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2022年02月07日

弥生 「確定申告のデジタル化に関する意識調査」を実施
令和3年分、青色申告者の約4割が電子申告(e-Tax)を利用する意向

e-Tax利用意向は昨年対比で微増も、昨年利用した人の約7割が時間短縮のメリットを実感。 e-Tax を利用したくない理由で最も多いのは「紙での提出に慣れているから」

 弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡本 浩一郎)は、令和3年(2021年)分の確定申告が2022年2月16日(水)から開始するにあたり、確定申告を予定している全国の個人事業主 1000名を対象に「確定申告のデジタル化に関する意識調査」を実施しましたので、その結果をお知らせします。

<サマリー>
青色申告者において、令和3年(2021年)分の確定申告での電子申告(以下、e-Tax)の利用意向は39.3%。令和2年(2020年)分の確定申告でe-Taxを利用した人(36.4%)に対して、+2.9ポイントと微増となった。
 
e-Taxを利用したい理由で最も多いのは「税務署に行かずに済むから」
 
e-Taxを利用したくない理由で最も多いのは「紙での提出に慣れているから」
 
確定申告の悩みは「間違いや不備がないかどうかわからない」「作成に時間や手間がかかる」
 
証憑整理や取引記録などインプットのデジタル化を利用した人は27.6%と令和元年(2019年)分で利用した人(26.2%)とほとんど変わらない結果であった。ただし、インプットのデジタル化利用者の90%以上が満足しているという結果がわかった。
 
※調査結果を使用する場合、必ず「弥生株式会社 確定申告のデジタル化に関する意識調査」と記載ください。

はじめに:確定申告におけるデジタル化とは

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 これまで、個人事業主の確定申告業務は、手書きで伝票を起こし、帳簿に転記、集計は電卓で手計算、申告書は税務署に出向いて提出することが一般的でした。そのような手作業では、転記ミスや計算ミスも起こりやすい、業務量が膨大になるなど、作業負担が大きいことが問題でした。会計ソフトやアプリの利用を通して証憑整理や取引記録にあたるインプット部分を自動化し、e-Taxによる申告を行うことで、「確定申告のデジタル化」となり、圧倒的な業務効率を実現することができます。

 

①青色申告者において、令和3年(2021年)分の確定申告での、e-Taxの利用意向は39.3%。令和2年(2020年)分の確定申告でe-Taxを利用した人(36.4%)に対して、+2.9ポイントと微増となった。(n=400,単一回答)

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 青色申告者において、e-Taxを利用した人は、令和元年(2019年)分が26.5%、令和2年(2020年)分が36.4%で、9.9ポイント向上し、e-Tax利用が進みました。その背景は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための非接触・非対面の推奨や青色申告特別控除の要件変更※1などでした。一方で、 令和3年(2021年)分の確定申告のe-Tax利用意向は39.3%でした。前述の令和元年分から令和2年分の増加と比較すると、令和3年分のe-Tax利用意向は+2.9ポイントと微増に留まりました。新型コロナウイルス禍が継続しており、青色申告特別控除の要件変更のような大きな利用促進要因がないことから、微増に留まったと推測されます。令和3年(2021年)分のe-Tax以外の確定申告提出方法として、26.5%が「税務署に持参」、13.3%が「税務署へ郵送」を利用する意向です。
 令和2年(2020年)分のe-Tax利用者に満足度を聞いたところ、「非常に満足」が31.6%、「やや満足」が48.3%と、約8割が利用に満足していることがわかりました。一方で、「非常に不満」は1.3%、「やや不満」が7.3%と不満と回答した人は1割未満でした。満足した理由としては、扱いが簡単なことや時間の制約がないこと、混雑が避けられること、記入漏れや計算間違いを防げることなどが挙げられました。不満点は手順の煩雑さやソフトのインストールなど必要なものを揃えるのが大変、などという意見が挙げられました。
 
※1 青色申告特別控除の要件変更
令和2年(2020年)分の確定申告から、個人所得税の控除額が変更されました。合計所得金額が2,400万円以下の場合、基礎控除額が10万円増加して48万円になる一方、青色申告特別控除額は65万円から55万円になります。ただし、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存(仕訳帳・総勘定元帳)を行うと、青色申告特別控除額が65万円になります。
 

②e-Taxを利用したい理由で最も多いのは「税務署に行かずに済むから」(n=279,複数回答)

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 e-Tax※2を利用したいと回答した個人事業主(青色・白色申告者)に聞いたところ、利用したい理由は「税務署に行かずに済むから」が53.8%と最も多く、「混雑・人混みを避けられるから」も36.9%であったことから、昨年から続くコロナ禍における非接触・非対面の浸透もe-Taxの利用促進要因となっていることが推察されます。また「時間を気にせず手続きができるから」が第2位で46.9%、「申請の時間を短縮できるから」が第3位で38.0%と、利便性が高いことも評価されています。
 
※2 税務署や確定申告会場においてインターネットで提出(e-Tax)は除く
 

③e-Taxを利用したくない理由で最も多いのは「紙での提出に慣れているから」(n=470,複数回答)

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 e-Taxを利用したくないと回答した個人事業主(青色・白色申告者)に聞いたところ、利用したくない理由の第1位は「紙での提出に慣れているから」49.4%で、2位以下と大きく差が開く結果になりました。そのほか、「ICカードリーダー/ライターを買いたくないから」22.1%、「税務署/確定申告会場で相談したいから」17.4%と続きました。慣れている方法から変えたくないことや、直接相談したいというニーズが推察されます。
 また、令和3年(2021年)分の確定申告から、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」に限り、スマートフォンのアプリ(マイナポータルアプリ)でパソコン上に表示された2次元バーコードを読み取ることで、ICカードリーダー/ライターが不要になりました。この認知について聞いたところ、「知らない」が47.9%、「内容はわからないが聞いたことがある」が32.4%、「内容まで含めて知っている」が19.7%と、全体に対して半数近い人が「知らない」という結果でした。e-Taxを利用するためには必ずICカードリーダー/ライターが必要だと思っている人も多いと考えられます。
 

④確定申告の悩みは「間違いや不備がないかどうかわからない」「作成に時間や手間がかかる」(n=1000,複数回答)

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 調査対象者全員に確定申告の課題・悩みを聞いたところ、第1位は「間違いや不備がないかどうかわからない」39.7%でした。個人事業主のこうした不安が、前述③の結果であったe-Taxを利用しない理由第3位の「税務署/確定申告会場で相談したい」につながっているのではないかと考えられます。
 課題・悩みの第2位は、「作成に時間や手間がかかる」35.3%でした。一方、自宅等からe-Tax利用を選んだ方にe-Taxによる申告で確定申告に費やす時間が減ったかどうか聞いたところ、「非常に当てはまる」が23.5%、「当てはまる」が45.3%と、約7割の人が時間短縮を実感していることがわかりました。この結果から、書類などの作成の時間や手間の削減にe-Taxの利用が有効だと考えられます。
 

⑤証憑整理や取引記録などインプットのデジタル化を利用した人は、27.6%と令和元年(2019年)分で利用した人(26.2%)とほとんど変わらない結果であった。ただし、インプットのデジタル化利用者の90%以上が満足しているという結果がわかった。(左グラフ:n=196,単一回答)(右グラフ:n=59, 単一回答)

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 証憑整理や取引記録を自動取込・自動仕訳をするインプットのデジタル化について、27.6%の人が利用していることがわかりました。これは令和元年(2019年)分に利用した人(26.2%)※3とほぼ変わらない結果でした。利用した人に満足度を聞いたところ、「非常に満足」が38.9%、「やや満足」が51.4%と9割以上の人がインプットのデジタル化に満足していることがわかりました。
 
 

総括

確定申告のデジタル化は着実に前進している。個人事業主の利便性向上と不安を取り除くことで、さらなるデジタル化を促進できる。

 令和元年(2019年)分から令和2年(2020年)分の確定申告において、e-Taxの利用は大きく伸長しました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大や青色申告特別控除の要件変更を背景に大幅に進んだと考えられます。令和2年(2020年)分のe-Tax利用割合と令和3年(2021年)分の利用意向ありの割合を比較すると微増という結果でしたが、着実に確定申告のデジタル化は進んでいると考えます。
 e-Tax利用の阻害要因としては、「紙での提出に慣れているから」という理由の他、「税務署/確定申告会場で相談したいから」という意見が多くを占めました。確定申告の悩みで最も多かったのは「間違いや不備がないかどうかわからない」であったことから、根強い対面相談の希望もあると考えられます。確定申告の帳簿付け方法として、表計算ソフトを利用している方が29.3%、手書きの帳簿で管理している人が28.1%、ソフト利用者26.9%でした。手作業で複式簿記による記帳を行うのは手間がかかる上、間違いも起きやすいです。確定申告ソフトを利用することで、手間なく間違いの心配も少なくなることが期待できます。また、個人事業主の不安を取り除くサポートや情報提供も重要です。e-Taxの不満足な点としては、手順の煩雑さや必要なものを揃えるのが大変などという意見が見られました。「ICカードリーダー/ライターを買いたくない」という意見も一定数見られました。ICカードリーダー/ライターが令和3年分から不要※4になるということを広く認知してもらい、さらなる利便性を高めることで、e-Taxの利用拡大に繋げられると考えます。
 e-Tax利用やデジタル化の促進要因については、時間短縮や利便性の向上が挙げられます。e-Taxを利用した人のうち約7割が、時間短縮を実感していることがわかりました。さらに、証憑整理や取引記録などインプットのデジタル化を利用した人の9割以上が満足しているという結果もわかりました。
 弥生では、当社製品をご利用いただいていない事業者も含めて、小規模事業者を広く支援していくために、弊社Webサイトを介して情報提供を行っています。さらに製品では、AIが自動取込・自動仕訳をする「スマート取引取込」で記帳の手間削減を支援します。作成した申告データは「確定申告e-Taxモジュール(Windows対応)」もしくは「確定申告e-Taxオンライン(Mac対応)」を使用することで、国税庁のe-Taxソフトを使わずに直接e-Taxへ送信することができ、従来のe-Taxに比べて少ない手順で確定申告を完了することができます。確定申告のデジタル化支援をすることで、弥生のお客さまである小規模事業者の圧倒的な業務効率化を実現できるよう、引き続き取り組んでまいります。
 
※4 詳細はこちらをご確認ください
 

調査概要

  • 調査期間:2022年1月11日(火)~1月13日(木)
  • 調査対象:全国の20~70代の男女、令和3年(2021年)分の確定申告を行う予定の個人事業主 1000名
  • 調査方法:インターネットによるアンケート調査
 

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弥生株式会社について
 弥生は、中小企業、個人事業主、起業家の事業を支える社会的基盤(インフラ)として日本の発展に能動的に貢献することを使命としています。そのために、事業者の皆さまが事業を立ち上げ、進め、発展する過程で直面するさまざまな課題にお応えできる「事業コンシェルジュ」を目指して、「弥生シリーズ」や「事業・業務支援サービス」を開発・提供しています。
 代表的なサービスである「弥生シリーズ」は、クラウド会計ソフト6年連続利用シェアNo.1※6デスクトップアプリで23年連続売上実績No.1※7を獲得しており、登録ユーザー数は250万を超えました。「事業・業務支援サービス」は、起業・開業ナビ※8、資金調達ナビ※9、税理士紹介ナビ※10など、業務ソフトウエアの枠を超えたサービスを提供しています。2020年より社外活動として、社会全体のDX推進に取り組む団体※11の立ち上げに参画するなど、事業者の圧倒的な業務効率化の実現に向け活動しています。なお、弥生は2014年からオリックス株式会社のグループ会社です。
 

 

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