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Excel(エクセル)で給与計算をするには?便利な関数や注意点を解説

Excel(エクセル)で給与計算をするには?便利な関数や注意点を解説

給与計算は、煩雑で業務負担が大きい業務のひとつですが、Excelを活用することで、低コストかつ少ない手間で効率化できます。ただし、導入には関数の設定やメンテナンスの知識、セキュリティ対策など、押さえておくべきポイントも少なくありません。

本記事では、Excelで給与計算をするメリット・デメリットに加え、実務で使える関数の設定例やExcelで給与計算をする際の具体的な手順についてわかりやすく解説します。給与計算を適切かつスムーズに効率化したい経営者や経理担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

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Excelを使った給与計算の方法

Excelで給与計算を行う方法は、大きく2つに分けられます。1つは、自社で独自にExcelの給与計算シートを作成する方法で、もう1つは、あらかじめ作成されたテンプレートを活用する方法です。それぞれの特徴とポイントを解説するので、自社のルールや担当者のExcelスキルなどに応じて選択するとよいでしょう。

給与計算用のExcelシートを作成する

シートを一から作成する方法は、自社の給与体系やルールに合わせて細かい設定をしやすい点がメリットです。具体的には、「基本給」「残業代」「交通費」「社会保険料」「住民税」など、項目を自由に設定できるため、インセンティブ制度の導入や独自の支給ルールにも柔軟に対応できます。

その一方で、給与計算に関する法令(所得税や社会保険料など)の改正があった場合は、自分で設定を見直して更新しなければなりません。計算式のミスがそのまま給与支給額のミスにつながることになるため、正確性の担保と定期的な見直しが求められます。

既存のテンプレートを利用する

給与計算向けのExcelテンプレートを活用するメリットは、導入のスムーズさです。テンプレートには有料版と無料版があり、基本的な計算なら無料テンプレートでも十分な機能を持ちます。計算式があらかじめ設定されており、「月給制用」「時給制用」「パート・アルバイト対応」「賞与計算対応」などさまざまな形式があるため、関数に不慣れな方でも簡単に扱えます。

ただし、最新の税制などに対応していないケースもあるため、事前に対応状況を確認しなければなりません。また、無料版は機能が制限されていたり、対応できる人数に制限があったりするので、それらの点についても考慮しましょう。

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Excelで給与計算をするメリット

Excelで給与計算をする主なメリットは、「新たなコストがかからない」「手計算の手間が省ける」「操作しやすくカスタマイズもできる」の3つがあげられます。Excelは無料で使えるうえ、関数を用いた自動計算による効率化、環境を問わないカスタマイズ性など、実用性の高いツールです。以下でメリットを詳しく解説します。

新たなコストがかからない

Excelを使った給与計算における最大の利点の1つは、導入コストが抑えられる点です。Excelは多くの企業で採用されているソフトウェアであり、端末にMicrosoft Excelがインストールされていれば、初期費用や月額料金といったランニングコストは発生しません。さらに近年では、Microsoft 365のライセンスがあれば、インストールを行わなくても「Excel for the web」などのブラウザ版で利用することも可能になっており、より柔軟な環境での運用が可能です。

テンプレートも、無料版がインターネット上に多数配布されています。費用の観点から気軽に導入できるため、特に中小企業や個人事業主にとっては有力なツール候補です。

手計算の手間が省ける

Excelを使った給与計算は、数式などを活用することで計算を自動化できます。ダウンロードした給与計算用のテンプレートを利用すれば、数式の知識がなくてもあらかじめ設定された関数で自動計算ができるため、初心者でも安心して運用可能です。

給与計算は細かい入力・計算項目が多く、人的ミスの発生につながりやすい業務です。Excelで自動化すれば、電卓による手作業よりも手間が減り、確認や再計算といった作業の効率化にもつながります。

操作しやすくカスタマイズもできる

Excelは多くの業務で日常的に使用されています。使用頻度が高いため操作に慣れている人も多く、新たにツールの使い方を覚える必要がないことも大きなメリットです。特に給与計算のような繰り返し作業では、使い慣れたツールで処理できる安心感があります。

また、高いカスタマイズ性を備えており、企業の給与体系や業務フローに応じて柔軟に調整できます。例えば、不要な計算項目を削除したり、インセンティブや手当項目を追加したりも可能で、自社独自の運用に最適化した計算表を作成することができます。

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Excelで給与計算をするデメリット

Excelでの給与計算には、以下のようなデメリットもあります。

  • 税率や保険料率の改正への対応が必須
  • 作業が属人化しやすい
  • 情報漏えいや破損することがある
  • エラーチェックやメンテナンスが必須
  • 帳票に展開しにくい
  • 外部サービスとの連携がしにくい

各デメリットが自社にとって許容・対策できるか、しっかり検討してみましょう。

税率や保険料率の改正に対応が求められる

税額表や社会保険の料率は法改正によって頻繁に更新されます。Excelで給与計算を行っている場合、自社で毎回テンプレートや計算式を修正しなければならず、特に源泉徴収票などの年末調整用帳票は様式変更も加わるため、非常に運用が煩雑になりがちです。

実務では「Excelで税法改正に対応し続けるのは困難だ」という声も少なくありません。改定時期が一定でないため、変更を常にチェックする運用フローが必要です。誤った料率で計算すると、従業員の手取りや企業の会計精度にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

作業が属人化しやすい

Excelで給与計算を行う場合、特定の担当者がフォーマット管理や計算式のメンテナンスを担うケースが多く、作業が属人化しやすいです。独自のカスタマイズを行っている場合もあり、担当者が配置異動や退職した際には、修正・引き継ぎなどの作業が発生します。

属人化を防ぐためには、運用ルールを明文化し、操作手順や数式の設定方法などをマニュアル化しましょう。だれが見ても共通認識を持てる引き継ぎ資料を作れば、ミスの発生防止やメンテナンスにも有効です。

情報漏えいや破損のリスクがある

Excelで給与計算を行う場合、給与データやその他の個人情報などの漏えいにも注意しましょう。典型的な例としては、ファイル自体の誤送信や、アクセス権限の管理不足による閲覧権限の漏えいなどがあります。また、Excelファイルの破損により、データが復元できなくなる事態もありえます。

定期的にバックアップを取ったり、ファイルにパスワードを設定したりと、情報管理対策の徹底が求められます。情報漏えいは従業員からの信用失墜につながるため、万全の対策を整えましょう。

エラーチェックやメンテナンスが必須

Excelでの給与計算は関数を活用して自動計算を行いますが、入力ミスや設定変更などで計算式にエラーが生じる場合があります。気づかないまま運用を続けると、大規模な給与支給ミスになりかねません。また、税制改正や保険料率変更に応じて計算式や控除額の設定内容を適宜更新することが求められます。

給与計算の正確性を担保するためには、数式の見直しなど定期的なメンテナンスを行ったり、テスト計算を実施してエラーチェックを行ったりと、整備体制を業務に組み込みましょう。

帳票に展開しにくい

Excelで給与計算を行う場合、給与明細や賃金台帳、社会保険・労働保険関連の提出書類などを作成・転記する手作業が発生します。また、法令対応の修正が発生した場合も、計算式だけでなく帳票出力部分も個別に修正が求められます。特に、年末調整関連の帳票(例:源泉徴収票)は法定書式の改定が毎年あるため、テンプレートの修正も必要になり、Excelでは非常に煩雑です。

給与計算システムの帳票出力機能と比べると手間がかかるため、記入漏れや転記ミスといったヒューマンエラーに注意しましょう。月次作業の負担軽減のためには、Excel運用時の帳票出力のルール整備や転記ミス防止策の導入が推奨されます。

外部サービスとの連携がしにくい

Excelを使った給与計算は、単体で完結できるというメリットがある一方で、外部サービスとのデータ連携が難しいというデメリットもあります。完全に不可能ではありませんが、勤怠管理システムや会計ソフトなどと連携させる場合、データの取り込みや出力を手作業で行う必要があります。

特に従業員数の多い企業では、外部サービスとの連携ができないことで作業負担が増え、転記ミスなどの人的ミスのリスクも高まります。業務効率化を図るうえでは、外部サービスと連携できるクラウドサービスの導入も検討してみましょう。

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Excelで給与計算するときに便利な関数

給与計算をExcelで効率化するには、関数の活用がポイントです。勤務日数や残業時間の計算、時間の丸め処理、条件に応じた金額の自動計算など、作業ごとに適した関数があります。給与計算で役立つ代表的な関数を紹介します。

WEEKDAY関数

WEEKDAY関数は、指定した日付が何曜日になるかを自動判別できるようになるExcel関数です。

WEEKDAY関数の書式
=WEEKDAY(シリアル値,種類)

「種類」の数字ごとに設定された曜日番号があり、「シリアル値」に対応する曜日番号を表示します。WEEKDAY関数を他の関数や数式と組み合わせれば、特定の曜日のときに「定休日」と表示したり、セルの色付けをしたりといった活用ができます。

WEEKDAY関数の種類の数字による違い
日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
種類:1(または省略) 1 2 3 4 5 6 7
種類:2 7 1 2 3 4 5 6
種類:3 6 0 1 2 3 4 5

CEILING関数

CEILING関数は、数値の切り上げ計算を行うための関数です。給与計算では、主に勤務時間の丸め処理(切り上げ)を行う際に利用されます。

CEILING関数の書式
=CEILING(数値,基準値)

「数値」に時刻、「基準値」に切り上げたい単位を入力します。

例えば、「=CEILING(B2,”00:10″)」と設定した場合、B2セルに17:22と時刻を入力すると、10分以下の時間が切り上げとなり、「17:30」と表示されます。CEILING関数により、15分単位での残業代や1時間当たりの時給を正確かつスムーズに計算できます。

ただし、CEILING関数は負の値に対しては切り上げ方向が異なります。また、類似する関数にCEILING.MATH関数がありますが、挙動が異なります。

FLOOR関数

FLOOR関数はCEILING関数の逆で、指定した数値を切り捨てる関数です。主に欠勤控除や日割り計算など、賃金の計算上必要な端数処理を行う場合に使用します。

FLOOR関数の書式
=FLOOR(数値,基準値)

「数値」に時刻、「基準値」に切り上げたい単位を入力します。

例えば「=FLOOR(C3,”00:10″)」と設定すれば、C3のセルに「17:22」と時刻を入力すると、10分以下の時間が切り捨てとなり、「17:20」と表示されます。FLOOR関数を使うことで正確かつ効率的に処理できます。

ただし、負の値に対する挙動が正の値とは異なるため、ExcelのバージョンによってはFLOOR.MATH関数が推奨される場合があります。

IF関数

IF関数は、条件に応じて処理を分岐させる関数で、給与計算において残業時間や深夜労働の自動判別・計算といった場面で非常に役立ちます。

IF関数の書式
=IF関数(条件式,条件に当てはまる場合,条件に当てはまらない場合)

例えば、所定労働時間(8時間)を超えた部分を時間外労働時間としてカウントする場合、「=IF(E2>8,E2-8,0)」と設定すると、E2セルに記入された勤務時間が8時間を超えた場合にその超過分を表示し、8時間以下であれば0が返されます。また、「深夜労働の時間帯(22:00〜5:00)」を判定する計算式や、出勤・欠勤判定などにも活用可能です。
ただし、IF関数の入れ子が多くなると管理が煩雑になりやすく、修正時にエラーが起こる可能性があります。処理の整理やセルコメントで補足を入れるなど、管理方法を工夫しましょう。

給与計算で役立つ「IF関数」

なお、勤務時間を出退勤時刻と休憩時間から自動計算するには、MOD関数を組み合わせた以下のような式が便利です:

=IF(MOD(退勤時刻-出勤時刻,1)-休憩時間<0, 0, MOD(退勤時刻-出勤時刻,1)-休憩時間)

この式は、出勤から退勤までの時間(24時間を1とした値)から休憩時間を差し引いた結果を表示し、もしマイナスになった場合には0を返すようにしています。
MOD関数は、時刻から日付部分を除いて「時刻だけ」を取り出すのに使われ、日をまたぐ勤務時間の計算にも対応できます。

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Excelを使った給与計算の流れ

Excelで給与計算を行う際には、単に給与計算シートを準備するだけではなく、従業員情報の管理シート、固定的賃金(基本給・手当・控除など)の入力シート、勤怠管理シートを準備し、それぞれを正しく連携させなければなりません。以下にExcelを使った給与計算の具体的な流れを解説するので、各ステップのポイントを押さえておきましょう。

1. 給与の計算期間を設定する

まずは給与計算を行う対象期間を設定します。例えば、20日締め当月末払いの場合、7月末日支給の給与の計算期間は6月21日から7月20日です。他にも「末日締め翌月10日払い」など、企業によって期間設定は異なります。期間のずれは誤った支給額の計算につながるため、設定した計算期間は勤怠管理シートや給与計算シートで統一しましょう。

2. 従業員の情報を入力する

次に、従業員情報シートに氏名、社員番号、雇用形態、扶養人数、社会保険加入状況などの基本情報を入力します。従業員情報シートは、給与計算を行うシートとは別に作成し、給与計算シートに自動入力されるように設定します。これらの情報は給与計算時の所得税額や社会保険料の計算、勤怠管理データとの突合にも使用されるため、変更が生じた場合は速やかに更新しましょう。

3. 基本給や交通費などの給与に関するデータを入力する

給与規程などにより従業員ごとに決められた、基本給、交通費、役職手当など、固定的な賃金項目をExcelシートに入力します。金額設定を誤ると支給額が誤計算されるため、事前に人事データベースや契約書で金額を確認しましょう。毎月手入力するのではなく、別途シートを作成しておけば、手入力する部分を減らすことができます。

4. 手当に関するデータを設定する

基本給や交通費などのデータと同様に、家族手当や資格手当、時間外勤務手当などの各種手当のデータを入力します。毎月支払われる家族手当や住宅手当などは、基本給や交通費などのデータと同様に別紙に入力して、給与計算シートに自動で反映されるようにするのがおすすめです。

毎月金額が変わる残業手当や休日出勤手当については、勤怠状況に応じて自動計算されるように設定します。また、割増賃金の計算に含まれる手当と、含まれない手当をきちんと区分して管理することも大切です。

5. 控除に関するデータを設定する

健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、所得税や住民税などの控除額が自動入力されるように設定します。社会保険料率や雇用保険料率は年度により変更されるため、最新の料率に基づき設定しなければなりません。また、組合費や積立金など会社独自の控除項目(別途、労使協定を用意)があれば併せて設定します。

なお、手計算で源泉所得税を求める場合は、「給与所得の源泉徴収税額表」に基づいて計算します。しかし、Excelなどで計算する場合は「月額表の甲欄を適用する給与等に対する税額の電算機計算の特例」を利用することが可能です。特例を利用することで、源泉徴収税額を簡単かつ正確に算出できます。ただし、この「電算機計算の特例」をExcelの計算式に直接組み込むには、複雑な算式を正確に再現する必要があるため、大変な労力を要することになります。実際の実務で運用する際は、専門システムや自動化された計算手段の導入もご検討ください。

6. 勤怠管理シートに出勤状況を入力する

最後に、タイムカードなどの勤怠記録を確認しながら、出勤日数、労働時間、残業時間、深夜勤務時間、欠勤・遅刻・早退の情報を入力します。これらのデータは時間外手当、欠勤控除の計算基礎となるため、タイムカードや勤怠管理システムから正確に転記しましょう。また、勤怠データの入力ミスを防ぐため、入力後の合計勤務時間や出勤日数などに対するチェック体制を設けると安心です。

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Excelで給与計算をする際の注意点

Excelを使った給与計算は便利ですが、管理方法を誤ると情報漏えいや不正アクセス、データ破損などが起こりえます。特に給与情報は機密性が高く、適切な管理が求められます。Excelで給与計算を行う際に注意すべき具体的なポイントを解説します。

権限を持つ者だけがアクセスできる場所に保管する

Excelの給与計算シートは、だれでも操作できる状態にすると、書き換えの発生が考えられます。不特定多数に見られないよう、一定の権限を持つ担当者だけがアクセスできる場所に保管するか、担当者以外が閲覧・編集できないようアクセス権を制御しましょう。また、自動計算されるセルについては、セルのロックやシート保護を設定し、誤操作による計算ミスを防ぐことが重要です。

また、だれがいつアクセスしたか、履歴を調べられる環境を整えておく対策も有効です。物理的な管理だけでなく、運用ルールの整備によって、情報漏えいや不正を可能な限り防ぐ管理体制を作りましょう。

ファイル全体にパスワードをかける

ファイル自体にパスワードを設定して管理することも重要です。Excelのファイルパスワード機能を使うことで、不正アクセスや誤送信時の漏えいを防ぎます。

パスワードは第三者に推測されにくい強度の高いものを設定し、管理者間で適切に共有・保管しましょう。また、より安全性を高めるためには、定期的な変更も有効です。複雑なパスワード管理が負担になる場合は、パスワード管理ツールを導入する方法もあります。

ただし、パスワードを設定しただけでは安全性が保証されません。ウイルス感染や内部不正にも備えましょう。セキュリティソフトを設定するなど、物理的・技術的な対策を組み合わせるのがおすすめです。

定期的にバックアップを取る

Excelファイルは破損や誤操作により消失することがあるため、定期的なバックアップも行いましょう。クラウドサービスや外付けストレージへの二重保存を行い、障害発生時でも迅速に復旧できる体制を整えます。退職者情報の更新漏れによる削除にも着目し、月次バックアップをルール化して運用することが望ましいでしょう。

また、給与計算データは賃金台帳として労働基準法により5年間の保存義務があります。万が一の紛失や破損を防ぐだけでなく、法定保存期間に対応するためにもバックアップ管理は不可欠です。

賃金台帳に関するルールについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

法改正や保険料率の変更を常にチェックして更新する

給与計算は、税法・社会保険料率・雇用保険料率などの改正等の対応が必須です。Excelで自作した給与計算シートだけでなく、テンプレートを使用している場合も都度最新の制度に対応しなければなりません。

法改正への対応を怠ると、誤った控除額計算や賃金の過不足などが生じ、従業員・会社双方に不利益が発生します。国税庁・厚生労働省・社会保険庁などの公式情報を定期的に確認し、更新管理表で履歴を残して運用しましょう。

ランサムウェア対策が必須である

ExcelファイルをUSB・社内サーバー・クラウド上のどこに保存する場合でも、ランサムウェア対策は必須です。ランサムウェアとは、データを暗号化し使用不能にしたうえで復旧のために金銭を要求するマルウェアです。

ランサムウェア被害が発生すると、給与計算データが利用できなくなり、給与や賞与の支払遅延など深刻な影響が出る可能性があります。国内でも多数の被害が報告されており、給与計算業務におけるBCP(事業継続計画)の観点からも無視できません。クラウドサービスを活用する場合でも安全性が担保された環境を選びましょう。

ランサムウェア対策は、「ウイルス対策ソフトを常に最新状態で運用する」「不審メールは開封しないようにする」「定期的なバックアップを徹底する」の3つが基本です。

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給与計算をミスなく行うには給与計算ソフトがおすすめ

Excelを使った給与計算はコストを抑え柔軟に運用できる一方で、関数設定ミスや法改正対応、情報漏えい、バックアップ管理の手間など課題も多いのが実情です。特に従業員数が増えるほど、計算式のメンテナンスや控除・手当の計算チェックに時間を取られ、業務負担が大きくなります。

こうした課題を解決し、給与計算を手軽かつ正確に行いたい場合には、給与計算ソフトの導入がおすすめです。「弥生給与Next」は、法改正や保険料率の自動更新、最新の「給与所得の源泉徴収税額表」対応などにより、ミスなくスムーズに給与計算を実施できます。社会保険算定基礎届などの作成から電子申請もできるため、バックオフィス業務の効率化が期待できます。給与計算の正確性と効率化を両立させるために、「弥生給与Next」での運用をご検討ください。

  • ご契約のプランにより利用できる機能が異なります。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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