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年収別 年末調整の還付金早見表|計算方法や発生条件・必要書類を解説

2024/03/01更新

年末調整の還付金がどのくらいもらえるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。しかし、年末調整の還付金を計算するのは難しく、基礎知識がなければなかなか算出できません。

ここでは、年末調整の還付金の早見表や、還付金の計算方法を解説します。

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年収別 年末調整の還付金早見表

パーソルキャリア株式会社がおこなった平均年収ランキング調査新規タブで開くによると、2022年の日本人の平均年収は403万円でした。そのため、以下の年収別に年末調整の還付金早見表を紹介します。

  • 年収200万円
  • 年収400万円
  • 年収800万円

順番に見ていきましょう。なお、還付金早見表は給与だけで計算しており、賞与は考慮していません。年収に対する賞与の割合が大きくなると、還付金額が変動しますのでご注意ください。

年収200万円|年末調整の還付金早見表

年収200万円の年末調整の還付金早見表は、以下のとおりです。

年収 2,000,000円
年齢 30歳
源泉徴収額 32,800円 13,300円 0円
※所得税0円のため
社会保険料 300,600円
控除 配偶者控除 なし あり あり
扶養控除 なし なし あり(2人・16歳以上)
還付金 5,900円 5,300円 0円
  • 100円未満は切り捨て
  • 配偶者控除と扶養控除以外の控除は考慮していない
  • 金額はすべて目安

年収400万円|年末調整の還付金早見表

年収400万円の年末調整の還付金早見表は、以下のとおりです。

年収 4,000,000円
年齢 30歳
源泉徴収額 92,500円 73,200円 34,300円
社会保険料 601,300円
控除 配偶者控除 なし あり あり
扶養控除 なし なし あり(2人・16歳以上)
還付金 8,500円 8,200円 7,300円
  • 100円未満は切り捨て
  • 配偶者控除と扶養控除以外の控除は考慮していない
  • 金額はすべて目安

年収800万円|年末調整の還付金早見表

年収800万円の年末調整の還付金早見表は、次のとおりです。

年収 8,000,000円
年齢 30歳
源泉徴収額 499,000円 421,400円 266,200円
社会保険料 1,169,700円
控除 配偶者控除 なし あり あり
扶養控除 なし なし あり(2人・16歳以上)
還付金 36,500円 34,800円 31,700円
  • 100円未満は切り捨て
  • 配偶者控除と扶養控除以外の控除は考慮していない
  • 金額はすべて目安

年末調整で還付金に影響する控除

年末調整の還付金に影響するのは、以下の控除です。

  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 住宅借入金等特別控除
  • 扶養控除
  • 給与所得控除
  • 保険料等控除
  • ひとり親控除
  • 寡婦控除
  • 障害者控除
  • 勤労学生控除

ここからは、それぞれの控除を詳しく見ていきましょう。なお、年末調整の還付金とは、源泉徴収額と実際に納税する所得税額を差し引きした結果、返還されるお金のことです。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象になる配偶者がいるときに、一定金額の所得控除が受けられる制度です。また、配偶者特別控除とは、配偶者に一定以上の所得があるため配偶者控除の適用が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて一定金額の所得控除が受けられます。

婚姻して一定の年収以下の配偶者ができたときには控除額が増えます。しかし、一定の年収以下の配偶者と離婚した場合には控除額が減り、還付金の額も減ります。ただし、配偶者と死別した場合、死別した時点で配偶者控除を受けられる条件を満たしていれば、年の途中で死別したとしても配偶者控除は受けることが可能です。

配偶者控除で受けられる控除額は、以下のとおりです。

控除を受ける納税者本人の合計所得金額 控除額
一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

配偶者特別控除の控除額は、以下のとおりです。

控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
配偶者の合計所得金額 48万円超 95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超 100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円

住宅借入金等特別控除

住宅借入金等控除とは、住宅ローン等を利用して自宅を購入した場合、数年に渡って所得税が控除される制度です。別名として、住宅ローン控除とも呼ばれています。住宅借入金等控除で控除される割合は、以下のとおりです。

住宅新旧等 住宅環境性能等 借入限度額 控除期間 控除割合
令和4・5年入居 令和6・7年入居
新築住宅
買取再販
長期優良住宅
認定低炭素住宅
5,000万円 4,500万円 13年間 0.7%
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他住宅 3,000万円 2,000万円 10年間
※1
既存住宅 長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円
その他住宅 2,000万円

上表のように、購入する住宅の種類や入居する時期で控除額が変わります。たとえば、新築の長期優良住宅を購入し令和6年に入居した場合、年末の住宅ローン残高が4,500万円なら31万5,000円の所得税控除が受けられます。

扶養控除

扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいるとき、一定金額の控除が受けられる制度です。扶養控除の控除額は、以下のとおりです。

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族 38万円
特定扶養親族 63万円
老人扶養親族 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等 58万円

なお、各扶養控除の違いは、扶養する家族の年齢によって次のように変わります。

  • 一般の控除対象扶養親族:12月31日時点で16歳以上の人
  • 特定扶養親族:12月31日時点で19歳以上23歳未満の人
  • 老人扶養親族:12月31日時点で70歳以上の人

扶養控除は扶養親族の年齢によって控除額が変わります。たとえば、扶養している親族が15歳から16歳になったときには、控除額が0円から38万円に増えます。

給与所得控除

給与所得控除とは給与所得額を確定させるため、1年間の給与収入の金額から差し引かれる控除です。給与所得控除の控除額は、以下のとおりです。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額 × 40% – 100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額 × 30% + 80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額 × 20%+ 440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額 × 10% + 1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

給与所得控除は、年収が上がるごとに控除額が増えていきます。しかし、控除額には上限があるため、年収850万円を超えてからは控除額が変わらなくなります。

生命保険料等控除

保険料に関する控除として、生命保険料控除や介護医療保険料控除、個人年金保険料控除があります。該当する保険料を支払った場合、一定金額の控除が受けられるのです。平成24年1月1日以後に締結した保険契約は新契約、それより前は旧契約に該当し、控除の計算方法や控除額が変わります。新契約の保険料等控除の控除額は、以下のとおりです。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料等 × 1/2 + 10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等 × 1/4 + 20,000円
80,000円超 一律40,000円

旧契約の保険料等控除の控除額は、以下のとおりです。

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料等 × 1/2 + 12,500円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料等 × 1/4 + 25,000円
100,000円超 一律50,000円

保険料等控除は、保険金の支払いが増えるほど控除額が増えていきます。ただし、新契約と旧契約ともに上限金額があります。新契約と旧契約の両方を契約している場合、新契約の上限が適用されるため、上限は4万円 + 5万円 = 9万円とならないことにも注意が必要です。

ひとり親控除

ひとり親控除とは、納税者がひとり親である場合、一定金額の所得控除を受けられる制度であり、控除額は一律35万円です。なお、ひとり親控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 納税者に事実婚と同様の状態の人がいない
  • 生計を一にする子がいる(この子はその年分の総所得金額等が48万円以下、他の人の配偶者や扶養親族になっていない人に限る)
  • 納税者の合計所得金額が500万円以下

寡婦控除

寡婦控除とは、納税者が寡婦である場合、一定金額の所得控除を受けられる制度です。寡婦とは、夫を亡くしたり夫と離婚したりした女性のことです。つまり、寡婦控除は女性のみが受けられる控除になります。寡婦控除の控除額は、一律27万円です。寡婦控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 夫と離婚した後も婚姻をしておらず扶養親族がおり合計所得金額が500万円以下
  • 夫と死別したまたは夫の生死が明らかではないかつ合計所得金額が500万円以下

なお、ひとり親控除と寡婦控除は併用できません。

年末調整の還付金の計算方法

年末調整の還付金の計算方法は、以下のとおりです。

  • 毎月の給与と源泉徴収額を合計する
  • 給与の年額から控除額を差し引く
  • 上記金額に対応する所得税を算出後、住宅借入金等特別控除額を差し引き、計算した所得税と源泉徴収額を比較する

年末調整の還付金を計算するときには、算出する順序があります。ここからは、年末調整の還付金の計算方法を手順ごとに解説します。

毎月の給与と源泉徴収額を合計する

はじめに、毎月の給与と賞与、源泉徴収された税額を合計します。通勤交通費や立替費用など非課税の支給に該当するものは計算に含めません。また、業務委託などの副業で得た収入も年末調整の対象とならないため除外してください。もし計算する期間に転職している場合は、前職の勤務先から取得している源泉徴収票を確認して計算します。

給与の年額から控除額を差し引く

給与の年額から各種控除額を差し引き、控除後の給与を算出します。控除する項目は、以下のとおりです。

  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 給与所得控除
  • 生命保険料等控除
  • ひとり親控除
  • 寡婦控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 障害者控除

控除が適用できる場合は、各種控除の算出方法を参考にして控除額を計算します。そして、各種控除の合計金額を計算し、年間の給与から差し引きます。差し引かれた金額が課税所得額です。

課税所得額から所得税額を算出する

次に、課税所得額に所得税の税率をかけ、控除額を差し引きます。算出した金額が所得税額です。

所得税の税率は、下表のとおりです。

課税所得額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

住宅ローン控除が適用される場合、住宅借入金等特別控除額を差し引きます。こちらの計算方法については「住宅借入金等控除額」を参照ください。年間の所得税額から住宅借入金等特別控除額を差し引いた金額が年調年税額です。

年調年税額と源泉徴収額を比較する

最後に、源泉徴収合計額から年調年税額を差し引きします。差し引きした数字がプラスになれば、その数字が還付金の金額です。もし計算してマイナスになったのであれば、その数字は徴収金の金額です。

年末調整の還付金・徴収金は早ければ12月の給与、遅くても1月の給与で調整されます。企業によっては給与ではなく、現金で還付金が受けられるケースもあります。

年末調整に必要な書類

年末調整に必要な書類は、次のとおりです。

提出が必要な書類

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

提出者によって提出が必要な書類

住宅ローン控除に必要な書類

  • 住宅借入金等特別控除申告書
  • 借入金の年末残高等証明書

配偶者特別控除に必要な書類

  • 源泉徴収票や給与明細などの収入証明書類

生命保険料・地震保険料控除に必要な書類

  • 保険会社からの払込証明書(はがき・電子発行データ)

小規模企業共済等掛金控除に必要な書類

  • 個人型確定拠出年金の掛金の払込証明書
  • 国民年金や国民年金基金などの払込証明書

年末調整をするときには、多くの書類が必要になります。必須書類は会社が用意してくれますが、提出者によって必要な書類は自身で準備しなければいけません。

年末調整の還付金が予想より少ない理由

年末調整の還付金が予想より少ない場合、主な理由は以下のとおりです。

  • 前年より給与やボーナスが減った
  • 配偶者と離婚した
  • 配偶者の所得が増えた
  • 扶養する人数に変更があった
  • 保険料の払い込み金額が減った
  • 住宅ローンの残額が減った

これらのように各種控除額が減ると、前年よりも還付金が減ってしまいます。とくに以下の控除が受けられないと、還付金が大きく減ります。

  • 配偶者控除(控除額38万円)
  • 住宅借入金等控除額(最大控除35万円)
  • 扶養控除(控除額38万円) など

控除額が減るような事柄が起きたときには、還付金が少なくなるもしくは徴収金が発生すると考えておきましょう。

年末調整で戻ってくる還付金の目安は早見表を確認して掴もう

年末調整で戻ってくる還付金は、自分でも計算できます。しかし、計算方法が複雑で、控除の内容まで理解しておかなければいけません。しかも、控除の数が多くそれぞれの内容や控除金額まで違います。すべての内容を把握するのは難しいため、年末調整でどのくらい還付金が戻ってくるかは、早見表を参考にして目安を知っておくとよいでしょう。

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