英語の請求書や宛名の書き方は?例文を交えて表記方法をご紹介
監修者: 市川 裕子(ビジネスマナー監修)
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国外に請求書などの文書を郵送する場合、一般的に封筒の宛名や住所は英語で表記することが国際的なルールです。国際郵便では、封筒の表記方法が送り主と相手先の情報で記載位置が国内郵便と異なり、「赤字にする」「下線を引く」などの表記ルールもあります。また、国外の企業宛にメールで請求書を送付する場合も、英語で件名や本文を作成することがほとんどであり、特に件名の文章は意識しなければなりません。本記事では、請求書を送付する国際郵便とメールそれぞれの宛名の書き方や注意点を解説します。
英語の請求書の宛名(送り主・相手先)の書き方
英語での請求書の宛名の書き方を解説します。
送り主の書き方
送り主とは、書類・品物などの差出人つまり自社・自分のことです。一度、送り主の情報を英語で作成し保存しておくと、繰り返し使用できて効率的です。
住所の書き方は、国内郵便と国際郵便では逆になるので注意が必要です。国内郵便の住所の書き方は郵便番号から始まり、都道府県、市区群、町村、番地、建物名で終わるのが順ですが、国際郵便の住所の書き方は建物名から郵便番号まで逆の順に表記し、最後に国名を入れます。
実際に、国内郵便の住所を書くと以下の表記になります。
From:
発送元の担当者名
会社名・屋号
番地 町村名
市区群名 都道府県名
郵便番号 日本
これを英語表記に変換すると以下の表記になります。
From:
Jibun Taro
ABC DEFG Ltd.
1-1-1, Nihon-machi
Nihon-shi, Tokyo
123-4444 JAPAN
英語で住所を表記する際の注意点として、「l(小文字のエル)」「I(大文字のアイ)」「1(数字のイチ)」など、手書きでは見分けがつきにくい文字があるため、すべて大文字で書くか、先頭文字のみ大文字で書くなどの読みやすい工夫が求められます。
また、「Mr.」や「Ms.」などの敬称は、送り主の名前に付けるものではないので、その点は注意しましょう。
相手先の書き方
宛先となる相手先の情報は、送り主の情報より大きく目立つように表記することが基本です。また、先頭に「To:」を付けると一目で宛先情報であることがわかります。
実際に、アメリカの一般的な住所を例にして書くと以下の表記になります。
To:
受取人名(役職)
取引先会社名
部署名
番地 ストリート名
市名 州名 郵便番号
国名
これを英語表記に変換すると以下の表記になります。
To:
Mr. ANATA Smith, President
◯◯◯ Marketing Inc.
Attention: General Affair Department
789 Sample Street
Washington, DC 20500
U.S.A
部署名の前に表記されている「Attention:」は、宛先を強調する場合に「Attention: 担当者名」や「Attention: 部署名」のように使用します。また、「Attention:」の代わりに、「ATTN:」を表記する場合もあります。
英語で宛名を封筒に書くときのルール
英語で宛名を記載するときのルールを解説します。
送り主は左上・相手先は中央付近から右下に書く
封筒に送り主と相手先の情報を記載する際は、必ず左上に送り主、中央付近から右下に相手先の情報を記載します。これは、人間の視線は本能的に左上から右下に向かって流れるためです。
送り主と相手先の情報を逆に表記してしまった場合は、郵便物が返送されたり配達が遅延することがあるため、注意深く、正しく記載しましょう。
国名には赤の下線を引く
国名は赤の下線を引く、あるいは太字で書くなどして目立つようにしなければなりません。国際郵便では、国名が正しく書かれていないと、その他の情報だけでは正しい住所が判別できず郵便物が返送されてしまうことがありますので、忘れないよう注意が必要です。
また、封筒の左下には航空便を示す「VIA AIR MAIL」を赤字で大きく表示します。
英語での封筒の書き方の例
「Attention: 担当者名」は、「担当者様へ」といった意味に使われます。また、「General Affair Department」は「総務部」を表しています。担当者名がわからない場合は、「Attention: 部署名」でも問題ありませんが、郵便物が迷子にならないように、この「Attention:」を使用することをおすすめいたします。
細かな点で注意が求められるため、基本となる内容を作成・保存しておけば、必要な際に慌てることなく郵送でき便利です。
英語の請求書の記載例
国外取引の請求書に記載されている項目やフォーマットは、基本的に国内取引で使用するものとほとんど変わりません。したがって、普段使用している日本語の請求書やインターネットで配布されているテンプレートなどを英訳するだけで、国外取引用に使用可能です。
以下に、請求書の主な記載項目の英訳例を紹介します。参考にしてください。
【請求書の項目の英訳例】
- 請求書/INVOICE
請求書の発行日/Date
請求書番号/Invoice No
請求先/Billed to
請求者情報/Company name, Address, Phone number, E-mail address
登録番号/Registration number
請求明細/Description
金額(小計・合計)/Sub total, Total amount
消費税額/Tax
支払期限/Payment deadline
振込先情報/Remittance information
英語の請求書をメールで送る場合のポイント
英語の請求書をメールで送る場合は、請求書が添付されていることが一目でわかる件名を記載することが重要です。件名はメールの受信後に最初に見る部分です。したがって、件名を見て重要なメールであることが認識できれば、見落としや支払い遅延などの予期せぬトラブル発生を回避できます。
また、件名に「Invoice」や「日付」、「請求書番号」などのキーワードを含めた方が後から検索しやすくなるため、お互いにとって作業・進捗管理がスムーズです。
【メール件名の例】
- 例1:Invoice for 商品名またはサービス名 on 取引日
例2:Invoice 請求書番号 for 取引先名
例3:Invoice 取引番号 for 商品名またはサービス名 due 支払期限
英語のビジネスメールの宛名の書き方
英語でビジネスメールを送る際の宛名は、相手との関係性に合わせて敬称を使い分けます。
「Dear Mr./Ms. 名字, 」
ビジネスメールでは、この形が最も基本的かつフォーマルです。
例:Dear Ms. Smith、Dear Mr. Anderson
「Dear ファーストネーム 名字, 」
相手の性別がわからない場合はDearに続けて下の名前からフルネームを記載します。
例:Dear Olivia Smith、Dear Matthew Anderson
「Dear ファーストネーム」
すでに相手と面識があり一定の関係を構築できている場合は、この書き方でも問題ありません。
例:Dear Olivia、Dear Matthew
「Dear Dr./Prof. 名字, 」
相手が医者や学者、教授などの職業上の敬称がある場合は、Mr./Ms.よりもこちらの方がフォーマルです。
例:Dear Dr. Brown、Dear Prof. Williams
「Dear 部署名/役職名」
担当者の名前がわからない場合は、部署名や役職名を直接記載する方法もあります。
例:Dear Sales Department staff、Dear Hiring Manager
「Dear お客様/お得意様」
お客様宛に送る場合は、「Customer」を使用することも可能です。
例:Dear Customer、Dear Valued Customer
ビジネスメールに使用すべきではない宛名や敬称は以下の通りです。
「To Whom It May Concern」
日本語で表すと「関係各位」「ご担当者様」などを意味します。推薦状や証明書など、発行者が宛先を知らない書類などで使用されるフォーマルな言葉ですが、請求書送付の宛名としては、誰に宛てた内容か相手に判別してもらえない可能性があるため、使用を避けた方が無難です。
「Mrs. 名字/Miss. 名字」
「Mrs.」は既婚の女性に対する敬称で、「Miss.」は未婚の女性に対する敬称ですが、ビジネスメールでは既婚と未婚どちらでも使用可能な「Ms.」が適切です。
「Hi, ファーストネーム」
日本語で表すと、「こんにちは」「やあ」などを意味します。友人宛てなら問題ありませんが、カジュアル過ぎるためビジネスメールには適していません。
請求書が他人に届いてしまわないよう宛先は正しく書こう
本記事では、「英語の請求書や宛名の書き方」について郵送の場合とメールの場合の2パターンに分けて解説します。
国際郵便で英語の請求書を送る場合のポイントは以下の通りです。
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①住所の書き方は国内郵便と逆で、建物名、番地、町村、市区群、都道府県、郵便番号、国名の順で記載する
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②送り主の情報は封筒の左上、相手先の情報は中央付近から右下に記載する
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③国名には赤の下線を引き、封筒の左下には「VIA AIR MAIL」と赤字で大きく表記する
-
メールに英語の請求書を添付して送る場合のポイントは以下の通りです。
-
-
①メールの件名に「Invoice」や「日付」、「請求書番号」などのキーワードを含めて、一目でわかるようにする
-
②相手との関係性に合わせて、宛名を使い分ける
-
国外企業との取引の際に、英語で請求書を作成して送付する作業は、国内企業との取引の際の請求事務と比べて大変だと感じるかもしれません。しかし、言語の違いなど一部のルールを除けば、請求書の項目や宛名などの表記は国内取引の事務作業と手間はほとんど変わりません。基本を押さえられていれば、慌てず不手際などもなく対応できるでしょう。
英語の文例集やテンプレートなどを使用して、英語版のフォーマットをあらかじめ作成しておくことで、必要なときにスムーズに作業できるので、この記事内の英訳例などを活用してみてください。
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この記事の監修者市川 裕子(ビジネスマナー監修)
マナーアドバイザー上級、秘書検定1級、ビジネス実務マナー、硬筆書写検定3級、毛筆書写検定2級、収納アドバイザー1級、など。 出版社や人材サービス会社での業務を経験。秘書業務経験よりビジネスマナーとコミュニケーションの重要性に着目し、資格・スキルを活かし、ビジネスマナーをはじめとする各種マナー研修や収納アドバイザー講師として活動。
