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転職後に確定申告が必要となるケースとは? 手続きのやり方も紹介

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転職した場合、確定申告をする必要があるのか悩んでいる方は少なくないはずです。本記事では、どのような場合に確定申告が必要で、どのような場合には不要なのかを詳しく解説します。例えば、年内に再就職して年末調整を受けるときや、再就職をせずにフリーランスになったときにはどうすればよいのかがわかります。確定申告に必要な書類や、確定申告手続きの流れについても解説しますので、転職後の確定申告に関する疑問が解消されます。

転職後は確定申告が必要?

会社員が転職後に確定申告が必要かどうか判断に迷う方も多いかもしれませんが、まず会社を辞めても、年内に新しい会社に転職するのであれば、原則として確定申告は不要です。これは新たな転職先で年末調整が行われるためです。その際は、前職の源泉徴収票を転職先の会社に提出する必要があります。年内に複数回転職していても、すべての源泉徴収票を転職先の会社に提出すれば問題ありません。

源泉徴収票を受け取っていない場合は、退職した会社に確認して、源泉徴収票を発行してもらってください。

転職後に確定申告が必要になるケース

転職後に確定申告が必要になるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

  • 年内に再就職していない
  • 年の途中に退職して、次の勤務先で年末調整をしていない
  • フリーランスや個人事業主から会社員になった(又はその逆)

年内に再就職していない場合

会社を退職し、その年のうちに再就職していないのであれば、年末調整が行われないため、確定申告が必要です。年末調整の対象は、年末時点で会社に在籍している従業員です。

年末調整が行われない場合には、所得税を払い過ぎていたとしても還付されないため、確定申告を行う必要があります。例えば、10月に退職して翌年1月に就職した従業員がこのケースに該当します。

注意しなければならないのは、就職自体は決まっていても、年内に入社していなければ年末調整の対象にはならないということです。この場合も確定申告を行う必要があります。さらに、退職してそのまま就職しない場合も、確定申告を行う必要があります。

年の途中に退職して次の勤め先で年末調整をしていない場合

年内に転職していても、年末調整の手続きが間に合わないときは確定申告が必要です。例えば、前職での源泉徴収票が期日までに届かない場合や、12月に入社して新しい会社の年末調整の手続きが既に終わっていた場合などが該当します。自分で確定申告を行わなければなりませんが、その際には、前職の源泉徴収票が必要です。

退職後に確定申告が必要なケースについて詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

フリーランスや個人事業主から会社員になった場合

フリーランスや個人事業主としての所得(事業所得)は、年末調整では処理されません。会社員としての給与所得は年末調整によって正しい金額が算出・納税されますが、事業所得分は納税していないためです。自分で確定申告を行い、確定した金額を納税しなければなりません。

例えば、1月から6月までフリーランスとして働き、7月から会社員になった場合、1月から6月までの事業所得は確定申告が必要です。逆に、会社を退職してフリーランスや個人事業主になった場合も、同様に確定申告が必要です。

確定申告と年末調整の違い

こでは、確定申告と年末調整の違いについて解説します。

確定申告

所得税の確定申告は、1月1日~12月31日の1年間の収入を基に納税額を算出し、税務署へ申告する手続きです。個人がその年に得たすべての所得を合算し、必要な控除を差し引いた後に、最終的な所得税額を確定させるために行います。

確定申告が必要な主な対象者は、

  • 個人事業主やフリーランス:事業所得や不動産所得など、給与所得以外の所得がある人
  • 会社員:給与収入が2,000万円を超える場合や、給与以外の所得(副業収入、不動産収入など)があって条件に該当する人

です。個人事業主などの場合は、確定申告を行って納税額を確定させたうえで、所得税を納める必要があります。

会社員であっても給与収入が2,000万円を超える場合は、年末調整では対応できないため、確定申告が必要です。その他にも、確定申告でしか適用されない所得控除(医療費控除など)を利用したいとき、住宅ローン控除1年目、年末調整の内容に間違いがあったときには、確定申告が必要です。

年末調整

年末調整は、その年の所得税額を年末に調整する手続きです。会社員の場合、毎月の給与から概算で所得税が源泉徴収されますが、年末に各従業員の年間所得や控除額を基に正確な所得税額を計算し、過不足を調整します。例えば、扶養家族や保険料の支払い状況などは、当該年内に変動する可能性があるため、年末に正確な計算を行う必要があります。

確定申告に必要な書類

ここでは確定申告に必要な書類について解説します。なお、確定申告の際に提出する書類、添付する書類について詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

1. 本人確認書類と銀行口座

確定申告を行う際には、本人確認書類の提出が求められます。ここではマイナンバーカードがある場合と、ない場合とに分けて解説します。

マイナンバーカードがある場合
本人確認書類として用意するものはマイナンバーカードのみです。マイナンバーカードが番号確認書類(マイナンバーを確認するための書類)と身元確認書類(後述)の両方の役割を果たすためです。
マイナンバーカードがない場合
本人確認書類として用意するものは番号確認書類と身元確認書類です。番号確認書類として、通知カードや住民票の写し、マイナンバーが記載された住民票記載事項証明書が必要です。身元確認書類としては、以下のいずれかの書類を用意してください。
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 公的医療保険の被保険者証(保険証)
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード

確定申告では、還付金の受け取りの際に使われる銀行口座の情報を記載する必要があります。ただし、ネット銀行の中には、確定申告で使用できないものもあるため、事前に確認しておくことが重要です。

2. 確定申告書

確定申告を行う際には、所得や税額を申告するための確定申告書も必要です。確定申告書の用紙は以下の方法で入手できます。

  • 国税庁のサイトから必要な用紙データをダウンロードして印刷する
  • 所轄の税務署に行って、申告書の用紙を受け取る

e-Taxを利用してオンラインで申告書を作成・提出することもできます。e-Taxであれば、紙の申告書を使わずに済みます。

慣れていない場合には、確定申告用のソフトを使うと、申告書を簡単に作成できて便利です。ソフトは、必要な情報を入力するだけで自動的に計算し、正確な申告書を作成してくれます。

3. 前職での源泉徴収票

確定申告を行う際、特に転職後の申告では、前職での所得を証明するために源泉徴収票が必要です。源泉徴収票とは、給与所得者が1年間に受け取った給与や賞与、源泉徴収された所得税の金額が記載された書類です。

企業は退職者に対して、退職後1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があり、通常はこの期間内に郵送されてきます。源泉徴収票が届かない場合は、前の職場に連絡して発行を依頼してください。源泉徴収票を発行してもらえないときの対処法については後述します。

源泉徴収票の記載内容について詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

源泉徴収票を発行してもらえないときの対処法

前の職場に発行してもらえない場合は、税務署や労働基準監督署に相談してください。給与支払者=会社が源泉徴収票を発行しない場合に対応してくれます。

税務署や労働基準監督署に相談しても解決しない場合や、退職した会社が倒産した場合には、「源泉徴収票不交付の届出書新規タブで開く」を税務署に提出します。本届出書を提出することで、税務署から会社に対して源泉徴収票を発行するよう、行政指導をしてもらえます(所得税法第226条)。本届出書は源泉徴収票の交付期限を過ぎた後、随時提出できます。中途退職の場合は退職後1か月以内、それ以外の場合は翌年の1月31日までが期限です。

源泉徴収票が手に入らない場合でも、給料明細を保存しておくことが重要です。給料明細には、給与の支払額や源泉徴収税額が記載されており、これを基に確定申告を行える場合があります。

参照: e-Gov 法令検索「所得税法新規タブで開く

4. 控除証明書

確定申告で控除を受けるためには各種控除証明書が必要です。

医療費控除を受けるために必要な書類は以下のとおりです。

  • 医療費控除明細書:自分で作成する明細書で、支払った医療費の詳細を記載する
  • 医療費領収書:実際に支払った医療費の領収書。提示または提出を求められる場合がある

ふるさと納税など寄付金控除を受けるために必要な書類は以下のとおりです。

  • 寄付金の受領証:寄付先から発行される受領証
  • 認定書の写し:一定の要件を満たす特定公益信託の場合、その認定書の写し

住宅ローン控除を受けるために必要な書類は以下のとおりです。

  • 売買契約書の写し:住宅の購入時に交わした契約書の写し
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書:住宅ローンの残高証明書や借入金の明細書

その他にも次のような控除があり、控除を受けるためにはそれぞれ以下の書類などが必要です。

  • 生命保険料控除:生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料控除:地震保険料の控除証明書
  • 社会保険料控除:社会保険料の控除証明書

所得控除について詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

確定申告の手続きの流れ

ここでは、転職後に確定申告が必要な場合の手続きの方法と申告期限について解説します。

手続きのやり方

(1)必要書類の準備→(2)申告書の作成→(3)申告書の提出→(4)所得税の納付の順に進めていきます。

確定申告に必要な書類は、上述した「確定申告に必要な書類」の項で確認してください。

次に、収入や経費、控除額などを記入して、申告書を作成します。以下の国税庁サイトの「確定申告書等作成コーナー」を利用すると便利です。

参照:国税庁 確定申告書等作成コーナー「作成コーナートップ新規タブで開く

申告書を作成できたら、書類を揃えて提出します。提出方法には以下の3種類があります。

  • e-Tax:自宅のパソコンなどで書類を作成し、そのままオンラインで送信する
  • 郵送:必要書類を揃えて所轄の税務署に郵送する
  • 持参:所轄の税務署に持参する

申告書を提出したら、所得税を納付します。納付方法は、銀行振込やクレジットカード、コンビニエンスストアでの支払いなどから選択できます。

確定申告の期限

確定申告の提出期限は毎年3月15日です。申告するのは、前年の1月1日から12月31日までの所得で、翌年の2月16日から申告することが可能です。3月15日が土曜・日曜・国民の祝日・休日にあたる場合は、翌日(または翌々日)の月曜日が期限日となります。

自分でやるなら確定申告ソフトの活用が便利

転職後の確定申告は、年内に再就職し、年末調整を受けられる場合には不要です。しかし、年内に再就職しない場合や、転職先の会社で年末調整が行われない場合、またはフリーランスから会社員になる場合には確定申告が必要です。年末調整では給与所得のみが処理されるため、事業所得などの他の所得がある場合も確定申告が求められます。

確定申告を自分で行う場合、事業所得としての所得がある方には、確定申告ソフトの利用をおすすめします。記帳サポート機能の充実している「やよいの白色申告 オンライン」や「やよいの青色申告 オンライン」なら、業務相談までできる充実のプランが用意されており、誰かに相談しながら、申告手続きを進めたい人でも安心です。

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この記事の監修者奥 典久(奥典久税理士事務所)

奥典久税理士事務所 代表

簿記専門学校で税理士講座講師として勤めたのち、会計事務所で勤務。その後独立し、奥典久税理士事務所を開業。相続(贈与)対策や事業承継コンサルティング経営、財務コンサルティングから各種セミナーなど、幅広く税理士業務に従事。

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