弥生は会計データの利用目的に合った使い分けができる点が便利
株式会社メディカル・ソリューションズ(東京都港区西新橋)
医療関連機器の輸入販売と、医療情報サービスで着実に事業を拡大している株式会社メディカル・ソリューションズ。事業の発展段階に合わせた会計処理とデータ活用という、明確な利用目的で弥生会計を使用している。
起業のきっかけ
「起業したいという気持ちがあったから、人との出会いやビジネスチャンスを活かすことができました」
鋼製小物と呼ばれるメスや鉗子、ハサミ、ピンセットといった医療器具の輸入販売会社としてスタートし、医療関係のコンサルティング、心臓カテーテルなど循環器系の機器製品の輸入販売へと順調に事業を拡大している株式会社メディカル・ソリューションズ。代表取締役の塩田将司さんは、経営コンサルティング会社に勤務したのち、インターネット関連企業の立ち上げを経てメディカル・ソリューションズを起業した。「もともと新しいことを始めたいなと思っていたのですが、経営コンサルティング会社に勤務していた頃、35才には実業を始めて、40才までには起業したいというプランを描いていました」。現在40才の塩田さんは、プランを着実に実現している。
「本当にたまたまなのですが、思い描いていた年齢の頃に、アメリカで医療関連の仕事に従事していて、日米の医療事情に詳しい今のビジネスパートナーとの出会いがありまして、メディカル・ソリューションズを起業することにしました」。塩田さんはビジネスパートナーや、日本の医療従事者達とのディスカッションから得られた情報と、日本の医療が大きく変わりつつある状況から、これからの医療関連ビジネスには「大きなチャンスがあると判断した」と話す。「今、日本の医療業界は社会保険、医療費などシステムが変わろうとしている時期です。また、通常の企業経営という視点では、病院や医療機器の流通にも改善の余地が多々あることがわかりました。これからはコストを抑制していかなければならなくなりますし、システム、経営、流通などあらゆるシーンで変革のエネルギーが高まっていると感じました」。自身の人生プラン、ビジネスパートナーとの出会い、市場の状況がうまく合致していたので起業への大きな一歩を踏み出すことができたと塩田さんは分析している。
事業と会計
「起業当初は自分で入力していましたが、最低限のことだけをやろうと決めていました」
経営コンサルティング会社に在籍していた関係でベンチャー企業の経営管理に関する知識が豊富だったことと、インターネット関連企業を立ち上げた経験から、起業当初の会計処理はどうするべきか、自分なりの方針を立てて臨んだと話す塩田さん。事業の内容や会社の状況、やらなければならないことなどを考慮した結果、必要最低限のことに絞った処理をすると決めていたという。
「起業したばかりの頃は営業が立ち上がらないと絶対にだめですし、何をおいても営業面の確立を最優先にしようと考えていました。これは、始めようとしていた事業がマーケットから理解と賛同を得て動くタイプで、軌道に乗るまでには若干時間が必要だろうと推測していたからです。そこで会計に関しては、最初の段階では大きなコストを割かず、しかし、やるべきことをしっかりと処理するために自力で処理することにしました」。
塩田さんは会計に関する知識はあったものの実務経験はなかったため、仕訳に関する本を1冊だけ読み、効率的に処理するために会計ソフトを使用することにした。「私は営業もしながら会計以外の事務的な処理も担当していましたので、会計ソフトを習熟するために要する時間と労力はできるだけ少なくしたかったのです。そこでソフトは何にしようか検討した結果、実績があって使いやすそうな弥生会計を選択しました。実務経験がない私でも直感的にどうすれば良いか分かりましたし、当初は仕訳の本を片手に画面を見ながらでしたが、すぐに使うことができました」。塩田さんは、初めて申告をした時には、最低限のやるべきことはしっかりやっているという自信があったため、申告間際になって慌てることはなにもなかったと当時を振り返る。
会計データを事業へ活かす
「実は、弥生会計を使っていない時期もありました」
塩田さんの経営に対するポリシーは、省力化できる部分は「極力、最低限におさえる」というものだ。起業当初に少ない人数で効率的に動くためには、アウトソーシングを使うべきだと考え、例えば給与計算については社労士に全てをまかせていたという。「会社を立ち上げたばかりの頃は資金が限られていますから、できるだけ固定費は抱えたくないですし、申告だけのために会計事務所を使うよりは、弥生会計を使った方が効率的だし低コストですむと判断しました。事業が本格的に動き始めた2年目からは、社内では処理せず、伝票を渡して全部の処理を会計事務所へお願いする形にシフトしました。これは私も営業に専念したかったのと、当初とはちがってアウトソーシングできる資金的な余裕があったからです」。
メディカル・ソリューションズでは、従来の医療器具輸入販売に加えて、循環器系の機器製品の輸入販売など大きく事業を拡大する時期を迎えている。「公開を含めたことも視野に入って来ましたし、他社からの営業譲渡に伴う事業拡大によって他社資本も加わりましたから、今度は経理スタッフを入れて再び自分たちで全部整備する必要が出てきました。そこで再度、弥生会計を使うことにしました」。起業当初は申告や投資家向けの資料作成だけの用途だったが、これからは経営戦略に活かす使い方をすることになる。塩田さんは、事業の新しいステップを踏み出す際にも弥生会計を選んだ理由を次のように話す。
「会計ソフトに求めるものは、今度はフル機能です。経理スタッフは雇えても、財務、経営企画に関するスタッフはまだ置けませんから、経理のデータがそのまま経営計画に活かせるようにしたい。そういったことが1つのパッケージの中でできる、という部分への期待が大きくなります。経理スタッフからは、どんな会計ソフトが良いかと訊かれましたが、弥生会計を使うよう指示しました。会社の規模がこれから大きくなっても使って行けるだけの信頼性がある点が最大の理由ですが、初年度に自分で操作して使いやすかったですし、弥生会計には経営分析ツールもあります。独自の解析はエクセルへデータを移せばやれますから、その点に対応している柔軟性も評価しました」。
弥生会計は事業の段階に合わせて使える
「会計はその時の状況に合わせて発展させて行けば良いと考えています」
メディカル・ソリューションズは医療業界を対象にした新しいビジネスであることから、塩田さんは起業1年目を「事業が軌道に乗るまでの準備期間」と位置づけていた。こうした固有の事情はあるが、塩田さんの会計に対する基本スタンスは多くの起業家にとって参考になるものだ。
「会計というのは、いくつか段階があると思います。まずは適正な税務申告までを含めた処理をしなければなりません。また、最初は自己資金でやっていけたとしても、いずれは資金調達しなければなりませんし、そうなれば透明性の担保というようなものが必要になります。しかし私は、その時の事業の状況に合わせて会計も発展させて行けば良いと考えていました。最低限のことだけをやるというのは妥協するという意味ではなく、遵法の範囲の中で、投資家の方の要請に応じながら効率的にやるということです」。塩田さんは、経営コンサルティングをおこなっていた頃、社内システムをしっかりと構築していても、売上が立たずに事業から撤退したベンチャー企業を数多く見てきた。その経験から、時々の経営状況に合わせて経営上の注力する部分と省力化すべき部分を見極め、柔軟に対応することの大切さを習得できたという。
また、塩田さんは、経営者は会計の専門家になる必要はないが、会計事務所へ委託する際にも、社内で処理し経営に活かす段階になっても、自身で記帳した経験は役に立っていると話す。「会計のプロではない経営者でも、自身で処理した方が良い時期もあります。そういった時に、誰でも使えることを前提に作られている弥生会計は、数多くの仕事をしなければならない経営者を助けてくれる存在です。そして会社が大きくなっても、使い慣れたソフトで経営計画に役立てられる。便利だし良くできていると思いますね」。
- ※本記事の内容は、取材当時のものです。
- 企業名
- 株式会社メディカル・ソリューションズ
- 使用ソフト
- 弥生会計
- 事業内容
- 医療関連機器の輸入販売、医療情報サービス
- 所在地
- 東京都港区西新橋
- TEL
- 03-5532-1023
- 設立
- 2002年
- 従業員数
- 12名
- 導入時期
- 2002年より
弥生株式会社カスタマーセンター
- 受付時間
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9:30~12:00/13:00~17:30
(土・日・祝日、および弊社休業日を除きます)
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