確定申告の準備はいつからすればいい?事前に準備するものまとめ

2023/03/01更新

この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

フリーランスや自営業者といった個人事業主にとって、確定申告は避けては通れないもの。期限ギリギリに慌てて申告を行って「来年はスムーズに終えたい」と考えている人もいることでしょう。
年に一度の申告をスムーズに乗り越えるためには、しっかりした準備が欠かせません。ここでは、確定申告に向けて、何をいつから準備すればいいのかをご紹介します。

確定申告とは?

所得税の確定申告は、所得(売上から経費を差し引いた儲け)にかかる税金を計算し、国(税務署)に納めるべき税額を報告する手続きです。計算期間は1月1日~12月31日の1年間で、原則、翌年の2月16日~3月15日のあいだに税務署に申告・納税をするまでがセットになっています。なお、期限日が土日や祝日の場合は、休日明けの平日が期限になります。

確定申告の提出書類

確定申告の手続きで提出する「確定申告書」にはA様式とB様式があり、所得の種類によってどちらを使うかが決まります。会社員や年金所得者、一時所得だけの人はA様式・B様式どちらでも使えますが、個人事業主をはじめとする事業所得を得ている人はB様式になります。

また、個人事業主の確定申告には、最大65万円の特別控除といった節税メリットの多い「青色申告」と、記帳や提出書類がシンプルな代わりに節税メリットの少ない「白色申告」の2種類があり、どちらの方法にするかで提出書類が異なります。
白色申告の場合の提出書類は、1年間の売上や仕入、経費を項目ごとに集計した「収支内訳書」、青色申告の場合は損益計算書と貸借対照表からなる「青色申告決算書」となります。

個人事業主の場合、確定申告では「確定申告書B」と「収支内訳書」または「青色申告決算書」、保険料の控除証明書や社会保険料控除証明書など、控除を受けるために必要となる証明書一式を提出することになります。ですから、確定申告の前には、これらの書類を整えるために必要なデータを整理し、証明書を取り寄せ、提出時に必要なはんこなどを準備することが必要になってくるのです。

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確定申告は事前準備が重要

1年間に生じた所得を正しく計算して申告するために、すべての事業者は日々の取引を帳簿に記録し、帳簿と領収書などの関連書類を一定期間保存することが義務づけられています。
確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書はすべて帳簿にもとづいて作成することから、帳簿と領収書については普段から用意しておく必要があります。

定期的に帳簿をつける

帳簿は、売上や仕入のほか、交通費や通信費といった経費、借入れなどのお金の流れを記録したものです。1年分をまとめて書くのは無理がありますし、間違いの元となりますので、できれば毎日、それが無理でも1週間~1か月に1度でもかまわないので、期間中の取引をもれなく記載しておきましょう。
レシートや領収書を溜め込んでおいて確定申告の時期にまとめて記帳する場合は、月ごとにファイルや封筒でまとめておくと記帳が楽になります。月以外にも、自分にとってわかりやすければ、科目や取引先で分けておくのも有効です。
確定申告ソフトを利用すれば、日々のデータを打ち込むだけで記帳ができるのでかなり楽になります。加えて、確定申告ソフトに口座やクレジットカードを連携させれば、自動でデータを取り込むので、入力の手間が省けます。

なお、帳簿の記帳方式は、白色申告であればお小遣い帳を書くのと同じ「単式簿記」形式、青色申告であれば、1つの取引についてお金の動きとその原因の2つの側面を記載する「複式簿記」となります。

単式簿記と複式簿記の違いについての詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

【確定申告】個人事業主向けの帳簿のつけ方|単式簿記と複式簿記の違い

領収書や各種証明書を保管する

領収書や控除証明書は、「何にいくらの支出をしたか」を証明してくれる大切な書類です。確定申告後、もし税務署から調査を受けたときには開示できるようにしておかなければいけませんし、各種控除証明書は確定申告のときに提出しなければいけません。失くさないよう、日頃から大切に保管しておきましょう。

確定申告における領収書の扱いについての詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

確定申告に必要な領収書で注意すべき点とは?正しい保管方法も紹介

確定申告に必要なもの・準備するもの

確定申告書類の提出は直接税務署に持参して確定申告書一式を提出するほか、インターネット経由での提出(e-Tax)、郵便または信書便での郵送、税務署に設置される時間外収集箱への投函でも提出が可能です。なお、青色申告で最大65万円の特別控除を希望される方は、e-Taxによる提出がおすすめです。青色申告特別控除は、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行わない場合、最大55万円の控除となります。
確定申告を行う場合に提出すべき確定申告書等の内容、および申告に必要な道具や書類は以下のとおりです。

確定申告で提出するもの・必要なもの
提出するもの 備考
確定申告書B 帳簿と各種証明書の数字をもとに自分で作成する。確定申告ソフトを使うと楽に用意できる。
収支内訳書または青色申告決算書 帳簿と各種証明書の数字をもとに自分で作成する。確定申告ソフトを使うと簡単。
本人確認書類 税務署に持参する場合は本人確認書類の窓口での提示が、郵送する場合は写しの添付が必要。マイナンバーカードであれば1枚でOK(マイナンバーカードがない場合は、通知カードまたはマイナンバーが記載された住民票の写しなどと運転免許証、パスポートなどが必要)。
通帳(口座情報) 税金の還付を受ける場合は口座情報の記載が必要。
各種控除を証明する書類 国民年金保険料の控除証明書や生命保険料の控除証明書、ふるさと納税を受けた自治体が発行する寄附金受領証明書などがある。
源泉徴収票 給与所得者の場合は会社から受け取る源泉徴収票が必要。
支払通知書 投資信託の配当金等を受け取っている場合は支払通知書が必要。
その他 災害で被害に遭った場合は罹災証明書が必要。

e-Taxを使って確定申告をする場合

最大65万円の青色申告特別控除を受けるためには、e-Taxを使った確定申告がスムースです。確定申告の準備は、普段から定期的に帳簿をつけ、領収書や請求書さえしっかり保管しておけば、1月や2月に入ってから書類を作り始めても、十分間に合います。ただし、e-Taxを使ってオンラインで提出したい場合は、少し注意が必要です。

確定申告をe-Taxで行う場合、「書類を作ったのが確かに本人である」ことを証明するために、事前に電子証明を取得しなければいけません。電子証明は、マイナンバーカードをICカードリーダーライターで読み込むことで取得できますが、マイナンバーカードをこれから申請する場合、申込みから実際にカードが手元に届くまで1か月ほどかかります。
また、パソコンやICカードリーダーライターを揃えたり、通信環境を整えたり、e-Taxの開始届出書を提出してログインに必要な利用者識別番号を取得したりなど、こまごまとした準備も必要になるため、「思い立ったときにすぐにできる」わけではありません。

e-Taxには、マイナンバーカードとICカードリーダーライターを利用する「マイナンバー方式」のほかに、「ID・パスワード方式」があります。「ID・パスワード方式」はマイナンバーカードがなくてもe-Taxをすることができますが、暫定的な対応と言われているので早めにマイナンバーを取得することをおすすめします。

e-taxを利用した確定申告方法についての詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

ネットで確定申告を提出するe-Taxのメリットと方法を解説

青色申告をする場合は事前に届け出が必要

確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、特に何もしなければ白色申告となります。
最大65万円の特別控除や赤字の3年間繰越など、特典の多い青色申告をするためには、事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておかなくてはなりません。原則、青色申告をしたい収入がある年の3月15日まで、または事業を開始した日から原則として2か月以内に提出すると、青色申告が可能になります。
なお、所得税の青色申告承認申請書は、一度提出すれば、次の年からは提出する必要はありません。

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銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータやスマホで撮影したデータを取り込めば、AIが自動で仕訳を行います。入力の手間と時間が大幅に削減できます。

確定申告書類を自動作成。e-Tax対応で最大65万円の青色申告特別控除もスムースに

画面の案内に沿って入力していくだけで、確定申告書等の提出用書類が自動作成されます。青色申告特別控除の最高65万円/55万円の要件を満たした資料の用意も簡単です。インターネットを使って直接申告するe-Tax(電子申告)にも対応し、最大65万円の青色申告特別控除もスムースに受けられます。

自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる

日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。確定申告の時期にならなくても、事業に利益が出ているのかリアルタイムで確認できますので、経営状況を把握して早めの判断を下すことができるようになります。

この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。

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