1. 弥生株式会社
  2. クラウド給与計算・給与明細ソフト
  3. 給与計算お役立ち情報
  4. 給与計算
  5. 雇用契約書とは?労働条件通知書との違いや記載事項、注意点を解説

雇用契約書とは?労働条件通知書との違いや記載事項、注意点を解説

監修者:税理士法人古田土会計 社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

2024/06/03更新

一般的に、企業が従業員を雇い入れるときには、雇用契約書を取り交わします。ただ、初めて従業員を雇用する場合などは、雇用契約書をどのように作成すればいいかわからないかもしれません。また、同じく従業員を雇用する際に発行する労働条件通知書という書類もあります。雇用契約書と労働条件通知書には、どのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、雇用契約書の役割や記載事項、作成する際の注意点のほか、労働条件通知書との違いについて解説します。

【定額減税にしっかり対応!初年度0円】クラウド給与計算ソフトで大幅コスト削減

【初年度0円】給与明細をかんたん作成・スムーズ発行【法令改正に自動対応】

雇用契約書とは、雇用契約の内容を確認する書類のこと

雇用契約書とは、会社(雇用する側)と労働者(雇用される側)の間で、雇用契約の内容を明らかにするために取り交わす契約書です。

給与(賃金)、就業場所、時間、業務内容、昇給、退職などの労働条件に関する重要事項を取り決めて書面化し、会社と労働者の双方が署名捺印または記名押印をして締結します。署名捺印とは氏名などを手書きして印を押すこと、記名捺印とはスタンプや印刷など手書き以外の方法で氏名や会社名を記載して印を押すことです。

実は、雇用契約書は、法的に発行を義務付けられた書類ではありません。民法上では「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる」と定められており、雇用契約自体は、会社と従業員双方の合意さえあれば口頭だけでも成立します。

しかし、口約束だけでは、入社してから「言った、言わない」のトラブルが起こりかねません。そのため、従業員を雇用するときには、雇用契約書を取り交わす企業が大半です。

雇用契約書は労働条件通知書と何が違う?

雇用契約書と混同されやすいのが、労働条件通知書です。労働条件通知書も雇用契約書と同様に、新たに従業員を雇用するときに作成する書類です。しかし、雇用契約書と労働条件通知書には、主に以下のような違いがあります。

法的な作成義務の有無

雇用契約書には法的な作成義務がありませんが、労働条件通知書は労働者への交付が法律で義務付けられています。

前述したように、雇用契約そのものは、双方の同意さえあれば口頭でも成立します。できるだけ書面で確認することが望ましいとはいえ、雇用契約書を作成しなければならないとは、定められていません。

それに対して、労働条件通知書は、労働基準法によって労働者への交付が義務付けられている書類です。労働基準法では、労働契約の締結に際して、使用者(会社)は労働者に対して賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならないと定められています。雇用契約書を作成しなくても法的な問題はありませんが、労働条件通知書を作成・交付しなければ違法となります。現在、労働条件通知書はFAX・SNS・メールなどでの通知も有効になっています。

署名捺印の有無

雇用契約書は契約締結にあたり署名捺印または記名押印を行いますが、労働条件通知書は不要です。

雇用契約書は、会社と労働者の双方による「契約」です。そのため、双方が同意のうえ、署名捺印または記名押印して締結します。その一方で、労働条件通知書は、会社が作成して労働者に交付する「通知」です。労働条件通知書の目的は労働条件を明示することなので、署名捺印または記名押印を必要としません。

記載事項

雇用契約書と労働条件通知書には、記載事項にも違いがあります。

雇用契約書は法的な作成義務のない書類のため、記載内容についても法令等で定められた事項はありません。しかし、労働条件通知書には、労働基準法と同法施行規則によって、記載すべき事項が定められています。労働条件通知書を作成しても、法令で定められた必要事項が記載されていなければ違法となります。

雇用契約書が労働条件通知書を兼ねる場合がある

雇用契約書と労働条件通知書は、両方を兼ねることも可能です。労働条件通知書に記載すべき事項は法令等で定められていますが、書式に決まりがあるわけではありません。そのため、雇用契約書に労働条件通知書の必要事項が記載され、会社と労働者の双方の同意のうえ署名捺印または記名押印があれば、両方の書類を兼ねたものとして扱われます。

雇用契約書と労働条件通知書の記載事項には重複する内容も多いため、両者を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」を発行する企業は少なくありません。

労働条件通知書についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

雇用契約書に記載する事項

雇用契約書には、法令で定められた記載事項はありません。ただ、前述したように実務上、雇用契約書と労働条件通知書を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」を発行するケースはよくあります。その場合は、法令によって定められた労働条件通知書の記載事項を網羅することが必要です。

ここからは、雇用契約書と労働条件通知書を兼用する場合の記載事項について解説します。

労働条件通知書の絶対的記載事項

労働条件通知書には、必ず記載しなければいけない「絶対的記載事項」があります。雇用契約書が労働条件通知書を兼ねるのであれば、この絶対的記載事項を省略することは認められません。絶対的記載事項の内容は、以下のとおりです。

絶対的記載事項の内容

  • 労働契約の期間
  • 就業場所、業務内容
  • 就業場所、業務の変更の範囲
  • 始業、終業時刻
  • 休憩時間
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 休日、休暇
  • 交代制のルール(労働者を2つ以上のグループに分ける場合)
  • 基本賃金、計算方法、割増賃金率
  • 賃金の締切日、支払日、支払方法
  • 退職や解雇に関する規定

労働条件通知書は、法改正により2024年4月1日以降、就業場所、業務の変更の範囲の明示が必要になりました。また、パートやアルバイトなどの短時間労働者、契約社員などの有期雇用労働者の場合は、以上の事項に加えて、昇給・賞与・退職手当の有無や、雇用に関する相談窓口についても記載しなければなりません。さらに、有期雇用労働者を雇い入れる際には、法改正により2024年4月1日以降、「更新上限の有無と内容」「無期転換申込機会」「無期転換後の労働条件」の記載が必要になりました。

労働条件通知書の相対的記載事項

相対的記載事項は、その会社が該当する制度を設けている場合に限り、労働条件通知書への記載が必要な事項です。具体的には、以下のような事項が該当します。

相対的記載事項の内容

  • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲
  • 退職手当の決定、計算方法、支払方法、支払時期
  • 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与、精勤手当、奨励加給、能率手当について
  • 最低賃金額
  • 労働者に負担させる食費、作業用品など
  • 安全、衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰、制裁に関する事項
  • 休職に関する事項

雇用契約書(労働条件通知書)交付のタイミング

雇用契約書を取り交わすタイミングについては、法的な定めはありません。実務上は、内定日や内定後の入社手続き時、入社日に締結するケースが多いでしょう。

その一方、労働条件通知書を交付するタイミングは、労働契約(雇用契約)の締結時と決まっています。双方が雇用契約について同意した時点で、労働条件通知書の発行が必要です。

雇用契約書を作成する際の注意点

雇用契約書を作成する際には、いくつか注意点があります。作成前にきちんと確認しておきましょう。

雇用形態による内容をそれぞれ明示する

会社によっては、正社員だけではなく、契約社員やパート、アルバイトなど、雇用形態の異なる従業員を雇い入れるケースもあるでしょう。その場合は、雇用契約書の内容も、それぞれの雇用形態に適用される制度に沿って記載する必要があります。

また、雇用契約書と労働条件通知書を兼ねる場合、契約社員をはじめとする有期雇用労働者や、パート・アルバイトなどの短時間労働者は、正社員よりも記載事項が多くなります。雇用形態ごとに記載すべき内容を確認し、漏れのないように注意してください。

人事異動、転勤、職種変更の有無を明示する

入社後に人事異動や転勤、職種変更の可能性がある場合、雇用契約書に明示しておきましょう。たとえ就業規則に人事異動や転勤などの記載があったとしても、雇用契約書に明示されていなければ、転勤命令を出した場合に労務トラブルとなるリスクが発生します。

これは、就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合は、労働者保護の観点から、労働者に有利な方が優先されるためです。不要なトラブルを防ぐためにも、人事異動、転勤、職種変更の有無について、きちんと雇用契約書に記載しておかなければなりません。

労働時間制を明示する

労働時間制度には、通常の労働時間制(固定労働時間制度)以外にも、変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制、みなし労働時間制、固定残業制など、さまざまな種類があります。業種や職種などによって、通常とは異なる労働時間制度を導入する場合は、その旨を雇用契約書に明示する必要があります。

試用期間を明示する

試用期間を設けている場合は、必ず雇用契約書に記載しておきましょう。企業によって、試用期間中と本採用時の雇用条件が変わらない場合もあれば、給与や待遇などに違いがある場合もあります。これらの条件を明示しないまま試用期間を適用すると、トラブルに発展してしまうこともあります。

雇用契約ごとの給与計算を効率化するなら給与計算ソフトを活用しよう

雇用契約書は、雇用契約の内容を明らかにするために、会社と労働者の双方で取り交わす契約書です。雇用契約書を作成しなくても法的な問題はないものの、入社後のトラブルを避けるためにも、締結する会社がほとんどです。実務上は、雇用契約書と労働条件通知書を兼用するケースも多いでしょう。

また、従業員が入社した後は、雇用契約書や労働条件通知書に記載したとおりに給与計算を行わなければなりません。給与計算の手間とミスを軽減するには、給与計算ソフトの導入がおすすめです。弥生の給与計算ソフト「弥生給与」や「弥生給与 Next」「やよいの給与計算」は、給与計算業務に必要な機能を網羅し、給与・賞与計算、社会保険料の計算、年末調整を簡単にできるうえ、給与支払報告書の電子提出にも対応しています。

また、給与・賞与明細の発行までで十分という場合は、クラウドソフト「やよいの給与明細 Next」のような給与・賞与明細の作成・発行に特化したソフトもおすすめです。自社に合った給与計算ソフトを活用して、業務を効率良く進めましょう。

無料お役立ち資料【「弥生のクラウド給与サービス」がよくわかる資料】をダウンロードする

【無料】お役立ち資料ダウンロード

パート従業員の社会保険加入チェックと対策ガイド

社保加入が必要なのはフルタイム従業員だけじゃない!「年収の壁」問題と対策を知りたい方におすすめです。

弥生のクラウド給与サービスなら給与計算・年末調整がスムーズに

弥生のクラウド給与サービスは、初心者でも給与・賞与計算から年末調整まで、”かんたん”に行えるソフトです。
従業員規模や利用目的など、お客さまに最適な「給与計算ソフト」をお選びいただけます。
今なら初年度無償で使えるキャンペーンを実施中です!
まずはお気軽にお試しください。

年末調整までご自身で行いたい方におすすめな「弥生給与 Next」

弥生給与 Nextは、毎月の給与計算から年末調整業務を効率化するクラウド給与ソフトです。
勤怠情報を入力すれば残業代や社会保険料などは自動計算で、給与明細書の作成はラクラク。
また作成した給与明細書は、Web配信で従業員のスマホ・PCに配付することができます。
さらに年末調整に必要な控除申告書の回収、法定調書の作成、源泉徴収票の従業員への配付もオンラインでスムーズです。

年末調整の法定調書作成を委託されている方向けの「やよいの給与明細 Next」

やよいの給与明細 Nextは、年末調整を会計事務所に委託している方にピッタリのソフトです。
給与・賞与明細書の作成から配付はオンラインでスムーズ。
年末調整は控除申告書のWeb回収まで可能です。

  • 年末調整の法定調書作成を自社で対応したい方は弥生給与 Nextをお申し込みください。

また、外部委託先へデータ連携の共有がかんたんだから、データの転記や控除申告書のPDF化などの手間が大幅に削減されます。

この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
「日本で一番喜ばれる数の多い会計事務所グループになる」
この夢の実現に向けて、全力でご支援しております。
解決できない経営課題がありましたら、ぜひ私たちにお声掛けください。必ず力になります。

カテゴリ一覧

    人気ランキング

      初心者事業のお悩み解決

      日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

      • お役立ち情報

        正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

      • 無料のお役立ちツール

        会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

      • 虎の巻

        個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

      事業のお悩み解決はこちら