法令改正情報

スキャナ保存制度を適用するために備える要件

スキャナ保存制度に対応するためには、法律で定められた要件を満たす必要があります。

スキャナに関する要件

書類を読み取り、画像データとして保存する機器(スキャナ)に関する要件は、以下のとおりです。

国税関係書類の重要度
高~中
スキャナ スキャナ、デジタルカメラ、スマートフォンなど、一定水準以上の解像度およびカラー画像による読み取りができるもの
解像度 200dpi相当以上であること
画像 赤・緑及び青の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)であること
先に加え、白黒階調(いわゆるグレースケール)も可

※ 国税関係書類の重要度については、スキャナ保存制度の対象となる国税関係書類の範囲表-国税関係書類の重要度を参照

システムに関する要件

次の要件を満たすシステムで、電子データを適切に管理する必要があります。

国税関係書類の重要度※1
高~中
タイムスタンプ 生成された電子データごとにタイムスタンプを付す
※ 領収書等を受領した者が電子データを生成する場合は、受領後、受領者の署名の上、おおむね3営業日以内(注1)にタイムスタンプを付す
読み取り情報 解像度、階調および国税関係書類のサイズに関する情報を保存する
※ 領収書等を受領した者が電子データを生成する場合は、受領後、受領者の署名の上、おおむね3営業日以内(注1)にタイムスタンプを付す。ただし、受領者と別の者が原本と電子データの内容が同じことを全件確認する体制がある場合は、早期入力方式(おおむね7営業日以内(注1))や業務サイクル方式(最長2か月とおおむね7営業日以内(注1))を採用することも可能
サイズに関する情報は不要
バージョン管理 国税関係書類の電子データを訂正、または削除した場合は、その事実および内容が確認可能
入力者等情報 国税関係書類を登録した人、またはその者を管理する人に関する情報が確認可能
帳簿との
相互関連性
国税関係書類とそれに対応する帳簿との間で相互にその関連性を確認可能
検索機能※2 ※3 次の要件による検索が可能
  • ・取引年月日その他の日付、取引金額その他主要な記録項目での検索
  • ・日付又は金額の範囲を指定して検索
  • ・2以上の任意の項目を組み合わせて検索

※1 国税関係書類の重要度については、スキャナ保存制度の対象となる国税関係書類の範囲表-国税関係書類の重要度を参照

※2 速やかに表示できるシステムである必要があります

※3 2019年度(令和元年度)税制改正により、以下のとおり改正されました。
改正前:国税関係書類別に検索できること
改正後:国税関係書類別または勘定科目別に検索できること

(注1)受領等の後、休日等をまたいで入力することも勘案して、3(7)営業日を基本とされましたが、業種業態によっては必ずしも3(7)営業日以内に入力することができない場合に一律に排除することは経済実態上合理的ではないことと判断された結果、「おおむね」3(7)営業日以内とされています。
自社の事例においてどのように取り扱われるかについては、所轄税務署にお尋ねください。

なお、以下の(注1)について同様となります。

経理方法に関する要件

スキャナ保存制度の対象となる国税関係書類を電子データにするタイミングは、実際の業務に合わせ、次の2つの方法のいずれかを選択します。

国税関係書類の重要度
高~中
早期入力方式 国税関係書類の受領後おおむね7営業日以内(注1)に電子データを作成する
業務サイクル方式 業務の処理に係る通常の期間(注2)を経過した後、おおむね7営業日以内(注1)に電子データを作成する
適時に電子データを作成

※ 国税関係書類の重要度については、スキャナ保存制度の対象となる国税関係書類の範囲表-国税関係書類の重要度を参照

(注2)最長2か月までは通常の期間として扱われます。

例えば、3/1に受領した領収書をスキャナ保存制度に対応し電子データとして保存する場合のスケジュールは次の通りです。

早期入力方式 3/1 領収書 タイムスタンプ付与など おおむね7営業日以内(注1) → 3/7 バージョン管理帳簿との相互関係 情報処理サイクル方式 3/1 領収書 タイムスタンプ付与など 最長2か月+おおむね7営業日以内(注1) バージョン管理帳簿との相互関係

※ 領収書等を受領した者がスマートフォンやデジタルカメラなどを利用して電子データ化する場合は、受領後に受領者署名の上、おおむね3営業日以内(注1)にタイムスタンプを付す必要があります。ただし、受領者と別の者が原本と電子データの内容が同じことを全件確認する体制がある場合は、早期入力方式や業務サイクル方式を採用することも可能です。

組織体制に関する要件

スキャナ読み取りの前段階、紙の書類で行われる改ざん等の不正を防ぐ観点から、次の事項に関する規程を定め、それに基づき各事務を処理する「適正事務処理要件」を満たす必要があります。これらは国税関係書類の作成または受領から、スキャナ読み取りまでの各事務に関わります。

なお、小規模企業者の場合は、「定期チェック」を税理士などの税務代理人が行うことで、「相互けん制」の要件が不要です。

要件 要件として求められている内容
相互けん制 相互に関連する事務について、それぞれ別の者が行う体制 最低限、スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認し、タイムスタンプを付す事務とこれ以外の事務について、それぞれ別の者が行う体制を整備しなければならない
定期チェック 各事務に係る処理内容を確認するための定期的な検査を行う体制及び手続

事務を担当している者以外の者が、以下のとおり検査を実施する体制を整備しなければならない。

特に重要な事業所(本店等):1年に1回以上
その他の事業所:おおむね5年のうちに1回以上
再発防止策 各事務に係る処理に不備があったと認められる場合において、その報告、原因究明及び改善のための方策を検討する体制 最低限、経営者を含む幹部に報告を行い、検討が行われるような体制を整備しなければならない

小規模企業者以外の場合は、スキャナ保存制度に対応するため最低限3名が必要です。

書類をスキャナで取込む者 取込んだ電子データをチェックする者 正しく事務がされているか定期的にチェックする者

小規模企業者の場合は、スキャナ保存制度に対応するため最低限2名が必要です。

書類をスキャナで取込む者 正しく事務がされているか定期的にチェックする者

※ 小規模企業者とは、常時使用する従業員数が5人以下(製造業等であれば20人以下)の事業者をいう。

その他の要件

その他、電子データを確認するための機器や、使用しているシステムの説明書などの備え付けが必要です。

国税関係書類の重要度
高~中
見読可能装置 一定の要件を満たした、カラーディスプレイ及びカラープリンター並びに操作説明書を備え付ける
グレースケールの場合は、ディスプレイおよびプリンタはカラーである必要はない
表示・印刷等 整然とした形式や4ポイント以上の大きさの文字を認識できる、速やかに検索し出力できる
システム書類 スキャナ保存制度に対応したシステムの概要を記載した書類等を備え付ける

※ 国税関係書類の重要度については、スキャナ保存制度の対象となる国税関係書類の範囲表-国税関係書類の重要度を参照

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