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入出金管理をエクセルから弥生会計に切り替えることで、会計データを経営に活かすことが可能に

株式会社トラクション(東京都新宿区)

  • 弥生会計

「働く」というキーワードに特化したイベントの企画・制作・運営を行なっている株式会社トラクション。起業当初は経営者がエクセルで入出金の管理をしていたが、事業が軌道に乗るにつれて管理項目が増え、作業が煩雑になっていた。会計知識はほとんどなかったが、弥生会計を導入し、自力で操作方法を習得しながら、会計処理のスピードアップと会計データを経営に活かす利用を実現している。

創業当初はエクセルで入出金を管理していたがすぐに限界を感じた

「会計ソフトの存在は知っていましたが、創業したばかりの頃は特に必要だと思わず、金銭面の管理はエクセルで充分だと思っていました」

就職、転職、起業など「働く」というキーワードに特化したイベントの企画・制作・運営を行なっている株式会社トラクション。展示会やスポーツイベント、プロモーションイベントも手がけ、アメリカでもイベントを毎年開催している。
イベントの開催に必要なノウハウをワンストップで提供できることから、顧客からの信頼も厚く、創業以来、着実に業績を伸ばしている。

「当初はエクセルで充分だと思っていましたが、すぐに限界を感じました」と話す北出社長。

代表取締役社長の北出実さんは、エクセルでの入出金管理には限界があったと話す。「イベントに関する経験や知識、アイデアには自信があったのですが、会計知識はゼロでした。つまり経営者としては全くの素人で起業したわけです。当時は、見よう見まねで現金の支出と、売上、買掛などの数字をエクセルで管理していました。ところが、月々出て行く固定費がどのくらいあるのかとか、請求書は発行したけれどもいつ現金になるのだろうとか、だんだんと不安になっていきました。そこで、キャッシュフローを把握するために、振り込み予定のシート、支払い予定のシート、手形のシートなどを作成するようになりました。ただ、管理項目が増える一方の状態で、管理が大変でした」。 トラクションは創業した2月から8月の決算までの半年間はエクセルでの管理を続けていたが、決算処理を依頼した会計事務所にアドバイスを求めたところ、会計ソフトを利用すると管理が容易で確実だと教えられた。
「初めての決算処理は会計事務所に丸投げで、納税をすませた後でも決算書の現金出納帳を“げんきんしゅつのうちょう”と読んでいたくらい会計知識がありませんでした。でも管理が楽になるのならと思って会計ソフトを使うことにしました」。

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製品体験版で使いやすいと感じた弥生会計を選んだ

会計ソフトの導入を決めた北出社長は、最初にインターネットで会計ソフトに関する情報を収集するところから始めた。しかし、会計の知識があまりないため、説明文を読んでもポイントがわからず、比較検討することができなかった。「いろいろなメーカーの会計ソフトがあり、中でも弥生会計の存在は何となく知っていました。体験版をホームページからダウンロードできたのが弥生ともう1社ありましたので、この2つを使い比べた結果、全く初心者の自分でも使えそうだと感じた弥生会計を選びました」。

北出社長は会計初心者だったが、今は「弥生会計の試験があったら受けてみたい」と話すほど操作に慣れ、経営に活かしている。

導入後、最初だけ、会計事務所に基本的な弥生会計の操作方法は教わったものの、以降は「導入アドバイザー」や「クイックナビゲータ」の機能を利用し、すぐに使い始めることができた。「最初の設定は『導入アドバイザー』があるので簡単でしたし、使い始めてからは『仕訳アドバイザー』の事例や、『簡単取引入力』機能のおかげで、数字を入力するだけですみました」。北出社長は、日々利用することで次第に操作に慣れてゆき、導入のきっかけになった「管理の容易さ」についての効果はすぐに実感できたと話す。
「処理時間に対するパフォーマンスは格段に向上しましたね。数字を入力するという作業は弥生会計もエクセルも同じなのに、弥生会計の場合は、入力するだけで総勘定元帳に反映されますし、現金出納帳や補助元帳へも常に数字がリンクされていますから、エクセルとは比較にならないくらい便利だと実感しました。特に、貸借対照表や損益計算書もボタン1つで作成してくれるのはとてもありがたいですね。また、ある特定顧客からの今期売上などの財務情報はすぐに確認できますし、前期との比較も一瞬でできます。困っていたキャッシュフローの管理も『資金繰りシミュレーター』の機能を使えば、資金残高の推移が簡単に把握できますし、さすがは専用ソフトだなと思っています」。北出社長は、便利さに気がついてからは弥生会計を利用する頻度が増え、その結果、操作に慣れるという相乗効果があったと当時を振り返る。

弥生会計を使うようになって財務に対する意識が変わった

起業した頃は、ビジネスに対する夢の方が大きなウェイトを占めていたが、事業が軌道に乗り始めると、財務に対する知識の重要性を強く感じるようになっていた北出社長。弥生会計を使い始めてから、会計の仕組みをより深く理解できるようになりたいと感じ始めていた。「弥生会計の操作はすぐにできるようになりましたが、会計の仕組みそのものがわかりませんでした。そこで、たまたま会計事務所でも弥生会計を使っていましたので、データをもらって自分のパソコンに移し、実際に入力しながら会計の仕組みがどうなっているのかを理解していきました」。

トラクションでは、社員も会計に対する知識・意識を持ちながら仕事をすることが大切だという考えのもと、会社の財務情報を全員が見られるようにしている。

さらに、北出社長は、会計の仕組みが理解できるようになってから、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表に対する意識が変わったと話す。「私は株取引の経験がありますので貸借対照表は何度も見ているのですが、あらためて自分の会社の貸借対照表を見たときに、ずいぶんシンプルだと感じました。これは、受注したらノウハウを提供して、形にするというイベント会社ならではのものだと気付きました。複雑な取引がありませんし、これといった固定資産や仕入、在庫がないのです。こういう状況であれば、会計処理は今よりももっとシンプルにできるし、その方がわかりやすいと考えました。また、経営者は日々の経営に追われるだけではだめで、未来をどう作って行くかが重要です。そのためには現状を正確に把握できなければなりません。弥生会計は使いやすいですし、シンプルな会計にすれば必要な財務情報をすぐに得られますから、タイムリーに会社の状態を把握でき、すぐに次の手を打てます」。そこで、北出社長は、会計処理を会計事務所にまかせきりにするのではなく、決算書をできるだけシンプルにしたいという自身の意向を反映させるような取り組みも行なった。

こうした経験から、社員も会計に対する知識・意識を持ちながら仕事をすることが大切だと考えた北出社長は、弥生会計のデータをエクセルに書き出し、全社員が貸借対照表や損益計算書、月々の売上、原価、経費などを見られるようにしている。「全員参画経営ができると思っていますので、情報を見るだけでなく、1 つの案件を受注したら売上予測や利益目標、原価などの情報をエクセルに入力できるようにしています。この情報もフルオープンになっています。フォーマットは別途作っていますが、これは弥生会計がなかったらできなかったことでした」。今後、事業拡大をする計画があるため、弥生会計のデータを使って銀行へ提出する資料を作成しているほか、現在でも週1、2回のペースで弥生会計に入力しているなど利用頻度の高い北出社長。そろそろ自分が入力するのは卒業したいと笑いながら話すその表情は意欲的だ。

  • 本記事の内容は、取材当時のものです。
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事業規模

業種

企業名
株式会社トラクション新規タブで開く
使用ソフト
弥生会計
事業内容
イベントの企画・制作・運営
所在地
東京都新宿区
TEL
03-3355-7744
設立
2005年
年商
3億円
従業員数
5名
導入時期
2005年10月
導入支援
なし

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