見積書の依頼メールの書き方は?例文とポイント、受領後の流れを紹介
監修者: 高崎文秀(税理士)
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見積書を依頼したいけれど、どのようにメールを作成すればいいか、悩む方も多いでしょう。見積書依頼はビジネスにおいて取引の入口ともされる重要なやり取りです。
本記事では、基本的な書き方から重要なポイントや、例文・テンプレートを紹介します。ポイントを押さえれば相手企業との円滑なやり取りに役立ち、トラブル回避にもつながります。
また、見積書を受け取った後の流れも解説するので、見積書のやり取りでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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見積書の発行を依頼する方法
見積書の発行を依頼する方法は、口頭・電話・FAX・メールなどがあります。どの方法であっても、依頼前に必要な情報を整理し、依頼内容を明確にしておくことが重要です。
電話での依頼は、担当者に直接連絡するのがおすすめです。情報の取り違えがないよう、相手が依頼内容を理解できているか確認しながら進めましょう。また、業務の開始直後や終了直前、昼休憩、月末・月初などは避けるなど配慮をするとよいですね。
FAXで依頼する際は送付状を添付します。送付状には件名・送信元会社・担当者名・送信枚数、問い合わせ先を記載しておきます。
メールの場合は、本文に依頼内容を簡潔に記載し、見積依頼書はPDF形式に変換して添付しましょう。
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見積書の発行依頼におけるポイント
見積書の発行依頼をする際は、相手がスムーズに見積書を作成できるよう、必要な情報を正確に伝えることが重要です。
見積書の発行依頼時におさえておくべきポイントを詳しく紹介します。
予算や取引条件を明確にする
どの依頼方法であっても、見積書の発行を依頼する際は、予算や取引条件などを明確にすることが大切です。予算の上限や支払方法などの条件があれば先に述べ、商品や数量は箇条書きにします。見積依頼の必要性や経緯、理由を説明すると重要度が伝わりやすくなります。記載する内容は以下のような項目です。
-
- 予算(状況による)
- 商品、サービス内容
- 数量
- 納期
- 見積もり依頼の経緯や理由
- 回答期限
ていねいな言葉遣いを心がける
依頼される側にとって、見積書を発行することは義務ではありません。お願いする立場であることを忘れず、相手先と良好な関係を築くためにも、ていねいな言葉遣いで依頼しましょう。
本文中には「何卒よろしくお願いいたします」「~していただけますとさいわいです」などの文言を入れ、敬意を表す言葉を添えることが大切です。
回答期限を設ける
見積書発行の優先度を高くしてもらうため、回答期限を設けましょう。回答期限がないと後回しにされたり、作成依頼を忘れられたりする場合もあり得ます。
回答期限は、自社で都合のよい期限を設定します。その際、相手への配慮の言葉も付け加えましょう。
「お手数をおかけいたしますが」「ご多忙のところ申し訳ございませんが」など相手を気遣う言葉は好印象を与えます。
また、相手方が回答期限に間に合わない場合は、期限を延長するといった柔軟な対応も場合によっては必要です。
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見積書の依頼メールにおける注意点
見積書を依頼するメールは、相手先と最初のやり取りとなることも多く、内容や表現に注意が必要です。必要な情報が不足していたり、失礼な表現が含まれていたりすると、見積作成に時間がかかったり、信頼関係に悪影響となることもあります。見積もり依頼を円滑に行うために、以下の点をおさえましょう。
わかりやすい件名を付ける
メールで依頼する場合は、件名だけで見積書依頼であることを伝えること重要です。見積依頼だとわからない件名では、メールの開封・対応が後回しになったり、最悪の場合対応を忘れられたりする場合があります。以下のように、見積もり依頼だとわかる件名を付けて送信しましょう。
-
- 〇〇見積書ご送付のお願い
- 〇〇見積書作成のご依頼
- 〇〇見積もりのご依頼
相見積もりの場合はその旨を明記する
複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼する場合は、その旨を明記しておきます。
「他社へも見積もりを依頼しておりますが、貴社の実績を拝見しぜひ見積もりをお願いしたく存じます」
相見積もりであることを明記することで、取引の透明化やトラブル回避だけではなく、他社より好条件の見積もりを出してもらえる可能性があります。
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【例文】パターン別・見積書の依頼メールの書き方
見積書の依頼メールには、以下のパターンがあります。
-
- 初めて見積書を依頼する場合
- 既存の取引先に見積書を依頼する場合
- 急ぎで見積書を依頼する場合
- 相見積もりを依頼する場合
それぞれのパターンで重要なポイントをおさえ、失礼のないメールを作成しましょう。
初めて見積書を依頼する場合
初めて取引する相手に見積書を依頼する場合、自社の簡単な説明や依頼の経緯を説明しましょう。
件名:〇〇見積書ご送付のお願い
本文
株式会社●●
△△様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社□□の××と申します。
弊社は〇〇を専門にしておりますが、このたび貴社の商品「〇〇」につきまして導入を検討しており、見積もりをお願いしたくご連絡いたしました。
つきましては、以下の内容で見積もりをいただけますでしょうか。
【見積内容・条件】
- 商品名:〇〇
- 数量:100,000個
- 希望納期:20〇〇年△月×日〇時
来週の会議で検討するため、大変恐れいりますが〇月×日までに見積書を送付していただけますとさいわいです。お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
既存の取引先に見積書を依頼する場合
既存の取引先には、現在までの感謝の言葉を述べましょう。また、依頼内容を詳細に記載すると円滑な取引につながります。
件名:〇〇見積書ご送付のお願い
本文
株式会社●●
△△様
いつもお世話になっております。株式会社□□の××でございます。
弊社では貴社製品「〇〇」の導入を検討しており、見積もりをお願いしたくご連絡いたしました。
つきましては、以下の内容で見積もりをいただけますでしょうか。
【見積内容・条件】
- 商品名:〇〇
- 数量:100,000個
- 希望納期:20〇〇年△月×日〇時
お忙しいところ恐縮ですが、〇月×日までに見積書を送付していただけますとさいわいです。お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
急ぎで見積書を依頼する場合
急ぎで見積書を依頼したい場合、件名に【至急】と付け、本文にも至急である旨を記載しましょう。ただし、相手先に対し無理な要求とならないように配慮が必要です。
件名:【至急】〇〇見積書ご送付のお願い
本文
株式会社●●
△△様
いつもお世話になっております。株式会社□□の××でございます。
弊社では現在、貴社製品「〇〇」の売れ行きが好調のため、至急追加で購入したく見積もり依頼をご連絡いたしました。
つきましては、以下の内容で至急見積もりをいただけますでしょうか。
【見積内容・条件】
- 商品名:〇〇
- 数量:100,000個
- 希望納期:20〇〇年△月×日〇時
弊社の都合で恐縮ですが、△月〇日×時までに見積書を送付していただけると助かります。期限までのご回答や希望納期が難しい場合はご連絡いただけければさいわいです。お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
相見積もりを依頼する場合
相見積もりで見積書を依頼したい場合、件名に【相見積依頼】と付け、本文にもその旨を記載しましょう。依頼する側にも選択肢があることや、適正な価格での取引を促すことができます。
件名:【相見積依頼】〇〇見積書ご送付のお願い
本文
株式会社●●
△△様
いつもお世話になっております。株式会社□□の××でございます。
以下の見積もりを依頼したくご連絡いたしました。
なお、今回は他社様にも相見積もりをお願いしており、比較検討させていただく旨をご了承ください。
【見積内容・条件】
- 商品名:〇〇
- 数量:100,000個
- 希望納期:20〇〇年△月×日〇時
お忙しいところ恐れ入りますが、△月〇日×時までに見積書を送付していただけますとさいわいです。お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
期限までに返信がない場合
回答期限までに見積もりが送付されない場合は、進捗状況を伺うメールを送りましょう。
件名:〇〇見積書ご送付の件
本文
株式会社●●
△△様
いつもお世話になっております。株式会社□□の××でございます。
先日、〇〇の見積もりを依頼させていただきましたが、進捗状況はいかがでしょうか。
ご検討いただいていることと存じますが、ご不明点やご要望などがございましたら、ご連絡いただけますとさいわいです。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
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見積依頼への返信・見積書送付メールの書き方
ここまで見積もりを依頼する場合について紹介しましたが、見積もり依頼を受けた際の対応について解説します。
見積もり依頼を受け取ったら、24時間以内に返信するのが好ましいです。件名はそのまま返信でもよいですが「【確認依頼】〇〇見積書ご送付の件」「ご依頼のお見積もりについて」など、見積書依頼の返信であることがわかりやすい内容にしましょう。
なお、見積書メール送付の書き方と例文、注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
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受け取った見積書の断り方
見積書を受け取っても、取引に至らない場合があります。断る場合は迅速に連絡することが大切です。見積もりを依頼した段階で、材料や製品の準備を始めている可能性があるからです。相見積もりの場合は、依頼したすべての会社に断りの連絡を入れましょう。
メールで断る場合は、まず相手の提案と労力に応えられない心苦しさと、感謝を伝えます。断る理由は簡潔に「納期の問題で」「予算の都合上」などにとどめ、言いにくい場合は「諸般の事情により」としてください。また、最後には「今後機会がございましたら、よろしくお願いいたします」などフォローも忘れず付け加えましょう。
相手を気遣うていねいな言葉遣いを心がけ、「せっかくのご提案ではございますが」「誠に残念ながら」「大変申し訳ございませんが」といったクッション言葉で、断りの内容に角が立たないよう配慮することも大切です。
なお、相見積もりの結果、取引が決定した相手先がある場合は、他社に対する配慮が必要です。「別の会社に決めた」と正直に伝えることは避け、「予算の都合上」といった理由にしましょう。また、他社の見積もりを引き合いに、価格交渉をすることは慎んでください。
見積書の断り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
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見積書を受け取った後の流れ
見積書を受け取った後はどうすればいいか、受領メールのポイントとメール例文を紹介します。
1.見積書の受領メールを送る
見積書を受け取ったら、当日もしくは翌日に受領メールを送るのが一般的です。その際に、作成と送付に対する御礼を伝えます。
また、質問や予算の相談などがある場合、また社内で詳しく検討する時間を要する場合は、その旨を明記してください。
見積書の受領メールの例文
見積書の受領メールを送る際は、「〇〇お見積書の件」「見積書受領の御礼」など、わかりやすい件名にしましょう。
件名:〇〇お見積書の件
本文
株式会社□□
××様
いつもお世話になっております。株式会社●●の△△でございます。
このたびは「〇〇」の見積書を拝受いたしました。迅速なご対応をいただき、誠にありがとうございます。お見積書の内容は現在社内で検討中でございます。お時間を頂戴し恐縮でございますが、〇月〇日までにご連絡いたしますので、しばらくお待ちいただければさいわいです。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
2.取引条件や予算が希望と合っているか確認する
見積書を受け取ったら、取引条件・予算・見積期限・契約内容・発注書などが希望と合うか確認してください。
特に問題がなく、発注する場合は早めに手続きを行いましょう。契約の締結が必要な場合、複数の部署への提出・確認が行われることが多く、時間がかかることもあります。納品希望時期を考慮して、速やかに手続きすることが大切です。
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見積書の依頼メールはていねいに作成しよう
見積書の依頼メールは、相手先との信頼関係を築くカギとなります。わかりやすい件名と本文の書き方を工夫し、依頼内容を明確に作成しましょう。また、ていねいな言葉遣いを心がければ、好印象を与えることができ、依頼が通りやすくなります。
見積書の発行依頼や見積書受領はメールでのやり取りが便利です。データで受け取れるためダウンロード誘導が可能で、社内でも共有しやすいのがメリットです。
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この記事の監修者高崎文秀(税理士)
高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒
都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。

