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管理職には残業代が出ない?管理監督者の条件や注意点を解説

管理職には残業代が出ない?管理監督者の条件や注意点を解説

一般的に「管理職には残業代を支給しなくてもよい」といわれることがありますが、すべての管理職が対象外になるわけではありません。実際には、残業代の支給の対象となる管理職と、支給の対象とならない管理職がいます。

本記事では、残業代が支給されない管理職に該当する条件やその理由について詳しく解説します。併せて、管理職における残業代に関する注意点も紹介します。

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管理職には残業代が出ない?

会社によっては、一定の役職に就いた管理職に対し、残業代を支給していないケースがあります。そのため、企業内では、役職手当を支給する管理職について、残業代の支給対象外と誤って認識されているケースも多いでしょう。

しかし、「管理職は残業代が出ない」というのは必ずしもそうではありません。正しくは、残業代が支給されないのは「管理監督者」に限られます。会社は、管理監督者に該当しない管理職に対しては、一般の従業員と同様に残業代を支給する必要があります。

管理監督者と、管理監督者に該当しない管理職とで、残業代の支給の仕方が異なる理由を以下で解説します。

残業手当について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

管理監督者は残業代の適用外となる

労働基準法では、従業員の労働時間の上限を「1日8時間・週40時間」と定めています。これを「法定労働時間」といいます。従業員が法定労働時間を超えて働いた場合、会社は残業代として割増賃金を支払わなければなりません。また、法定休日(週1日または4週を通じて4日の休日)に働いた場合も、割増賃金(休日出勤手当)を支給することが求められます。

その一方で、管理監督者は労働基準法における労働者ではあるものの、職務内容や責任の重さから、従業員とは異なる扱いを受け、時間外労働・休憩・休日の規定が適用されません。そのため、たとえ法定労働時間を超えて働いたとしても、残業代が支給されません。

管理職でも管理監督者でなければ残業代の対象となる

管理職に就いていても、勤務実態や待遇が一般の従業員と大きく変わらないのであれば、通常の労働者として扱われ、残業代の支給対象になります。残業、つまり法定労働時間を超えて働いた時間について、会社は割増率25%以上の賃金を支給することが求められます。

時間外労働の上限は原則として、1か月で45時間、1年で360時間です。ただし、特別条項付きの36協定を締結していれば、必要性がある場合に限り月45時間を超える時間外労働が認められます。なお、時間外労働が1か月60時間を超えると、割増賃金率は50%以上となります。

36協定の特別条項について、こちらの記事で解説しています。

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管理監督者に該当する役職とは?

労働基準法における管理監督者に該当するかどうかは、以下にあげる判断基準に基づいて総合的に判断します。「管理職に就いたら管理監督者」「労働時間を管理されなければ管理監督者」などと、一律に判断できるものではありません。

残業代が支払われる管理職か、それとも残業代が支給されない管理監督者かは、職務内容や責任、権限、勤務態様などの実態に応じて変わります。例えば、店舗の責任者として店長を任されていても、アルバイトの採用や解雇など、人事に関する権限が与えられていなければ、管理監督者とはいえないでしょう。しかし採用や解雇に関する人事権を持っているからといって、必ずしも管理監督者に該当するとは限りません。

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残業代が支給されない「管理監督者」に該当する条件

残業代が支給されない「管理監督者」とは、以下のような条件にすべて該当する人のことです。

管理監督者の条件
  • 経営にかかわるような職務を担っている
  • 重要な責任と権限を与えられている
  • 勤務形態にとらわれない働き方をしている
  • 賃金などの待遇が見合っている

経営にかかわるような職務を担っている

管理監督者かどうかの判断の目安となるのが、その職務内容です。管理監督者について労働基準法第41条2号には「事業の種類にかかわらず監督もしくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」とあります。

  • 引用:e-Gov 法令検索「労働基準法新規タブで開く」(労働基準法第41条2号)

つまり経営者と一体的な立場で、労働条件の決定やその他労務管理についての職務を担っている人が、管理監督者に該当します。

例えば、経営会議の参加や役員の採用活動など、総合的に経営にかかわる業務に携わっている場合は、管理監督者と見なされます。管理監督者は労働時間や休憩、休日などの枠を超えて働かざるを得ないような、重要な職務内容を担っています。

重要な責任と権限を与えられている

管理監督者とは、経営者から重要な責任や権限を与えられている人です。たとえ「課長」や「リーダー」の肩書きがあったとしても、「重要な事項については上司に判断を仰がなければならない」「決定権がなく経営陣の意向を部下に伝えるだけ」といった状態では、管理監督者とはいえないでしょう。役職名がついているだけではなく、仕事における決定権を持っているかどうかが重要です。

勤務形態にとらわれない働き方をしている

管理監督者は勤務時間に明確な決まりがなく、業務量や業務内容、仕事の進め方などを、勤務形態にとらわれず自身の裁量で決められます。そのため、一般従業員のように出勤時間や退勤時間、残業時間などを管理されることはありません。

ただし、管理監督者であっても、過重労働による健康障害を防止する観点から、労働時間の把握や勤怠管理は会社に求められる義務とされています。また、欠勤や遅刻、早退によって、減給処分、賃金控除などのペナルティを受けることもないのが特徴です。

勤務時間に明確な決まりがない一方で、時を選ばず経営上の判断や対応を迫られることもあるでしょう。急なアクシデントが起こった場合、深夜や早朝、あるいは休暇中などでも、管理監督者という立場上、必要に応じて対処することが求められます。

もし労働時間が厳しく管理されていたり、上司の指示に従って業務を行っていたりする場合は、管理監督者に該当しないと考えられます。

賃金などの待遇が見合っている

管理監督者は、会社にとって重要な役割を担う立場であり、その責任や権限に見合った待遇を受けることが望まれます。給与や賞与をはじめとする条件についても、一般の従業員とは異なる取り扱いが適切です。

例えば、収入が一般従業員と大きく変わらない、あるいは役職に就いたにもかかわらず実質的な手取りが減少しているようなケースは、管理監督者としての待遇とはいいがたく、制度上も管理監督者に該当しない可能性があります。

役職手当があっても管理監督者とは限らない

役職手当とは、従業員の役職に応じて支給される手当のことです。多くの企業では、管理職に対して役職手当を支給していますが、手当があるからといって必ずしも管理監督者に該当するとは限りません。管理監督者の条件を満たしていない場合は、管理職であっても残業代の支給対象となります。

なお、企業によっては役職手当の中に「固定残業代」を含めて支給しているケースもあります。ただし、役職手当に固定残業代が含まれている場合でも、残業代を一律に支給しなくてよいというわけではありません。あらかじめ「何時間分の残業代が含まれているか」を明確にし、従業員にきちんと説明することが大切です。そのうえで、規定時間を超えて労働した場合は、別途残業代を支給することが求められます。

役職手当について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

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管理職における残業代の注意点

前述したとおり、管理職であっても、残業代の支給が必要となるケースは多く存在します。また、深夜手当や年次有給休暇の取得、労働時間の管理についても会社側は十分注意を払うことが求められています。以下に管理職における残業代について、注意すべき5つのポイントを解説します。

  1. 管理職と管理監督者を混同しない
  2. 管理監督者の基準を明確にする
  3. 管理監督者にも深夜手当は支給する
  4. 管理職の過重労働に注意する
  5. 労働時間管理はきちんと行わなければならない

①管理職と管理監督者を混同しない

管理職の残業代に関して注意しなければならないのが「名ばかり管理職」の問題です。これは勤務実態や責任、権限、待遇などが管理監督者の条件に該当しないにもかかわらず、残業代や休日出勤手当が支給されない管理職のことです。

そもそも管理職とは、組織を管理運営する立場を指す言葉で、会社が任意で決めている概念です。役職や肩書きがついていても、管理監督者としての実態が伴っていないのであれば、会社は残業代や休日出勤手当を支給する必要があります。管理職と管理監督者を混同し、必要な残業代を支払わないことは、法律違反となるので注意しましょう。

「名ばかり管理職」の特徴

「名ばかり管理職」とは、役職や肩書きがあるものの人事や経営判断に関する権限がなく、一般の従業員と同様に出退勤時間が厳しく管理されている人のことです。

具体的には、自身の裁量で勤務時間を決められずシフト制で勤務していたり、役職手当があってもわずかで、時給に換算するとアルバイトと同等かそれ以下であったりする場合などが該当します。例えば飲食などのチェーン店の店長や、一般企業のチームリーダーや課長・部長職、工場や営業所の現場責任者などは、通常の従業員と同様の働き方をしている人が多いでしょう。

②管理監督者の基準を明確にする

「名ばかり管理職」のように、管理職の肩書きがあっても管理監督者の条件を満たしていない場合、会社側は残業代を支給しなければなりません。

管理監督者の基準を明確にし、労使双方が「一般的な管理職」と「管理監督者」との違いを正しく理解しておくことが大切です。あらかじめ認識を共有することで、役職手当や残業代の取り扱いに関する誤解を防ぎ、制度の円滑な運用につながります。

③管理監督者にも深夜手当は支給する

厚生労働省が作成している資料「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」には「管理監督者であっても深夜割増賃金・年次有給休暇の特例はありません」と明記されています。

つまり、管理監督者は残業代や休日出勤手当は支給されないものの、22時~翌5時の労働に対しては、一般の従業員と同様に深夜労働手当が発生するということです。また、年次有給休暇についても、一般の従業員と同様に、取得を認めなければなりません。

④管理職の過重労働に注意する

労働基準法における労働時間や休日の規定が適用されない管理監督者だからといって、いくらでも休日出勤や残業をしてよいわけではありません。長時間労働は健康障害を引き起こす恐れがあります。会社は管理監督者の健康を守るため、過重労働にならないよう配慮することが大切です。

⑤労働時間管理はきちんと行わなければならない

2019年より働き方改革関連法案が施行されたことに従い、労働関連のさまざまな法令が改正されました。その中の1つである労働安全衛生法でも、事業者に対し管理監督者・管理職を含めた労働者の、労働時間の把握が義務づけられるようになりました。

労働安全衛生法第66条の8では、厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対して、医師による面接指導を行い、必要があれば適切な処置を実施することが求められています。厚生労働省令で定める要件とは、以下のようなものです。

  • 月80時間を超える時間外・休日労働を行っている
  • 疲労蓄積がある
  • 医師への面接を申し出ている

これまで労働時間に上限がない管理監督者の長時間労働が問題となっていました。法改正後はタイムカードやICカードにより客観的な記録を残し、適切に労働時間を管理することが定められています。

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管理職も管理監督者以外は残業代の支払いが必要

「管理職は残業代が出ない」というイメージがありますが、正しくは残業代が支給されないのは管理監督者に限られます。管理監督者に該当するかどうかは、勤務態様や与えられた責任、権限などから総合的に判断します。

管理監督者ではない管理職には、一般の従業員と同様に残業代や休日出勤手当の支払いが発生します。また、残業代が発生しない管理監督者であっても、年次有給休暇や深夜割増賃金については、一般の従業員と同様に定められています。

これらの割増賃金は、種類によって計算方法や割増率が異なり、アナログで計算しているとヒューマンエラーを招きかねません。ミスなく効率的に給与計算を行うなら、給与計算ソフトを活用するのがおすすめです。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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