確定申告を間違えていたら?修正方法や期限、ペナルティについて解説

2023/02/21更新

この記事の監修田中卓也(田中卓也税理士事務所)

所得税は、納税者が自分で所得や税金の計算をして申告と納税を行う「申告納税制度」の税金です。税金の金額も自分で計算しなければなりません。そのため、申告内容を間違えてしまう可能性もあります。

そこで本記事では、確定申告の内容を間違えてしまったときの対処法と修正期限、ペナルティについて解説します。間違いがないように申告することはもちろん重要ですが、間違えてしまったときにどうすればいいのかを知っておくことも大切です。間違えてしまっても、正しく対処できるようにしておきましょう。

確定申告は修正が可能

確定申告書は、一度提出した後で修正することも可能です。所得税の確定申告では、自分で収入や経費、所得の計算を行い、そこから所得控除を差し引いた課税所得に応じた所得税を納めます。根拠となる帳簿や書類も併せて作成することになりますが、そもそも帳簿が間違えていたり、控除の計算ミスをしたりすることもあるでしょう。間違いに気が付いたときは、そのままにせず、すみやかに修正を行ってください。

確定申告の修正方法は3種類

一度提出した確定申告の修正方法は、状況に応じて3種類に分けられます。間違いの内容や、間違いに気付いた時期によって対応方法が異なるため、注意しましょう。

訂正申告

例年、2月16日から3月15日までが所得税の確定申告の期限です(土日祝に重なる場合は翌平日)。この期限内に確定申告の間違いに気が付き、修正を行う場合は「訂正申告」を行います。

更正の請求

所得税の確定申告期限が過ぎてから間違いを修正するケースのうち、税金を本来よりも多く申告し、納税した場合は「更正の請求」を行います。請求が認められると、払いすぎた税金が還付されます。

修正申告

所得税の確定申告期限が過ぎてから間違いを修正するケースのうち、税金を本来よりも少なく申告してしまった場合は「修正申告」を行い、不足分を納付します。なお、確定申告書を提出する前に間違いに気付いたときは、正しい内容の確定申告書を作り直して提出しなければなりません。申告ソフトなどを利用して、申告書を作成している場合は、間違い部分を修正して申告書を作成しましょう。

手書きの申告書など、再度書き直すのが大変なときは、二重線を引いて上または下に正しい数字を書き込んでください。どこの欄に入る数字かわかるように、該当の箇所へ矢印を引きます。訂正印は不要です。

確定申告書の修正例

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訂正申告:確定申告の期限内の修正

確定申告書の間違いに気が付いたのが、確定申告の期限内だった場合に行う訂正申告。期限内の訂正は、税金を多く申告していた場合も、少なく申告していた場合も、同じ方法で修正できます。

ただし、元々の申告内容が還付申告(源泉徴収された税金が還付される内容の申告)だった場合は注意が必要です。還付手続きの処理が終わってしまっていた場合、通常の訂正申告では対応できない可能性があります。還付申告の間違いに気付いたときは、すみやかに管轄の税務署に連絡をして、対処法を問い合わせてください。

訂正申告の方法

訂正申告は、通常の確定申告書を作るのと同じように正しい数字の申告書を作り直して、再提出することで完了します。なお、訂正にあたって、追加で提出が必要な控除証明書などがある場合は、訂正した確定申告書といっしょに提出してください。

e-Taxと持ち込みや郵送、それぞれの場合の訂正方法は下記のとおりです。

e-Taxの場合

まずは、e-Taxソフトの「申告・申請等一覧」から、修正するデータを選択して正しい内容に訂正します。訂正したデータは、任意のファイル名をつけて別名で保存してください。その後、通常のe-Taxを利用した申告と同様に、修正したデータに電子署名を付与して送信します。e-Taxの場合、申告期限内であれば訂正後の申告データを作成して、送信すれば完了です。

訂正した部分だけではなく、すべての帳票を送信する必要がありますが、訂正したデータを送信したことを税務署に連絡する必要はありません。最後に送信したデータを申告データとみなすためです。なお、追加で添付書類を提出する必要がある場合には、申告書等送信票(兼送付書)とともに提出します。

持ち込みや郵送の場合

訂正申告を、税務署の窓口に持ち込みや郵送で提出する場合は、正しい確定申告書を作成し直して再提出します。なお、新しい確定申告書は、間違えた部分だけでなくすべてをもう一度作成してください。そのうえで、余白に赤字で「訂正申告」と記入し、当初の申告書のコピーを添付して提出します。

訂正申告の期限

訂正申告の期限は、該当の年分の確定申告期限と同一です。

訂正申告の例

2022年分の所得税の確定申告書を2023年2月20日に提出し、同年2月25日に間違いに気付いた場合

上記の場合、訂正申告期限は2023年3月15日です。それまでに正しい確定申告書を提出しましょう。なお、期限内であれば何度でも訂正が可能です。ただし、前述のとおり、還付申告を行っていたときは還付の処理が完了する前に手続きをする必要があります。まずは、管轄の税務署に連絡を入れたうえで指示に従ってください。

更正の請求:確定申告期限後の修正(税金を多く申告していた場合)

所得税の確定申告期限が過ぎた後で、税金を多く申告していたことに気が付いたときは、更正の請求を行います。なお、更正の請求は、しなかったとしてもペナルティを受けることはありません。

更正の請求の方法

更正の請求を行う際は、「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」を管轄の税務署に提出します。郵送や持ち込みの他、e-Taxを利用した送信も可能です。

所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

更正の請求書の「請求の目的となった申告又は処分の種類」には「令和◯年分の所得税及び復興特別所得税」と記載します。その後、各項目の案内に応じて、訂正を行う理由や添付書類、当初の申告内容と正しい申告内容などを記載してください。還付される税金の振込先も忘れずに書きましょう。

なお、提出をする際には、請求の理由の基礎となる事実を記載した書類と、本人確認書類を添付する必要があります。更正の請求では、請求内容の審査を経て還付が行われます。不正な請求でないことを証明するために、計算書類や証明書類などがある場合は併せて提出してください。

更正の請求の期限

更正の請求は、該当する年の法定申告期限から5年間です。例えば、2022年分の申告であれば、2023年3月15日から5年以内の請求が可能です。

更正の請求時の税金還付

更正の請求を行い、請求が認められると、払いすぎた税金が還付されます。還付先は、更正の請求書に記載した口座です。

更正の請求を行うと、不正がないかどうか審査が行われます。審査が完了するまでには一定の時間がかかりますから、指定した口座を誤って解約してしまうことがないように気を付けましょう。請求が認められると、はがきで還付のお知らせが届きます。内容や振込先を確認してください。

ただし、内容によっては請求が認められなかったり、追加の書類提出を求められたりする可能性もあります。税務署から連絡があったときは、問い合わせ内容に応じて追加の書類提出などの対応が必要です。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。

修正申告:確定申告期限後の修正(税金を少なく申告していた場合)

税金を本来納めるべき金額よりも少なく申告していたことに、確定申告期限が過ぎてから気付いたときは、修正申告を行います。

修正申告の方法

修正申告は、確定申告と同じ確定申告書 第一表、第二表を使って行います(分離課税の申告がある場合は第三表を含む)。2022年分の所得税の確定申告から修正申告用の第五表が廃止されましたので、用紙を間違えないようにしましょう。

確定申告書 第一表上部の「◯年分」に修正を行う確定申告書の年、「◯◯申告書」に「修正」と書き込みましょう。「種類」の欄は「修正」に◯をつけます。その後は通常どおり、正しい内容の確定申告書を作成してください。

確定申告書 第一表

右側の「修正申告」にある「修正前の第3期分の税額(53)」には、修正申告をする前に申告していた税額を書き入れます(当初申告が還付申告であった場合は頭に△を記載します)。次の「第3期分の税額の増加額(54)」には、納めるべき金額との差額を記入します。

以上で、第一表は完成です。

確定申告書 第二表

第二表も、上部に「修正申告書」と明記の上、通常の確定申告と同じように作成します。違いは、中央付近の「特例適用条文等」の部分です。この欄に、修正申告が発生した理由を明記します。

例えば、売上が一部抜けていた場合は「株式会社◯◯(東京都××区××1-1-1、売上100万円、源泉徴収なし)の売上計上が漏れていたため」などと、数字を含めて具体的に記載します。

修正申告の期限

修正申告に明確な期限はありません。しかし、間違いに気付き次第、すみやかに行う必要があります。

所得税の納期限は、基本的に確定申告の期限と同一です。つまり「確定申告期限の後で税金を少なく申告していたと気が付いた」ということは、納めるべき税金を期限内に納めることができていないということです。延滞をしていることになりますから、放置してはいけません。

修正申告をせずに放置していると、その分、延滞税が増えていきます。さらに税務署の確認で間違いが発覚した場合は、延滞税に加えて過少申告加算税も課せられることになります。延滞期間が長引くほど延滞税や過少申告加算税の金額が大きくなっていきますから、できるだけ早急に修正申告と納税を行うことが重要です。

修正申告時の納税

修正申告を行う場合は、不足していた税金を追加で納付しなければいけません。納付期限は、修正申告書の提出日です。できるだけ延滞税と合わせて納付しましょう。

納税方法は下記のように、通常の所得税の納付と同じです。

修正申告時の主な納税方法

  • 税務署窓口や金融機関に納付書を添えて納税する(納付書は所轄の税務署にあります)
  • e-Taxで納税する
  • 確定申告書等作成コーナーなどで作成したQRコードを利用してコンビニで納税する
  • QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

修正申告の延滞税の計算方法

延滞税は、不足していた税額に対して課せられます。延滞税の利率は、納期限の翌日から2か月までは年7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方、2か月経った翌日以降は年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い方で計算します。

延滞期間が長くなると利率も高くなってしまうため、早めの対応が必要です。ただし、納付すべき税額が1万円未満の場合、延滞税はかかりませんし、延滞税の計算結果が1,000円未満であれば端数は切り捨てられます。

修正申告時の延滞税の計算は、国税庁のWebサイトにある「延滞税の計算方法 新規タブで開く」のツールを使って行うのが便利です。計算間違いも防げますから、活用してください。

修正申告時のペナルティ

修正申告を行った場合、延滞税が課せられる可能性があります。さらに、修正申告を行わずに税務署から指摘されて修正する場合は「過少申告加算税」、そもそも期限内の申告をしていなかった場合は「無申告加算税」、帳簿の改ざんや隠匿など悪質な処理をしていたことが判明した場合は「重加算税」といった税金が課せられます。

放置や隠ぺいをすれば、その分加算される税額も大きくなります。間違いに気付いたときは、正直に自ら申告することが大切です。

修正は確定申告書等作成コーナーでできる

確定申告の修正は、確定申告書等作成コーナーで行うことができます。トップページに「提出した申告書に誤りがあった場合」という項目がありますから、「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」を選択して正しい確定申告書を作成します。

具体的な作成手順は、作成した更正の請求書や修正申告書をどのように提出するかによって変わります。提出方法を選択し、画面の案内に従って作成を進めてください。なお、e-Taxを利用する場合は、作成だけでなく提出(送信)まで行えます。

確定申告の修正が発生しやすいケース

確定申告の内容を間違えてしまうと、後から修正しなければならず、手間と時間がかかります。できるだけ最初から、正しい申告をできるよう気を付けましょう。

特に、下記のようなケースでは間違いが発生しやすいため、注意してください。

計上すべき売上や仕入が漏れていた

個人事業主の売上や仕入は、基本的に入金や支払いの日ではなく、売上や支払いが発生したタイミングで計上します。通帳などの履歴だけを見ていると、計上すべき売上や仕入れを見落とす可能性があります。漏れなく計上するためには、売上や仕入などが発生する度にこまめに記帳することが重要です。

利用できる控除を記入し忘れた

所得控除や税額控除には、さまざまな種類があります。利用できる控除を記入し忘れると、税金を多く支払うことになる可能性がありますから注意が必要です。控除の種類を知り、漏れなく申告しましょう。

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この記事の監修田中卓也(田中卓也税理士事務所)

税理士、CFP®
1964年東京都生まれ。中央大学商学部卒。
東京都内の税理士事務所にて13年半の勤務を経て独立・開業。
従来の記帳代行・税務相談・税務申告といった分野のみならず、事業計画の作成・サポートなどの経営相談、よくわかるキャッシュフロー表の立て方、資金繰りの管理、保険の見直し、相続・次号継承対策など、多岐に渡って経営者や個人事業主のサポートに努める。一生活者の視点にたった講演活動や講師、執筆活動にも携わる。

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