固定資産とは?定義や流動資産との違い、種類などについて解説
監修者:税理士法人 MIRAI合同会計事務所
2024/06/26更新
企業の資産の中に「固定資産」といわれるものがあります。固定資産とは継続的な使用などの目的で企業が長期間保有する資産のことで、代表的なものに土地や建物、機械設備などが挙げられます。固定資産は種類や取得金額などによって会計処理の方法が変わる資産です。税務上のルールもあるため、固定資産についてしっかりと理解しておく必要があります。
ここでは、固定資産の定義や種類の他、流動資産との違いや、固定資産に関わる税金について解説します。
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固定資産とは流通や販売を目的とせず企業が長期間保有する資産
固定資産とは、流通や販売を目的とせず企業が長期間保有する資産や、1年を超えて現金化・費用化される資産のことです。
固定資産には、土地や建物、機械設備といった形のあるものの他、ソフトウェアなど形のないものも含まれます。法人税法では、土地(土地の上に存する権利を含む)、電話加入権や、これらに準ずるものは固定資産に含まれると定義しています。
また、企業が固定資産を購入した際には、その購入費をすべて当年度の費用として計上することはせず、利用に耐えうる一定の期間(耐用年数)に応じて分割して計上する減価償却を行います。固定資産のうち、建物や機械装置、車両などは減価償却資産といい、減価償却の期間は減価償却資産の種類によってそれぞれ定められています。詳しくは後述しますが、減価償却資産の取得価額によっては減価償却を通して年度の費用とすることも可能です。
なお、企業の資産には、固定資産の他に、「流動資産」「繰延資産」と呼ばれる資産があります。貸借対照表を作成する際には、企業の資産をこれら3つの資産のいずれかに分類して記載します。
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流動資産との違い
企業が長期にわたって保有する固定資産に対して流動資産と呼ばれる資産がありますが、固定資産と流動資産の大きな違いは、現金化しやすいかどうかという点にあります。流動資産は文字どおり流動性の高い資産を指し、現金預金、商品在庫、売掛金などが該当します。
固定資産と流動資産を区分するには、「正常営業循環基準」と「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」という2つの基準があります。正常営業循環基準とは、正常な営業サイクルの中で生じる資産や負債は流動資産とすることを定めた基準です。通常の販売や仕入によって発生した債権や債務は、回収期間にかかわらず流動資産となります。
また、1年基準(ワン・イヤー・ルール)とは、1年以内に現金化できる資産は流動資産とすることを定めた基準です。ただし、商品やサービスによっては、販売開始から回収まで1年以上かかるものもあります。そのような場合は、1年以内に現金化できなくても流動資産とみなされます。
固定資産の種類
固定資産は、資産の性質や特徴によって、「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」という3つの種類に分けられます。種類ごとの特徴について見てみましょう。
有形固定資産
有形固定資産とは、形があって目に見える固定資産を指します。具体的には、事業に用いられる土地や建物、車、機械設備などが有形固定資産に該当します。なお、不動産会社が販売目的で所有する土地などは商品なので、固定資産にはあたりません。
有形固定資産は減価償却資産と非減価償却資産に分けられます。先述のとおり、減価償却資産とは時間の経過によって価値が減少していく資産のことで、決算で減価償却を行う必要があります。また非減価償却資産とは、土地や骨董など時間が経っても価値が下がらない資産のことです。非減価償却資産は減価償却の対象にはならず、貸借対照表には取得原価で表示されます。
無形固定資産
無形固定資産とは形のない固定資産のことで、のれん(営業権)や特許などが該当します。2000年の法人税法の改正により、ソフトウェアも無形固定資産に含まれるようになりました。ソフトウェアは基本的にパソコンにインストールして使用するものなので、たとえパッケージなどの実体はあっても無形固定資産とみなされます。なお、国税庁が定める市場販売目的のソフトウェアの耐用年数は、利用目的が「複写して販売するための原本」または「研究開発用のもの」であれば3年、その他の利用目的の場合は5年です。
無形固定資産も、有形固定資産と同様に、減価償却資産と非減価償却資産に分けられます。減価償却資産にはソフトウェアや特許権など技術の進歩によって年々価値が減少するもの、非減価償却資産には借地権など時間が経過しても価値が減少しないものが挙げられます。
投資その他の資産
有形固定資産と無形固定資産のどちらにもあてはまらない固定資産は、「投資その他の資産」に分類されます。具体的には、投資有価証券や長期前払費用などです。
固定資産の減価償却
固定資産の減価償却とは、固定資産の購入費をすべて当年度の費用として計上することはせず、固定資産として使用できる期間である耐用年数に応じて分割して計上することです。ここでは、固定資産の減価償却について解説します。
会計上と税法上の耐用年数の違い
減価償却を行うにあたって、会計上は固定資産ごとの耐用年数に定めはありません。
例えばある設備について、A社は頻繁に使うので耐用年数を3年、B社ではそれほど使わないので耐用年数を6年と考えたとしても、実態に即していれば会計上は問題ありません。
しかし、税金の計算をするときに企業がそれぞれ違った耐用年数を設定していると、課税の公平性が崩れてしまいます。そのため税法上は、減価償却資産の種類や構造、用途などによって一律の耐用年数が決められています。
会計と税務で減価償却資産の耐用年数が異なると処理が煩雑になるため、一般的には会計上も税務上の償却方法に合わせ、国税庁の耐用年数表に従って減価償却を行っています。なお、この耐用年数表に記載のある固定資産はあくまで一部であり、すべての固定資産を網羅しているわけではないため、注意が必要です。
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 事務所用のもの | 24 |
店舗用・住宅用のもの | 22 | |
飲食店用のもの | 20 | |
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの | 17 | |
公衆浴場用のもの | 12 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 15 | |
木骨モルタル造のもの | 事務所用のもの | 22 |
店舗用・住宅用のもの | 20 | |
飲食店用のもの | 19 | |
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの | 15 | |
公衆浴場用のもの | 11 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 14 | |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 事務所用のもの | 50 |
住宅用のもの | 47 | |
飲食店用のもの:延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの | 34 | |
飲食店用のもの:その他のもの | 41 | |
旅館用・ホテル用のもの:延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの | 31 | |
旅館用・ホテル用のもの:その他のもの | 39 | |
店舗用・病院用のもの | 39 | |
車庫用のもの | 38 | |
公衆浴場用のもの | 31 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 38 | |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 事務所用のもの | 41 |
店舗用・住宅用・飲食店用のもの | 38 | |
旅館用・ホテル用・病院用のもの | 36 | |
車庫用のもの | 34 | |
公衆浴場用のもの | 30 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 34 | |
金属造のもの | 事務所用のもの | |
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 38 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 30 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 22 | |
店舗用・住宅用のもの | ||
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 34 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 27 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 19 | |
飲食店用・車庫用のもの | ||
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 31 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 25 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 19 | |
旅館用・ホテル用・病院用のもの | ||
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 29 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 24 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 17 | |
公衆浴場用のもの | ||
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 27 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 19 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 15 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | ||
骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの | 31 | |
骨格材の肉厚が、3㎜を超え、4㎜以下のもの | 24 | |
骨格材の肉厚が、3㎜以下のもの | 17 |
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
アーケード・日よけ設備 | 主として金属製のもの | 15 |
その他のもの | 8 | |
店用簡易装備 | 3 | |
電気設備(照明設備を含む。) | 蓄電池電源設備 | 6 |
その他のもの | 15 | |
給排水・衛生設備、ガス設備 | 15 |
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
一般用のもの(特殊自動車・次の運送事業用等以外のもの) | 自動車(2輪・3輪自動車を除く。) | |
小型車(総排気量が0.66リットル以下のもの) | 4 | |
貨物自動車:ダンプ式のもの | 4 | |
貨物自動車:その他のもの | 5 | |
報道通信用のもの | 5 | |
その他のもの | 6 | |
2輪・3輪自動車 | 3 | |
自転車 | 2 | |
リヤカー | 4 | |
運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用のもの | 自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く。) | |
小型車(貨物自動車にあっては積載量が2トン以下、その他のものにあっては総排気量が2リットル以下のもの) | 3 | |
大型乗用車(総排気量が3リットル以上のもの) | 5 | |
その他のもの | 4 | |
乗合自動車 | 5 | |
自転車、リヤカー | 2 | |
被けん引車その他のもの | 4 |
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
測定工具、検査工具(電気・電子を利用するものを含む。) | 5 | |
治具、取付工具 | 3 | |
切削工具 | 2 | |
型(型枠を含む。)、鍛圧工具、打抜工具 | プレスその他の金属加工用金型、合成樹脂、ゴム・ガラス成型用金型、鋳造用型 | 2 |
その他のもの | 3 | |
活字、活字に常用される金属 | 購入活字(活字の形状のまま反復使用するものに限る。) | 2 |
自製活字、活字に常用される金属 | 8 |
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
家具、電気機器、ガス機器、家庭用品(他に掲げてあるものを除く。) | 事務机、事務いす、キャビネット:主として金属製のもの | 15 |
事務机、事務いす、キャビネット:その他のもの | 8 | |
応接セット:接客業用のもの | 5 | |
応接セット:その他のもの | 8 | |
ベッド | 8 | |
児童用机、いす | 5 | |
陳列だな、陳列ケース:冷凍機付・冷蔵機付のもの | 6 | |
陳列だな、陳列ケース:その他のもの | 8 | |
その他の家具:接客業用のもの | 5 | |
その他の家具:その他のもの:主として金属製のもの | 15 | |
その他の家具:その他のもの:その他のもの | 8 | |
ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器 | 5 | |
冷房用・暖房用機器 | 6 | |
電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器 | 6 | |
氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。) | 4 | |
カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに類する繊維製品 | 3 | |
じゅうたんその他の床用敷物:小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込用・劇場用のもの | 3 | |
じゅうたんその他の床用敷物:その他のもの | 6 | |
室内装飾品:主として金属製のもの | 15 | |
室内装飾品:その他のもの | 8 | |
食事・ちゅう房用品:陶磁器製・ガラス製のもの | 2 | |
食事・ちゅう房用品:その他のもの | 5 | |
その他のもの:主として金属製のもの | 15 | |
その他のもの:その他のもの | 8 | |
事務機器、通信機器 | 謄写機器、タイプライター:孔版印刷・印書業用のもの | 3 |
謄写機器、タイプライター:その他のもの | 5 | |
電子計算機:パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。) | 4 | |
電子計算機:その他のもの | 5 | |
複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録機、タイムレコーダーその他これらに類するもの | 5 | |
その他の事務機器 | 5 | |
テレタイプライター、ファクシミリ | 5 | |
インターホーン、放送用設備 | 6 | |
電話設備その他の通信機器:デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備 | 6 | |
電話設備その他の通信機器:その他のもの | 10 | |
時計、試験機器、測定機器 | 時計 | 10 |
度量衡器 | 5 | |
試験・測定機器 | 5 | |
光学機器、写真製作機器 | カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡 | 5 |
引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡 | 8 | |
看板、広告器具 | 看板、ネオンサイン、気球 | 3 |
マネキン人形、模型 | 2 | |
その他のもの:主として金属製のもの | 10 | |
その他のもの:その他のもの | 5 | |
容器、金庫 | ボンベ | |
溶接製のもの | 6 | |
鍛造製のもの:塩素用のもの | 8 | |
鍛造製のもの:その他のもの | 10 | |
ドラムかん、コンテナーその他の容器 | ||
大型コンテナー(長さが6m以上のものに限る。) | 7 | |
その他のもの:金属製のもの | 3 | |
その他のもの:その他のもの | 2 | |
金庫 | ||
手さげ金庫 | 5 | |
その他のもの | 20 | |
理容・美容機器 | 5 | |
医療機器 | 消毒殺菌用機器 | 4 |
手術機器 | 5 | |
血液透析又は血しょう交換用機器 | 7 | |
ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器 | 6 | |
調剤機器 | 6 | |
歯科診療用ユニット | 7 | |
光学検査機器:ファイバースコープ | 6 | |
光学検査機器:その他のもの | 8 | |
その他のもの | ||
レントゲンその他の電子装置を使用する機器:移動式のもの、救急医療用のもの、自動血液分析器 | 4 | |
レントゲンその他の電子装置を使用する機器:その他のもの | 6 | |
その他のもの:陶磁器製・ガラス製のもの | 3 | |
その他のもの:主として金属製のもの | 10 | |
その他のもの:その他のもの | 5 | |
娯楽・スポーツ器具 | たまつき用具 | 8 |
パチンコ器、ビンゴ器その他これらに類する球戯用具、射的用具 | 2 | |
ご、しょうぎ、まあじゃん、その他の遊戯具 | 5 | |
スポーツ具 | 3 |
設備の種類 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
食料品製造業用設備 | 10 | |
飲料・たばこ・飼料製造業用設備 | 10 | |
繊維工業用設備 | 炭素繊維製造設備:黒鉛化炉 | 3 |
炭素繊維製造設備:その他の設備 | 7 | |
その他の設備 | 7 | |
木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備 | 8 | |
家具・装備品製造業用設備 | 11 | |
パルプ・紙・紙加工品製造業用設備 | 12 | |
印刷業・印刷関連業用設備 | デジタル印刷システム設備 | 4 |
製本業用設備 | 7 | |
新聞業用設備:モノタイプ・写真・通信設備 | 3 | |
新聞業用設備:その他の設備 | 10 | |
その他の設備 | 10 | |
ゴム製品製造業用設備 | 9 | |
なめし革・なめし革製品・毛皮製造業用設備 | 9 | |
窯業・土石製品製造業用設備 | 9 | |
鉄鋼業用設備 | 表面処理鋼材・鉄粉製造業・鉄スクラップ加工処理業用設備 | 5 |
純鉄・原鉄・ベースメタル・フェロアロイ・鉄素形材・鋳鉄管製造業用設備 | 9 | |
その他の設備 | 14 | |
金属製品製造業用設備 | 金属被覆、彫刻業・打はく、金属製ネームプレート製造業用設備 | 6 |
その他の設備 | 10 | |
林業用設備 | 5 | |
鉱業・採石業・砂利採取業用設備 | 石油・天然ガス鉱業用設備:坑井設備 | 3 |
石油・天然ガス鉱業用設備:掘さく設備 | 6 | |
石油・天然ガス鉱業用設備:その他の設備 | 12 | |
その他の設備 | 6 | |
総合工事業用設備 | 6 | |
倉庫業用設備 | 12 | |
運輸に附帯するサービス業用設備 | 10 | |
飲食料品卸売業用設備 | 10 | |
飲食料品小売業用設備 | 9 | |
その他の小売業用設備 | ガソリン・液化石油ガススタンド設備 | 8 |
その他の設備:主として金属製のもの | 17 | |
その他の設備:その他のもの | 8 | |
宿泊業用設備 | 10 | |
飲食店業用設備 | 8 | |
洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備 | 13 | |
その他の生活関連サービス業用設備 | 6 | |
自動車整備業用設備 | 15 |
一括償却資産と少額減価償却資産
減価償却資産は購入した金額(取得価額)によって、一括償却資産や少額減価償却資産とすることもできます。
一括償却資産とは、取得価額が20万円未満の減価償却資産で、3年間にわたり、取得価額の3分の1ずつを費用計上していく制度のことです。また、少額減価償却資産は、取得価額が30万円未満である減価償却資産で、合計額300万を限度として全額を使用した年に費用計上できる制度のことを指します。なお、少額減価償却資産の規定が適用できるのは、青色申告をする中小企業などに限られます。
つまり、青色申告を行う企業が20万円未満の資産を購入した場合は、一括償却資産として3年かけて減価償却費を計上するか、少額減価償却資産としてその事業年度に全額を減価償却するか、もしくは通常の減価償却資産として耐用年数に応じて減価償却費を計上するかを選べるということになります。どの方法が良いかは企業の状況によっても異なり、選択する減価償却の方法は税金にも影響します。判断に迷った場合は、税の専門家である税理士に相談しましょう。
固定資産にかかる税金
固定資産を所有していると会計処理が必要になるだけでなく、その種類によって固定資産税もしくは償却資産税が課せられます。ここでは、固定資産税と償却資産税について解説します。
固定資産税
固定資産税とは、土地や建物といった固定資産に対してかかる税金です。法人税などとは異なり、基本的には、自ら税金を計算したり税務署に申告したりする必要はありません。税額は固定資産の評価額などをもとに決定され、毎年4月から5月ごろに、所在地の市町村(東京23区は東京都)から納税通知書が送付されてきます。一般的に納付書は4期分に分かれていますが、1年分を一括で納めることも可能です。
固定資産税の納付方法は、役所や金融機関の窓口の他、コンビニ払い、口座振替による自動払い、インターネットバンキングなどでのペイジー払いなどが選択できます。クレジットカードで固定資産を納付できる自治体も増えていますが、対応の可否は地域によっても異なるため、専用サイトなどからの確認が必要です。
償却資産税
償却資産税とは、固定資産税のうち減価償却資産に対して課せられる税金です。土地や建物にかかる固定資産税は法人か個人事業主かにかかわらず納める必要があり、また減価償却資産を所有している法人と個人事業主には償却資産税が発生します。
償却資産税の対象は、パソコンやコピー機、看板、機械設備などで、土地や建物といった固定資産税が別途かかるものや、自動車など別の税制が設けられているものは、償却資産税の対象にはなりません。
償却資産税の対象となる減価償却資産を持っている法人は、毎年1月1日時点で所有する資産の内容について、1月31日までに所在地の市町村役場(東京23区は都税事務所)に申告する必要があります。1月31日が休日の場合は、その翌日が申告期限となります。ちなみに、事務所が各地域に分かれているなどで償却資産が複数の自治体にある場合は、それぞれの償却資産が属している自治体すべてに納税しなければならないため、注意が必要です。
なお、企業の決算期とは関係なく申告時期は一律なので注意が必要です。税額は、定められた方法で出した資産の評価額に、一定の税率を掛けて算出されます。税率は地域によって異なるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
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固定資産の定義や種類を知って、正しく管理しよう
固定資産とは、土地や建物、機械設備など、企業が長期間保有して継続的に使用する資産のことです。購入金額が大きかったり現金化までの期間が長かったりしても、通常の営業サイクルの中で発生する資産は固定資産とはいいません。固定資産には形のある「有形固定資産」や目に見えない「無形固定資産」があり、それぞれ「減価償却資産」と「非原価償却資産」に分けられます。中でも減価償却資産に関しては、税法上のルールに則り、正しく費用計上する必要があります。
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よくあるご質問
固定資産とは?
固定資産とは、流通や販売を目的とせず企業が長期間保有する資産や、1年を超えて現金化・費用化される資産のことです。固定資産には、土地や建物、機械設備といった形のあるものの他、ソフトウェアなど形のないものも含まれます。詳しくはこちらをご確認ください。
固定資産と流動資産の違いとは?
固定資産と流動資産の大きな違いは、現金化しやすいかどうかという点にあります。流動資産は文字どおり流動性の高い資産を指し、現金預金、商品在庫、売掛金などが該当します。詳しくはこちらをご確認ください。
固定資産の種類にはどんなものがある?
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この記事の監修者税理士法人 MIRAI合同会計事務所
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