請求書の出し忘れが発覚。売掛金に時効はありますか?
2024/04/30更新
過去の売上データをさかのぼっていると、請求書を送り忘れており、入金のされていない売上が発覚。いまからでも請求し直す事はできるのでしょうか?売掛金に時効はあるの?
売掛金の消滅まで5年
売掛金(債権)という権利を持っていても、5年を経過していたらそれは「消滅時効」ということになります。よって5年以上前の請求忘れの場合、法律的に時効が成立しているので請求できないことになります。
なお、2020年(令和2年)に民法が改正され、これまで2年だった時効期間が5年になりました。2020年4月以降に発生した売掛金については、時効は5年です。2020年3月以前に発生した売掛金については、時効は2年です。
時効の中断
「売掛金の回収はできていないけれど請求書は毎月送っているから時効にはなっていない」と言われますが、その考え方は間違いです。
支払いの督促などをせず滞納を放置したまま5年間が過ぎると相手方は消滅時効を援用して、請求を断れるようになってしまうのです。通常の請求行為では時効の中断をすることはありません。なお、相手方に対し、裁判所を通じた支払督促などの手続きをとれば、またその時点から時効が始まります。
期間延長の手続き
時効の前に気づいたら、6ヶ月の期間延長の手続きをすることができます。取引先と話合い、内容証明を郵送することで期間延長をし、延長された期間で法的手段(裁判等)を行使して時効の成立を回避するようにしましょう。
これはあくまでも法律的なことです。取引先と友好な関係にあり通常の請求行為を続けることで支払いをしてもらえることもあるでしょう。
ただし、売掛金には時効があることを理解しその期間内での回収を心がけることは必要だと思います。