納品書の送付状テンプレート|送付状の役割、書き方と例文も紹介
監修者:市川 裕子(ビジネスマナー監修)
2024/09/26更新
納品書などの書類を取引相手に送る際は、何を送ったのかを確認しやすくするために送付状を付けるのが一般的です。しかし、どのような形式や文章にしたらよいのでしょうか。
納品書の送付状は、商品と同梱する、あるいは郵送・メール・FAXで送るというケースが考えられます。本記事では、それぞれのシーン別に、適した文面や注意したいポイントについて紹介します。
納品書の送付状テンプレート
送付状の書式に定められた形式はありません。以下に、いくつかの書式を紹介しますので、気に入った内容を参考にして、使いやすいテンプレートを作成することをおすすめします。
一言添えたい人向けの送付状テンプレート
手書きのメッセージを書き込めるタイプの送付状テンプレートです。主な同封物を記載し、該当する同封物をチェック枠にチェックを入れて使用します。さまざまな書類を送るときに効率よく使用できるタイプです。
事前に印刷してストックしておくことで、納品ごとに送付状を作成して印刷する手間がかかりません。
また、下のメッセージ欄に手書きで一言添えることもできます。挨拶や日頃のお礼など相手先によって文面を変えることが可能で、さらに丁寧な印象を与えられることで印刷よりも読み過ごされることがないのがメリットです。
ただし、挨拶以上のメッセージ(補足情報など)を手書きで入れた場合はコピーまたはスキャンするなどして、手元に控えを残しておくことが良いでしょう
シンプルな納品書の送付状テンプレート
納品書の送付に特化したシンプルなデザインのテンプレートです。差出人の住所、会社名、電話番号、担当者名も添える場合は、宛先よりも下に右詰めで記載します。
部署名・担当者名付きの送付状テンプレート
相手先の担当者がわかっている場合、宛先の会社名のあとに部署名や担当者名を明記します。宛先は、日付よりも下の左側に記載します。
会社名や部署だけなら「御中」を付けますが、個人名を記載する場合は必ず「様」を付けてください。社外の人に対して「山田太郎部長」「佐藤一郎課長」と役職を敬称代わりに記載するのは誤りです。
役職を付ける場合は、◯◯部◯◯部長 山田太郎様、◯◯部◯◯課◯◯課長 佐藤一郎様のように個人名の前につけましょう。会社名や部署の名称が長い場合は、バランスを見て適宜改行します。
納品書を郵送で送る場合の例文
送付状は、同封する書類の種類が多いときに漏れがないか確認するためのものと思う方もいるかもしれませんが、たとえ1枚の納品書を送る場合でも送付状を添えるのがビジネスマナーです。送付状は、書類送付のミスを防ぎ、先方に書類を確認してもらいやすくするほか、発注のお礼を述べたり、問い合わせの際の担当を知らせたりすることができます。
以下に、納品書を郵送する場合の送付状の例文を紹介します。なお、商品と同梱する場合も同様です。
20XX年X◯月X◯日
◯◯株式会社
◯◯部◯◯課
課長 ◯◯様
東京都◯◯区◯◯◯◯
Tel.◯◯◯◯
株式会社◯◯
◯◯部◯◯課
◯◯
納品書送付のご案内
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
納品書を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
敬具
記
・納品書 一通
以上
20XX 年◯月◯日
株式会社◯◯ ◯◯部 御中
東京都◯◯区◯◯◯◯
Tel.◯◯◯◯
株式会社◯◯
◯◯部◯◯課
◯◯
書類送付のご案内
拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご隆昌の段お慶び申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜り深く感謝申し上げます。
下記の通り、書類を送付させていただきますので、よろしくお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、お手数ですが上記◯◯までお問い合わせください。
敬具
記
・納品書 1通
・請求書 1通
以上
納品書をメールで送る場合の例文
納品書をメールで送る場合はメール本文に納品書を添付して送る形が一般的です。電子帳票システムを使って納品書を送信することもできます。ただし、添付する際はデータ(PDF)にすることが必要です。安易に送信せずに適した内容になっているかを十分確認して送信しましょう。
メールの件名に納品書を添付したことを明示します。「納品書送付のご案内/◯◯株式会社」や「◯◯の納品書のご送付について【◯◯株式会社】」など、内容がひと目でわかるようにしましょう。
日頃メールでやり取りしている相手なら、あまり堅苦しい文面にする必要はありません。用件のみ簡潔に伝えるとよいでしょう。
◯◯株式会社
◯◯様
いつもお世話になっております。
先日ご注文いただきました◯◯を本日納品させていただきました。
つきましては、納品書を本メールに添付いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
なお、万が一ファイルが開けない場合はお手数ですがご連絡ください。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
株式会社◯◯
◯◯
TEL.◯◯
◯◯
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
先日は、◯◯をご注文いただきましてありがとうございました。
早速ですが、納品書を添付いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
〈添付ファイル〉
・納品書1通
株式会社◯◯
◯◯
TEL.◯◯
E-mal◯◯
担当◯◯
納品書をFAXで送る場合の例文
FAXでも納品書を送ることが可能です。ただし、いきなり納品書を送るのではなく、FAX送信状を付けて送ることがマナーです。
FAXで送る際は、受取先のFAXの機種によっては文字がつぶれて読みづらくなることがあるため、見やすい大きさの文字ではっきりと記載することが大切です。
普段使っているFAX送信状があればそれを利用しても構いません。以下に、文例を紹介します。
FAX送信のご案内
◯◯株式会社
◯◯様
株式会社◯◯
◯◯部〇〇課
TEL.◯◯
FAX.◯◯
担当◯◯
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素より格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
さて、先日ご発注いただきました◯◯◯の納品書を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
・納品書 1枚
以上
FAX送信状
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
拝啓 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
さて、本日FAXにて納品書を送付させていただきました。
ご確認のうえ、内容に相違がございましたら、ご連絡いただきますようお願いいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
株式会社◯◯
TEL.◯◯
FAX.◯◯
担当◯◯
納品書の送付状を作成に必要な項目
送付状は、書類の抜け漏れや誤りがないか確認するために添える書類です。また、挨拶状のような役割も果たします。送付状の形式は特に決まってはおりませんが、基本的には以下の内容を入れればよいでしょう。
-
1.日付
-
2.宛名
-
3.件名
-
4.本文
-
5.末文
納品書の送付状を作成する際のポイント
送付状一枚と言っても、会社を代表して取引先相手へ送る書類です。相手の立場に立って読みやすく、ビジネスマナーに沿った内容にする必要があります。
納品書の送付状を作成するときは、以下のポイントに注意しましょう。
読みやすさを意識して簡潔に作成する
納品書は、納品物の数量や単価、合計金額などを相互に確認するための書類です。送付状は、その納品書を送付する案内であり、送付状自体に重要な意味はありません。そのため、相手に無駄な時間を取らせないよう、記載する内容は必要最低限にとどめ、見やすくすっきりとした文面に仕上げることが大切です。
送付状に重要なメッセージを記載することも避けましょう。大切な用件を伝える必要がある場合は、送付状とは別に書面を作成するのが礼儀です。
できるだけ用紙1枚に収める
前述の通り、送付状にはさまざまなメッセージを加える必要はありません。2枚以上にわたる送付状は相手に負担を与えてしまいます。無駄なことを書いていないか、1枚にまとめることはできないか、読み返してみましょう。
送付書類が多く、どうしても2枚になってしまう場合は、送付書類を2枚目にまとめて記載し、1枚目に「送付書類は別紙をご覧ください。」と記載すると、読みやすくなります。2枚目の最後に「以上」と記載して、文書の終わりを明示しましょう。可能であれば、できるだけ1枚に収めるのがベストなので、最後に内容を見直すことをおすすめします。
誤情報や誤字がないように注意する
送付状は添え状であり、それ自体にあまり重要な意味を持ちません。とはいえ、宛名に誤字があったり、内容に間違いがあったりすると粗雑な印象を与えてしまいます。相手にとって役職や名前を間違われるのは気持ちのよいものではなく、失礼にあたるため気をつけましょう。
納品書の送付状はテンプレートの活用も可能です
納品書の送付状は、あまり難しく考える必要はないものの、一定の必要項目を記載する必要があります。見本となるテンプレートを活用して、自社に合った形にして作成するとよいでしょう。
書類はさまざま多岐にわたります。それぞれの送付状を作成することが負担になるという場合は、「Misoca」などの請求書作成サービス(納品書も作成可能)を利用するのが便利です。見栄えのよいビジネス文書を素早く作成ることができ、効率よく対応することが可能です。管理も簡単なので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者市川 裕子(ビジネスマナー監修)
マナーアドバイザー上級、秘書検定1級、ビジネス実務マナー、硬筆書写検定3級、毛筆書写検定2級、収納アドバイザー1級、など。 出版社や人材サービス会社での業務を経験。秘書業務経験よりビジネスマナーとコミュニケーションの重要性に着目し、資格・スキルを活かし、ビジネスマナーをはじめとする各種マナー研修や収納アドバイザー講師として活動。