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労働基準法に則した勤怠管理とは?企業が把握しておきたい法改正のポイント

労働基準法に則した勤怠管理とは?企業が把握しておきたい法改正のポイント

近年の労働基準法の改正により、企業には従業員の勤怠を正確かつ効率的に管理する体制がいっそう求められています。特に中小企業においては、勤怠管理方法の選択や法令への対応に悩むケースも多く、適切なしくみを整えることが急務となっています。本記事では、勤怠管理の基本から労働基準法の要点、改正内容、さらには適切な管理手法までわかりやすく解説します。

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勤怠管理の基本についての振り返り

企業において勤怠管理は、従業員の労働時間を正確に把握し、適切な労働環境を整備するとともに、生産性の向上を図るために欠かせない業務です。

特に近年では、2019年以降の法改正を受けて、正確さと透明性がより求められています。

勤怠管理とは?

勤怠管理とは、企業が従業員の労働時間や勤務状況を記録・管理することを指します。具体的には、出勤・退勤時刻、休憩時間、残業時間、遅刻や早退、欠勤などを把握し、適切に管理・運用する業務です。

労働基準法により、企業には労働時間の適正な把握が義務付けられています。勤怠情報は給与計算の基礎となるため、正確な勤怠管理は従業員からの信頼性向上にもつながります。

勤怠管理について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

勤怠管理の必要性

勤怠管理の目的は、労働基準法や労働条件を遵守することです。

労働基準法では、法定労働時間を1日8時間・週40時間と定めています。それを超える場合は時間外労働となるため、企業は36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出なければなりません。

労働時間を正確に記録・管理することで、長時間労働を抑制し、従業員の健康維持に貢献します。また、勤怠情報は給与計算に直結するため、未払い賃金や過剰支払いの発生を予防し、労務トラブルに発展するリスクの低減につながります。

36協定と36協定の特別条項について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

勤怠管理を行う際に押さえておきたい労働基準法のポイント

2019年4月に施行された改正労働基準法では、時間外労働の上限が規制され、有給休暇の年5日取得が義務化されました。さらに2023年4月には、中小企業にも時間外労働の割増賃金率引き上げが適用され、2024年4月からは、猶予されていた建設業・運送業等の業種にも時間外労働の上限規制が適用されています。

2019年4月に改正労働基準法が施行

働き方改革関連法の施行に伴い、2019年4月に改正労働基準法が施行されました。本改正は、長時間労働の是正や労働者の健康確保を目的とするものです。

具体的には、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務化、労働時間の客観的な把握の義務化などが盛り込まれています。特に中小企業においては、2020年4月から時間外労働の上限規制が適用され、2023年4月からは時間外労働の割増賃金率の引き上げが適用されている点に注意が必要です。 企業には、改正労働基準法の内容を正しく理解し、法令に則った適切な勤怠管理を行うことが求められます。

以下では、改正の主なポイントについて詳しく解説します。

時間外労働の上限規制(残業時間の上限規制)

時間外労働の上限規制は、労働者の健康とワーク・ライフ・バランスの実現を目的として、2019年4月に改正労働基準法によって導入されました。

本規制により、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間と定められました。特別な事情があり、労使間で合意した場合(特別条項付き36協定の締結)でも、年720時間未満、月100時間未満、複数月の平均80時間以内、月に45時間までの時間外労働が年間合計6回まで、という上限が設けられています。上限規制に違反した場合、企業は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となります。

年次有給休暇の5日間の取得が義務化

年次有給休暇は、労働者が心身をリフレッシュするための権利であり、一定の条件を満たす労働者に付与されます。2019年4月の改正労働基準法により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)には、年5日以上の取得が義務化されました。したがって、企業は1年以内に5日取得させる必要があります。

労働時間の客観的な把握方法の確立が義務化

労働時間の客観的な把握は、適切な勤怠管理を行う上で不可欠です。

働き方改革関連法の1つである労働安全衛生法の改正により、2019年4月から、企業は労働時間の客観的な把握方法を確立することが義務付けられました。具体的には、タイムカード、ICカード、パソコンの使用履歴など、客観的な記録を用いて労働時間を把握します。従業員による検証できない自己申告制は原則として認められません。

厚生労働省は、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定しています。企業は、このガイドラインを参考に、適切な勤怠管理体制を構築する必要があります。

2023年4月に中小企業も時間外労働の割増賃金率の引き上げが適用

2023年4月には、中小企業における時間外労働の割増賃金率が、大企業と同様の50%以上へと引き上げられました。それまで、中小企業では月60時間を超える時間外労働に対し、25%以上の割増賃金率が適用されていましたが、この変更により一律50%以上の水準が求められるようになりました。

割増賃金率の引き上げによって、企業が過剰な時間外労働を抑制し、効率的な労働環境を築くことが期待されています。労働基準法違反となると罰則も厳しく適用されるため、企業は労働時間管理体制の見直しを行い、働きやすい環境を整えることが重要です。

2024年4月に時間外労働の上限規制が猶予されていた業種にも適用

2024年4月1日から、労働基準法改正により、これまで時間外労働の上限規制が猶予されていた建設業・運送業等の業種にも法規制が適用されました。対象となるのは、主に以下の業種です。

・建設業

原則として、災害復旧・復興事業を除くすべての建設業に上限規制が適用されます(労基法139条による)。災害復旧・復興事業では、時間外労働と休日労働の合計の月100時間未満、2~6か月平均80時間以内の規制は適用されません。

・運輸業(自動車運転業務)

トラック、バス、タクシーなどの自動車運転業務には、特別条項付きの36協定を締結した場合、年間960時間を上限とする規制が適用されます。

ただし、労働時間と休憩時間を含めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準新規タブで開く」については別途ルールがあるため、こちら新規タブで開くをご確認ください。

・医療機関(医師)

業務の特殊性を考慮し、時間外労働の上限は年間で最大1,860時間です。時間外労働と休日労働の合計100時間未満、複数月平均80時間以内の規制は適用されません。

・鹿児島県および沖縄県の砂糖製造業

これら地域の砂糖製造業においても、すべての上限規制が適用されます。

勤怠管理における労働基準法での罰則

勤務時間に関する労働基準法の規定に違反した場合、企業には厳しい罰則が科されます。例えば、時間外労働の上限規制を破った場合には、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」の対象となります。

そもそも罰則の有無にかかわらず、企業は従業員の労働時間を適切に管理しなければなりません。適切な勤怠管理を行うことは企業の信用を守るためにも重要です。

労働基準法に則した勤怠管理を行う方法

労働基準法に基づき、企業は労働者の始業・終業時刻を適正に管理し、客観的に記録することが求められます。管理方法は、以下の2つが基本です。

  • 使用者が直接労働時間を確認・記録する方法
  • タイムカード・ICカード・パソコンの使用履歴などの客観的データを活用する方法

なお、自己申告制を導入する場合は適正な運用が不可欠であり、実態調査や労働時間の補正措置が求められます。以下では、表計算ソフトや勤怠管理システムを活用した具体的な管理方法について解説します。

方法1. 表計算ソフト(Excel)を使用する

表計算ソフト(Excel)を活用した勤怠管理は、比較的手軽に導入できる方法です。基本的には、従業員の出勤・退勤時間を入力し、関数やマクロによって労働時間や残業時間を自動計算するしくみを構築します。また、VBAを活用したマクロを組めば、勤怠データの自動入力や管理表の更新作業を効率化できます。ただし、マクロや関数の設定には一定の知識が必要なため、Excelに不慣れな場合はテンプレートを活用するのも有効です。

表計算ソフト(Excel)を使った勤怠管理について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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方法2. 勤怠管理システムを使用する

従業員数が少ない零細企業や中小企業であれば、表計算ソフト(Excel)での勤怠管理も可能です。しかし、中規模以上の企業では従業員数や管理項目が増加するため、Excelでの管理は煩雑になり、人的ミスも発生しやすくなります。

中規模以上の企業には、勤怠管理システム・ソフトの導入をおすすめします。勤怠管理システムを利用すれば、従業員の出退勤時間や労働時間を正確かつ効率的に管理できます。リアルタイムでの勤怠状況の把握、残業時間の自動計算、有給休暇の管理など、多岐にわたる機能が搭載されているだけでなく、法改正にも自動で対応されるため、常に最新の法令に準拠した勤怠管理が可能です。

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勤怠管理のシステムおよびソフトについて詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

労働基準法に則した正確な勤怠管理はシステム活用で実現しよう

労働基準法に沿った勤怠管理は、企業にとって法令遵守と効率性を両立させる重要な課題です。正確性や業務効率を重視するなら勤怠管理システムの導入がおすすめです。リアルタイムでの勤怠データの把握や法改正への柔軟な対応、人的ミスの軽減など、多くのメリットがあります。システムの活用によって、正確で効率的な勤怠管理を実現し、労働環境の改善を図りましょう。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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