支援するベンチャー企業には最初から弥生会計を勧めている
株式会社あきない総合研究所(大阪市中央区)
起業の計画段階から、経営コンサルティング、人材派遣など、幅広いベンチャー支援事業を展開している株式会社あきない総合研究所。経理未経験者でも使いやすい弥生会計を、自身の経験から起業家に勧める一方、自社の経理にも弥生会計を役立てている。
弥生会計は初めてでも簡単に使うことができた
「弊社は月初が月締め作業になるのですが、入社が月初だったため、いきなり初めて使う弥生会計で処理することになりました」 日本に起業家が増えることで国全体が活性化すると考え、約500万人いる社長の数を1,000万人に増やすことを目的に、ベンチャー企業に対する幅広いサポートを提供している株式会社あきない総合研究所。大阪はもちろん、東京、横浜にも進出し、政府や地方自治体、公的な支援機関からの委託を受けたパブリック事業も展開している。
経理担当の砂田往子さんは、入社して間もない時期に、今まで使用したことがない弥生会計による月締め作業を経験することになった。「今まで複数の他社製品でのパソコン会計は経験がありましたが、弥生会計は入社して初めて使いました。まだ基本的な仕分の入力だけで複雑な処理はしていませんが、入力で困ったことは全くありませんでした」。
あきない総合研究所は、東京進出をきっかけに事業部を設け、事業部単位で会計管理をしており、砂田さんはその全てと、関連会社の経理も担当している。「基本的に管理は大阪本社がベースになっていますので、各事業部の請求書発行も会計処理もここでやっています。東京と横浜からも月末になると会計データが一気に届きますし、関連会社も同じタイミングですので、月初の作業はボリュームが多くて大変です」。以前に会計処理を担当していたこともある藤田隆之取締役は、砂田さんが入社する前まで、会計の経験がない事務スタッフが入力作業をしていたと話す。「数ヶ月前までは経理担当者がいたのですが、退職してからしばらくは月初に臨時で来てもらってしのいでいました。私も入力くらいならやれますが、とても時間がありません。弊社の場合、支援しているベンチャー企業の会計もサポートしたり、アドバイスすることもありますので、経理のプロは必要です。砂田はパソコン会計の経験がありますし、経理経験も豊富ですから安心してまかせられるようになりました」。
事業体制の変更にも対応、会計データを経営分析にも役立てている
砂田さんは入社して2回目の月次決算を経験したばかりで、当初は4つあった事業部が体制の変更で2つに集約されるなど会計処理の変更もあったが、スムーズに処理を終えることができた。「関連会社は決算が違いますが、事業部の分も含めて全て弥生会計上で処理しています。使っている範囲では今の所、以前使っていた会計ソフトと比べて使いにくいと感じる事はありません。メニューを見てみると、色々な機能があるので、これから使いこなしていきたいと思っています」。
あきない総合研究所では、設立当初から弥生会計を使っており、バージョンアップを繰り返して現在に至っており、藤田取締役自身も弥生会計ユーザーだ。「初期の頃からの弥生会計ユーザですから今でも使う事はできますが、現在は財務分析のためのデータを抽出する際に使うことがほとんどになっています。いったん試算表からエクセルにエクスポートして、必要なデータだけピックアップしてまとめています。弥生会計にも経営分析機能があることは知っていますし、例えば予実管理は予算を入れてれば使えるのは判っているのですが使えていません。あれだけの機能があるので使わないともったいないですから、砂田に早く覚えてもらおうと考えています(笑)」。
あきない総合研究所の吉田雅紀代表取締役は、藤田取締役が作成した財務データを役員会で使用し、経営計画に役立てている。「財務面は月次決算のデータを基にした資料で経営判断に使っています。データを見る上では一般的なことしかしていません。誰でもやれる方法ですが、私は中小企業診断士でもあるので、特殊なことはせずスタンダードな分析の方がベストだと思っています」。吉田代表は、自身が社内ベンチャーとして子供用品のフランチャイズ事業を立ち上げた経験があり、弥生株式会社の前身企業に顧客別単品管理ができるポスレジの開発を依頼した経緯から、弥生会計との関係も長い。「フランチャイズは5年間で200店舗作る大きな計画でしたが、12店舗まで展開し頓挫してしまいました。しかし、そのうち1店舗の専務として経営した経験がとても役立ちました。専務といっても実質的な経営者で、決算は自分でやらなければなりません。ところが会計の知識はほとんどなくて、借方、貸方、振替伝票の意味もわかりませんでした。それが1988年でした」。そこで吉田代表は1987年に発売されたばかりの弥生会計を導入した。「会計処理は振替伝票を起こしてから帳簿を作りますが、弥生会計はそういう知識がなくても使えました。設計思想が会計初心者に優しくて助かりましたね。Windows対応になってからも、あきない総合研究所を設立してからも弥生会計は使い続けています」。
起業家には最初から弥生会計を勧めている
あきない総合研究所は、事業を立ち上げようとしている人、起業の計画がある人に対して、場所の提供、出資、コンサルティングやマーケティングマネジメント、人材紹介もおこなっており、現在、出資企業は27社ある。「出資先には3つの約束をさせています。1つ目は5営業日以内に月次決算を出すこと。2つ目は高金利のお金には絶対手を出さないこと。3つ目は失敗してもいいから逃げない事です。特に月次決算については、貸借対照表や損益計算書を作らなくてもいいけれど、何かの形で自分の事業の成績を数字で表さないでどうやって経営がわかるのかと言っています。これは経営者として一番大切な物差しになります」。起業した当初はあまり取引がなく、売上伝票も少ない上に赤字の場合もある。しかし、起業当初から5営業日以内に月次決算を出す習慣をつけておくと、会社が大きくなってからもストレスなく会計処理できると吉田代表は強調する。
「例えば売り上げ基準が判りやすいですね。立ち上がったばかりの会社は単純に通帳に入金があった時を売上としている場合が多いです。でも世の中には、納品した時、請求書を発行した時に売上としている会社はいくらでもあります。経費も同じです。会議費と接待交際費は何が違うのか。そういう社内ルールを決めておかないと処理ができません。私の場合は、接待交際費が年間400万円超えたら後は会議費にするとか、いい加減なものでした。でも、そんな基準でもかまわないのです。小さい組織の時からそれをやるということは、人数が増えたときにルールを伝えなければなりません。これが実は社内にマネジメントの文化を作ることになります」。吉田代表は、基準がある会社は税理士などから処理がおかしいと指摘されても、修正するだけですむが、基準を作っていない会社がいきなり直そうとしても、どうしたらよいのか判らずマネジメントが大きく混乱することにつながると話す。
「弥生会計は、経理未経験の個人事業主が使えるようにする設計思想は今でも変わっていないと思っています。ですから、決してリップサービスではなく、ベンチャーの皆さんには最初から弥生会計を使うように勧めています。SaaSなど新しい取組みも進めているので期待しています」。
- ※本記事の内容は、取材当時のものです。
- 企業名
- 株式会社あきない総合研究所
- 使用ソフト
- 弥生会計
- 事業内容
- ベンチャー支援
- 所在地
- 大阪市中央区
- TEL
- 06-6253-0122
- 設立
- 1999年
- 従業員数
- 26名
- 導入時期
- 1999年より
弥生株式会社カスタマーセンター
- 受付時間
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9:30~12:00/13:00~17:30
(土・日・祝日、および弊社休業日を除きます)
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