従業員の入社手続きに必要なものは?作成書類や社内で対応すべきこと
更新

新しい従業員を迎える際、スムーズに入社手続きを行うことは会社と従業員の双方にとって大切です。社会保険や税金の手続き、執務環境の整備や備品の準備など、会社が対応すべき業務は多岐にわたります。入社手続きを効率的に進め、ミスを防ぐためには、必要な書類や手続きを正しく把握し、事前準備を整えることが重要です。
本記事では、入社前後に必要な手続きや書類を詳しく解説し、円滑な対応を実現するためのポイントを紹介します。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
今ならAmazonギフトカード半額相当がもらえる「弥生給与 Next」スタート応援キャンペーン実施中!

無料お役立ち資料【「弥生給与 Next」がよくわかる資料】をダウンロードする
入社手続きの案内方法
採用決定後、会社は内定者に対し、入社手続きで必要な書類と、その提出期限を郵送またはメールで案内します。郵送の場合、採用通知書や入社誓約書を送り状と共に送付し、返送が必要な書類の提出期限を明記します。メールの場合は、書類をPDF形式等で添付し、重要な説明を本文に記載します。郵送とメールのいずれの場合も、問い合わせ先や担当者名の記載を忘れないようにしましょう。
採用・入社手続きにおいて収集した個人情報は、個人情報保護法に基づいて適切に管理する必要があります。要配慮個人情報を取得する際は書面でのやり取りが望ましく、かつ本人の同意が必要です。ガイドラインを遵守し、個人情報の取り扱いには十分に配慮しましょう。
- 参照:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
入社前に会社側が作成・送付する書類
従業員を採用することが決まったら、入社前に次の手続きが必要です。
採用通知書(内定通知書)・入社誓約書(入社承諾書)
採用決定後、会社が作成し内定者に送付する書類には、「採用通知書(内定通知書)」と「入社承諾書」があります。採用通知書の発行は法的に義務付けられてはいませんが、採用決定の旨を正式に文書で伝えることで、会社と内定者の間で認識のズレを防ぐことができます。書類名は企業によって「内定通知書」「採用内定通知書」など、さまざまです。
入社承諾書は、内定者が入社の意思を示すための書類です。内定者は労働条件通知書で労働条件を確認したうえで、入社承諾書に署名・捺印して会社に返送します。そのため会社側は返信用封筒を同封し、返送期限を明記しておくことが望ましいでしょう。入社承諾書に法的効力はありませんが、入社承諾書で意思確認が取れた後は合理的な理由がない限り入社の取り消しができないため、入社辞退の抑止に有効です。
労働条件通知書
労働条件通知書は、雇用契約を結ぶ際に必要な書類です。給与や勤務時間、休暇などの労働条件を明記し内定者に交付します。
労働条件通知書の交付は労働基準法により義務付けられています。正社員やアルバイトなどの雇用形態を問わず、すべての従業員に対して交付しなければなりません。交付のタイミングは雇用開始より前にできるだけ早期に交付することが推奨されます。
労働条件通知書には、就業場所や業務内容、給与などの「絶対的必要記載事項」と、賞与や各種手当、退職金など、会社の制度に基づく「相対的必要記載事項」があります。記載漏れや不備がないように十分に確認し、双方が納得したうえで雇用契約を結ぶことが、円滑な入社手続きを進めるための重要なポイントです。
労働条件通知書の詳細はこちらの記事で解説しています。
雇用契約書の締結
雇用契約書は、会社と労働者の間で、労働契約の内容を明確にするために交わす文書です。これには、給与、勤務時間、業務内容、勤務地、昇給の有無、退職に関する事項などが含まれます。契約書に、会社と労働者双方の署名や押印をすることで、雇用契約が成立します。
雇用契約書の作成義務はありませんが、後々のトラブルを防ぐために多くの会社で作成されています。また、労働条件通知書と雇用契約書を兼ねた「労働条件通知 兼 雇用契約書」を作成する会社もあります。
雇用契約書の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
入社時に従業員から提出してもらう書類等
入社時に必要な書類には、入社する本人が準備する書類もあります。取得に時間がかかる場合もあるため、必要な書類をリストアップして事前に伝えておくことが大切です。
住民票記載事項証明書
住民票記載事項証明書は、記載された事項が住民票記載のものと相違ないことを証明する書類です。基本的に氏名および旧氏、性別、住所、生年月日が記載され、希望に応じて世帯主名や本籍地も追加できます。混同しやすい「住民票の写し」は、会社に必要のない詳細な個人情報が含まれているため、個人情報保護の観点から住民票記載事項証明書の提出を求めます。最近では、個人情報の取り扱いに対する規制強化により、提出自体を不要とする会社も増えています。
源泉徴収票(前職にて給与収入がある場合)
中途入社の方が、前職を退職した年と同じ年(1月から12月中)に入社する場合、前職の源泉徴収票が必要です。入社後の年末調整手続きで使用します。新卒入社や、中途入社でも退職した年の翌年以降に入社する場合は、源泉徴収票は不要です。ただし、新卒入社の場合でも、入社前にアルバイトなどで入社年分の収入があった場合は、その会社からの源泉徴収票を受け取っておく必要があります。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
従業員の給与計算で特に扶養親族等の人数を正しく反映し所得税を源泉徴収するために、従業員に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を求めます。会社はこの申告書を準備し、内定者に記入を依頼します。
申告書に記載された内容を基に、毎月の給与から控除する所得税額が算出されます。そのため、すべての給与所得者(パートやアルバイトも含む)は、入社後最初の給与計算が行われる前に必ず提出しなければなりません。扶養家族がいない場合でも、提出は必須です。
扶養控除等(異動)申告書については、こちらの記事で詳しく解説しています。
マイナンバー
社会保険や税金の手続きには、従業員のマイナンバーが必要です。マイナンバーは個人情報保護法における特定個人情報に該当するため、取得時には目的を事前に説明し、本人確認を徹底しましょう。取得した後も、マイナンバー法やガイドラインに基づき、不正利用や漏えいがないように厳重に管理する必要があります。
マイナンバーの適切な管理方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
年金手帳(基礎年金番号)
社会保険手続きの際、年金手帳に記載されている基礎年金番号が必要です。なお、2022年4月から年金手帳の交付は廃止され、代わりに「基礎年金番号通知書」が発行されるようになりました。手帳の交付が廃止された主な理由は、マイナンバーカードと基礎年金番号との紐付けが進んだためです。基礎年金番号はどちらの書類でも確認できるので、年金手帳の代わりに基礎年金番号通知書を提出してもらっても問題ありません。年金手帳を保有している方は、基礎年金番号が手帳で確認できるため、新たに通知書は発行されません。
健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届
内定者が配偶者や親族を社会保険の扶養に加える際には、「健康保険被扶養者(異動)届」や「国民年金第3号被保険者関係届」の提出が必要です。この届出書は2つの様式が一体化しています。また、扶養に入れる配偶者が国民年金の第3号被保険者に該当する場合には、「国民年金第3号被保険者関係届」の提出も必要となります。扶養対象者がいない場合は、これらの書類は不要です。
雇用保険被保険者証(雇用保険被保険者番号)
入社時には、内定者の雇用保険加入手続きも必要です。雇用保険被保険者番号は1人に1つ割り当てられ、転職しても同じ番号を使い続けます。そのため、内定者が過去に雇用保険に加入していた場合は、雇用保険被保険者証を提出してもらう必要があります。新卒入社などで雇用保険加入歴がない場合は、被保険者証を保有していないため提出は不要です。
雇用保険手続きについては、こちらの記事をご覧ください。
通勤手当申請書
通勤手当の支給を行う場合、内定者に「通勤手当申請書」の提出を依頼します。この申請書には、利用する交通機関や出発駅・到着駅、通勤経路、運賃、通勤時間などの情報を記入してもらいます。
通勤手当は多くの会社が支給していますが、法律で支給義務があるわけではなく、福利厚生の一環とされています。またテレワーク勤務が主の場合に、通勤手当を設定していない場合もあり、通勤手当の支給がない旨を事前に内定者へ通知しておくとよいでしょう。
通勤手当の課税・非課税のルールについては、こちらの記事をご覧ください。
口座振込依頼書(給与振込先情報)
口座振込依頼書は、従業員が月々の給与を振込で受け取ることを承諾する書類です。給与は銀行振込が一般的ですが、労働基準法では現金払いが原則とされています。そのため入社時には、銀行振込での受け取りを同意する口座振込依頼書の提出が必要です。この書類で同意を得ると同時に、正確な振込先口座情報を記載してもらい、月々の給与振込手続きを進めます。
健康診断書
労働安全衛生規則では、入社時の健康診断が義務付けられています。そのため、内定者には入社前3か月以内または入社後3か月以内の健康診断書を提出してもらいます。労働安全衛生規則で定められた項目に基づき、会社が指定した病院で健康診断を受けてもらうことが一般的です。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
従業員の入社後に会社側が行う手続き
内定者の入社後、提出された書類を基に社会保険、労働保険、税金に関する手続きを行います。
-
- 社会保険:健康保険、介護保険、厚生年金保険
- 労働保険:雇用保険、労災保険
- 税金:所得税、住民税
ここでは、各保険の加入手続きや税金の手続きについて解説します。
社会保険の資格取得手続き
すべての法人は、社会保険の加入が義務付けられている「適用事業所」です。個人事業主でも常時5人以上の従業員を雇い入れている場合、一部業種を除き、社会保険の適用事業所に該当します。従業員が社会保険に加入する際には、会社が資格取得手続きを行います。
健康保険に関して、これまでは会社の手続きによって保険証が発行されていましたが、2024年12月2日からは健康保険証がマイナンバーカードに統合され、健康保険証の発行は廃止になりました。マイナンバーカード未取得の方や健康保険証利用登録をしていない方は、政府から交付される資格確認書を提示して病院を受診します。従業員にはこの旨を案内しましょう。なお、マイナ保険証(マイナンバーカードと保険証を紐づけていること)の有無にかかわらず、会社は社会保険の資格取得手続きを行う必要があります。
健康保険・厚生年金保険の加入条件
健康保険・厚生年金保険の対象となる従業員の条件は次のとおりです。
-
- 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、常勤労働者の3/4以上の従業員
- (健康保険)適用事業所に常時勤務している75歳未満の従業員
- (厚生年金)適用事業所に常時勤務している70歳未満の従業員
また、40歳以上の従業員は介護保険への加入となります。
社会保険への加入が必要な短時間労働者の条件
1年のうち6か月以上、社会保険に加入している従業員が51人以上在籍している「特定適用事業者」に該当する会社は、以下の条件を満たす短時間労働者についても社会保険の加入対象です。
-
- 1週間の所定労働時間が20時間以上である
- 2か月を超えて労働する見込みがある
- 給与の月額が88,000円以上である
- 学生でない
なお、国や地方公共団体に属する事業所は、被保険者数に関係なく短時間労働者にも社会保険加入の義務があります。社会保険の加入手続きは、従業員の入社後5日以内に年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出します。また、健康保険組合に加入している場合は、健康保険組合にも別途手続きを行う必要があります。以下の記事で社会保険について解説していますので、参考にしてください。
雇用保険の資格取得手続き
法人・個人事業主にかかわらず、従業員を1人でも雇用する事業所は、雇用保険の適用事業所です。加入条件を満たす従業員を、雇用保険に加入させる義務があります。ただし、個人事業主が営む農林水産業では、常時従業員が5人未満の場合に限り、雇用保険の加入は任意です。
雇用保険の加入条件
雇用保険の加入条件は以下のとおりです。
-
- 31日間以上の雇用が予定されている
- 1週間の所定労働時間が20時間以上である
- 昼間部の学生ではない(休学中など一部例外あり)
加入手続きは、所轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。期限は雇用した日の翌月10日までです。雇用保険についてこちらの記事で詳しく解説しています。
労災保険に関する手続き
従業員を雇用する事業主は、雇用形態や雇用期間にかかわらず、必ず労災保険に加入しなければなりません。これは正社員だけでなく、パートタイムやアルバイトを含むすべての従業員が対象です。ただし、個人経営の農林水産業の場合、常時従業員が5人未満であれば、労災保険の加入は任意です。
労災保険の加入手続きは、初めて従業員を雇う際に行います。手続きは、所轄の労働基準監督署への「保険関係成立届」と「労働保険概算保険料申告書」の提出が必要です。提出期限は、保険関係成立届が雇い入れから10日以内、労働保険概算保険料申告書が雇い入れから50日以内です。同時提出もできます。この手続きが完了すると、その後従業員を追加で雇う際に再度の手続きは必要ありません。
労災保険の詳細はこちらの記事をご覧ください。
税金の手続き
入社した従業員の所得税や住民税は、原則として給与から天引きします。そのため、入社時には税金にかかわる手続きも必要です。ただし手続きのタイミングによっては、住民税が普通徴収(個人支払い)になることがあります。
所得税の手続き
従業員の所得にかかる所得税は、給与から源泉徴収(天引き)し、会社が本人に代わって国に納付します。正社員だけでなく、1年間の収入が合計160万円以下のパートやアルバイトでも月の給与が88,000円を超える場合は源泉徴収が必要です。
源泉徴収を正しく行うためには、入社時に従業員から提出してもらった「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を基に、源泉徴収簿を作成する必要があります。源泉所得税については別記事で解説していますので、参考にしてください。
住民税の手続き
住民税の納付には、「普通徴収」と「特別徴収」の2つの方法があります。普通徴収とは、納付書や納税通知書などを使って、納税者自身が市区町村に直接住民税を納める方法です。特別徴収とは、会社が従業員の給与から天引きして市区町村に納める方法です。
新たに入社した従業員が普通徴収で住民税を納めていた場合、会社は「特別徴収切替届出(依頼)書」と、従業員が保有している納税通知書を市区町村に提出して、特別徴収への切り替えを行います。また、前職でも特別徴収されていた従業員については、「給与所得者異動届出書」を提出することで、特別徴収を引き続き適用できます。
住民税の納付方法について、こちらの記事で詳しく解説しています。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
従業員の入社時に必要な社内対応
従業員が入社すると、帳簿の作成や貸与品の準備など、社内での手続きも必要です。社会保険の手続きと異なり期限は定められていませんが、余裕をもって対応できるようにしましょう。
法定三帳簿の作成
法定三帳簿とは、従業員を1人でも雇い入れたら必ず作成しなければならない「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」のことです。それぞれ必要な記載項目が定められており、原則として5年間の保存が義務付けられていますが、当面の間は3年の猶予措置が取られています。新たに従業員が入社した際には、これらの法定三帳簿を速やかに作成する必要があります。
労働者名簿
従業員を1人でも雇用している事業主は、労働基準法第107条により、労働者名簿の作成と保存が義務付けられています。労働者名簿には、従業員の氏名や生年月日、性別、住所などの基本的な情報を記載します。法定の記載項目に加え、会社が必要と判断した事項を追加することも可能です。名簿は常に最新の情報に更新しておく必要があり、助成金の申請時には提出を求められることもあります。
労働者名簿についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
賃金台帳
賃金台帳は、従業員ごとの賃金支払い状況を管理する帳簿です。従業員の氏名や性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数の他、基本給や手当の種類・額といった事項を、賃金支払いのたびに記載します。
必須項目さえ満たせば書式に決まりはなく、厚生労働省のWebサイトから様式をダウンロードすることも可能です。賃金台帳は、賃金の支払いが適正に行われている証明となる資料です。労働基準監督署の調査や税務調査などの際にも提出を求められるため、適切に管理しましょう。
賃金台帳の詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
賃金台帳の無料エクセルテンプレート
弥生では、賃金台帳のエクセルテンプレートを無料で提供しています。シンプルで直感的に使えるフォーマットで、給与の支払い状況を簡単に記載できます。社会保険料や税金など賃金から控除する項目も記載可能です。社会保険労務士監修の賃金台帳が無料でダウンロード可能なので、ぜひ試してみてください。
出勤簿
出勤簿は、従業員の勤務状況を正確に記録し、給与を適切に算出するための帳簿です。全従業員の出退勤時間や労働日数、休憩時間、時間外労働の有無などを詳細に記載する必要があります。
労働時間は1分単位で正確に記録しましょう。また、自己申告による手書きやハンコを押すだけの出勤簿は推奨されません。改ざんされていないと客観的に確認できる、勤怠管理システムなどを活用した記録・保存が望ましいです。
労働時間の適切な記録方法については、こちらの記事もご覧ください。
執務環境・貸与品・備品・制服などの準備
従業員が入社後スムーズに業務を始められるように、必要な環境や備品を準備することも大切です。デスクやパソコン、事務用品などを調達して執務環境を整えると共に、制服・名刺・社員証なども手配します。メールアドレスや社内システムのID設定なども忘れずに行いましょう。制服着用の場合はあらかじめサイズを確認し、入社日に渡せるように用意しておきます。
給与計算システム、人事システムへの情報入力
採用した従業員は、入社日から給与計算の対象です。実際に給与計算に取り掛かる前に、従業員の情報を給与計算システムや人事システムへ登録しておく必要があります。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を参照し、氏名や住所、扶養親族の有無などを入力しておきましょう。通勤手当や家族手当などの支給や、変更がある場合も、漏れがないように登録します。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
従業員の入社手続きでよくある疑問
従業員の入社時には、多くの手続きが必要です。状況によっては、業務が思うように進まずに悩むこともあるでしょう。ここでは、入社手続きに関するよくある疑問とその対処法を解説します。
入社手続きが期日に間に合わなかったときはどうする?
社会保険や雇用保険、労災保険の加入手続きには期限が設けられています。基本的には期限を過ぎても手続きは可能なので、間に合わなかったときは、できるだけ早く必要書類を提出しましょう。状況によっては、追加書類が必要な場合もあります。
社会保険や雇用保険は、最長で2年まで遡って加入手続きができますが、その場合には未加入期間の保険料を遡及して徴収とします。この請求により保険料が高額になると、従業員負担が大きくなり、トラブルにつながることがあるため注意が必要です。
また、正当な理由がないまま社会保険や雇用保険の加入手続きをしない場合、罰則の対象となることがあります。労災保険についても未加入の場合は遡って保険料を徴収されるのに加え、追徴金が課せられるため、加入手続きをしっかり行うことが重要です。
雇用保険被保険者証を紛失したときはどうする?
入社する従業員が雇用保険被保険者証を紛失している場合は、再発行手続きを行う必要があります。再発行は本人が直接ハローワークで行うか、電子申請、代理申請、郵送申請のいずれかで手続きできます。再発行に時間がかかり加入期限内に間に合わない場合は、前職の会社名や在籍期間がわかる書類を添付すれば、被保険者番号が未記載でも「雇用保険被保険者資格取得届」を使って手続きを進められます。
年金手帳・基礎年金番号通知書を紛失したときはどうする?
基礎年金番号通知書を紛失した場合、年金事務所で再交付手続きを行うことができます。再交付には本人確認が必要です。本人が直接手続きを行う以外には、事業主や事業主の代理である事務員、社会保険労務士などが申請し、窓口で再交付を受けることもできます。ただし、現在は年金手帳の交付が廃止されているため、年金手帳の再発行はできません。
外国人就労者の雇用に必要な書類は?
外国人を雇用する際には、在留カード(国内居住者の場合)、パスポート、職務経歴書などの書類が必要です。留学生の場合は卒業見込み証明書や卒業証明書などの書類も提出してもらう必要があります。また、すべての事業主は、雇用した翌月の10日までに、ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を提出しなければなりません。この届出書は、外国人の雇用だけでなく、離職があった場合にも提出が必要です。離職の場合は翌日から起算して10日以内に提出します。
従業員がマイナンバーの提出を拒否した場合の対処法は?
会社が従業員のマイナンバーを収集・管理することは、マイナンバー法で義務付けられています。社会保険や所得税などの手続きにマイナンバーを使用するため、適切に対応しなければなりません。従業員の同意を得たうえで、定められた範囲内で利用し、厳格に管理することが求められます。
しかし、マイナンバーは特定個人情報であるため、提出を拒まれることもあります。その場合、法律で定められた義務や利用目的をしっかり説明し、理解を求めましょう。従業員が提出を拒否する背景には、会社の管理体制に不安を感じている可能性もあります。セキュリティ対策や教育を徹底し、従業員の不安を払拭できるように努めましょう。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
従業員の入社手続きは労務管理システムで効率化しよう
従業員の入社時には、書類作成や各種届出、社内対応など、非常に多くの手続きが発生します。特に社会保険や労働保険に関する手続きは、期限まであまり余裕がないため、入社前の段階で内定者に必要書類を案内し、早期の提出を求めることが重要です。また、入社した後は、給与から控除する社会保険料や税金をふまえた給与計算を行う必要があります。
従業員の入社手続きにかかわる業務負担を軽減するには、労務管理システムの活用が効果的です。「弥生給与 Next」(※)は、社会保険や労働保険の手続きだけでなく、内定者からの書類回収などもオンラインで完結・管理できます。適切なツールを活用することで、業務の効率化を図りましょう。
- ※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります。
【最大3か月無料でお試し】弥生のクラウド給与ソフトで大幅コスト削減
「弥生給与 Next」で給与・勤怠・労務をまとめてサクッとデジタル化
弥生給与 Nextは、複雑な人事労務業務をシームレスに連携し、効率化するクラウド給与サービスです。
従業員情報の管理から給与計算・年末調整、勤怠管理、保険や入社の手続きといった労務管理まで、これひとつで完結します。
今なら「弥生給与 Next」 スタート応援キャンペーン実施中です!
この機会にぜひお試しください。
この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務
中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
「日本で一番喜ばれる数の多い会計事務所グループになる」
この夢の実現に向けて、全力でご支援しております。
解決できない経営課題がありましたら、ぜひ私たちにお声掛けください。必ず力になります。
