注文書(発注書)をFAXで送付する際の注意点|書き方や文例も簡単に解説
監修者:名取 弘美(税理士)/市川 裕子(ビジネスマナー監修)
2024/09/26更新
注文書(発注書)をFAXで送付したいけれど、送付方法やビジネスマナーがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。メールやSNSなど、デジタルが普及した現在ではFAX自体を使うことがないという方も珍しくありません。そこで本記事では、注文書(発注書)をFAXで送る際の注意点や、添付して送る送付状の書き方などを解説します。
注文書(発注書)はFAXで送っても問題はない
前提として、注文書(発注書)はFAXで送付しても問題ありません。取引先から依頼されてFAXで送るケースもあります。ただし、企業によってはFAX注文に対応していない場合もあるため、事前に確認することが重要です。
注文書(発注書)をFAXで送付する際の注意点
注文書(発注書)をFAXで送付する際は、誤送信や紛失などのトラブルを避け、取引先に信頼できる企業だという印象を持っていただくためにも、以下の点に注意が必要です。
- 送付状を付ける
- 事前に相手方に確認を取る
- 誤送信には十分に注意する
- FAX送付済みかわかるようにしておく
- 細かい文字や図は避ける
送付状を付ける
書類の種類や送付方法にかかわらず、顧客や取引先に書類を送付する際は送付状を添えるのが一般的なビジネスマナーです。いきなり注文書(発注書)だけ送信すると、先方から無礼な印象を持たれることがあります。そのため、1枚目に送付状、2枚目以降に注文書(発注書)を送るようにしましょう。また、先方の見落としや混乱を避けるためには、各ページにページ番号を振ることも大切です。送付状の具体的な書き方については、後で詳しく解説します。
事前に相手方に確認を取る
企業によっては、FAXで帳票類の受け取りに対応していない場合もあります。そのため、FAXで注文書(発注書)を送付する際は事前に相手方にFAX注文の可否を確認しておきましょう。無許可で注文書(発注書)を一方的に送付すると、先方がFAXの受信に気づかず書類を紛失したり、トラブルが生じるおそれもあります。スムースに注文(発注)するためにも、事前に連絡しておいた方が安心です。
誤送信には十分に注意する
注文書(発注書)をFAXで送付する際は、誤送信しないようにFAX番号を十分に確認しましょう。FAXを誤送信すると注文手続きが滞るだけでなく、情報漏洩にもつながります。特に注文品が自社の重要なプロダクトやプロジェクトに関わる場合は、注文内容が第三者に知られたり、納品が遅れたりすることで事業に打撃が生じる可能性も否定できません。そのため、FAXを送信する際は、誤送信の防止に努めましょう。
FAX送付済みかわかるようにしておく
FAXは郵送と違って送信後も原本が手元に残るため、一見しただけではFAX済みの書類かどうかわかりません。送付前の書類だと誤解して二重送信すると、当初想定していた以上の注文品が届いてしまうおそれがあります。こうしたトラブルを避けるためには、FAX済みの書類に「FAX済」とメモしたりスタンプを押したりして、見分けがつくようにすることが重要です。
細かい文字や図は避ける
FAX機器の性能によっては、細かい文字は潰れてしまい読めないリスクがあります。そのため、FAXでは細かい文字や繊細な図などを送信することは避けましょう。また、文字がかすれて読めなくなることがあるので、FAXで送信する書類に黒と白以外の色を使うことも避けた方が無難です。細かな文字が入った書類やカラフルな書類などを送信したい場合は、郵送やメールなど他の方法で送りましょう。
注文書(発注書)をFAXで送付する際の送付状の書き方
送付状に書く基本的な記載事項としては、以下が挙げられます。
送信日:FAXの送信日
受信先の情報:発注先の社名、部署名、担当者などの情報
送信元の情報:自社の社名、連絡先、部署名、担当者名などの情報
標題:何の書類なのかひとめでわかるようにする件名
例:「注文書送付のご案内」、「FAX送信状」など
本文:定型的な挨拶文や用件を伝える簡単な文章
記書き:送付書類の内容や枚数を伝える箇条書き
例:「注文書 1通」
以上が送付状の基本的な記載内容です。発注先の企業との関係などに応じて文面を変えることで、より丁寧な印象を与えることができます。また、記書きに関しては、単に「注文書」とだけ記載するのではなく、「注文書 〇通」というように枚数も記載すると、先方の混乱や見落としを避けられます。「送信枚数 〇枚(本紙を含む)」など、合計何枚FAXを送ったのか明記するようにしましょう。
注文書(発注書)をFAXで送付する際の送付状の文例
上記の記載項目を押さえた送付状の基本的な文例は以下の通りです。
FAX送信状
信日:20XX年X月X日
株式会社 〇社
〇〇部
〇〇 〇〇 様
株式会社 〇社〇〇〇〇
〒 XXX-XXXX
東京都〇〇区〇〇 X-X-X
電話:03-XXXX-XXXX
FAX:03-XXXX-XXXX
e-mail:example@〇〇
担当:〇〇 〇〇
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
下記の書類を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
- 注文書 1通
- FAX送信枚数 2枚(本紙含む)
以上
特記したい情報があれば、本文の末尾や記書きの下などにコメントを入れても問題ありません。上記の文例を草案にして、適宜アレンジして活用してください。
注文書(発注書)をFAX以外で送付する方法
注文書(発注書)の送付方法としては、郵送やメールも一般的です。それぞれの特徴や注意点は以下の通りです。
郵送
注文書(発注書)を紙で送る場合は、基本的に郵便を使いましょう。その理由は、郵便法において注文書(発注書)は「信書」と位置付けられており、これを一般的な宅配便で送ることは禁じられているためです。郵便の場合、注文書(発注書)が先方に届くまでには一定の時間がかかるため、注文品が必要な時期までに納品されるように、時間に余裕をもって送付しましょう。なお、郵送の場合でも送付状の同封はビジネスマナーとして必要です。
メール
注文書(発注書)をPDF化してメール添付で送信する方法です。メールの場合、メール本文が送付状として扱われます。他のメールに紛れたり、添付ファイルが見落とされないように、件名や本文に注文書が添付されていることを明記しましょう。もしも、先方から注文書を受領した旨を伝える返信がない場合は、念のために追加のメールや電話などで確認することも重要です。
注文書の送付方法について詳しくはこちらも参考にしてください。
送受信方法によってFAXも電子帳簿保存法の対象になる
FAXの中には、送受信に際して紙面の読み取りや出力を要さず、電子データ形式で直接情報をやりとりできる機種もあります。いわゆるペーパーレスのFAX機器です。
注文書(発注書)の送受信に際してペーパーレスのFAX機器を自社で使用している場合は、電子帳簿保存方法の対象になるため、同法で定められた方法で電子データを保存する必要があります。該当する場合は、この点にも注意しておきましょう。
注文書(発注書)をFAXで送付する際はよく注意しましょう
注文書(発注書)をFAXで送付する際は、「送付状を付ける」「誤送信や二重送信を避ける」など細かい点に注意する必要があります。こうした注意点を守れないとマナー違反だと思われる、必要な時期までに注文品が届かないといった事態を招きかねません。このような不手際がないように、帳票類を作成する際は、弥生のサービス「Misoca」を活用すると簡単にできるのでおすすめです。ぜひご検討ください。
この記事の監修者名取 弘美(税理士)
税理士法人ベリーベスト 税理士
事業会社の経理業務に長年従事しており、2017年に税理士法人ベリーベストに入所。主に法人税務を担当し、2年前からTax audit and service部門にて税務案件のリサーチ、社内研修、申告書のレビュー等を行っている。数多くの企業案件に携わる中で得た専門知識を活かし、精確な情報提供を心掛けている。
この記事の監修者市川 裕子(ビジネスマナー監修)
マナーアドバイザー上級、秘書検定1級、ビジネス実務マナー、硬筆書写検定3級、毛筆書写検定2級、収納アドバイザー1級、など。 出版社や人材サービス会社での業務を経験。秘書業務経験よりビジネスマナーとコミュニケーションの重要性に着目し、資格・スキルを活かし、ビジネスマナーをはじめとする各種マナー研修や収納アドバイザー講師として活動。