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白色申告はe-Taxが便利!メリットや必要書類、スマホを使った申告のやり方を紹介

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白色申告はe-Taxが便利!メリットや必要書類、スマホを使った申告のやり方を紹介

所得税の確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。白色申告は手続きが比較的シンプルで、初めて確定申告をする方にも利用しやすい方法です。白色申告をさらに便利にできるのが、オンラインで申告できる「e-Tax」です。

郵送や税務署への持参が不要になるだけでなく、添付書類の省略や還付金の早期受け取りなど、多くのメリットがあります。さらに、スマホを使えば場所を問わず簡単に申告できるのも魅力です。

本記事では、白色申告でe-Taxを利用するメリットから必要な準備、実際のスマホを使った申告手順まで解説します。

白色申告とは

白色申告とは確定申告の方法の1つです。青色申告に比べて簡単に確定申告ができるため、会計知識がない人や経理作業が苦手な人に向いている申告方法です。

ただし、税法上「白色申告」という方法が存在するわけではありません。正確には「青色申告以外の申告方法」という位置付けであり、青色申告との対比で一般的に白色申告と呼ばれています。確定申告書の書式は青色・白色どちらも同じです。

なお、青色申告を行うには事前に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要ですが、白色申告の場合は事前の届出はありません。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の主な違いをまとめたものが以下の表です。

青色申告と白色申告の主な違い
項目 青色申告 白色申告
事前申請 必要(青色申告承認申請書の提出) 不要
帳簿の種類 複式簿記(65万円・55万円控除)、簡易簿記(10万円控除) 簡易簿記(単式簿記)
提出書類 確定申告書、青色申告決算書 確定申告書、収支内訳書
青色申告特別控除 最大65万円 なし

白色申告は青色申告と異なり、特別控除を受けられません。青色申告では条件を満たせば最大65万円の特別控除を受けられます。

一方で、白色申告は事前申請が不要で帳簿作成も簡単なため、手軽に確定申告が可能です。ただし、節税効果を重視するのであれば、青色申告の方が大きなメリットを得られます。
白色申告と青色申告の違いや申告書の記載方法については、以下の関連記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

白色申告で提出する書類

白色申告で必要となる基本の提出書類は、「所得税の確定申告書」と「収支内訳書」の2種類です。

「収支内訳書」とは、1年間の売上や仕入、経費の内訳を記載し、最終的な所得金額を計算するための書類です。青色申告で提出する「青色申告決算書」に相当するもので、白色申告における重要な提出書類の1つです。

また、寄附金控除、生命保険料控除などを利用する場合は、証明書をもとに申告書へ内容を記入します。e-Taxで提出する際は、これらの証明書類を省略できます。ただし、所得税法により5年間の保管が義務付けられています。保存期間中に税務署から提示を求められた場合は、速やかに応じなければなりません。

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白色申告にはe-Taxが活用できる

e-taxを利用した白色申告の手続き

白色申告は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用してオンラインで提出できます。e-Taxは、パソコン・スマホのどちらからでも利用可能です。作成した申告データをe-Tax経由で税務署へ送信すれば、オンラインで簡単に申告手続きを完結できるため、税務署へ足を運んだり郵送したりする手間が不要になります。添付書類も省略が可能です。

パソコンを利用する場合は、国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」から画面の案内に沿って書類を作成し、そのままe-Tax経由で提出することが可能です。また、作成済みのデータをアップロードして提出する方法もあるため、パソコン操作に不慣れな方でも利用しやすくなっています。

e-Taxに対応した確定申告ソフトを使えば、帳簿との連携や自動計算、収益・経費データの自動入力などの機能によって、記帳や申告の負担を大幅に軽減できます。「やよいの白色申告 オンライン」を活用すれば、確定申告書だけでなく収支内訳書もスムーズに作成でき、弥生製品から直接e-Tax送信までワンストップで完結します。「やよいの白色申告 オンライン」は、会計知識が少ない初心者にも使いやすいインターフェースと永年無料プランが特徴です。

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白色申告でe-Taxを利用するメリット

e-Taxを使うと、紙の提出に比べて申告の手間を大幅に減らせます。e-Taxの利便性の良さは白色申告だけでなく青色申告にも共通していますが、特に白色申告は手続き自体がシンプルなため、初心者でも取り入れやすい点が特徴です。ここでは、白色申告でe-Taxを利用するメリットを紹介します。

なお、2025年1月から、紙の申告書への収受日付印(受付印)の押なつが廃止されました。e-Taxを利用して申告データを送信した際は、送信の完了後に、受信通知がメッセージボックスに格納される仕組みになっています。受信通知では、申告書等の提出者氏名または名称、受付番号、受付日時といった情報を確認できるようになっており、申告手続きの完了を証明する正式な記録として活用できます。

申告期間より早く提出できる

e-Taxであれば、確定申告期間前の1月上旬から申告書を送信できます。ただし、期限より早く申告書の送信を終えた場合でも、提出日の扱いは確定申告期間の初日です。確定申告の処理は、提出分から順次進められるため、還付金を早めに受け取れる可能性があります。

郵送や持参の手間が省ける

白色申告の書類提出方法は「e-Tax」「郵送」「税務署への持参」の3つです。

e-Taxを利用すれば、自宅や外出先からスムーズに申告データを提出できるため、税務署や郵便局へ足を運ぶ必要がありません。e-Taxは、メンテナンス時間を除き24時間利用可能です。なお、メンテナンスの予定は、公式サイトで確認できるようになっています。

郵送では、確定申告書の正本を税務署へ送ります。ただし、税務上の申告書や申請書、届出書は「信書」に該当するため「郵便物」または「信書便物」として送付しなければなりません。郵便や信書便により申告書を送付する際は、通信日付印により示された日が提出日とみなされます。

税務署へ持参する場合、窓口で直接提出する以外に時間外収受箱に投函する方法があります。申告期間中は窓口が混雑しやすいため、移動の手間や時間には注意が必要です。

一部を除き添付書類が不要

e-Taxを利用すれば、生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書、社会保険料控除の証明書などは入力内容を送信すれば、紙での提出は省略できます。

ただし、これらの証明書類は法定申告期限から5年間は必ず保存しておかなければなりません。税務署から後日確認を求められることがあれば提示が必要です。

確定申告で、医療費控除を受ける際は「医療費控除の明細書」の提出が必要です。領収書の提出は不要ですが、5年間の保存義務がありますので、領収書を捨てずに保存しましょう。

マイナポータルとの連携でデータ取得ができる

e-Taxでマイナポータル連携を行うと、各種控除証明書などのデータを一括で取得することが可能です。生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、国民年金保険料控除証明書、住宅ローン残高証明書などの情報が自動で取り込まれるため、手作業での転記が不要になります。

ただし、すべての証明書が自動で取得できるわけではなく、未対応自治体の寄附金控除証明書や未対応会社の民間保険会社、医療費通知に含まれていない医療費領収書は手入力が必要です。

マイナポータルとの連携機能により、各種証明書の数値を間違って入力するリスクを大幅に減らすことができます。また、書類を1つずつ確認しながら入力する作業時間も短縮でき、より正確で効率的な申告が可能です。

還付までの期間が短縮される

通常、書面で申告すると入金まで1か月〜1か月半ほどかかります。しかしe-Taxなら、タイミングによりますが、申告から3週間程度で入金されるのが目安です。還付が早く受け取れることで資金を早く回収できるため、特に還付額が大きい場合に還付の早さは大きなメリットとなります。

さらに、電子申告であれば、紙提出よりも審査や確認にかかる時間が少なく済むのもポイントです。白色申告は手続き自体がシンプルなため、e-Taxと組み合わせることでよりスピーディーに還付を受けられます。

スマホでも白色申告ができる

e-Taxを利用した申告データの作成と送信は、パソコンだけでなくスマホでも行えます。
マイナンバーカードとNFC機能に対応したスマホ(国税庁の対応機種一覧に掲載された端末)を使えば、外出先からでも申告データの作成と送信が行えます。NFCは近距離無線通信技術のことで、スマホのタッチ決済などに使われる技術です。
画面の案内に従って必要事項を入力し、マイナンバーカードを読み取れば本人確認と電子署名が完了し、そのまま申告書を送信できるしくみです。スマホでの申告は手軽で便利ですが、対応できる申告内容には制限があります。

複雑な所得区分や多くの経費を扱う場合は、パソコン版のe-Taxを利用した方が安心です。用途に応じてパソコンとスマホを使い分けることが、正確かつ効率的な申告につながります。

訂正申告しやすい

申告書を提出したのちに誤りが発覚した場合でも、申告期間内に再度申告書を作成し直し、提出すれば問題ありません。e-Taxであれば、オンラインで送信するだけで訂正申告が完了します。税務署側で複数回提出されたことが把握できるため、特別な記載は不要です。

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e-Taxで白色申告をするために準備するもの・必要書類

e-Taxを利用して白色申告を行うためには、オンライン特有の準備が必要です。申告書の作成と送信をスムーズに進めるために、そろえておくべき書類や機器を確認しておきましょう。

電子証明書

電子証明書とは、インターネット上で手続きを行う本人を確認するためのデジタル身分証明書です。作成した申告書をe-Tax経由で送信する際は、この電子証明書による認証が必須です。

マイナンバーカードには、地方公共団体情報システム機構の認証する公的個人認証サービスの電子証明書が搭載されています。この電子証明書により、安全で確実な本人確認が可能になり、第三者による不正利用を防げます。

ただし、電子証明書には有効期間があり、発行から5回目の誕生日までとなっているため注意が必要です。期限切れの場合は、市区町村の窓口で更新手続きを行う必要があります。2023年からはマイナンバーカードに対応するスマホに電子証明書を登録できる「スマホ用電子証明書」も利用できるようになりました。スマホにマイナンバーカードを使用して電子証明書を登録しておけば、申告時にはマイナンバーカードがなくてもスマホの電子証明書を使用してe-Taxが利用できます。

マイナンバーカード

e-Tax利用開始時の本人確認や登録では、マイナンバーカード搭載の電子証明書を使用して本人確認を行います。マイナンバーカードの申請から交付までには数週間から1か月以上かかることもあるため、確定申告期間に間に合うよう余裕を持って準備しましょう。

なお、利用者識別番号(ID)とパスワードを発行済であれば、マイナンバーカードがなくてもe-Taxにログインできます。利用者識別番号は16桁の数字で、e-Taxの初回利用時に取得する必要があります。ただし、ID・パスワード方式は2025年10月1日に新規発行を停止しています。これからe-Taxの利用を検討する方は、マイナンバーカードの取得が必要です。既に「ID・パスワード方式」の届出や取得をされている方は、引き続き「ID・パスワード方式」の利用ができます。

マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ

スマホでe-Taxを利用する際は、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホが必要です。スマホで申告書の作成と送信を行う際は、事前にe-Taxに対応した機種かどうか、国税庁やマイナポータルの公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。OSのバージョンや電子証明書の対応状況などにも細かい条件があります。

もし対応していないスマホを利用している場合は、パソコンと公的個人認証サービスに対応したICカードリーダライタを用意する必要があります。ICカードリーダライタは、マイナンバーカード内の電子証明書を読み取るための機器です。家電量販店やオンラインショップで購入できます。

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スマホを使ったe-Taxでの白色申告のやり方

白色申告に必要な書類の準備は、確定申告ソフトを活用するとスムーズに進められます。ここでは「やよいの白色申告 オンライン」を使って確定申告を行う実際の手順を紹介します。

白色申告を行うには、帳簿の作成と保存、その帳簿にもとづいた収支内訳書の作成が必要です。国税庁の確定申告コーナーからでも、スマホで収支内訳書や確定申告書は作成できますが、元になる帳簿は作成できません。事業で発生した売上や経費などを日々記録するには、弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」を活用すると便利です。簿記の知識がない人でも画面に表示される項目や取引例を選んで、日付と金額を入れるだけでお必要な帳簿が作成できます。帳簿情報から申告書類も簡単に作成できまます。収支内訳書の内容に基づき確定申告書を作成し、e-Taxで送信するまでの手順を把握しておきましょう。

1.事前準備

申告手続きを始める前に、以下のものを手元に用意しましょう。

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ
  • 利用者識別番号(16桁)
  • マイナンバーカードの暗証番号
  • 「弥生 電子署名」アプリ (App StoreまたはGoogle Playから事前にインストール)

これらを準備したら、「やよいの白色申告 オンライン」で収入や経費を入力し、申告データを作成します。このデータが後の電子申告の基礎となるため、入力内容に誤りがないかをしっかり確認してから次のステップに進むことが大切です。

2.「確定申告e-Taxオンライン」を起動して送信する

申告データの作成が完了したら、「やよいの白色申告 オンライン」から「確定申告e-Taxオンライン」を起動し、税務署へデータを送信します。

画面の案内に従って操作を進めると、電子署名の手続きが必要になります。このとき、事前にインストールしておいた「弥生 電子署名」アプリを使い、対応スマホでマイナンバーカードを読み取って電子署名を行います。

これにより、送信するデータが本人によるものだと証明されます。電子署名が完了したら、そのまま申告データを送信して手続きは完了です。

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白色申告はe-Taxが便利!

白色申告をe-Taxで行うと、郵送や税務署への持参が不要になり、マイナポータル連携によるデータ取得や添付書類の削減など、多くのメリットがあります。還付金の受け取りも早まり、スマホからでも手軽に申告できるのが大きな魅力です。

一方で、より大きな節税効果を得たい場合は、青色申告がおすすめです。青色申告をe-Taxで行えば、最大65万円の特別控除を受けられ、白色申告よりも大幅に税負担を軽減できます。

弥生の「やよいの白色申告 オンライン」や「やよいの青色申告 オンライン」ならe-Taxにも対応しており、初心者でも簡単に確定申告を進められます。

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この記事の監修者奥 典久(奥典久税理士事務所)

奥典久税理士事務所 代表

簿記専門学校で税理士講座講師として勤めたのち、会計事務所で勤務。その後独立し、奥典久税理士事務所を開業。相続(贈与)対策や事業承継コンサルティング経営、財務コンサルティングから各種セミナーなど、幅広く税理士業務に従事。

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