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iDeCoは年末調整で申告できる?必要書類や書き方・いくら戻ってくるかを解説

「iDeCoは年末調整で控除できる?」「iDeCoの書類が年末調整に間に合わなかった場合はどうしたらよい?」「iDeCoで年末調整をするといくら戻ってくるか知りたい」iDeCoに加入している場合、このような疑問を持っている方も多いでしょう。

iDeCoの掛金は年末調整で控除できます。ただし、確定申告が必要になるケースもあるので注意が必要です。本記事では、iDeCoを年末調整で控除する方法や、確定申告が必要なケースについて解説します。

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iDeCo(個人型確定拠出年金)は年末調整で申告できる

iDeCoは年末調整で控除できます。iDeCoが年末調整できる理由やいくら戻ってくるのかについて解説します。

そもそもiDeCoとは

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づき運用されている私的年金制度です。私的年金ではあるものの、国が整備した制度である点が特徴です。

掛金を積み立てながら運用し、60歳以降に運用益と掛金を年金として受け取れます。すべての掛金が所得控除の対象になるだけでなく、運用で得た利益が全額非課税となるなど税制面においてさまざまな優遇を受けられます。

資金の投資運用にはリスクがつきものですが、iDeCoは長期的な積立を前提としているため、リスク分散が可能な点も魅力です。

iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」の対象で年末調整が必要

iDeCoの掛金は所得控除の一種である「小規模企業共済等掛金控除」の対象になるため、全額が所得控除の対象となります。小規模企業共済等掛金控除で控除できる掛金は、以下のとおりです。

  • 確定拠出年金
  • 小規模企業共済契約の掛金
  • 心身障害者扶養共済制度の掛金

参照:国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除新規タブで開く

iDeCoは年末調整でいくら戻るのかシミュレーション

iDeCoの掛金を年末調整で控除申告すると、所得税と住民税の税負担を軽くすることができ、「iDeCoの掛金全額×所得税率」の金額が還付金として戻ってきます。

実際に戻ってくる金額の例を見てみましょう。シミュレーションの条件は下表のとおりです。

年齢 43歳
掛金/月 5,000円/16,000円
掛金/年 60,000円/192,000円
年収/年 4,600,000円
給与所得控除/年 1,360,000円
社会保険料控除/年※1 661,940円
基礎控除(所得税) 480,000円
基礎控除(住民税) 430,000円
  • 1:年間収入の14.39%

月額掛金5,000円の場合

iDeCoの最低月額掛金は5,000円です。iDeCoに加入して、控除を申告した場合の税額は以下のとおりです。

iDeCo加入時 iDeCo未加入時
課税所得(所得税)※2 2,038,060円 2,098,000円
課税所得(住民税)※2 2,088,060円 2,148,000円
所得税額 106,306円 112,300円
住民税額※3 208,806円 214,800円
  • 2:課税所得=年収-給与所得控除-社会保険料控除-基礎控除(端数金額処理はなし)
  • 3:住民税=一律10%

1年に減額できる金額は下表のとおりです。

1年の軽減額
iDeCoによる所得税軽減額 6,000円
iDeCoによる住民税軽減額 6,000円
iDeCoによる税制優遇額 12,000円

参照:iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション新規タブで開く

月額掛金16,000円の場合

月額掛金16,000円なら、以下のように減税が可能です。

iDeCo加入時 iDeCo未加入時
課税所得(所得税)※2 1,906,060円 2,098,000円
課税所得(住民税)※2 1,956,060円 2,148,000円
所得税額 95,303円 112,300円
住民税額※3 195,606円 214,800円
  • 2:課税所得=年収-給与所得控除-社会保険料控除-基礎控除(端数金額処理はなし)
  • 3:住民税=一律10%

1年に減額できる金額は下表のとおりです。

1年の軽減額
iDeCoによる所得税軽減額 17,003円
iDeCoによる住民税軽減額 19,200円
iDeCoによる税制優遇額 36,203円

参照:iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション新規タブで開く

月額掛金23,000円の場合

企業型DCや企業年金に加入していない会社員は、月額23,000円が掛金の上限です。このケースでのシミュレーションを以下に整理しました。

iDeCo加入時 iDeCo未加入時
課税所得(所得税)※2 1,822,060円 2,098,000円
課税所得(住民税)※2 1,872,060円 2,148,000円
所得税額 91,103円 112,300円
住民税額※3 187,206円 214,800円
  • 2:課税所得=年収-給与所得控除-社会保険料控除-基礎控除(端数金額処理はなし)
  • 3:住民税=一律10%
1年の軽減額
iDeCoによる所得税軽減額 21,203円
iDeCoによる住民税軽減額 27,600円
iDeCoによる税制優遇額 48,803円

参照:iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション新規タブで開く

iDeCoで年末調整するケースと確定申告するケース

iDeCoは年末調整で所得控除を受けるケースと確定申告が必要なケースがあります。こちらでは、以下の内容を解説します。

  • 年末調整と確定申告の違い
  • 年末調整が必要なケース
  • 確定申告が必要なケース

自分がどれにあてはまるか確認しましょう。
iDeCoの確定申告について、こちらの記事で詳しく解説しています。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、どちらも所得税に関する手続きです。ただし、以下のような違いがあります。

  • 年末調整:会社があらかじめ徴収していた源泉徴収税額の過不足を調整する
  • 確定申告:1年間の利益にかかる所得税を自分で申告する

年末調整とは、源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額を一致させる精算の手続きです。
確定申告は、所得金額や所得税額を自分で計算して税務署に申告し、納付します。

年末調整と確定申告の違いについて、こちらの記事で解説しています。

年末調整で所得控除を受けるケース

iDeCoの加入者で年末調整において所得控除を受けられるのは、給与所得のみを得ている人です。例えば会社員や契約社員、アルバイトなどで働いている人です。勤め先が一か所で、それ以外に収入がない場合は、iDeCoに加入していても、勤務先の年末調整で控除を申告できます。

確定申告で所得控除を受けるケース

iDeCoの加入者で年末調整の対象でない人は、確定申告で控除を受けられます。確定申告が必要な人は以下のとおりです。

  • 個人事業主(自営業やフリーランス)
  • 給与以外の所得が20万円超の人
  • 退職所得があり、退職所得の受給に関する申告書を提出していない人
  • 所得税の猶予を受けている人

また、これらの確定申告が必要な人以外であっても、以下のようなケースでは確定申告を行うことで控除を受けられます。

  • iDeCoの提出書類が年末調整に間に合わなかった人
  • iDeCoの初回積立日が10月以降だった人

給与所得以外の収入がある人は基本的に確定申告を行います。iDeCoも確定申告の際に控除手続きができるので、覚えておきましょう。

iDeCoで年末調整や確定申告が不要なケース

iDeCoの掛金支払方法は、個人払込と事業主払込の2つがあります。前者は加入者本人が、後者は事業主が従業員の給与から天引きして納付します。事業主払込を選択している会社員や公務員なら、月々の給与から自動的に掛金が天引きされるため、年末調整の時期に特別な手続きは必要ありません。

その一方で、個人払込を選択している会社員や公務員なら、納付した掛金を職場へ申告した上で年末調整の手続きを行う必要があります。

iDeCoの年末調整の流れ

iDeCoの掛金を年末調整で控除するときの流れは以下のとおりです。

  • 1.
    iDeCoの年末調整に必要な証明書や書類をそろえる
  • 2.
    申告書を記載する
  • 3.
    書類と証明書を勤務先に提出する

年末調整が始まる前に流れを確認しておけば、余裕を持って準備ができます。順番に見ていきましょう。

iDeCoの年末調整に必要な証明書や書類をそろえる

iDeCoの年末調整には、「小規模企業共済等掛金払込証明書」や「給与所得者の保険料控除申告書」が必要です。証明書は以下のスケジュールに則り国民年金基金連合会から送付されます。

発行種類 発送予定 対象者
一括発行 10月下旬 当年1~9月に掛金を支払った方
追加発行 11月下旬 当年10月に初回払込をした方
追加発行 12月下旬 当年11月に初回払込をした方
追加発行 1月下旬 当年12月に初回払込をした方
再発行 随時 追加発行より早く払込証明書が必要な方
払込証明書を紛失した方

積立開始時期によって証明書が手もとに届くタイミングが変わるため注意が必要です。また、小規模企業共済等掛金払込証明書の再発行には時間がかかるため、なくさないようにしましょう。

申告書を記載する

年末調整が近づくと勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」が配付されるので、iDeCoの掛金を記載しましょう。記入場所は以下のとおりです。

給与所得者の保険料控除申告書の右下に「小規模企業共済等掛金控除」を記載する場所があります。上の画像の赤い枠に、1年間で支払った掛金の総額を記載してください。

書類と証明書を勤務先に提出する

「給与所得者の保険料控除申告書」に記載できたら「小規模企業共済等掛金払込証明書」と一緒に会社に提出しましょう。年末調整の手続きが終了すると、多くの場合、12月の給与支給時に還付が行われます。

iDeCoの年末調整が間に合わない場合は確定申告する

iDeCoの掛金控除が年末調整に間に合わない場合は、確定申告をします。iDeCoの確定申告について以下の内容を確認しましょう。

  • 確定申告の手順
  • 確定申告に必要な書類(給与所得がある場合)
  • 確定申告に必要な書類(個人事業主の場合)
  • iDeCoの確定申告を忘れた場合の対処法

会社員や公務員のように給与所得がある場合でも、書類が年末調整に間に合わなかった場合は確定申告ができるため、参考にしてください。

確定申告の手順

iDeCoの掛金を確定申告で所得控除する手順は以下のとおりです。

  • 1.
    必要書類や証明書を用意する
  • 2.
    確定申告書を作成する
  • 3.
    期限内に税務署に確定申告書を提出する

確定申告の期間は2月16日から3月15日です(令和6年分の確定申告は2025年2月17日から3月17日)。書類が揃ったら、確定申告書に必要事項を記載して、窓口に持参や郵送、またはe-Taxで提出します。確定申告書は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成できます。

確定申告に必要な書類(給与所得がある場合)

給与所得のある人がiDeCoの掛金を確定申告で所得控除する場合は、以下の書類が必要です。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 小規模企業共済等掛金払込証明書
  • その他の控除の証明書類

給与所得の源泉徴収票は、年末の給与明細と共に配付される場合が多いです。書類が集まったら確定申告書に記載します。記載場所は以下の画像で確認してください。

確定申告書 第一表

参照:国税庁「令和6年分の所得税等の確定申告書新規タブで開く

確定申告書第一表の左下にある「小規模企業共済等掛金控除⑭」欄に、iDeCoの1年間の掛金を記入します。つづいて、確定申告書第二表の「小規模企業共済等掛金控除」欄にも「小規模企業共済等掛金払込証明書」の総額を記載しましょう。

確定申告書 第二表

参照:国税庁「令和6年分の所得税等の確定申告書新規タブで開く

上記画像の赤枠が記載場所です。申告書の記載が完了したら税務署に提出しましょう。

確定申告に必要な書類(個人事業主の場合)

自営業やフリーランスの人が確定申告でiDeCoの掛金を所得控除するときには、以下の書類が必要です。

  • 事業所得の収支内訳書または青色申告決算書
  • 小規模企業共済等掛金払込証明書
  • その他の控除の証明書類

会社員との違いは、源泉徴収票ではなく「事業所得の収支内訳書または青色申告決算書」が必要な点です。書類が揃ったら、給与所得がある場合と同じく、確定申告書に記載します。

iDeCoの確定申告を忘れた場合の対処法

iDeCoの確定申告を忘れてしまった場合は、還付申告で対処できます。還付申告は、もともと納めすぎた所得税を還付する手続きです。還付申告はiDeCoの掛金を支払った年の翌年1月1日から5年以内であれば申告できます。

iDeCoは給与所得者の場合、年末調整で控除手続きができる

iDeCoは給与所得者の場合、年末調整で控除の手続きができます。年末調整業務の効率化には、給与計算ソフトの導入がおすすめです。「弥生給与 Next新規タブで開く」は、給与計算や年末調整、給与・賞与明細書の作成と配付を効率化するクラウド給与サービスです。年末調整の各種控除申告書の回収・修正もオンラインで完結できます。年末調整業務の負担を軽減したい場合は、ぜひ導入をご検討ください。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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