納品書は英語で何という?記載事項や商品と同梱する際の注意点を解説
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「英語で納品書を作る必要があるけれど、何をどう書けばいいのかわからない」という問題に直面されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。グローバルにビジネスを展開している方はもちろんですが、国内向けを基本としたビジネスでも、英語の納品書が必要となることがあります。たとえば、日本国内で展開する海外の会社から注文が入り、「英語の納品書が欲しい」と依頼されるケースなどです。本記事では、「そもそも納品書は英語で何というのか?」という基礎知識から、記載すべき内容や書き方まで、具体的に解説します。
納品書は英語で「Delivery Note」
まず「納品書は英語で何という?」という点から、確認していきましょう。日本語の納品書は「品物の納入時に、品物と一緒に発注者者に渡す書類」という意味です。この意味を持つ英語としては、「Delivery Note(デリバリーノート)」が該当します。
「Delivery Note」の類似語
「Delivery Note」と類似した目的で使用される、ほかの語としては以下が挙げられます。
- Delivery Slip:直訳すると「納品伝票」となり、Delivery Note と同じく納品書という意味で使われる語です。ただし、文脈により配送業者が使用する「配達伝票」(受け取り時にサインする)に近い意味で使われることもあります。
- Packing Slip:配送物に何が梱包されているか、あるいはどう梱包されているかを示す書類です。たとえば、多数の商品が同梱されている場合、どの箱に何が入っているのかがわかるようにします。
- Shipping List:出荷される商品の一覧を示す書類です。たとえば、大量の商品を一度に出荷する際、どの商品がどの数量で出荷されるのかを明確にします。
- Invoice:Invoiceは「請求書」という意味です。日本でも「納品書 兼 請求書」という考え方がありますが、それと同様にInvoiceが商品に同梱されるケースもあります。商品の価格、数量、支払い条件などが記載されています。
本記事では「Delivery Note」の納品書を対象として、フォーマットや書き方の解説を進めていきますが、用途に応じて、適切な書類を選定しましょう。
英語の納品書の基本フォーマット
続いて、英語の納品書の基本フォーマットから、確認していきます。
英語の納品書 Delivery Noteのフォーマット
納品書のフォーマットを入手したい場合は、[Delivery Note Template]といった語句で検索するとヒットします。
納品書を選ぶときには、デザインがシンプルで必要な情報が一目でわかるように配置されたものを選ぶとよいでしょう。納品書は、「大量の納品物が届く物流倉庫で、作業員が迅速に検品する」といった用途が想定されるため、デザイン性よりもわかりやすさが最優先です。
基本構造としては、大きく3つに分けられます。
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1.ヘッダー
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2.本文
-
3.署名欄
それぞれの記載項目の詳細は後ほど解説しますが、まずは大枠を、以下で把握しておきましょう。
1. ヘッダー
まず書類の上部にあたる「ヘッダー」です。
おもに以下の情報が記載されます。
- 発行者:自社の名称やビジネス名
- 納品先:品物を配送する先の住所
- 請求先:品物の購入者
- 納品物や納品書に関係するデータ情報:日付、注文番号、納品書番号、顧客ID、発送日、配達方法など
2. 本文
次に本文の部分へ、納品物の明細を記載します。
おもに以下の情報が記載されます。
- 商品番号
- 商品名や商品説明
- 注文数
- 納品数
- 未納数(注文数のうち一部を納品の場合に記載)
3. 備考欄
最後に、備考欄があります。
備考欄には、不備があった場合の連絡方法や、返品手続きの手順など、必要に応じた文言を記入します。
具体的にどのような内容が書かれるのかについては、次に続きます。
英語の納品書の記載項目
続いて、英語の納品書の記載内容を、6つのパートに分けて見ていきましょう。
-
1.自社の名称や連絡先
-
2.納品先・請求先
-
3.注文日と注文番号
-
4.商品の発送日
-
5.荷物に同梱されている商品の種類や数
-
6.備考
1. 自社の名称や連絡先
1つめは「自社の名称や連絡先」です。
納品書のヘッダー部分に、自社の情報(名称・住所・電話番号など)を記載します。
たとえば、
「〒123-4567 東京都中央区銀座0-0-0
◯◯◯株式会社 製造部 鈴木
電話番号 03-XXXX- XXXX
メールアドレス mailinfo@XXXxyz.co.jp」
であれば、以下のとおりです。
- 記載例
-
◯◯◯ Corporation
Manufacturing Department, Suzuki
0-0-0 Ginza, Chuo-ku, Tokyo, Japan
Postal Code: 123-4567
Phone Number: +81 3-XXXX-XXXX
Email Address: mailinfo@XXX.co.jp
納品物に問題があったときにすぐ連絡が取れるよう、電話番号やメールアドレスも明記しておきましょう。
2. 納品先・請求先
2つめは「納品先・請求先」です。納品先の会社名や担当者、住所などの情報を記載します。
たとえば、
「米国 郵便番号 10001 ニューヨーク州 ニューヨーク市 123 メインストリート サンプル400号室
□□□社 営業部 ジョンスミス様」
であれば、以下のとおりとなります。
-
To:
□□□ Corp
John Smith, Sales Department
123 Main St, Sample 400
New York, NY 10001
USA
納品先は、部署や担当者名まで明記しておきましょう。相手方の社内で、荷物が迷子になるのを防ぐためです。納品先と請求先が異なる場合は、それぞれ記載しておきます。たとえば、「請求先は本社で、納品先は店舗」というようなケースです。
3. 注文日と注文番号
3つめは「注文日と注文番号」です。注文日(Order Date)や注文番号(Order No.)は、相手方の荷受け担当者が、「どの注文分の納品か」を照合するために必須です。
以下は「注文日:2024年11月20日、注文番号:12345 」の記載例です。
- 記載例
-
Order Date: November 20, 2024
Order No: #12345
企業宛の納品であれば、荷受け担当者と発注担当者が別であることが多いため、記載漏れのないようにしましょう。
なお、日付の書き方について補足します。上記の記載例のように「November 20, 2024」と月をテキストで示す書き方は、フォーマルなビジネス文書では好まれる書き方です。
日付を数字のみで表記する場合は、アメリカでは「MM/DD/YYYY」、イギリスでは「DD/MM/YYYY」が一般的です。月をテキストで示す場合も、アメリカとイギリスでは順序が変わります。
- 記載例
-
アメリカ式:11/20/2024(月日年の順)
イギリス式:20/11/2024(日月年の順)
アメリカ式:November 20, 2024(月を省略しないバージョン)
イギリス式:20 November 2024(月を省略しないバージョン)※イギリスはカンマ不要
慣れていない方には戸惑いやすいポイントですが、迷ったら「November 20, 2024」または「20 November 2024」の書き方を選ぶとよいでしょう。月と日が逆になる間違いを回避できるためです。
4. 商品の発送日
4つめは「商品の発送日」です。商品の発送日(Despatch Date)には、商品が発送される日を正確に記載します。以下は「2024年12月1日」の場合です。
- 記載例
-
Despatch Date: December 1, 2024
補足として、Despatchは「Dispatch」のスペルも使用されており、どちらでも正しいスペルとなります(Despatchはイギリス英語、Dispatchはアメリカ英語でよく見られます)。
5. 荷物に同梱されている商品の種類や数
5つめは「荷物に同梱されている商品の種類や数」です。荷物に同梱されている商品の種類や数を、正確に記載します。書き方は商品の内容や仕様によって異なりますが、以下に一般的なものを挙げます。
- 記載事項
-
Item #: 商品番号
Description: 商品名や商品説明
Ordered: 注文数
Delivered: 納品数
Outstanding: 未納品数 ※Backorder(受注残)と表記することもあります。
Item # | Description | Ordered | Delivered | Outstanding |
---|---|---|---|---|
001 | Widget A – Small | 100 | 100 | 0 |
002 | Widget B – Large | 50 | 40 | 10 |
6. 備考
6つめは「備考」です。
備考欄には、納品に関連した伝達事項を記載します。たとえば、上のサンプル画像では、以下のとおり記載されています。
-
Notice must be given to us of any goods not received within 10 days taken from the date of despatch stated on invoice.
訳:請求書に記載された発送日から10日以内に納品されていない商品については、お知らせいただく必要があります。Any Shortage or damage must be notified within 72 hours of receipt of goods.
訳:不足または損傷がある場合は、商品の受け取り後72時間以内にお知らせいただく必要があります。Complaints can only be accepted if made in writing within 30 days of receipt of goods.
訳:苦情は、商品の受け取り後30日以内に書面で提出された場合のみ受け付けられます。No goods may be returned without prior authorization from company.
訳:弊社の事前承認がない限り、商品の返品はできません。Thank you for your business!
訳:ご愛顧いただきありがとうございます。Should you have any enquiries concerning this delivery note, please contact John Doe on 0-000-000-0000.
訳:この納品書に関するお問い合わせがある場合は、0-000-000-0000でJohn Doeにご連絡ください。
上は一例ですが、ほかにも、記載しておくべき事項があれば明記しておきましょう。
英語の納品書に関する注意点
続いて、英語の納品書を作成する際に注意したいポイントを2つ、お伝えします。
取引先から指定があれば正確に従う
1つめの注意点は「取引先から指定があれば正確に従う」です。とくに、大手企業との取引では、Delivery Noteのフォーマットや封入場所が、詳細に指定されていることが多くあります。
本記事では、一般的なDelivery Noteのフォーマットに従って、書き方を解説しましたが、納品先からの指定がある場合は、その指定に正確に従うようにご注意ください。
というのは、正確な対応ができていないと、荷受け時に正規の荷物だと判断されずに受け取り拒否されたり、納品後に紛失したりするリスクがあるからです。
通関時の必要書類は別途準備する
2つめの注意点は「通関時の必要書類は別途準備する」です。本記事で解説したDelivery Noteと、通関時の必要書類はまったく別ですので、この点にもご注意ください。
貨物の品名や個数・重量などを記載した文書として、インボイスやパッキングリストが必要な場合、法的な規定に従って作成する必要があります。
参考:通関業者に輸出通関を依頼する際の必要書類
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Ⅰ. 仕入書(Invoice、インボイス、商業送り状)通常、インボイスと呼ばれます。
この書類は、輸出申告の際、輸出許可の判断のために求められた場合のみ税関に提出します。税関に提出する仕入書は以下の要件を満たす必要があります。-
1.輸出国の荷送人(輸出者)が、輸入国の荷受人(輸入者)に対し、貨物の発送を通知するために作成した書類
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2.貨物の品名、種類、数量、価格、代金支払方法、荷送人および荷受人の住所、居所、氏名、名称等が記載されていること
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Ⅱ.包装明細書(Packing list、パッキングリスト、梱包明細書)
通常、パッキングリストと呼ばれます。
仕入書を補完するもので、輸出貨物の個数、包装後の重量・容積等が記載され、価格や決済に関する情報は通常、記載されません。
税関から提出を求められることもあるため、あらかじめ作成することをお勧めします。混載貨物として輸出する場合、通関業者から提出を求められることもあります。なお、仕入書と包装明細書は1つの書類で兼用することもあります。
…(後略) -
出典:ジェトロ「通関業者に輸出通関を依頼する際の必要書類:日本」
詳細は、それぞれのケースに合わせて、専門家に相談しながら準備が必要です。
効率的に納品書を作成する方法
最後に「効率的に納品書を作成したい」という方向けの情報をお伝えします。
おすすめの納品書作成ツール
まず、ベースとなる日本語の納品書は、手書きではなくパソコンで作成できるようにしたほうが、圧倒的な効率化となります。その際には、ExcelやWordで都度作る方法もありますが、専用ツールを利用すると、より簡単です。
おすすめの納品書作成サービス:Misoca
たとえば、上記のクラウドソフト「 Misoca」は、すべての機能が無料から使えることや、パソコンが苦手な方でも簡単に見やすい納品書を作れることが、おすすめのポイントです。
英訳ツール・添削ツールを活用する
次に、英語に不慣れな印象を与えずに、ビジネスで通用する英語を書くためには、英訳ツールや添削ツールを活用しましょう。
辞書を調べるだけでは把握しにくい英語の細かなニュアンスを知りたいときに、チャット形式で深掘りしていくと、理解が深まります。
まとめ
本記事では「英語の納品書」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
まず、納品書は英語で「Delivery Note」といい、顧客に発送される荷物に同封される書類を指します。納品書には、同梱されている商品の内容と量が記載されています。
英語の納品書の記載項目を、6つに分けて解説しました。
-
1.自社の名称や連絡先
-
2.納品先・請求先
-
3.注文日と注文番号
-
4.商品の発送日
-
5.荷物に同梱されている商品の種類や数
-
6.備考
英語の納品書の作成に際しては、以下にご注意ください。
- 取引先から指定があれば正確に従う
- 通関時の必要書類は別途準備する
英語の納品書を適切に作成することは、スムースな取引を支える重要な要素です。正確な書類の作成を通じて信頼性を向上し、グローバルにビジネスを成功させていきましょう。
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