赤字でも支払わなければならない税金がある!?「法人の地方税」ってなに?
執筆者:柳原つつじ
2021/03/31更新
会社を設立すれば、当然、利益が出れば出るほど、支払う税金も多くなります。では、赤字の場合はどうかといえば、それでも支払わなければならない税金があります。それどころか、すでに休眠している企業であっても、かかってくる税金があるのです。利益とは無関係にかかる税金について、今回は解説していきたいと思います。
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POINT
- 法人住民税には「法人税割」と「均等割」がある
- 均等割は赤字でも支払わなければならない
- 消費税も忘れないこと
法人が納める地方税には3種類ある
個人の場合では、利益に応じて所得税が課せられますが、法人の場合も、利益に応じて税が課せられます。法人が行う事業に課せられる「法人事業税」と、市区町村や都道府県に払う「法人住民税」、これらを「法人の地方税」と呼ぶこともあります。
このうち、法人事業税については、利益にかかる税金です。つまり、赤字の場合は支払う必要がありません(ただし資本金が1億円超の会社を除く)。
しかし、法人住民税については、「道府県民税」と「市町村民税」があり、一部はたとえ赤字であっても、支払わなければなりません。
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「法人税割」と 「均等割」
法人が納める地方税には3種類あると言いましたが、地方税とは別に法人が国に納める税金が「法人税」です。法人税は国に支払うので国税、法人事業税と法人住民税は地方自治体に支払うので、地方税です。
地方税である法人住民税は、少し複雑なのですが、2つの要素から構成されています。1つは、所得に応じた法人税の額に住民税率を乗じた「法人税割」と、もう1つは、法人の資本金などに応じて定額にかかる「均等割」です。この「法人税割」と「均等割」を足したものが、法人住民税です。
法人住民税=法人税割+均等割
鋭い読者は、もうおわかりかもしれませんね。この2つのうち、「法人税割」については赤字の場合は支払う必要はありませんが、「均等割」については定額で、かつ、所得とは関係ないため、赤字でも支払わなければなりません。
支払う額は、地域によって異なりますが、資本金1千万円以下で従業員が50人以下の会社の場合は、年で7万円程度です。
この均等割は、赤字の場合だけではなく、休眠中の企業であっても支払わなければなりません。「会社があること」への税金と思ってもらえればよいでしょう。ただし、県税事務所と市役所に休業届を提出し、均等割を支払わない旨を県税事務所と市役所に相談すれば、年間7万円の均等割が免除されることもあるようです(地方自治体によって取り扱いに若干の違いがあります)。こちらは資本金1千万円以下の会社などであれば相談してみる価値はありそうですね。
忘れてはいけない「消費税」
そのほかに、利益にかかわらず、納めなければならないのが、「消費税」です。消費者から預かった消費税は、たとえ赤字であっても納めなければなりません。
また、社員の給与や法定福利費、保険料、租税公課などは、消費税が課税されていませんが、会社の経費として支払ってしまっています。人件費が多い会社では、赤字であっても、消費税の納税が重くなりがちです。普段からこうしたことに備えてておく必要もあるでしょう。
以上、赤字でも支払わなければならない税金について説明しました。利益が出ていないからといって、税金を払い忘れることのないように注意しましょう。
photo:Thinkstock / Getty Images
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この記事の執筆者柳原つつじ
出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。