1. 弥生株式会社
  2. クラウド給与計算・給与明細ソフト
  3. 給与計算お役立ち情報
  4. 年末調整
  5. 【2024最新】年末調整書類の書き方を書類別にわかりやすく解説

【2024最新】年末調整書類の書き方を書類別にわかりやすく解説

監修者:税理士法人古田土会計 社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

2024/10/10更新

年末調整の時期には、書類の回収や作成、税金の計算など、煩雑な作業が数多く発生します。企業の担当者は、従業員から多くの書類を回収し、税務署に提出しなければなりません。本記事では、年末調整で従業員から回収する書類や書き方について解説します。

【初年度0円】クラウド給与計算ソフトで大幅コスト削減【全機能無料でお試し】

年末調整は所得税の過不足を調整する手続き

年末調整とは、給与所得者の所得税額を確定させ、納税額の過不足を調整するために、企業が年末に行う手続きのことです。

企業の役員や従業員の所得税は、給与や賞与から源泉徴収(天引き)され、本人に代わって勤務先の会社などが国に納めるしくみになっています。ただし、給与や賞与から源泉徴収される所得税はあくまで概算であって、1年分の所得税を確定させるために、年末においてその精算作業を行うことが必要です。

そこで企業は、1月1日から12月31日までの1年間の給与が確定した時点で、年間の給与支給額や適用される控除を基に、正しい所得税額を計算します。そして、それまで源泉徴収した所得税額との差額を調整し、納めすぎていれば従業員に還付し、不足していれば追加徴収します。

この一連の手続きが年末調整です。多くの給与所得者は、年末調整によって、その年の納税が完了します。

年末調整で適用される所得控除

所得から所得控除を差し引いた額に所定の税率を掛けることで、所得税額が算出されますが、要件を満たすことで所得金額から一定の額を差し引ける、所得控除という制度があります。

所得控除には、合計所得金額が2,500万円以下の人に適用される基礎控除の他、該当する人が利用できる扶養控除や配偶者控除、配偶者特別控除、保険料控除など、さまざまな種類があります。

これらの所得控除のうち、医療費控除と寄附金控除、雑損控除の3つの控除は、確定申告での手続きが必要です。ただし、控除額がいくらになるのかはそれぞれ違います。そのため企業は、従業員の状況を把握する必要があるため、所得控除の申告に関するさまざまな書類を年末調整の際に回収します。

年末調整の対象となる人

年末調整の対象になるのは、原則として、12月31日時点で企業に在籍している従業員です。また、対象者は対象年の最初の給与支払いを受ける前日までに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を企業へ提出していなくてはなりません。

1年を通じて勤務している人はもちろん、年の途中で入社して年末(12月31日)まで働いてきた人も、年末調整の対象です。ただし、年末時点で在籍している従業員のなかで、給与総額が1年間で2,000万円を超える人、災害減免法の規定で所得税の徴収猶予や還付を受けた人は対象外です。

また、通常は12月ごろに年末調整を行いますが、以下のいずれかに該当する人は年の途中に年末調整を行います。

年の途中で行う年末調整の対象となる人

  • 海外支店などに転勤したことにより非居住者となった人
  • 死亡によって退職した人
  • 著しい心身の障害により離職した人(退職後に再就職する見込みのある人は除く)
  • 12月の給与を受け取った後に退職した人
  • パート社員などが退職した場合で、年間の給与総額が103万円以下である人(退職後、その年に他の勤務先から給与の支払いを受ける見込みのある人は除く)

年末調整で従業員が提出する書類一覧

年末調整にあたって従業員に提出してもらう書類は、主に以下の4種類です。控除の内容によって、必要になる書類が異なります。

必要な書類 受けられる控除
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、所得金額調整控除、定額減税(令和6年のみ)
給与所得者の保険料控除申告書 生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 住宅借入金等特別控除、特定増改築等住宅借等特別控除

それぞれの書類がどの手続きに必要で、どのような情報が記載されるのかなどを確認していきましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、源泉控除対象配偶者や控除対象扶養親族などの情報が記載されます。これは扶養控除などの金額を算出するために必要な内容です。

なお、配偶者や扶養親族などの有無にかかわらず、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、源泉徴収税額表の甲欄適用者全員から提出してもらう必要があります。申告書が提出されていないと、年末調整を行うことができません。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方は、こちらの記事で解説しています。

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

基礎控除や配偶者控除、配偶者特別控除、所得金額調整控除、定額減税(※)を受けるために必要な書類です。基礎控除の適用を受ける場合は、その年の合計所得金額(見積額)が2,500万円以下の人が対象です。

(※) 2024年(令和6年分)に関しては、「定額減税のための申告書」の内容が追加され、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という書類名称になっています。

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書の詳細な書き方については、こちらの記事で解説しています。

給与所得者の保険料控除申告書

年末調整で保険料控除を受けるために必要な書類です。保険料控除には生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除があり、それぞれ必要項目を記載します。

なお、社会保険料控除については、基本的に企業側で社会保険料を計算して記入します。ただし、社会保険料を給与天引きでなく従業員が直接納付していたり、親族の社会保険料を支払っていたりする場合は、従業員による記入が必要です。

給与所得者の保険料控除申告書の詳細な書き方については、こちらの記事で解説しています。

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書は、住宅借入金等特別控除を適用するために必要な書類です。

住宅借入金等特別控除とは、一般的に「住宅ローン控除」と呼ばれ、住宅ローンを利用して住まいの購入や増改築などをした場合に利用できる控除です。なお、年末調整で住宅ローン控除を手続きできるのは2年目以降です。1年目は従業員が自分で確定申告をする必要があります。

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の詳細な書き方はこちらの記事で解説しています。

書類別 年末調整の申告書の書き方

年末調整はタイトなスケジュールで行う場合が多いため、書類の書き方を早めに従業員に周知するなど、計画的に行うことが重要です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、基本情報や源泉控除対象配偶者の情報、控除対象扶養親族の情報、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生の情報、他の所得者が控除を受ける扶養親族等の情報を記載します。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方は、こちらの記事で解説しています。

(1)基本情報

基本情報は、申告書の最上段に設けられたスペースに記載します。従業員の氏名や住所、生年月日、世帯主の氏名、本人との属柄、配偶者の有無を従業員に記載してもらいましょう。

給与の支払者の名称、所在地、法人番号は、従業員ではなく給与の支払者となる企業側で記載します。あらかじめ名称、所在地、法人番号を申告書の指定項目に印字し、従業員に渡しても問題ありません。

また、所定の条件を満たしているケースにおいては、マイナンバーを記入してもらう必要がない旨を従業員へ周知しておきましょう。

(2)源泉控除対象配偶者の情報

配偶者が対象となる場合は、必要事項を従業員に記入してもらいます。源泉控除の対象となるのは、民法上の配偶者であること、合計所得金額が900万円以下の納税者と生計を一にする配偶者で、年間の合計所得金額が95万円以下であること、青色申告者の事業専従者および白色申告者の事業専従者でないことです。

なお、控除対象となるのはあくまで配偶者に限定される点に注意しましょう。従業員と内縁関係、または事実婚関係にある者は控除対象にはなりません。

申告書に記載するのは、配偶者の氏名やマイナンバー、当年中の所得の見積額、非居住者の確認、配偶者の居住住所、異動月日および事由です。マイナンバーの記載が不要な場合は事前に従業員へ周知しておきましょう。

(3)控除対象扶養親族の情報

控除対象となる扶養親族のうち、その年の12月31日時点で16歳以上の親族情報を記載してもらいます。年間の合計所得金額が48万円以下であり、従業員と生計をともにしているなどの条件を満たしていないと控除の対象にはなりません。

なお、控除対象となる親族は、一般の扶養控除対象親族、特定扶養親族、老人扶養親族、および同居老親等の四つに分類されています。一般の扶養控除対象親族は16歳以上の親族が対象で、そのうち19歳以上23歳未満の人が特定扶養親族です。老人扶養親族は70歳以上の人で、そのうち同居している人が同居老親等に分類されます。

(4)障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生の情報

障害者控除の対象者は、知的障害者更生相談所や児童相談所などから知的障害者と判定された人、特定障害者と判定された人、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた人などです。寡婦控除の対象となるのは、離婚後に婚姻しておらず合計所得金額が500万円以下の女性です。また、夫の死別後に婚姻していない人や、夫の生死が不明である人も、合計所得金額が500万円以下なら控除を受けられます。

ひとり親控除の要件を満たしている場合、申告書のボックスに従業員がチェックを入れます。上述の寡婦控除は女性のみが対象ですが、ひとり親控除は性別を問わず適用されます。

勤労学生控除の対象になる場合も、ボックスに従業員がチェックを入れます。一定の要件を備えた各種学校の生徒や認定職業訓練を受けている人、勤労に基づく給与所得などがある人が対象です。

(5)他の所得者が控除を受ける扶養親族等の情報

従業員の同一世帯に2人以上の所得者がおり、かつ一定の要件を満たすケースにおいて記載してもらいます。例えば、夫婦で共働きしているケースなどが該当します。

同一世帯に2人以上の所得者がいる場合、同一人物をそれぞれの扶養親族として重複申告することはできません。夫が子どもを扶養親族とした場合には、妻は「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」欄に子どもと夫の情報を記入します。共働きで、夫が長子を、また妻が次子を扶養親族とするなど、同世帯内で扶養親族を分けて、控除を受けることは可能です。

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書の書き方

基礎控除申告書は、「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」「所得金額調整控除申告書」の3つが含まれた、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という書類です。1枚の書類の提出で、3つの控除を受けることが可能です。

なお、2024年(令和6年分)に関しては、「定額減税のための申告書」の内容が追加され、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という書類名称になっています。

基礎控除はすべての従業員が控除対象となるため、配偶者控除や所得金額調整控除が適用されない従業員にも記載および提出してもらわなくてはなりません。詳細な書き方はこちらの記事で解説しています。

基礎控除申告書の書き方

基礎控除申告書に記入するのは、対象となる年の合計所得金額の見積額と、それに応じた控除額です。申告書を記入する時期は、一般的にその年の収入が確定する前となるため、本人の収入金額・所得金額は見積額を計算して記入することになります。

①「収入金額」にはすべての収入金額を記載します。週末だけアルバイトをしている、といったケースでは、アルバイト先で支払ってもらった給与も含めた合計額を記載してもらいましょう。②には従業員に支払った給与から給与所得控除額を差し引いた数値を、③には給与以外の合計所得を、④にはすべての所得合計額を記載してもらいます。

⑤「控除額の計算」は基礎控除額を判定する欄です。④に記載した金額に該当する欄のボックスにチェックを入れてもらいましょう。④に記載した数字が900万円以下なら判定はAとなるため、⑦にはAと記載し、⑥には判定欄に表記されている基礎控除額の数値を記載してもらいます。また、⑤「控除額の計算」でチェックを入れた金額が定額減税対象となる場合は、⑧「本人定額減税対象」にチェックを入れます。

配偶者控除等申告書の書き方

配偶者控除や配偶者特別控除の対象となる従業員には、用紙右側の給与所得者の配偶者控除等申告書に記載してもらう必要があります。①の欄には、従業員の配偶者氏名、(会社の指示があれば)マイナンバー、生年月日などの基本情報を記載してもらいます。

②に記載するのは、給与収入の合計金額(見積額)です。仕事を掛け持ちしているなど、勤め先が複数ある場合にはすべての合計金額を書いてもらいましょう。③には給与所得の合計金額を、④には給与以外で得た所得の合計金額を記載してもらいます。

⑤に記載するのは③と④の合計額です。配偶者の年齢と⑤に記載した金額に基づき、判定欄の該当項目にチェックを入れ、表記されている数字を区分Ⅱの欄に入力してもらいます。控除額の計算表で確認した控除額から控除の種類をチェックし、配偶者控除の額または配偶者特別控除の額を記入してもらえば完了です。

所得金額調整控除申告書の書き方

書式の下部左側に設けられた要件欄に表記されている項目から、該当している部分にチェックを入れてもらいます。該当箇所が複数ある場合は、どれか1つを選びます。チェックした項目によって、記載が必要な情報が変わります。

例えば、「あなた自身が特別障害者」を選んだ場合は、右の★欄のみに記載してもらい、「扶養親族が年齢23歳未満」にチェックした場合には☆欄に記載してもらわなくてはなりません。なお、基礎控除申告書などと異なり、当該申告書では控除額を記載してもらう必要はありません。

給与所得者の保険料控除申告書の書き方

従業員が保険料控除の対象となる場合には、保険料控除申告書を提出してもらいます。対象となるのは、生命保険や地震保険、社会保険、小規模企業共済などに加入している従業員です。

1枚の申告書に記載するスペースがまとめられているため、従業員が複数の申告書類を提出する必要はありません。詳細な書き方はこちらの記事で解説しています。

生命保険料控除欄の書き方

はじめに、生命保険料控除証明書を準備します。生命保険料控除証明書は、10月中旬から下旬にかけて保険会社から被保険者へ送られるのが一般的です。加入している保険の新旧や保険料の種類を確認し、申告書下部にある計算式に当てはめて計算します。それぞれ算出された金額を生命保険料控除の欄に記載します。なお、生命保険料控除には上限が定められています。保険の種類や新旧によって控除額は変わります。

地震保険料控除欄の書き方

地震保険料控除の記載も、保険会社から送られてくる控除証明書の情報をもとに進めます。記載が必要なのは、保険会社等の名称と保険等の種類、保険期間、契約者の氏名、保険料の区分、控除額などです。

加入している地震保険が1つであれば、控除証明書に記載されている保険料をAと、BまたはCへ記載します。長期の積立損害などにも加入している場合はその金額も記載し、計算したうえで最終的な控除額を記載してもらいましょう。

社会保険料控除欄の書き方

従業員の勤務先が社会保険に加入しておらず、従業員自身で国民健康保険や国民年金保険料などを納めているケースでは、社会保険料控除の欄に記載してもらいます。また、年の途中で就職した、親や配偶者の代わりに国保や国民年金の保険料を納めているケースも同様です。

記載してもらう情報は、社会保険の種類と保険料納付先の名称、保険料を負担する人、本年中に納付した保険料の金額です。国民年金と国保、どちらも金額を記載したら、合計控除額を記入しましょう。

なお、従業員が社会保険料控除を受けるには、別途書類を提出してもらわなくてはなりません。国民年金なら国民年金控除証明書を、国民年金基金は社会保険料控除証明書を提出してもらいます。国保については提出義務がありませんが、必要に応じて自治体の納入通知書などを提出してもらいましょう。

小規模企業共済等掛金控除の書き方

小規模企業共済等掛金控除欄は、書類の右下に設けられています。小規模企業共済と企業型確定拠出型年金、個人型確定拠出年金、心身障害者扶養共済掛金の4項目で構成されており、企業が把握していない金額を従業員に記載してもらいます。

企業が給料から掛金を天引きしている場合は、通常は記載不要です。その一方で、個人型確定拠出年金(iDeCo)は従業員自身が加入して運用するため従業員に記載してもらいます。

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の書き方

住宅ローン控除の対象となる従業員に提出を求める書類です。住宅ローン控除は、控除を受ける初年度は年末調整での申告ができないため、従業員自身に確定申告をしてもらう必要があります。

当該申告書は従業員本人に申告書類が送られてきます。控除期間が10年の場合、初年度を除く9年分、つまり9枚の申告書が送られてきます。書類上部に「令和〇年分」と記載されているため、誤って違う年の用紙が使われていないか確認しましょう。詳しい書き方はこちらの記事で解説しています。

新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高(1)

12月31日時点のローン残高を記入します。住宅ローンが「住宅のみ」ならA欄、「土地等のみ」ならB欄、「住宅及び土地等」ならC欄です。2か所以上の金融機関からローンを借りている場合は、合算した金額です。

住宅借入金等の年末残高(2)

連帯債務者がいない場合、(1)の額を転記します。連帯債務者がいる場合は申請者が負担する割合と、その負担割合に応じた金額を記入します。

(2)と証明事項の取得対価の額または増改築等の費用の額のいずれか少ない方の金額(3)

次に調べるのは「取得対価の額または増改築等の費用」です。住宅借入金等特別控除申告書の下部にある「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」に記載されています。
「取得対価の額」や「増改築等の費用」の欄(ロ欄・ホ欄・リ欄) と(2)を比較し、少ない方の金額を(3)に記入します。取得対価の計算方法は、例えば住宅と土地を購入した場合「ロ欄+ホ欄」です。

(3)×「居住用割合」(4)

(3)の金額に居住用の割合を掛けた数字を入れます。例えば、住宅がすべて居住用なら、住宅借入金等特別控除証明書の「居住用割合(へ欄)」は100%です。その場合、(3)の金額をそのまま転記します。

住宅借入金等の年末残高等(5)

(4)の金額を転記します。「住宅のみ」と「土地等のみ」の両方を記入した場合は、合算した金額です。

特定増改築等の費用の額(6)/特定増改築等の費用の額に係る住宅借入金等の年末残高等(7)

(6)と(7)は、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受ける方用の項目です。2022年以降、住宅ローンを利用し特定増改築などを行った方は、特定増改築等住宅借入金等特別控除が受けられません。該当しない方は空欄にします。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額(8)

(5)の金額に、申告書に印字されている率を掛けた金額を記入します。100円未満は切り捨てです。

2024年(令和6年)の年末調整に関する注意点

2024年6月から実施されている施策が定額減税です。

政府はデフレ脱却を目的とした経済施策の1つとして、定額減税制度を打ち出しました。定額減税は、納税者やその扶養家族の税負担を軽くする施策です。税負担が軽くなる魅力的な制度ではあるものの、企業は従業員の減税額を算出しなくてはならないため業務負担が増加しています。

企業は従業員が扶養家族の情報を間違いなく申告しているかどうかを確認したり、対象者には年調減税事務を実施したりするなど、年末調整での対応を確認する必要があります。
定額減税についてこちらの記事で解説しています。

従業員の年末調整提出書類におけるポイント

年末調整にあたっては従業員からさまざまな書類を提出してもらう必要があります。従業員から書類の提出を受ける際には、以下のポイントを確認しておきましょう。

電子データで提出可能な書類

年末調整で必要な申告関係の書類は、従業員が自ら年末調整ソフトで手続きを完了し、電子データでの提出が可能なものがあります。また、保険料控除を受けるために必要な保険料控除証明書も、電子データで提出できます。

従来の年末調整手続きでは、従業員が保険会社などから紙の控除証明書を受け取り、その内容をもとに紙の申告書を作成し、控除証明書の原本と共に企業に提出していました。しかし現在では、保険会社などから電子データで受け取った控除証明書を、データのまま企業に提出することが可能です。
電子データで提出可能な申告書・控除証明書などは、以下のとおりです。

電子データで提出可能な年末調整関係書類

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書(定額減税も含む)

給与所得者の保険料控除申告書
住宅借入金等特別控除申告書

電子データで提出可能な控除証明書

生命保険料控除証明書
地震保険料控除証明書
社会保険料控除証明書
小規模企業共済等掛金払込証明書
国民年金保険料等控除証明書
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

同居親族の住所は「同上」「〃」を使用可能

年末調整の書類に同居する配偶者や親族の住所を記入する場合は、「同上」や「〃」を使用してかまいません。同じ住所を何度も書くのは手間がかかるので、記入例などで従業員に提示するとよいでしょう。

年末調整の提出書類は押印不要

2021年度(令和3年度)の税制改正により、年末調整関係書類には、原則として押印が不要になりました。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書などの提出書類にも、従業員の押印は必要ありません。

年末調整に必要な書類の書き方を知って、スムーズに手続きを進めよう

年末調整では、さまざまな書類を従業員から提出してもらう必要があり、不備があると業務を円滑に進められません。必要な書類の種類や書き方を正確に把握し、従業員から質問が出ても問題なく説明できる状態にしておきましょう。

年末調整にかかる業務を効率化するには、給与計算ソフト・サービスの導入がおすすめです。弥生のクラウド給与サービス「弥生給与 Next」は、勤怠情報を入力すれば残業代や社会保険料などは自動計算でき、作成した給与明細書は、Web配信で従業員のスマホ・PCに配付することができます。さらに年末調整に必要な控除申告書の回収、法定調書の作成、源泉徴収票の従業員への配付もオンラインでスムーズです。 自社に合った給与計算ソフト・サービスを活用して、年末調整業務を効率良く進めましょう。

弥生のクラウド給与サービスなら給与計算・年末調整がスムーズに

弥生のクラウド給与サービスは、初心者でも給与・賞与計算から年末調整まで、”かんたん”に行えるソフトです。
従業員規模や利用目的など、お客さまに最適な「給与計算ソフト」をお選びいただけます。
今なら初年度無償で使えるキャンペーンを実施中です!
まずはお気軽にお試しください。

年末調整までご自身で行いたい方におすすめな「弥生給与 Next」

弥生給与 Nextは、毎月の給与計算から年末調整業務を効率化するクラウド給与ソフトです。
勤怠情報を入力すれば残業代や社会保険料などは自動計算で、給与明細書の作成はラクラク。
また作成した給与明細書は、Web配信で従業員のスマホ・PCに配付することができます。
さらに年末調整に必要な控除申告書の回収、法定調書の作成、源泉徴収票の従業員への配付もオンラインでスムーズです。

年末調整の法定調書作成を委託されている方向けの「やよいの給与明細 Next」

やよいの給与明細 Nextは、年末調整を会計事務所に委託している方にピッタリのソフトです。
給与・賞与明細書の作成から配付はオンラインでスムーズ。
年末調整は控除申告書のWeb回収まで可能です。

  • 年末調整の法定調書作成を自社で対応したい方は弥生給与 Nextをお申し込みください。

また、外部委託先へデータ連携の共有がかんたんだから、データの転記や控除申告書のPDF化などの手間が大幅に削減されます。

この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
「日本で一番喜ばれる数の多い会計事務所グループになる」
この夢の実現に向けて、全力でご支援しております。
解決できない経営課題がありましたら、ぜひ私たちにお声掛けください。必ず力になります。

カテゴリ一覧

    人気ランキング

      初心者無料ダウンロード資料

      無料ですべてのお役立ち資料をダウンロードできます。

      「給与ソフトの選び方」がよくわかる資料

      給与計算ソフトを選ぶポイントを社労士が解説!
      初めて従業員を雇う経営者や、Excelで給与計算をしている担当者におすすめ

      「弥生のクラウド給与サービス」がよくわかる資料

      クラウド給与ソフトのラインアップ、それぞれの特長や料金プランを解説!
      自社に合った給与ソフトをお探しの方におすすめ!

      その他のお役立ち資料を見る