帳簿の締め切りとは?仕訳例と共に順を追って解説

2024/05/29更新

この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

法人が決算期を迎えてすべての帳簿の記載を終えたら、帳簿の締め切りを行わなければなりません。事業者が正しく税の申告をするためにも、帳簿の締め切りは必要不可欠です。

ここでは、帳簿の締め切りについて、仕訳例と共に業務の流れを解説します。

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帳簿の締め切りとは、決算期に帳簿の各勘定の残高を締め切る作業のこと

帳簿の締め切りとは、決算期を迎えて帳簿の各勘定の残高を締め切る作業のことです。帳簿を締め切ることで、貸借対照表では決算日における財務状態を、損益計算書では事業年度の事業成績をそれぞれ把握できるようになります。

帳簿の締め切りは、決算期において当期と次期の帳簿記入を区切るために行います。収益と費用の勘定は損益勘定へ、損益勘定の差額は繰越利益剰余金へと振替作業を行い、次期はまた0からスタートできるようにしましょう。また、資産負債純資産の勘定は次期に繰り越します。そして、帳簿の締め切りが終わったら、最後に繰越試算表を作成するという流れです。

帳簿の締め切りを行うことにより、決算の総仕上げとして、貸借対照表と損益計算書を作成できるようになります。

帳簿の締め方

帳簿の締め切りは、大きく4つのステップに分けて行われます。ここでは、帳簿の締め方について、手順ごとに仕訳例と共に説明します。

1.損益振替を行う

当期収益および費用の残高は次期には引き継がないため、残高を0にして、損益の勘定科目へ振り替える必要があります。このことを、損益振替といいます。

例えば、仕入に1,000円の残高がある場合の仕訳例は、下記のとおりです。

仕入に残高がある場合の仕訳例
借方 貸方
損益 1,000 仕入 1,000

また、売上に5,000円の残高がある場合の仕訳例は、下記のとおりです。

売上に残高がある場合の仕訳例
借方 貸方
売上 5,000 損益 5,000

ほかにも残高のある科目がある場合は、同様に損益として仕訳処理を行いましょう。またこのとき、損益振替後の収益と費用の残高は0となるため、次期へ繰り越されません。

2.資本振替を行う

各損益計算書の勘定を0にしたら、次は、資本振替を行います。損益勘定の差額を繰越利益剰余金へ振り替える手続のことです。当期純利益が計上された場合は資本が増えたと考え、損益勘定の差額を繰越利益剰余金の勘定科目へ振り替えます。逆に当期純損失が出た場合は、反対側へ記載しましょう。

例えば、当期純利益が100万円計上された場合の仕訳例は、下記のとおりです。

当期純利益が計上された場合の仕訳例
借方 貸方
損益 1,000,000 繰越利益剰余金 1,000,000

また、当期純損失が10万円だった場合の仕訳例は、下記のとおりです。

当期純利益が出た場合の仕訳例
借方 貸方
繰越利益剰余金 100,000 損益 100,000

3.勘定の締め切りを行う

資本振替を行ったら、次は勘定の締め切りを行います。勘定の締め切りとは、収益・費用および資産・負債・純資産の各勘定の借方と貸方を一致させる作業のことです。損益勘定と資産・負債・純資産の勘定で締め切り方が異なるため、それぞれの手順を見ていきましょう。

損益勘定を締め切る場合

損益勘定の場合、あらかじめ資本振替を行っているため、次期繰越は行いません。収益・費用の勘定は、損益振替と資本振替で貸借の金額が一致しているため、後は合計額を記入して締め切るだけとなります。

具体的な方法としては、まず、各勘定の借方と貸方の合計金額を一番下に記入します。金額が一致していることを確認したら、合計金額の下に二重線を引きましょう。

下記は、損益勘定の締め切りの一例です。

損益勘定の締め切りの一例

損益勘定の締め切りの一例表

資産、負債、純資産を締め切る場合

資産・負債・純資産は、残高のある科目を次期へ繰り越す必要があります。次期繰越額は、各勘定の貸借の差額です。

具体的な方法としては、残高のある欄の反対側には「次期繰越」と記入し、左右の金額を一致させたうえで二重線を引きます。

下記は、資産・負債・純資産の締め切りの一例です。

資産、負債、純資産の締め切りの一例

資産、負債、純資産の締め切りの一例表

4.繰越試算表を作成する

勘定の締め切りが終わったら、最後に、次期繰越の金額を表にした繰越試算表を作成します。繰越試算表とは、資産・負債・純資産の各勘定の次期繰越額を表にしたもので、各勘定科目の前期からの繰越残高が左右で同じ数字になっているか、次期繰越額が正確であるかを確認するために作成されます。次期繰越の記入がある勘定科目はすべて表に記載し、左右の合計金額が一致することを確認しましょう。

下記は、繰越試算表の一例です。

繰越試算表の一例

繰越試算表 令和〇年〇月〇日 借方 100,000 勘定科目 現金 借方 200,000 勘定科目 当座預金 借方 47,000 勘定科目 売掛金 借方 20,000 勘定科目 前払金 借方 30,000 勘定科目 繰越賞品 借方 3,000 勘定科目 未収利息 勘定科目 買掛金 貸方 48,000 勘定科目 前受取手数料 貸方 2,000 勘定科目 資本金 貸方 350,000 借方 400,000 貸方 400,000

貸借対照表と同じく、資産の勘定は借方、負債・純資産の勘定は貸方へそれぞれ記入します。借方と貸方の合計金額が一致すれば、次期繰越額の記入が正確と確認でき、帳簿の締め切り作業も完了となります。

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税務関連トラブルを防ぐためにも帳簿の締め切りを正確に行いましょう

当期と次期の帳簿記入を区別するためには、帳簿の締め切りを正確に行う必要があります。帳簿の締め切りを正しく行わなかった場合、正確なお金の流れを把握できなくなり、納税金額にも影響が出るなど税務上で問題を抱えてしまいます。締め切り作業は慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、締め切り作業の手順と各項目におけるお金の流れを理解していれば、問題なく対応することができます。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。
著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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