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株主名簿とは?作り方や雛形、記載事項証明書との違いについても詳しく解説

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株主名簿とは?作り方や雛形、記載事項証明書との違いについても詳しく解説

株式会社を設立する際は、株主名簿の作成が会社法で定められています。
株主名簿を作成していないと、株主から閲覧や謄写(コピー)の請求があった際に開示ができません。また、株主名簿を作成しないことによる、ペナルティを科せられる可能性もあります。

会社の設立に当たり、作成目的や記載項目を理解したうえで、株主名簿を作成しておきましょう。
本記事では、株主名簿と株主リスト・株主名簿事項証明書との違い、株主名簿が必要となる場面のほか、株主名簿の記載事項や書き方についても詳しく解説します。

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株主名簿とは、自社の株主の情報を管理する名簿のこと

株主名簿とは、株式を発行する会社が自社の株主の情報を管理するために作成する名簿のことです。会社法により作成が義務付けられており、株主名簿には株主の氏名や名称、住所、保有する株式数、株式の取得年月日などの記載が必要です。

以前は、会社を設立する際に提出する「法人設立届出書」に株主名簿の添付も定められていましたが、2019年の税制改正により「法人設立届出書」の添付書類が簡略化され、株主名簿の添付は不要になりました。

株主名簿とよく似ている書類として、株主リストや株主名簿事項証明書があります。それぞれの書類との違いを見ていきましょう。

株主名簿と株主リストの違い

株主名簿は株式会社が自社の株主の情報を管理するための書類であるのに対し、株主リストは商業登記を利用した犯罪などを防ぐために法務局へ提出する書類である点が異なります。
また、株主名簿と株主リストは記載内容にも違いがあり、株主リストには株主の氏名や名称、住所、保有株式数だけでなく、議決権数(場合により議決権数の割合も)の記載も必要です。

なお、株主リストにはすべての株主の情報を記載する必要はなく、議決権の多い上位10名や議決権の多い順に2/3以上の人数の情報が記載されていれば問題ありません。

株主名簿と株主名簿記載事項証明書の違い

株主名簿は株式を発行する会社が必ず作成しなければならない資料であるのに対し、株主名簿事項証明書は株式を発行しない会社が株式の譲渡をする際に必要となるという点が異なります。株式を譲渡する際には、株主名簿記載事項証明書があることで、この株券の所有者であることを証明可能です。
また、記載内容にも異なる点があり、株主名簿事項証明書には株主名簿の記載事項に加えて、株式会社の代表取締役の署名や記名押印も必要となります。

これらの株主名簿と株式リスト、株主名簿記載事項証明書の違いを以下の表にまとめました。それぞれの作成目的や記載項目の違いを確認しておきましょう。

株主名簿と株式リスト、株主名簿記載事項証明書の違い

株主名簿 株主リスト 株主名簿記載事項証明書
作成目的 自社の株主の状況管理 商業登記を利用した犯罪の防止 株主名簿の記載内容の証明
記載項目
  • 株主の氏名または名称
  • 株主の住所
  • 株主が所有する株式の数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券の番号(株券不発行会社の場合は不要)
  • 株主の氏名または名称
  • 株主の住所
  • 株主が所有する株式の数
  • 議決権数
  • 議決権数の割合(株主全員の同意または種類株主全員の同意を必要とする場合は不要)
  • 株主の氏名または名称
  • 株主の住所
  • 株主が所有する株式の数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株式会社における代表取締役の署名、記名押印

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株主名簿が必要となる場面

株主名簿は、以下のように株主から閲覧や謄写の請求があった場合や、株式会社が株主の情報を把握する場合などに必要となります。会社の設立時には、必ず作成しておきましょう。

株主から閲覧や謄写の請求があったとき

株主名簿が必要となるのは、株主から株主名簿について閲覧や謄写の請求があった際です。
会社法により、株主は株式会社に対し、営業時間内であればいつでも株主名簿の閲覧や謄写を請求できると定められています。そのため、株式会社は正当な理由がない限り、株主名簿の閲覧や謄写の請求を拒否できません。

なお、株主からの株主名簿の閲覧や謄写の請求について、株式会社が拒否できるケースは、以下のとおりです。

株主名簿の閲覧や謄写の請求について拒否できる場合

  • 請求者が株主の権利の確保または行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき
  • 請求者がその株式会社の業務の遂行を妨げたり、株主の共同の利益を害したりする目的で請求を行ったとき
  • 請求者が株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実について、利益を得て第三者に知らせるために請求を行ったとき
  • 請求者が、過去2年以内において、株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実について、利益を得て第三者に知らせたことがあるとき

会社が株主の情報を把握・管理するとき

株式会社が自社の株式を持つ株主の情報を把握し管理する際にも、株主名簿が必要になります。
例えば、株主総会を開催する際は、招集通知を株主名簿に記載されている株主全員に送らなければならないため、株主名簿が必要です。また、株主から配当金の受け取りなどの権利行使を求められた際にも、株主名簿でその方が本当に株主であるかを確認する必要があります。

株主リストを作成するとき

株主名簿が必要となる場面としては、株主リストを作成するタイミングもあげられるでしょう。
株主名簿と株主リストは用途が異なる書類ですが、重複する記載項目が多いため、株主名簿を株式会社の設立時に作成しておくと、株主リストの作成が簡単になります。

株主の権利については以下の記事をご覧ください。

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株主名簿の記載事項と作り方

株主名簿の記載項目は、以下のとおりです。それぞれの記載項目の作り方についても詳しく説明していきます。
なお、株主名簿の書式には特に決まりがないため、以下の記載項目を満たす名簿であれば問題ありません。

株主名簿に必要な記載項目

  • 株主の氏名や名称
  • 株主の住所
  • 株主の所有する株式の種類や株式数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券の番号

株主名簿の記載例

株主名簿の記載例

株主の氏名や名称

株主が個人の場合には氏名を記載し、法人の場合にはその名称を記載します。法人が株主になる場合としては、一般の事業会社のほか、ベンチャーキャピタルなどの投資会社の例もあります。

株主の住所

株主が個人の場合には自宅などの住所を、法人の場合には本社の所在地を記載します。

株主が所有する株式の種類と株式数

株主ごとに、所有する株式の種類と株式数を記載します。もし2種類以上の株式を所有している場合には、以下の記載例のように種類別に株式数を記載しなければなりません。

記載例

  • 普通株式、40株
  • ◯種優先株式、30株

株主が株式を取得した日

株主が株式を取得した日を記載します。新規に株式を取得した場合には、株式の代金の支払いが完了した日を記載しましょう。
なお、会社設立時に株主名簿を作成する場合には、株式の取得日は会社の設立日です。譲渡によって株式を取得した場合には、株式取得者が株式会社に対して名義の書き換えを請求し認められた日となります。

株券番号

株券の発行は2006年の会社法の施行により原則禁止となったため、株券番号は実際に株券を発行している会社以外は記載する必要がありません。株券を発行していない場合には、記載例のように備考欄に「株券不発行」と記載しておくとよいでしょう。

その他の追加記載

株主名簿には、基本的な記載事項だけではなく、株主の状況に応じて追加で記載しておく内容があります。主に、以下のようなケースが例としてあげられます。

株式に質権が設定されているケース

株式を担保に資金を借りたなど、株式に質権が設定されている場合があります。株式に質権を設定した株主から請求があった場合には、質権者の氏名や名称、株式数などについて、株式会社は株主名簿に記載しなければなりません。

株式が信託財産に設定されているケース

信託財産とは、現預金や株式、不動産など、委託者から信託銀行などの受託者に信託された財産のことです。株式が信託財産に該当する場合に株主からその旨を記載するよう請求があった際、株式会社は株主名簿に記載する必要があります。

株券発行会社の株主が株券の所持を希望していないケース

株券を発行する株式会社であっても、株主から株券の所持を希望しないと連絡があった場合には、株主名簿に株券を発行しない旨を記載しなければなりません。ただし、その後、株主がその株式会社に対して、株券の発行を請求することも可能です。

株式や発行可能株式総数については以下の記事を併せてご覧ください。

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株主名簿の管理方法

株主名簿は、株式会社にとって自社の株主の情報が記載された重要な書類です。原則として、会社の本店で管理することが会社法により定められています。株式会社の営業時間内であれば、株主からの株主名簿の閲覧や謄写についての請求を正当な理由なく拒否できません。

ただし、株主名簿の管理者を別途定めた場合には、株主名簿管理人や株主名簿管理会社の営業所に委託することも可能です。株主名簿管理人となるのは、司法書士や信託銀行などが一般的です。委託費はかかるものの、株主が多数いる場合には、煩雑な株主名簿の更新作業を任せられる点がメリットと言えるでしょう。

なお、株主名簿管理人に管理を委託する場合には、定款への記載と共に変更登記も必要となります。

定款や変更登記については以下の記事をご覧ください。

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株主名簿を作成しなかった場合のペナルティ

株主名簿は、株式会社であれば必ず作成しなければなりません。そのため、作成しなかった場合には、取締役や監査役などの役員は100万円以下の過料を科される可能性もあります。
また、株主名簿を作成しない取締役に対し、善良な管理者としての注意を持って職務を行わなかった善管注意義務違反と見なされ、会社から損害賠償を請求される可能性もあります。

株主名簿の作成は会社法で義務付けられているため、たとえ社員が1人しかいない1人会社でも、作成しましょう。

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株主名簿を更新するタイミング

株主名簿は、内容に変更がある度に更新が必要です。特に、株主に住所や名前の変更があったり、株式の譲渡により株主が変更したりした場合には、速やかな情報の更新が必要になります。

株主名簿を更新する主なタイミング

  • 株主の住所や名前に変更があったとき
  • 株式の相続や譲渡により株主の変更があったとき

株主総会を開催する際は、株主名簿に記載されている住所宛てに株主に対して招集通知が発送されます。もし正しい住所が記載されていないと、株主を招集できません。また、株主が変更されたにもかかわらず株主名簿が変更されていないと、変更前の元の株主に株主総会の招集通知が届いたり、配当金が入金されたりすることになってしまいます。

このような事態になるとトラブルにもつながりかねないため、株主名簿に記載する情報は最新の状態に保っておかなければなりません。半年から1年程度など定期的に、株主名簿に更新情報がないか確認することがおすすめです。

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株式会社を設立するには、株主名簿の作成以外にも、さまざまな書類の作成や手続きが必要となります。煩雑な書類作成や手続きを手軽に行いたい場合におすすめなのが、自分でかんたんに書類作成ができる「弥生のかんたん会社設立」です。

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株式会社を設立する際は、株主名簿を忘れずに作成しよう

株式会社を設立する際は、株主名簿の作成が必要です。株主から株主リストについて閲覧や謄写の請求があった際には速やかに行う必要があるため、原則として、会社の本店で保管することが義務付けられています。ただし、他に株主名簿管理人を設定した場合には、株主名簿の管理を委託することも可能です。
トラブルを防ぐためにも、株主名簿は定期的に更新し、最新の状態になるよう心掛けることが重要です。

また、株式会社を設立する際には、多くの書類作成や手続きが必要なので、「弥生のかんたん会社設立」といったサービスの活用がおすすめです。「弥生のかんたん会社設立」なら開業に必要な書類をかんたんに作成できます。ぜひご利用をご検討ください。

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この記事の監修者森 健太郎(税理士)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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