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確定申告書の提出先はどこ?ケース別の納税地について解説

更新

所得税の確定申告書は、申告をする人の状況に応じて、各地域の税務署長宛に提出します。住んでいる地域などによって提出先が変わるため、間違えた場所に提出してしまわないように気を付けてください。(違う管轄の税務署に提出した場合は、提出が無効になるわけではないのですが、その提出した税務署から本来提出すべき税務署に転送してもらうことになります。)

本記事では、確定申告書の提出先や、間違いやすいケース別の対処法などについて解説します。

確定申告書は納税地を管轄する税務署に提出する

確定申告書は、納税地を管轄する税務署に提出します。納税地は基本的に住民票の住所ですから、該当の住所を管轄する税務署に確定申告書を提出しましょう。例えば、東京都千代田区外神田に住んでいる場合は神田税務署が管轄ですから、「神田税務署」に提出します。同じ市区町村内でも複数の税務署が存在する場合があります。細かく管轄地域がわかれている場合があるので、間違わないようにしましょう。

ただし、事前に「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出しておけば、個人事業主の事務所住所を管轄する税務署で申告を行うことも可能です。「平日日中は事務所に出勤しているため、申告も事務所住所近くの税務署で行いたい」といった場合は、届出書を出します。

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書

管轄税務署の調べ方

それぞれの住所地を管轄する税務署は、国税庁のWebサイトで調べられます。管轄税務署の調べ方は下記のとおりです。

管轄税務署を調べる方法

  • 1.
    国税庁のWebサイトにアクセスする
  • 2.
    住所地の郵便番号を入力して「検索」を押す

以上で、管轄の税務署が表示されます。また、住所や地図から検索することも可能です。

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ケース別・確定申告書の提出先

確定申告書の提出先に迷いやすいケースに、引越しをした場合や、住民票と居住地が違う場合などが挙げられます。それぞれの場合の提出先について、詳しく解説します。

引越しをした場合

引越しをした場合は、確定申告をする時点で住んでいる場所を基準に提出先が決まります。これは、引越しの時期と確定申告の時期が重なった場合でも変わりません。

期中に引越しをした

所得税の確定申告では、1月1日から12月31日までの所得とそれにかかる税金について、翌年2月16日から3月15日までに申告します。「期中」というのは、申告の対象となる1月1日から12月31日までの1年間のことです。この間に引越しをした方は、引越し後の新しい住所地の税務署に確定申告書を提出します。

確定申告の提出先の例

2023年5月1日に東京都千代田区外神田から大阪府大阪市中央区今橋に引越しをした場合、2023年分の確定申告書は、今橋を管轄する「東税務署」に提出します。

1月2日~2月15日に引越しをした

1月2日以降、確定申告開始までの間に引越しをした人が前年分の申告を行う場合、現在住んでいる住所地の管轄税務署で手続きをします。

確定申告書の提出先の例

2024年2月10日に東京都千代田区外神田から大阪府大阪市中央区今橋に引越しをした場合、2023年分の確定申告書は今橋を管轄する「東税務署」に提出します。

2月16日~3月15日に引越しをした

確定申告期間に重なる時期に引越しをした方は、確定申告をいつ行うかによって確定申告書の提出先が変わります。確定申告を行うタイミングで住んでいる地域を管轄する税務署に、申告書を提出しましょう。

確定申告書の提出先の例

2024年3月1日に東京都千代田区外神田から大阪府大阪市中央区今橋に引っ越すが、2024年2月20日に2023年分の申告を行う場合は、外神田を管轄する「神田税務署」に確定申告書を提出します。

住民票と居住地が違う場合

住民票の住所と実際に住んでいる居住地が違う場合でも、原則として住所地を管轄する税務署に確定申告書を提出します。

ただし、居住地を納税地にしたい場合は、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出することで、居住地を管轄する税務署宛に確定申告書を提出することができます。

亡くなった方の確定申告をする場合

確定申告とは、ある年の1月1日から12月31日までの所得と税額を申告する行為です。亡くなった方についても、1月1日から亡くなるまでの間の所得や税額を申告しなければいけません。このような申告は、「準確定申告」と呼ばれます。亡くなった方が、亡くなった時点で住んでいた住所地を管轄する税務署宛に確定申告書を提出します。

確定申告書の提出先の例

10月1日時点で東京都千代田区外神田に住んでいて、東京都中央区築地の病院に入院中に亡くなった方の準確定申告は、外神田を管轄する神田税務署で行います。

なお、準確定申告を行うのは、相続人です。相続が発生したことを知った日から4か月以内に手続きを行いましょう。相続人が複数名いる場合は、全員が連署して書類を作成します。難しい場合は個別提出も可能ですが、その場合はそれぞれの相続人の申告内容を他の相続人に対して通知しなければいけません。

準確定申告は、通常の確定申告とは方法が異なるため、税務署などに相談しながら進めることをおすすめします。

海外に居住している場合

海外に住んでいても、日本国内での所得がある場合は確定申告が必要です。どこで確定申告を行うのかは、チャートを使って判断することができます。1~5までの各項目を順に確認していき、該当しない場合は先に進んでいきましょう。

なお、所得税法では、国内に居所がない人を非居住者といいます。非居住者で国内において所得がある場合、確定申告を代行する「納税管理人」を選定する必要があります。

非居住者の確定申告を提出する税務署の調べ方

1. 国内に事業を行っている事務所等がある

該当する場合は、事務所の所在地を管轄する税務署に確定申告書を提出します。該当しない場合は「2」に進んでください。

2. かつて納税地だった住所や居所に親族などが住んでいる

該当する場合は、納税地だった住所地を管轄する税務署に確定申告書を提出します。該当しない場合は「3」に進んでください。

3. 日本国内の不動産の賃貸収入がある

該当する場合は、該当の不動産の所在地を管轄する税務署に確定申告書を提出します。複数ある場合は、金額が大きい物件の管轄税務署で申告をしましょう。該当しない場合は「4」に進んでください。

4. 以前、「1」から「3」のいずれかに該当していた方が、何らかの理由で該当しなくなった

この場合は、該当しなくなる前に確定申告書を提出していた税務署で引き続き確定申告を行います。この条件にも当てはまらない場合は「5」に進んでください。

5. 「1」から「4」に該当しない方が所得税の申告や請求を行う

該当する場合は、その方が選択した場所で確定申告をします。それにも該当しない場合は、麹町税務署に確定申告書を提出してください。

確定申告書の提出方法

確定申告書は、複数の方法で提出可能です。都合の良い方法を利用してください。

e-Tax

e-Taxは、自宅からスマートフォンやパソコンで確定申告書を送信する方法です。確定申告ソフトや国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、申告書の作成から送信までを一貫して行えます。ただし、利用するためにはマイナンバーカード、または事前に税務署で発行されたID・パスワードが必要です。

管轄の税務署に持ち込み

確定申告書は、管轄の税務署の窓口に持ち込んで提出することもできます。開庁時間内であればその場で確定申告書の控えを受け取れます。夜間など、窓口が開いていない時間帯は、時間外収受箱(夜間文書収受箱)に投函して提出することも可能です。

税務署は、確定申告期間もそれ以外のときも、基本的に平日の朝8時半から17時まで開庁しています。ただし、確定申告の相談受付は4時までです。

税務署または業務センターに郵送

確定申告書は、管轄の税務署または業務センターに郵送で提出することもできます。なお、管轄の税務署が業務センターに対応している場合は、税務署ではなくセンター宛に郵送してください。税務署に直接郵送できるのは、業務センターに対応していない場合だけです。また、業務センターに直接確定申告書を持っていくことはできません。なお、郵送する場合には、控えの書類を返送してもらうために、返信用封筒と切手を同封してください。

なお、郵送する場合には、控えの書類を返送してもらうために、返信用封筒と切手を同封してください。確定申告書の控えは、融資やローンを受ける場合や賃貸契約をする場合など、収入や所得を証明するために使用することがあります。ほかにも既に提出した申告した内容を確認することもあるでしょう。そのような際に、確定申告書の控えがあれば、すぐに提示したり、確認することができます。提出する場合は、ぜひ、控えをもらえるようにしましょう。

所得税の確定申告の期間

確定申告書は、基本的に申告する年の翌年2月16日~3月15日に提出します。2023年分の所得の申告であれば、2024年2月16日~3月15日です。ただし、多く支払った税金を還付してもらうための還付申告は、翌年1月1日以降5年間、いつでも行えます。

確定申告書の提出先を間違えないように気を付けよう

確定申告書の提出先を間違えてしまうと、転送などに時間がかかり、なかなか手続きが進みません。判定方法を理解して、最初から正しい申告先に提出することが大切です。

確定申告は、期限ぎりぎりの提出にならないように、余裕を持って手続きを行うことも大切です。事業所得のある個人事業主は、「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、e-Taxを利用できるため、税務署を確認して、送信できるので安心です。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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