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社員旅行の費用は経費にできる?経費にする条件や仕訳方法などを解説

2024/07/11更新

この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

社内イベントの一環として、社員旅行を実施する企業も多いでしょう。社員旅行にかかる費用はすべて経費として計上することができるのか、気になる経営者や経理担当者の方もいるのではないでしょうか。社員旅行にかかる費用を経費とするにはいくつか条件があるため、経費計上できないケースも含めて正しく把握しておくことが大切です。

ここでは、社員旅行の費用を経費にする条件や仕訳方法、経費計上するために行うべきことなどについて、詳しく解説します。

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社員旅行にかかる費用は経費になる?

社員旅行にかかる費用は、会社の意思決定として社員旅行が実施される場合であれば、経費として認められ、一般的に「福利厚生費」として計上されます。福利厚生費とは、企業が従業員のために支払う、給与以外の費用のことです。社員旅行にかかる費用のほかにも、企業の実施する健康診断や各種レクリエーション、交通費、住宅手当などもこの福利厚生費に該当します。

なお、一口に社員旅行といっても、その形態はさまざまです。ここでは、全従業員が参加対象となっていない社員旅行と、家族経営の企業による社員旅行について、費用を経費計上できるのかを見ていきましょう。

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全従業員が対象になっていない社員旅行の場合

「営業目標を達成したチームだけ」「特定のハイパフォーマーのみ」など、旅行の参加対象者がすべての従業員になっていない社員旅行が実施されることもあるはずです。この場合、原則として費用は経費として計上することはできません。

社員旅行の費用が経費として認められるためには、参加者が全従業員(事業所単位で実施の場合は、事業所の全従業員)の半数以上である必要があります。したがって、一部の社員のみ(全従業員の半数以下)が参加する旅行の費用については、経費として計上することができないと覚えておきましょう。

家族経営の企業における社員旅行の場合

家族経営の企業の場合も、基本的には社員旅行にかかる費用を経費として計上することはできないと考えましょう。福利厚生費の対象となるのは「従業員のために支出した費用」で、事業主自身や事業主の家族に対する費用は含まれないためです。

なお、家族だけの旅行でも、業務の遂行に必要な旅行であれば経費として計上できる可能性があります。例えば、市場調査や競合調査、試験研究、取材や営業開拓といった目的があり、業務遂行のために必要な旅行と客観的に判断できるのであれば、旅行代を経費として計上できます。

ここで注意したいのは、事業遂行上必要な旅行とはいえ、全額を経費計上できるわけではない点です。事業目的とそれ以外の目的が混在している場合は、事業目的の部分にかかる費用しか経費として計上できません。

社員旅行にかかる費用を経費にするための条件

社員旅行にかかる費用を経費として計上するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、国税庁の「No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行新規タブで開く」を参考に、経費計上するための4つの条件について、それぞれ見ていきましょう。

期間が4泊5日以内である

費用を経費にするための社員旅行の期間は、4泊5日以内であるよう所得税基本通達で定められています。旅行の全行程が4泊5日を超える場合は経費として認められません。なお、海外旅行の場合は、「外国での滞在日数が4泊5日以内」になります。

全従業員が参加対象になっていて、その半数以上が参加する

社員旅行が経費として認められるためには、全従業員が参加対象となっており、その半数以上が参加する旅行である必要があります。「役員のみが参加」「一部の社員のみが対象」といった旅行にかかる費用は、経費として認められません。社員旅行の費用を経費計上する際は、必ず参加人数や対象者に問題がないかを確認しましょう。

ただし、社員旅行の対象者は正社員やフルタイムの契約社員のみでアルバイト・パートは対象外にするといった場合は、対象となる従業員の人数を基準にすれば問題ありません。

会社の負担金額が少額である

社員旅行の会社負担額は、少額である必要があります。これは、社員旅行にかかる費用を経費計上できる理由に、少額不追求の適用があるためです。少額不追求とは、旅行にかかる費用は本来なら給与の一部として課税する必要があるものの、少額であるため経費として計上しても追求されないという考え方です。

なお、ここでいう「少額」が具体的にいくらまでなのかは、国税庁から提示されていない点にも注意が必要です。そのため、事前に顧問税理士にも相談しておきましょう。

従業員以外の参加費用は会社が負担しない

社員旅行にかかる費用を経費計上するためにも、従業員以外の参加費用は会社側で負担しないようにしましょう。社員旅行は、従業員を労ったり、レクリエーションやイベントを通して従業員間のコミュニケーションを活性化させたりすることを目的に実施されます。

しかし、従業員の家族も同伴したいという要望が出ることもあります。社員旅行への家族の同伴は認められますが、同伴者の費用も会社の経費として計上することは法律上認められていません。同伴者分の旅費は会社が負担せず、該当の従業員に負担してもらうなどの対応が必要です。

また、「実質的に私的旅行と認められる旅行」にかかる費用も経費として認められないため、同伴者も含めて団体行動をとるか、従業員とは別行動をしてもらう必要があります。したがって、社員旅行で同伴者の参加を認める場合は、同伴者分の費用を会社が負担していないことと、私的旅行になっていないことを証明できるようにしておく必要があります。

社員旅行の費用を経費計上できない事例

社員旅行にかかる費用を経費として計上できないのは、具体的にどのようなケースなのでしょうか。

ここでは、主な3つのケースに分けて、それぞれ見ていきましょう。

不参加の社員に金銭を支給している

社員旅行へ参加しなかった従業員へ旅費相当の現金を支給した場合、社員旅行にかかった費用は経費として認められなくなります。

社員旅行への参加者と不参加者の間で不平等が生まれないようにと、不参加者への金銭支給を考えることもあるかもしれません。しかし、社員旅行の費用が含まれる福利厚生費は、金銭以外の報酬とする必要があります。従業員に金銭を支給すると福利厚生費の対象外となり、さらに、所得税の課税対象となるため注意が必要です。

なお、社員旅行の不参加者へ旅費相当の金銭支給を行うにあたり、不参加の理由が自己都合なのか業務都合なのかによって、課税対象が下記のように異なります。

自己都合により社員旅行に参加しなかった従業員に旅費相当の金銭を支給する場合

自己都合により社員旅行に参加しなかった従業員に旅費相当の金銭を支給する場合は、その不参加者へ支給する金銭相当額を、社員旅行の参加者を含む全従業員に対して支払う必要があります。この支払い分は、給与として課税されます。

業務の都合により参加できなかった従業員に旅費相当の金額を支給する場合

業務の都合により参加できなかった従業員に旅費相当の金額を支給する場合は、支給する金銭は給与として課税されます。一方、社員旅行に参加した従業員については、その相当額が給与として課税されることはありません。

取引先への接待を兼ねている

取引先などの外部の人と実施した社員旅行に対しては福利厚生費が適用されず、法人規模によっては、その費用を経費計上できない場合があります。

これは、社員旅行の費用も対象となる福利厚生費は、企業から自社の従業員に対して支給される費用であることが前提となっているためです。取引先などとの接待にかかる費用は「接待交際費」という勘定科目で計上します。接待交際費は法人税法上、損金に算入できる金額に制限があるため注意が必要です。

観光だけの旅行である

観光だけの旅行の場合、かかった費用を経費として計上することはできません。社員旅行は従業員のリフレッシュや慰安、コミュニケーションの活性化などを目的に実施されるイベントですが、あくまで就業に対するモチベーション向上のためであることが前提となります。そのため、観光しか行わない旅行では私的な利用と見なされ、経費ではなく給与として計上する必要があります。

ただし、社員旅行で絶対に観光をしてはいけないというわけではありません。旅程を組む際は、業務の一環となる研修や講習の日と観光の日を分けるなど、税務処理がしやすいように工夫するとよいでしょう。

社員旅行にかかる費用の仕訳方法

ここでは、社員旅行にかかる費用の仕訳例を見ていきましょう。例えば、社員旅行の会社負担額200万円を現金で支払った場合の仕訳方法は、下記のとおりです。

社員旅行の会社負担額200万円を現金で支払った場合の仕訳例
借方 貸方
福利厚生費 2,000,000円 現金 2,000,000円

また、レクリエーションが目的の社員旅行を実施し、その日程に研修も含まれる場合は、レクリエーションに該当する費用と、研修に該当する費用を下記の勘定科目ごとに仕訳します。

例えば、会社負担額200万円の社員旅行において、研修に20万円かかった場合の仕訳は、下記のとおりです。

日程の中に研修が含まれる場合の仕訳例
借方 貸方
福利厚生費 1,800,000円 現金 1,800,000円
研修費 200,000円 現金 200,000円

社員旅行の費用を経費計上するためにはどうすべき?

社員旅行の費用を経費計上するには、どのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、社員旅行の費用を経費計上するために行うべきことについて解説します。

証拠書類をきちんと保管しておく

経費計上をするにあたり重要なのは、税務調査が行われた際に、経費として認められるための証拠を提出できるよう保管しておくことです。社員旅行の費用については、税務調査では「本当にその社員旅行が実施されたのかどうか」がチェックされるため、証拠となる書類を保管しておくことが大切です。

証拠書類には参加者や旅行期間、旅程なども詳しく記載し、経費として計上するための条件を満たしていることを証明できるようにしておきましょう。

下記のような証拠書類を提出できるように準備しておくことが大切です。

経費計上のために保管しておくべき主な証拠書類

  • 社員旅行の参加者リスト
  • 旅行のスケジュール表
  • 旅行中に利用した領収書や請求書
  • 現地での集合写真

税務調査の対象は過去3年間か5年分間が基本で、最長7年分となるため、社員旅行の証拠書類については、社内の重要書類と併せて7年間保存しておくと安心です。

就業規則に明記しておく

社員旅行にかかった費用を福利厚生費として経費計上するにあたり、会社の規則として定められているかもとても重要です。そのため、社員旅行にかかる費用を経費計上するために、社員旅行が全社員を対象としていることや、福利厚生として定期的に実施するイベントであることを就業規則にきちんと明記しておきましょう。

また、企業によって対応の異なる事項について、全従業員への周知を徹底することも重要です。例えば、海外への社員旅行に参加するためにパスポートを取得する従業員がいる場合、その費用を企業が負担すると就業規則で定めておけば、取得費用を経費として計上できます。パスポートの取得費用が企業負担となるのか個人負担なのかは、企業の規則によって異なります。

従業員が社員旅行関連の費用負担についていつでも確認できるように、就業規則へ詳細をまとめておくことで、費用負担関連のトラブル防止にもなるでしょう。

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社員旅行の費用を経費計上するための条件を確認しよう

社員旅行にかかった費用は、福利厚生費として経費計上することが可能です。ただし、経費と認められるためには一定の条件を満たす必要があり、場合によっては経費と認められないケースもあります。経費関連のトラブルを防ぐためにも、社員旅行の経費を経費計上するための条件を必ず確認し、会計処理を行うことが大切です。

また、経費計上を含む会計処理を正確かつスムースに行うには、会計ソフトの活用がおすすめです。会計業務の効率化は経理担当者の負担軽減にもつながるため、弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」などの自社の状況に合った会計ソフトの導入を検討しましょう。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。
著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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