会社設立に必要な書類は?登記申請書類の申請方法もあわせて解説

2023/12/27更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

会社設立の手続きを行う際には、定款や設立登記申請書など、さまざまな書類の提出が必要です。また、会社設立に必要な書類は、株式会社か合同会社かといった会社形態によっても異なります。スムースに会社設立を進めるためには、設立したい会社形態の必要書類や手続きの流れを知っておくことが大切です。

ここでは、株式会社と合同会社それぞれの場合に分けて、法人設立時に提出が必要な書類を紹介すると共に、書類作成時の注意点や提出方法についても解説します。

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株式会社の設立登記申請に必要な書類

会社を設立するには、法務局での設立登記申請が必要です。一般的に、株式会社を設立する場合に提出が必要な書類は下記のとおりです。

株式会社の設立登記申請に必要な書類
書類 内容
設立登記申請書 登記に使用する申請書。
登録免許税分の収入印紙 登記申請の際に納める収入印紙を、A4のコピー用紙などに貼付。
定款(ていかん) 紙または電子定款。紙の場合は収入印紙代(4万円)が必要。
発起人の同意書
(発起人決定書、発起人会議事録)
発起人全員の合意の下に、社名や事業目的、本店所在地などを詳細に決定したことを証明するための書類。
設立時代表取締役の就任承諾書 代表取締役に就任することを承諾する旨の記載をした書類。
監査役の就任承諾書 監査役に就任することを承諾した旨を証明するための書類。監査役を設置しない場合、提出は不要。
発起人の印鑑証明書 発起人の印鑑登録証明書。発起人を複数にする場合は、全員の印鑑登録証明書が必要(取締役会を設置している場合は、代表取締役のみ必要)。
資本金の払い込みを証明する書面 定款に記した資本金を証明する書類。通帳のコピー(通帳の表紙・1ページ目・振り込みが記帳されたページ)を払込証明書に添付。
印鑑届書 会社の実印登録のための届書。
登記用紙と同一の用紙 登記事項で必要な項目をすべて書き出したもの。法務局の専用OCR用紙か、CD-Rでの提出も可能。

設立登記申請は原則として代表者が行いますが、司法書士などの代理人によって行うことも認められています。代理人が行う場合は、上記の書類に加え、委任状が必要です。

  • 株式会社の設立方法についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください

合同会社の設立登記申請に必要な書類

合同会社は、株式会社よりも設立登記申請時に必要な書類が少なく、手続きにかかる費用も抑えられるという特徴があります。合同会社を設立する際に提出が必要な書類は、下記のとおりです。

合同会社の設立登記申請に必要な書類
書類名 内容
設立登記申請書 登記に使用する申請書。
登録免許税分の収入印紙 登記申請の際に納める収入印紙を、A4のコピー用紙などに貼付。
定款 紙または電子定款。紙の場合は収入印紙代(4万円)が必要。
代表社員の印鑑登録証明書 代表社員個人の印鑑登録証明書。代表社員を複数にする場合は、全員の印鑑登録証明書が必要。
資本金の払い込みを証明する書面 定款に記した資本金を証明する書類。通帳のコピー(通帳の表紙・1ページ目・振り込みが記帳されたページ)を払込証明書に添付。
印鑑届書 会社の実印を「代表社印」として、法務局に対して登録するための届書。
登記用紙と同一の用紙 登記事項で必要な項目をすべて書き出したもの。法務局の専用OCR用紙か、CD-Rでの提出も可能。

合同会社では上記の他、場合によっては「代表社員決定書」および「代表社員就任承諾書」「本店所在地および資本金決定書」などが必要になります。

また、設立登記申請は原則として出資者が行いますが、株式会社と同様に、司法書士などの代理人によって行うことも認められています。代理人が行う場合は、上記の書類に加え、委任状が必要です。

  • 合同会社の設立方法については以下の記事を併せてご覧ください

なお、会社を設立する際に必要な書類はこちらの動画でも解説しているため、会社設立の書類を準備している人は参考にしてみてください。

登記申請書類の申請方法

登記申請書の申請方法は、管轄の法務局の窓口、郵送、オンラインの3つの方法があります。会社設立日は提出方法によって異なり、以下のようになります。

登記申請書類の提出方法と会社設立日

  • 窓口:申請した日
  • 郵送:書類が到着した日
  • オンライン:申請が受理された日(システムトラブルなどがなければ基本的には申請した日)

提出書類の内容に問題がなければ、申請から1週間~10日ほどで登記が完了します。書類に不備があれば法務局から連絡がありますが、不備がなければ法務局から登記完了の連絡はありません。

  • 法人登記の申請方法については以下の記事を併せてご覧ください

会社設立の必要書類を準備するうえでの注意点

会社設立にあたって必要書類を準備するときには、いくつか注意すべき点があります。ここでは、5つの注意点を見ていきましょう。

記載ミスや漏れがないように十分確認する

設立登記申請の書類に不備があると、補正(訂正)して再提出しなければならないため、手間と時間が余計にかかってしまいます。実際に何度も再提出が必要になるケースは少なくありません。提出前には、必要事項の記入漏れや誤字・脱字、押印忘れなど、不備がないかを十分に確認しましょう。

必要書類のとじ方の決まりを守る

設立登記申請に必要な書類のとじ方には決まりがあります。必要書類が準備できたら、印鑑届書以外の書類を、必要書類一覧で紹介した順にホチキスでとじます。印鑑届書はホチキスでとじずに、クリップでまとめましょう。

また、設立登記申請書や登記すべき事項を記載した書面、登録免許税納付用台紙には、会社の実印で契印(書類のとじ目に押す印鑑)します。

会社設立日は変更できない

会社設立日を登記完了後に変更することはできません。登記申請書類の申請方法によって設立日に違いがありますので、注意が必要です。

例えば、郵送やオンラインでの申請は、何らかのトラブルによって受理が遅れる可能性があります。会社の設立日にこだわりがある場合は、法務局の窓口に書類を持参した方が安心といえるでしょう。

なお、土日祝日や年末年始といった法務局が受理できない休日を会社設立日にすることはできません。

資本金の金額を極端に少なくしない

会社法では資本金の下限が定められていないため、資本金が1円でも会社を設立することは可能です。しかし、資本金が極端に少ないと、事業が軌道に乗るまでに資金がショートしてしまう可能性があります。業種にもよりますが、資本金は半年分の運転資金に相当する金額程度を用意しておくのがおすすめです。

また、資本金は支払い能力を示すため、金融機関などから融資を受ける際の要件や取引先の与信調査に使われます。他にも、建設業や人材派遣業など業種によっては、許認可の要件として、資本金の最低金額が決められている場合もありますので、注意が必要です。

なお、資本金1,000万円未満で会社を設立すると1期目と2期目は消費税が免税される他、資本金が1億円以下の場合なら中小法人に対する法人税の軽減税率が適用されます。このように資本金は税金にも関わりますので、運転資金や融資、許認可の要件などさまざまな面を考慮して金額設定することが大切です。

専門家の力を借りる

会社設立で大変なのは、書類の作成や準備そのものではなく、会社概要などの内容を考え、決めていくことだといえます。例えば、株式会社の場合、資本金の金額や株主構成、役員報酬などの金額、決算月などが、会社設立後の納税額に大きく関わります。

会社設立前に税の知識がないままこれらを決めてしまうと、会社設立後に思った以上に税を負担することになるかもしれません。また、許認可が必要な業種の場合、許認可の要件を満たさない形で会社を設立してしまうと、せっかく会社を作っても事業ができないということになります。

会社設立の手続きをスムースに進めるには、専門家の力を借りることも検討しましょう。定款の作成や認証は司法書士や行政書士に、法務局への設立登記申請の手続きは司法書士に依頼することができます。

税務の専門家である税理士に相談すれば、会社設立時の資本金や運転資金の考え方といったお金に関するアドバイスが受けられる他、会社設立後の税務署関連の届出の依頼も可能です。場合によっては、司法書士や行政書士と提携し、会社設立手続きから設立後の資金繰りの相談まで、長期的なサポートが受けられます。

  • 専門家へ相談するメリットや相談先の選び方については以下の記事を併せてご覧ください

必要書類を提出するタイミングと会社設立の流れ

設立登記申請に必要な書類をスムースに準備するためには、会社設立の流れと必要な手続きについて知っておくことが大切です。株式会社と合同会社共に会社設立の大まかな流れは以下のとおりです。ただし、合同会社の場合、STEP3.の定款の作成は必要ですが、認証は不要となります。

会社設立の流れ

  • STEP1.
    会社の概要を決める
  • STEP2.
    法人用の実印を作成する
  • STEP3.
    定款を作成し、認証を受ける(合同会社は認証不要)
  • STEP4.
    出資金(資本金)を払い込む
  • STEP5.
    設立登記申請書類を作成し、法務局で申請する

STEP1. 会社の概要を決める

会社を設立するにあたっては、まず会社の基本事項を決めなければなりません。基本事項は、社名(商号)、事業目的、所在地、資本金、会計年度(事業年度)などが主な項目になります。なお、基本事項の項目は、株式会社の場合、株主や役員の構成、合同会社の場合は社員の構成など会社形態によって違いがありますのでご注意ください。

STEP2. 法人用の実印を作成する

法務局に設立登記の申請をするときには、会社の実印が必要です。社名(商号)が決まったら、まず会社の実印を作り、印鑑届書も忘れないようにしましょう。また、このタイミングで、法人口座の開設に用いる銀行印と、請求書や納品書などに押印する角印(社判)も一緒に作成しておくと二度手間を防げます。

なお、法改正によって、2021年2月15日から設立登記をオンラインで申請する場合、実印は任意となりました。ただし、書面で申請する場合は、これまでどおり実印が必要です。また、会社設立後に実印を使う場面は意外と多いので、会社設立のタイミングで実印を作っておくのがおすすめです。

  • 法人口座開設については以下の記事を併せてご覧ください

STEP3. 定款を作成し、認証を受ける(合同会社は認証不要)

定款(ていかん)とは、会社を運営するうえでのルールをまとめた、「会社の憲法」のようなものです。定款には、STEP1.で決めた会社概要の内容を記載します。株式会社の場合は、作成した定款を公証役場に提出し、認証の手続きが必要です。合同会社の場合は、株主構成や株式の譲渡制限などに関する記載がないため、株式会社と比べて比較的かんたんに作成でき、定款の認証手続きも不要です。

なお、定款には決まったフォーマットはありませんが、提出は紙と電子定款の2つの方法があり、紙の場合は一般的にパソコンで作成して印刷・製本します。一方、電子定款は、PDF化したデータを電子認証で手続きする方法です。電子定款であれば、紙の定款で必要になる収入印紙代(4万円)がかからないため、最近は電子定款を選ぶケースが増えています。

  • 定款の作成や提出については以下の記事を併せてご覧ください

STEP4. 出資金(資本金)を払い込む

出資金(資本金)の払い込みは、株式会社の場合は定款が認証された後、合同会社の場合は定款の作成後に行います。この時点では、STEP5.の会社設立登記が完了していないため、法人口座はまだ作れません。そのため、資本金の振り込み先は、発起人の個人口座になります。

STEP5. 設立登記申請書類を作成し、法務局で申請する

設立登記申請の必要書類一覧で紹介した書類を準備し、法務局に法人登記の申請を行います。法人登記の申請を行った日が、会社の設立日となります。

なお、法人登記の申請が完了した後は、税金や社会保険関係の手続きの他、従業員を雇う場合は、労災保険と雇用保険の加入手続きも必要です。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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