスの見学、親族との調整、引っ越し、介護認定の取得などにはまとまった時間がかかるため、93日間はこうした手続きや両立体制の整備に充てる期間として設けられています。在宅介護の準備や施設入所、看取りなど、介護のステージに応じて分散して取得することも可能です。

また、介護休業を申請した期間中に土日祝日が含まれていた場合、土日祝日も休業期間に含まれます。例えば30日間の介護休業中に4回土日を挟むのであれば、たとえ土日が休みの企業であっても休業期間は22日間ではなく、30日間とカウントされます。

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介護休業の対象者

介護休業の対象となるのは、常時介護を要する家族がいる労働者です。厚生労働省の判断基準において「常時介護を必要とする状態」とは、以下のいずれかの条件に該当する状態を指します。

  • 介護保険制度の要介護状態区分で「要介護2」以上である
  • 厚生労働省の「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」に記載されている状態表において、「(2)が2つ以上」もしくは「(3)が1つ以上」該当し、その状態が継続すると認められる

上記に紹介した「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」の詳しい状態の項目については、以下でご確認ください。

対象となる労働者

介護休業の対象となるのは、要介護状態の家族を介護しなければならない労働者です。正社員をはじめ、パートやアルバイト雇用の従業員も制度を利用できます。

ただし、あらかじめ期間を定めたうえで雇用されているアルバイト、パート従業員は、「休業の開始予定日を起算日として、93日を経過する日から6か月を経過するまでに契約期間が満了し、契約更新されないことが明らかでないこと」という要件を、申請時点で満たしていなければなりません。

また、日々雇用の労働者も制度を利用できません。日々雇用とは、1日単位で雇用契約を交わす働き方を指します。

労使協定を締結しているケースでは、「入社1年未満」「申し出日から93日以内に雇用期間が満了になる」「1週間の所定労働日数が2日以下」の労働者は制度の対象外です。

対象となる家族

介護休業の対象となる家族は、労働者の配偶者と父母、兄弟姉妹、祖父母、子、孫のほか、配偶者の両親も該当します。配偶者に関しては、正式な婚姻関係を結んでいない、いわゆる事実婚状態の夫や妻も対象です。

その一方で、子に関しては法律上での親子関係が求められるため、事実婚関係にある配偶者の連れ子などは対象になりません。ただ、血縁関係がなくても、養子縁組などで法律上の親子関係が成立しているのなら制度の対象です。

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介護休業中の給与

介護休業は国が定めた制度であるものの、給与の支払いについては明確な決まりがありません。そのため、休業中の従業員へ給与を支給するかどうかは、企業によって判断が分かれます。企業に給付義務がないことから、原則無給としているケースが多く見受けられます。

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介護休業の申請方法

介護休暇とは異なり、介護休業の申請は口頭ではできません。休業を開始したい日の2週間前までに、事業主に対し書面で申請を行います。

従業員がいつでも介護休業を申請できるよう、企業はあらかじめ申請書を用意しておきましょう。申請書には、本人や介護が必要な家族の氏名、介護が必要な理由、休業の開始日や復帰予定日などを記入する項目を設けます。厚生労働省の公式サイトで、介護休業申出書のひな型が公開されているため、それを参考にするのもおすすめです。

なお、介護休業の申し出を受けた場合、企業は拒否できません。国が定めている制度であるため、取得の申し出を承諾することが求められます。また、申し出を受けた企業は休業の開始予定日や終了予定日などを、従業員に対し書面などで通知します。

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介護休業給付金とは

介護休業給付金とは、介護休業の取得者を対象とした給付金制度です。介護休業中の労働者に対して経済的な支援を行うもので、雇用保険に加入しているなど一定の要件を満たすことで給付されます。

雇用保険について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

支給要件

介護休業給付金制度を利用するには、以下の要件を満たさなくてはなりません。

  • 申請者本人が雇用保険の被保険者であること
  • 常時介護を必要とする家族を介護するために、介護休業を取得していること
  • 介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること
    • 11日に満たない場合でも、賃金支払の基礎となった労働時間が80時間以上ある月は、1か月として算定できます。

申請のタイミングと必要書類

介護休業給付金の申請は、介護休業終了の翌日を起点に、2か月後の月末までに行います。企業側からも、従業員に対し制度を利用するかどうかをヒアリングし、申請期間などを伝えましょう。

申請は原則として企業が行います。企業は書類を準備し、漏れなくハローワークへ提出しなければなりません。申請のために準備する書類は以下のとおりです。

【受給資格確認に必要な書類】
  1. 1.
    雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  2. 2.
    賃金台帳、出勤簿またはタイムカード(賃金の額や支払い状況を証明可能な書類)
【支給申請に必要な書類】
  1. 1.
    介護休業給付金支給申請書
    • 個人番号欄にマイナンバー(個人番号)を記載する
  2. 2.
    被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
  3. 3.
    住民票記載事項証明書等(介護対象家族の氏名や申請者との続柄、性別、生年月日などを確認するのに必要)
  4. 4.
    出勤簿、タイムカード等(介護休業の期間や休業中の実績を確認できる書類)
  5. 5.
    賃金台帳等

なお介護休業給付金は休業期間中ではなく、休業終了後に申請して支給されるしくみです。休業中は無収入になる可能性があるため、従業員には事前にその旨を説明しておきましょう。

給付される金額と計算方法

介護休業給付金は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で算出します。賃金(日額)は、介護休業に入る前6か月の賃金を、180で割った金額です。

なお、介護休業中に企業から従業員へ給与を支払う場合、介護休業給付金が減額されるケースがあります。介護休業の支給対象期間中に企業の賃金支払日があり、そこで支払われた介護休業期間中の日を対象とする賃金の額と対象期間中の介護休業給付金の合計額が「賃金月額(賃金日額×30日)」の80%を超える場合、超えた額が減額されて支給されるためです。

また給付額には上限があり、上限額は年度ごとに改定されます。給付額の上限額を詳しく知りたい場合は、厚生労働省の公式サイトなどを確認してください。

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従業員が介護休業を申請したときの注意点

従業員が介護休業を申請した際、企業は選択的措置を講じなければなりません。また、原則として介護休業の申請は拒否できないこと、要介護認定を受けていない家族も対象になることも覚えておきましょう。

選択的措置を講じなければならない

介護休業を申し出た従業員に対し、企業は選択的措置を講じなければならないと法律で定められています。選択的措置には、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の変更、介護サービス費用の助成などがあります。

また、2025年4月の法改正により、介護離職防止のための雇用環境整備も事業主の義務となりました。雇用環境整備としては、次のいずれかの措置を講じることが求められます。

  1. 1.
    研修の実施
  2. 2.
    相談窓口の設置
  3. 3.
    制度利用事例の収集・提供
  4. 4.
    制度利用促進に関する方針の周知

さらに、要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講じることも、努力義務とされています。

就業規則について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

社会保険料の免除制度がない

企業に属して就業する場合、健康保険や厚生年金保険などの社会保険と、雇用保険などの労働保険に加入します。これらの保険料は、従業員の給与から天引きされるのが一般的ですが、介護休業時には給与を支給しないケースが多くなります。

このうち雇用保険料は、賃金が発生しなければ保険料も発生しないため、介護休業中の支払いはありません。一方、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料)には免除制度がなく、介護休業中も支払う義務があります。
※育児休業の場合は原則として社会保険料が免除されますが、介護休業に同様の制度はありません。

なお、住民税も前年の所得に基づいて課税されるため、介護休業中であっても支払う義務があります。

つまり、介護休業中の従業員は、無給状態にもかかわらず、社会保険料や住民税を納めなくてはなりません。従業員の経済状況によっては、一時的に会社が立て替えるなどのサポートが求められる場合もあります。こうした点についても前もって話しあっておきましょう。

要介護認定を受けていなくても介護休業は取得できる

要介護認定とは、介護が必要な度合いを7段階の数値で表現したものです。要支援1~2と、要介護1~5に区分されており、数字が大きくなるほど介護の必要性が高くなります。

介護休業制度では、従業員の家族が要介護認定を受けておらずとも、介護休業取得の対象となります。要介護状態とは、負傷や疾病、身体もしくは精神上の障害によって、2週間以上の常時介護が求められる状態です。定められた判断基準に則って、要介護状態にあるかどうかが評価されるため、要介護認定の有無は関係ありません。

なお、企業は従業員から介護休業の申し出を受けたとき、要介護状態にある事実を証明できる書類の提出を要求できます。その際は、要介護状態にある事実を証明でき、なおかつ従業員が提出可能なものを求めなければなりません。

また、医師が発行した診断書の提出を就業規則に盛り込むことは、厚生労働省では望ましくないとしています。診断書など要介護状態にある事実を証明する書類を提出できないからといって、休業を拒否してはなりません。

企業側が果たすべき義務

2025年4月の法改正では、従業員が介護と仕事を両立しやすくなるよう、次のような見直しが行われました。

  • 介護休暇の取得要件緩和
  • 雇用環境整備の義務化
  • 個別の周知・意向確認の義務化
  • テレワーク導入の努力義務化

介護休暇の取得要件緩和や雇用環境整備の義務化については前述のとおりです。本項目では、企業に求められる個別周知・意向確認や、事前の情報提供について確認します。

【個別の周知事項】
  • 介護休業制度・介護両立支援制度等の内容の周知
  • 制度の申出先の案内
  • 介護休業給付金に関する情報の提供

個別周知や制度利用の意向確認は、面談、書面交付、FAX、電子メールなどの方法で行います。なお、従業員に休業の取得や制度利用を控えさせるような形で、周知や意向確認を行うことは認められていません。

また、介護に直面する前の段階で、介護休業制度などに関する情報をあらかじめ提供することも義務化されました。具体的には、従業員が40歳に達する日の属する年度、または40歳に達した日の翌日から1年間のいずれかの時期に、情報提供を行います。

介護休業は国で定められた制度であり、要件を満たしている従業員なら性別や雇用形態などを問わず、管理職であっても取得可能です。企業側の都合などで申し出を拒否することはできません。

また、介護休業の取得を申し出た従業員に対し、企業側が懲罰的なポジション異動や解雇といった不当な扱いを行うこともできません。ほかにも、就業環境を害して業務に携われないようにする、給与や賞与を減額する、人事考課で不当な評価をする、労働契約を従業員の不利な内容に変更するなどの不当な行為があった場合、企業が行政指導を受ける可能性もあります。勧告を受けたにもかかわらず従わなかった場合、その旨が公開されるため、企業としてのイメージを著しく損なうことにもつながります。

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介護休業に関するよくある質問(FAQ)

介護休業については、取得条件や休業中の扱いなど、実務上わかりにくい点も少なくありません。介護休業に関してよくある質問と回答を確認しておきましょう。

従業員が介護休業を使い切った場合、どう対応すべきですか?

介護休業を使い切った場合でも、別制度である介護休暇を取得することは可能です。さらにテレワークや短時間勤務、フレックスタイム制など、企業ごとに講じられている選択的措置もあります。これらを併用しながら介護と仕事の両立を検討するよう、従業員に促しましょう。

介護休業中の従業員は無給になりますか?

法律上は、企業が介護休業中の従業員に対して給料を支払う義務はありません。そのため無給のところもありますが、給与を支給する企業もあり、現状では各企業の判断に委ねられています。介護休業中の給与の有無については、従業員が確認しやすいよう、就業規則などに明記しておきましょう。

介護休業中の社会保険料はどう扱えばよいですか?

給与が発生しない介護休業中であっても、健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料などの社会保険料は徴収しなければなりません。介護休業を取得する従業員には、休業中の社会保険料の支払い義務のことも周知しておきましょう。

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介護休業のしくみを正しく理解しよう

介護休業は、介護を要する家族を持つ従業員が仕事と介護を両立させる上で、不可欠なセーフティネットとなる制度です。要件を満たしている従業員であれば、雇用形態や年齢、役職を問わず利用でき、企業側の都合で拒否することはできません。

2025年4月の法改正では、介護休暇取得の要件緩和や、雇用環境整備・個別の周知・意向確認の義務化、テレワークの努力義務化なども明記されました。高齢社会が進む昨今、介護休業や介護休暇、選択的措置を利用しながら仕事と介護を両立する従業員は増えていくことでしょう。

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  • ※本記事は2026年4月20日時点の情報を基に制作しています。
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この記事の監修者勝山 未夢(社会保険労務士)

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ所属社労士。 立命館大学法学部国際法務特修卒業後、新卒より社会保険労務士法人にて勤務。

勝山 未夢(社会保険労務士)

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