導入事例

弥生販売ネットワークで従来の業務フローはそのまま、効率とスピードの向上を実現
株式会社タートル(東京都中央区銀座)
イベント会社や広告関連企業などから発注されるディスプレイパネルのオーダーメイド制作をおこなっている株式会社タートル。川崎市内に大きな工場を持ち、用途やサイズが異なる多様な注文に応えられる体制で顧客から高い信頼を得ている。弥生販売を長年使い続け、営業拠点の拡大にともなって弥生販売06Pro5ユーザーの利用を開始したが、旧バージョンのまま使い続けていたため、業務処理やデータ利用に問題が出ていた。そこで弥生販売ネットワークへアップグレードし、ほとんどの商品がオーダーメイドという事業形態に合った業務フローはそのまま、効率とスピードの向上を実現している。
導入前の状況と問題点
複数ある営業所それぞれに1台と経理があるオフィスで、弥生販売06Pro5ユーザーを利用していたが、WAN非対応だった(※WAN=ワイド・エリア・ネットワーク)
導入前の状況
- 利用拠点は最大で4カ所あった(現在は2拠点)
- 弥生販売06Pro5ユーザーを長く利用し続けていた
問題点
- 営業拠点はデータをパソコンに保存していた
- 経理が全体のデータをまとめ合算する二度手間になっていた
問題解決のポイント
弥生販売ネットワークへアップグレードをする前に、バラバラになっていた全体の過去データをまとめる必要があった

業務風景 業務部は経理スタッフなど4名が弥生販売ネットワークを利用している。
株式会社タートルは、都内に複数の営業拠点があった時代があり、その頃にWAN環境非対応の弥生販売Pro5ユーザーを導入したが、バージョンアップはせずそのまま使い続けていた。各営業拠点には弥生販売へ入力するスタッフが1名ずつおり、ファイルを月末に経理へメールで送信し、経理スタッフが入力し直して全体のデータを作成していた。各営業所に単独のファイルは保存していたが、全体のデータをまとめるサーバがないため、他の営業所のデータは見ることができず、全体を合算したデータも作成に時間がかかるため、経営判断に必要なデータをリアルタイムで得ることもできない状態だった。また、全体データはファイルベースで保存していたが、導入時期が同じではなく、重複するデータもあるなど、データベースとして利用するには整合性がとれていなかった。そこで、弥生販売09Pro5ユーザーへバージョンアップしたタイミングで、過去の全取引を1つ事業所データにまとめ、その後、WAN環境対応の弥生販売ネットワークへアップグレードする段階的な導入をすることとなった。
解決すべき問題点
- 各営業所のデータは個別処理されていた
- 全体のデータをまとめるサーバがなかった
- データ全体をいきなり統合すると重複や整合性がとれない危険があった
- 各営業所が自由にデータを利用できる環境ではなかった
導入すべきシステム構成
- 弥生販売ネットワークを導入する前に弥生販売09で全体のデータをまとめる
- 環境が整ってから弥生販売ネットワークへアップグレード
導入にあたって
バージョンアップとアップグレードによる段階的なシステム変更を実施
タートルでは早い時点で弥生販売Pro5ユーザーから弥生販売ネットワークへアップグレードした方が良いと認識されていた。しかし、導入コストの問題や、今まで蓄積してきたデータをどうやってデータベース化するかが問題となり、導入に踏み切れない状態が続いていた。2011年になって営業拠点が1カ所にまとまる計画があり、営業からデータを自由に使いたいという要望が強くなったことと、業務部門の懸案だったIT環境を整備する要望が合致し、第一段階として2011年前期にWAN環境非対応の古い弥生販売06Pro5ユーザーから弥生販売09Pro5ユーザーへバージョンアップ。データを統合するシミュレーションなども済ませ、2011年11月に弥生販売12ネットワークへのアップグレードが決定し、ハードウェアの調達やデータを整合させる作業を経て2012年2月に弥生販売12ネットワーク20ライセンスで本稼働した。
弥生会計ネットワークのシステム
- 弥生販売ネットワークは20ライセンス
- 営業所がある銀座と生産・業務拠点がある川崎の2拠点
- ターミナルサーバは銀座に設置
- 業務部門がある川崎からリーモートデスクトップで利用

導入後の効果
弥生販売ネットワークへのアップグレードで業務改善が実現

工場外観 大型印刷ができる出力機などを持つ川崎市の玉川工場。業務部もこちらに入っている。
タートルの営業職は銀座に10名、川崎に2名いるほか、業務部門のスタッフが4名川崎におり、経営陣が使うための1台を含めて2012年2月時点のアクティブユーザーは17名になっている。当初は15ライセンスでの稼働を考えていたが、営業から自由に使いたいという要望が強かったこともあり、将来の人員増も考慮して20ライセンスでの本稼働となった。受注、仕入を含めた過去の全取引をデータベース化できたため、オーダーメイドの商品がほとんどな事業形態ではあっても、営業が見積もりを作成する際に過去データを参照しやすい環境が実現したことで、営業が直接受注を入力できるようになった。業務処理の面でも二度手間がなくなり、物理的にもシステム上も別れていた拠点ごとのデータが1つになったことで、大幅な効率アップとスピードアップが実現している。
導入後の効果
- 全ての営業スタッフが自由に使える環境が実現
- 業務処理の大幅な軽減とスピードアップが実現
- 経営判断に必要なリアルタイムな状況がすぐ得られる
- 過去の全取引をデータベース化したことで検索や活用が自在になった
担当者からのコメント

IT系企業に勤務していた経験と知識を活かし、弥生販売ネットワークのシステム構築全般を担当した浅野マネージャー。
「弥生販売は私が入社する前の2004年から使っていて、当初は手書きの受注伝票を見ながら経理スタッフが入力していたようです。パソコンを使えるスタッフがほとんどいなかった時代です。それから3カ所あった営業所でも段階的に使うようになりましたので、過去データを整合させないといずれ保守が困難になってしまうことは判っていました」。タートルの業務部マネージャーであり、弥生販売09へのバージョンアップや弥生販売ネットワークのシステム構築を全て担当した浅野洋さんは、弥生販売06Pro5ユーザーを使っていた時代から経営陣にもその点を伝えてあり、営業部門からもシステム改善の要求は出ていたと話す。さらに「弥生販売ネットワークの存在はもちろん知っていましたし、WAN環境非対応の弥生販売06Pro5ユーザーに限界があることは判っていましたが、導入費用やデータベース化する作業をどうすれば良いのかなど、課題が多かったためすぐにシステム変更することができませんでした」と、当時の状況を振り返る。
「弥生販売ネットワークの導入へ踏み出せたのは、現場からの要求が強くなって予算が立ったからです」。浅野マネージャーは前職がIT系企業だったため、弥生販売ネットワークへ移行するためには、どのようなステップを経るべきかが判っていた。「弊社は以前からVPNで各拠点を結んでいましたので、システム面ではハードウェアを調達するだけでした。やはり一番苦労したのはデータの再構築ですね。弥生販売09Pro5ユーザーへバージョンアップしたときにターミナルサーバも導入しましたが、その際にデータの洗い出しはやっていましたので、何をどうすれば良いかは判っていました。幸いなことに各営業所ごとに違うコードを割り当てていましたので、予想していたよりは楽でした。それでも作業に3ヶ月を要しました」。タートルの取引先は約1,000社あり、仕入先は約500社、商品マスターは4,000件を超えていた。取引先や仕入先の中には会社がなくなっていることもあるが、大きく集計する際には過去の取引データも必要になるため、マスターには残し、弥生販売ネットワークには表示させないようにするなどの細かい工夫がほどこされている。
タートルの主力商品であるディスプレイパネルは、ミリ単位でサイズが違い、さらに屋外や屋内、耐用年数を考慮した印刷やコーティングなど、さまざまな状況に合わせた発注がある。営業が過去の取引を参照するには、できるだけ多くの過去取引データを利用できる方が良い。「営業の動きがスムーズになるようなシステムにすることが最大の目標でした。以前は、営業所ごとのデータをExcelにエクスポートして見るなど苦労していたようです。弥生販売ネットワークになってからは、データの網羅性といいますか、検索がちゃんとできるようになりましたので評価を得ています。業務としても作業効率が大幅に向上しました。また、顧客管理の範囲が販売仕入の管理ですので、Excelで集計して経営判断の材料に使っています」。浅野マネージャーは最後に「弥生会計も使っているのですが、弥生販売との連係はやっていませんでした。それを実現するのが次のステップとして目標に上がっています」と将来のビジョンを話してくれた。
- ※ 本記事の内容は、取材当時のものです。

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企業名
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使用ソフト弥生販売ネットワーク
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事業内容広告、展示会等のディスプレイパネル制作
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所在地東京都中央区銀座
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TEL03-3564-3552
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設立1970年
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従業員数約40名
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導入時期2012年にネットワーク版へ移行
今回ご紹介した製品
「弥生販売」の導入事例
弥生株式会社
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