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月またぎや年度またぎの経費精算はできる?仕訳方法と共に解説

2024/07/11更新

この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

毎月の経費精算は、定められた期日までに行う業務です。しかし、やむを得ない事情で期日を過ぎてしまった場合は、月またぎや年度またぎで経費精算を行うこともあるでしょう。

ここでは、月や年度をまたぐ経費精算の会計処理方法、月またぎや年度またぎの経費精算が発生する理由と問題点のほか、できるだけ月内に精算を行うためのポイントなどを解説します。

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月や年度をまたいでも、経費精算はできる

月や年度をまたいでいても、経費精算をすることは可能です。月またぎや年度またぎの経費精算とは、従業員が立て替えた交通費や経費などについて、月や年度をまたいで精算を行うことを指します。

従業員が立て替えた企業の経費は、従業員の債権に該当します。民法では債権の時効を5年と定めているため、法律上、従業員は5年間経費精算を行うことが可能です。つまり、月や年度をまたぐ場合だけでなく、数年前の経費であっても、従業員は精算を求めることができるということです。

とはいえ、実際にそのようなことが起こってしまうと、会計における真実性の原則が失われてしまい、また処理方法にも頭を悩ませることになるでしょう。そこで、多くの企業は、社内規定などで経費精算のルールを設けています。

経費精算のルールを明確にしておかないと、いつまでも従業員に対して企業が債務を抱えていることになりかねません。また、経費計上が遅れれば、正確な決算もできなくなってしまいます。従業員のためにも、企業のためにも、適切なタイミングでの経費精算が求められます。

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月またぎや年度またぎの経費精算が発生するケース

月またぎや年度またぎの経費精算がやむを得ず発生してしまうケースは、下記のようなパターンです。

社内ルールが整備されていない場合には、月またぎや年度またぎの経費精算は発生する可能性があります。
一概に月またぎや年度またぎの経費精算を行う従業員を責めるようなことがないようにしましょう。

一方、予防できるパターンについては、できるだけ月またぎなどが発生しない対策を取ることが大切です。

利用期間が月をまたいでしまう

経費を使用した期間が月をまたいだ場合、経費精算は翌月に行うことになります。例えば、9月30日に出張に行って、10月1日に帰ってきた場合について考えてみましょう。9月30日に乗車した新幹線などの交通費は、9月中の精算が望ましいかもしれません。

しかし、レシートなどに経費精算の申請書を添えて、上司の承認を受けてから経理担当者に回す、といった運用を取っている企業では、出張先から経費精算を依頼することは不可能です。そのため、10月1日に帰ってきてから、9月30日分と10月1日分の経費をまとめて精算することになります。

このようなケースでは、どうしても月またぎや年度またぎの経費精算が生じます。

月末の経費を請求する

月末や年度末に経費を立て替えた場合、当日中の精算ができなければ、翌月や翌年度の精算になってしまいます。

経費精算は、実際に支払いを行った日から数日後に書類などを取りまとめて請求することもあります。当日の精算が望ましかったとしても、経費を支払った日が月末の場合、書類の準備を当日中に行えない場合もあるでしょう。

また、営業担当者で外出が多い場合、経理担当者がいる時間に帰社できなければ経費の精算ができません。そうなると、月末に立て替えた経費が翌月回しになってしまうことがあります。このような場合も、月またぎや年度またぎの経費精算が発生します。

経費精算の申請が間に合わない

経費精算に上司の承認が必要な場合や、出社することが少ない従業員などの場合、月内の経費精算に間に合わないこともあるでしょう。例えば、3月31日に経費精算の申請書を上司に回したものの、上司が外出続きで確認してもらえず、そのまま4月1日になってしまった場合などです。

すべての従業員が、月の末日や年度の末日に経費精算をできる状況にあるとは限りません。経費精算を行う従業員も、通常業務を行いながら経費精算の手続きをしなければいけないため、どうしても申請が間に合わない可能性もあります。

従業員が経費精算を忘れている

従業員が経費精算を忘れてしまい、経費精算が翌月や翌年度になる場合もあります。経費を立て替えたまま、忙しさにかまけて放置したり、後回しにするうちに忘れてしまったりするケースです。

しかし、従業員が経費精算を忘れるパターンは、工夫次第で回避できるものです。それ以外のパターンと異なる種類のものだといえるでしょう。経費精算の期限を定めるといった対策を取ることで、できるだけ経費精算の漏れや忘れを防ぐことが、スムースな経理処理につながります。

月や年度をまたぐ経費の仕訳方法

月や年度をまたいで経費精算をした場合は、事実に即した仕訳が必要です。従業員が経費を支払った日付と、企業が経費精算を行った日付がいつなのかがわかるようにしておかなければいけません。

ここでは、月や年度をまたいで経費精算をした際の主な2つの会計処理方法について説明します。

料金を先払いした際の仕訳例

経費を先払いしたものの、実際に使用した日は月や年をまたぐ場合は、前払金という勘定科目を使用して仕訳を行います。

例えば、3月30日に片道9,000円の新幹線のチケットを往復で現金にて購入し、3月30日に往路、4月1日に復路に乗車した場合の仕訳方法は、下記のとおりです。

料金を先払いした場合の仕訳例
日付 借方 貸方
3/30 旅費交通費 9,000円 現金 18,000円
前払金 9,000円
4/1 旅費交通費 9,000円 前払金 9,000円

なお、出張の前に高額な費用がかかることがわかっている場合、従業員に現金をいくらか渡しておくこともあるでしょう。このような場合には、仮払金という勘定科目を使用して仕訳を行います。前払金と名称が似ているため、混同しないように注意が必要です。

料金を後払いした際の仕訳例

月またぎや年度またぎで経費を使用し、後で精算を行った場合は、未払金という勘定科目で処理をします。

例えば、3月30日に片道9,000円の新幹線のチケットを往復で現金にて購入し、3月30日に往路、4月1日に復路に乗車した場合の仕訳方法は、下記のとおりです。なお、代金は従業員が立て替え、4月1日に経費精算を行ったとします。

料金を後払いした際の仕訳例
日付 借方 貸方
3/30 旅費交通費 9,000円 未払金 9,000円
4/1 旅費交通費 9,000円 現金 18,000円
未払金 9,000円

月またぎや年度またぎで経費精算する際の問題点

月またぎや年度またぎで経費精算をすると、下記のような問題が生じます。なぜ月またぎや年度またぎの経費精算を避けるべきなのかを知っておきましょう。

社外からの信用が低下するおそれがある

特に年度またぎの経費精算を行った場合、社外からの信用低下を招くおそれがあります。年度をまたいで経費精算が発生した場合、決算のやり直しや、決算業務の遅れを招きます。このようなことがあると、社外からの信用が低下してしまう可能性があるでしょう。

決算書には、企業の経営状況を取引先や金融機関などの外部関係者に報告する役割もあります。遅れや訂正が生じると、正確な決算を行えていないと判断されかねないため注意が必要です。

対応コストや業務が発生する

月ごとの経費をまとめ、締めが終わった後で経費精算が発生すると、経理処理のやり直しをしなければいけなくなります。結果的には、経理担当者の負担が増え、人的コストも発生するでしょう。

月またぎや年度またぎの経費精算を最小限に抑える方法

月またぎや年度またぎの経費精算は、従業員の意識改革や業務フローの見直しなどによって、ある程度は減らすことができます。

ここでは、月またぎや年度またぎの経費精算を最小限に抑えるための主な5つの方法について説明します。

経費精算の期限を決める

経費精算の期限をきちんと決めることによって、経費精算の遅延や対応漏れを防ぎましょう。経費精算の期限がはっきりしていないと、後回しにされてしまいがちです。社内ルールとして、いつまでに精算を行わなければならないのかを明確にしておくことが大切です。

なお、経費精算のタイミングが月末までといった決まりになっていると、月初に発生した経費を後回しにされてしまい、そのまま忘れてしまうといったトラブルが起こりがちです。例えば、経費を使用してから7日以内など、速やかな精算を促すフローを考えてみましょう。ただし、経費精算の期限が月末に設定されている場合、月末に発生した経費も月内の精算となるため、別途規定を設ける必要があります。

社内規定を整備する

経費精算のルールが決まっていない場合は、社内規定を整備してルールを明確にしておくことが大切です。いつまでに、どのように経費精算を行うのかを明確にしておけば、従業員が経費精算の方法やタイミングで迷うことがなくなります。

また、経費精算に関するルールを社内規定に明記することで、従業員の経費精算に対する意識を変えられる可能性もあります。手順や期限のルールを設けることで、社内の統制を取りやすくなるでしょう。同時に、ルールの設定によって、経費精算の申請書の記入漏れやレシートの添付漏れといった不備による経費精算の遅れも防ぎやすくなります。

なお、社内規定には経費精算の方法や期日と合わせて、ルールを守れない場合の対処法についても併せて記載しておいてください。さまざまなパターンの対処法がわかるようにしておけば、それだけ経理担当者の負担を減らすことができます。

経費精算のフローを見直す

月またぎや年度またぎの経費精算を減らすために、経費精算のフローの見直しを行いましょう。経費精算のフローが複雑すぎると、従業員の手間がかかり、処理が遅れてしまうこともあります。できるだけわかりやすく、シンプルなフローにできないか再検討してみてください。

なお、業務フローを変更した場合は、速やかに従業員に周知しなければいけません。情報が行き渡るように、複数回アナウンスを行うことが大切です。

従業員に期限内に精算するよう呼びかける

従業員に対する呼びかけも、経費精算の遅れや漏れを防ぐ効果的な方法です。特に月末近くや年度末近くは、手続きの遅れによる月またぎや年度またぎの経費精算が生じる可能性が高くなります。最終日よりも前に社内メールなどを活用して、期限内の精算を呼びかけてください。なお、呼びかけが一度だけだと忘れてしまう従業員が出る可能性もあります。複数回の呼びかけを行いましょう。

会計ソフトを導入する

会計ソフトの導入によって、さまざまな面から経費精算の遅れを防ぐことが可能です。

例えば、経費精算をオンライン上でできるソフトを導入すれば、経費精算の申請や承認、経理担当者への書類提出などをすべてオンライン上で行えるようになります。スマートフォンからでも操作できるソフトならば、出張や外出が多い従業員でも経費を支出したタイミングでスムースに経費精算の申請を行えます。
ソフト上で申請状況を確認できるため、経費精算の申請が届いているものの、上司からの承認が出ないために処理が遅れているといった場合にも、承認を促すなどの対応が可能です。

また、オンラインのソフトを組み合わせて現金精算ではなく、2週間に1回の振り込みや給与振り込みの際に加算して精算するといった方法を採れば経費の計上と精算を切り分けることができ、月またぎ、年度またぎの経費の計上漏れはすべて防止することができます。

会計ソフトの中には、経費精算のデータを基に振込作業まで自動で行えるソフトもあります。このようなソフトを活用すれば、月末や年度末といった繁忙期における経理担当者の負担を軽減できるでしょう。

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月またぎや年度またぎの経費精算を減らすために、会計ソフトを導入しよう

月またぎや年度またぎの経費精算は、できる限り防ぐべきものです。これまでの経費精算ルールや業務フローなどを見直して、できるだけ月またぎや年度またぎの精算が起こらない方法を検討することが大切です。

月末や年度末の経理担当者の負担軽減には、経理業務の自動化が効果的です。経費精算業務の負担を軽減するためには、法人カードを貸与してキャッシュレス化を推進したり、会計ソフトを導入したりするのも有効です。会計ソフトは経費精算だけでなく、日々の帳簿付けや領収書や請求書等の取引書類の一元管理などにも役立つため、経理部門全体の業務効率化が期待できます。弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」などの自社に合った会計ソフトを活用することで、経理精算業務を効率化しましょう。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。
著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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