労務管理にAIは活用できる?システムで自動化できる業務やメリット、注意点を解説
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労務管理の実務では、入退社手続きや年末調整、従業員情報の更新など、定型的な作業が多く発生します。これらの業務をクラウドシステムで一元管理すると、情報収集や書類作成、確認作業を効率化できます。AIによる検知や情報整理も組み合わせれば、担当者は判断が求められる業務や従業員対応に時間を使いやすくなります。
本記事では、AI搭載の労務管理システムで自動化・効率化できる業務や、導入メリット、注意点を解説します。入退社手続き・年末調整・従業員情報の管理を効率化したい方は、AIとクラウドシステムを組み合わせた労務管理の進め方を確認しましょう。
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AI搭載の労務管理システムで自動化できる5つの業務
勤怠管理・入退社手続き・年末調整など、労務における主要業務は、AI搭載の労務管理システムを活用することで、一部の作業を自動化・効率化できます。手作業や目視確認の負担が生じやすい業務を中心に、自動化・効率化できる5つの業務を紹介します。
勤怠管理などにおける異常値の検知
出社・退勤の打刻や休暇申請などは、勤怠管理システムを活用して一元管理できます。勤怠管理そのものは勤怠管理システムの領域ですが、AIを組み合わせることにより、打刻漏れや深夜労働、残業時間の増加傾向などを検知しやすくなります。
従業員単位や部門単位で集計した勤怠データを活用すれば、36協定に沿って労働時間を管理しつつ、業務量の調整やシフトの見直しを進めやすくなります。また、前月データとの乖離や入力ミスに気づきやすくなるため、ヒューマンエラーの削減にもつながります。
入退社手続きと電子申請の効率化
入社時には、マイナンバー・扶養家族・通勤経路など、多くの情報を従業員から収集します。集めた情報を確認し、雇用保険・健康保険・厚生年金などの資格取得届を作成することは、労務担当者にとって負担の大きい業務です。
労務管理システムを活用すれば、従業員本人が入力した情報をもとに、入退社手続きに伴う情報収集や書類作成を効率化できます。退職に伴う手続きについても、離職証明書や資格喪失届などの作成に使う情報をシステム上で管理できるため、確認漏れの防止や作業負担の軽減に役立ちます。
さらに、AI-OCR機能を備えたシステムであれば、本人確認書類などの情報を読み取り、入力作業を補助できる場合もあります。また、e-Govの電子申請APIに対応したシステムでは、作成した届出書類のオンライン申請が可能です。申請届出から審査状況の確認、電子公文書の取得までオンラインで対応でき、紙での提出や手入力の負担を軽減できます。
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参照:e-Gov developer「よくあるご質問(FAQ) Q.電子申請APIとは何でしょうか。
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年末調整の申告内容の収集と確認の効率化
年末調整は、申告内容の収集や確認に工数がかかる業務です。従来のアナログ作業では、紙の書類を配布して従業員に記入してもらったうえで、労務担当者が内容を目視で確認していました。
労務管理システムを利用すれば、こうした申告内容の収集や確認をシステム上で行えます。従業員がWeb上で申告内容を入力できるほか、控除額の計算や申告状況の管理も可能です。
AI機能を搭載したシステムであれば、変更内容に応じた確認や手続き案内を補助できるため、担当者の確認作業を効率化できます。従業員が申告内容を入力する段階で、入力漏れや対象年と異なる控除証明書の提出などをシステム上で検知できれば、提出前に修正を促せます。その結果、担当者による差し戻しや再提出依頼の負担が軽減されます。
さらに、年末調整と給与計算を一元管理できるシステムなら、集計データを給与計算に反映できます。12月・1月に集中しがちな業務の負担を抑えられる点もメリットです。
年末調整について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
従業員情報の登録と変更の一元管理
従業員の住所や扶養親族などの情報が変わると、通勤手当の見直しや社会保険の扶養異動届の提出など、変更内容に応じた手続きが発生する場合があります。
クラウド型の労務管理システムでは、従業員本人がマイページから登録情報を変更できます。AI機能を搭載したシステムであれば、変更内容を検知し、条件に応じた手続きの案内を補助することで、担当者の確認作業を効率化できます。登録情報の変更が起こるたびに、労務担当者が手作業で入力する手間を減らせる点もメリットです。
労務に関する社内問い合わせの自動対応
従業員から個別に受ける問い合わせ対応を効率化し、担当者の負担を軽減するのがAIチャットボットです。就業規則や社内規定、申請マニュアルなどを参照できる環境を整えることで、「有給休暇の確認方法」「育児休業の申請手順」などの定型的な問い合わせに対して、担当者が不在のときでも自動で回答を得られる体制を作れます。
従業員は情報を確認しやすくなり、労務担当者は同じ質問に繰り返し対応する手間を減らせます。特に、4月の入社直後や異動時期など、問い合わせが集中しやすいタイミングで効果を発揮しやすい施策です。
ただし、就業規則に記載されている内容と個別事情を踏まえた判断が求められる問い合わせについては、AIの回答だけで完結させず、担当者が確認するフローを設けましょう。
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AI搭載の労務管理システムを導入するメリット
AI機能を搭載した労務管理システムを活用すると、担当者が手作業で行っていた定型業務の工数を削減できます。定型業務の工数を削減し属人化を軽減できるほか、担当者が就業環境の改善や従業員対応に時間を使いやすくなる点もメリットです。
定型業務の工数を削減し属人化を解消できる
労務の定型業務は、労務管理システムによる効率化と相性がよい領域です。毎年発生する年末調整の確認や、定期的に発生する各種届出書類の作成、従業員情報の更新などは、システム上で管理・処理できる範囲が多く、担当者の工数削減につながります。
また、業務手順や情報を労務管理システム上に集約すれば、特定の担当者に属人化していた業務も標準化しやすくなります。入力内容の確認や判断補助にAIを活用することで、担当者の確認負担を抑えられる点もメリットです。
届出や手続きの抜け漏れとミスを防止できる
労務管理システムを活用すると、従業員が情報を入力する段階で、誤入力や入力漏れに気づきやすくなります。必須項目の表示やエラーメッセージによって提出前の修正を促せるため、担当者があとから不備を確認し、差し戻す手間を減らせます。
書類提出が滞っている従業員へ自動通知を送れる機能があれば、担当者が確認・催促する手間を減らせます。さらに、AI機能による入力内容の確認やエラー検知を組み合わせることで、人的ミスの防止にも有効です。提出状況や入力内容をシステム上で整えられれば、その後の給与計算や電子申請もスムーズに進みます。
担当者が就業環境の改善や従業員対応に集中できる
労務管理システムによって定型業務の負担が軽減されると、担当者は就業環境の改善や従業員対応に時間を使いやすくなります。具体的には、就業環境を改善する施策の立案や従業員面談、就業規則・社内ルールの設計などに注力する余裕が生まれます。
また、判断に迷う場面でAIを活用すれば、参考情報を確認しながら対応を検討することが可能です。労務管理の役割を「手続き処理」中心から、「従業員が働きやすい環境づくり」へ広げやすくなる点もメリットです。
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AI搭載の労務管理システムの導入時の注意点
労務の実務では、従業員の個人情報を取り扱います。労務管理システムを導入する際は、セキュリティ対策に加えて、自社の就業規則や勤務形態に対応できるかを確認しましょう。また、AIの回答や出力内容はそのまま利用せず、人間の目で最終確認を行う運用が大切です。
個人情報のセキュリティ対策を十分に確認する
労務管理システムには、従業員の氏名やマイナンバー、給与にかかわる情報など、機密性の高い個人情報を入力します。そのため、十分なセキュリティ対策が講じられているシステムを選定しなければなりません。
導入前に確認しておきたい主な項目は、以下のとおりです。
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- データの暗号化方式
- 保存先データセンターの所在地
- アクセス権限の設定機能
- バックアップ体制
これらの項目を確認したうえで、自社の情報セキュリティ基準に合ったシステムを選定しましょう。
自社の就業規則や勤務形態に対応できるか確認する
労務管理システムを選定する際は、自社の就業規則や勤務形態に対応できるかを事前に確認します。勤務形態は企業の就業規則によって異なり、フレックスタイム制・変形労働時間制・シフト制などさまざまです。標準機能でカバーできないルールがある場合は、カスタマイズの可否や追加費用も併せて確認しましょう。
勤怠管理ソフトの選び方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
AIの出力は人間が最終確認する運用ルールを設ける
AIチャットボットの回答や、システムが自動作成した書類には、誤りが含まれる可能性があります。特に、就業規則の解釈や届出書類の要否判断にかかわる内容は、担当者による慎重な確認が欠かせません。AIの出力をそのまま最終判断にせず、担当者が確認したうえで対応する業務フローを設けましょう。
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労務管理の効率化はクラウドシステムの導入と一元化が出発点になる
入退社手続きや年末調整、従業員情報の管理といった定型業務は、AI単体ではなく、クラウドシステムによる一元管理が効率化の土台になります。AIは異常検知や情報整理などの補助として活用し、就業規則の解釈や個別対応は人間が最終確認することで、正確性と効率を両立しやすくなります。
弥生の「弥生労務 Next」は、入退社手続き、社会保険・労働保険の電子申請、マイナンバー管理、年末調整までをクラウドで一元化できる労務管理サービスです。勤怠管理・給与計算と連携すれば、従業員情報の登録から届出の電子申請、給与計算、明細作成まで一連の流れで処理しやすくなります。中小企業のバックオフィスのデジタル化を、無理なく進めていきましょう。
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※本記事は2026年6月9日時点の情報を基に制作しています。
※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります。
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よくあるご質問
AI搭載システムを導入すれば労務管理の担当者は不要になりますか?
AI搭載システムを導入しても、労務担当者は不可欠です。
当記事で紹介した定型業務の自動化や効率化は、システムやAIが得意とする領域です。就業規則の解釈、従業員からの相談対応、個別事情を踏まえた説明など、人間が判断を担うべき業務もあります。
また、AIやシステムの出力内容を確認することも、労務担当者にとって欠かせない役割です。AI搭載システムは人間に取って代わる存在ではなく、担当者の業務負担を減らし、判断業務に集中しやすい環境を作るためのものと捉えましょう。
なお、判断に迷う場面では、担当者の知識や経験だけに頼らず、信頼できる参考情報を確認することも大切です。「弥生のいつでも労務相談AI」のように、社会保険労務士など専門家が監修し、公的機関の一次情報をもとにした回答を得られるAIサービスもあります。迷ったときに信頼性の高い参考情報を確認できれば、担当者は判断業務を進めやすくなります。
中小企業でもAI搭載の労務管理システムは導入できますか?
中小企業でも、AI搭載の労務管理システムを導入できます。
近年は月額料金で利用できるクラウドサービスが普及しており、大きな初期投資を抑えて導入しやすい環境が整っています。小規模な企業向けのサービスもあるため、対応できる従業員数や料金体系を確認し、自社の課題や工数に合うものを比較しましょう。
入退社手続きや年末調整、従業員情報の管理などをまとめて効率化したい場合は、労務管理サービスの導入が有効です。弥生では、中小企業の労務管理を支援するサービスとして「弥生労務 Next」を提供しています。
労務管理・勤怠管理・給与計算は別々のシステムで運用すべきですか?
別々に運用することも可能ですが、業務効率を重視するなら、労務管理・勤怠管理・給与計算を一元管理できるシステムを導入しましょう。
各業務で別々のシステムを使うと、従業員情報の二重入力やシステム間の連携設定に手間がかかります。情報を更新した際に一部のシステムへ反映し忘れると、給与計算や手続きに影響する可能性もあります。
一元管理できるシステムであれば、入社手続きで登録した従業員情報や勤怠データを給与計算に連携しやすくなります。再入力や確認作業の負担を減らし、労務管理から給与計算までの流れをスムーズに進められる点がメリットです。
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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務
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