現金主義とは?発生主義との違いと確定申告で知っておきたい帳簿付けの基本
更新

確定申告の帳簿付けで、「現金主義」「発生主義」という言葉を目にすることがあります。「○○主義」という名前から、帳簿付けの考え方や方向性の違いであることはわかります。しかし、具体的に何が違うのか、確定申告にどう関係するのでしょうか。
さらに、帳簿の付け方として、「簡易簿記(単式簿記)」、「複式簿記」という方法があり、これらとの違いにも疑問をもつ方もいるでしょう。
実のところ、現金主義・発生主義は「いつ売上や経費を記録するか」ということ、簡易簿記・複式簿記は「どの帳簿を使うか」ということで、それぞれ別のルールです。
この記事では、現金主義と発生主義の違いをわかりやすく解説しながら、白色申告・青色の記帳方法(帳簿の付け方)などを紹介します。
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POINT
- 現金主義は、現金の動きに基づいて売上や経費の帳簿付けをする単純な方法
- 発生主義は、取引の発生に基づいて売上や経費の帳簿付けをする方法
- 個人事業主は発生主義での帳簿付けが原則で、青色申告の小規模事業者に限り特例として現金主義が認められている
帳簿付けで混乱しがちな2つのルール
現金主義・発生主義は「いつ売上や経費を記録するか」というルール、簡易簿記・複式簿記は「どの帳簿を使うか」というルールで、それぞれ別の話です。
確定申告の帳簿付けについて、混同しやすいのが「現金主義・発生主義」と「簡易簿記(単式簿記)・複式簿記」という言葉です。どれも帳簿付けに関係する用語ですが、2つは考え方が似ているようで違うルールです。
簡易簿記(単式簿記)と複式簿記の違い
まず、「どの帳簿を使うか」について解説します。帳簿には「簡易簿記(単式簿記)」と「複式簿記」の2種類があります。
簡易簿記は、お金の出入りを中心に記録するシンプルな方法です。一方、複式簿記は、1つの取引を「借方」と「貸方」の両面から記録する方法で、お金の動きだけでなく、その原因まで把握できます。
なお、白色申告は一覧表のような簡易な方法による記載で対応可能です。青色申告で簡易簿記(単式簿記による記帳)を選択した場合、青色申告特別控除は最大10万円になります。
一方、複式簿記を選択し、e-Tax申告などの要件を満たした場合は、2026年分までは、55万円か65万円(2027年分以降は最大75万円)の青色申告特別控除が適用できます。
簡易簿記と複式簿記の違いを比較すると、下のようになります。
簡易簿記と複式簿記の違い
| 帳簿の形式 | 簡易簿記(単式簿記) | 複式簿記 |
|---|---|---|
| 記録方法 | 現金の入出金や売上・経費など、お金の動きを記録する | 1つの取引を「借方・貸方」に区分した仕訳として記録する |
| 主な帳簿 | 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など | 仕訳帳、総勘定元帳など |
| 記帳の難易度 | 比較的やさしい | 簿記の知識が必要になる |
簡易簿記(単式簿記)と複式簿記については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
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現金主義と発生主義はいつ帳簿付けするかという違い
「現金主義」とは、実際に現金や預金の出入りがあった時点で売上や経費を帳簿付けする方法。「発生主義」は、現金の動きと関係なく、取引が成立した時点を基準に帳簿付けする方法です。
売上や経費をいつ帳簿に記録するかという「計上のタイミング」には、「発生主義」と「現金主義」という2つの考え方があります。
例えば、現金主義では、売上代金が入金された日を収益の計上日とし、経費については支払った日に計上します。
これに対して、発生主義の場合では、売上や経費が発生した事実に基づいて帳簿付けを行うため、入金や支払いが後日であっても、その取引が生じた時点で計上します。
白色申告・青色申告にかかわらず発生主義が原則
白色申告・青色申告のどちらを選んでも、個人事業主の帳簿付けは、原則として「発生主義」に基づいて行います。
「発生主義」とは、現金の動きに関係なく「取引(売上や経費)が成立した事実」を基準にするルールのことです 。
ただし、日本の会計ルールでは、費用は発生主義で計上する一方、収益は「実現主義」によって計上することになっています。
「実現主義」とは、受注した時点や実際に入金された時点ではなく、商品やサービスの提供が完了し、代金を受け取る権利が確定した時点で収益を計上する考え方です。
一方で、現金主義は誰でも選択できるわけではありません。一定の条件を満たした個人事業主にのみ認められる例外的な制度です。
現金主義の特例については、後述の「現金主義の特例とは?|青色申告かつ小規模事業者のみに認められる制度」で解説します。
現金主義の仕訳例
「現金主義」の帳簿付け(仕訳)は、実際に現金や預金が動いたときだけ記録します。お金が動いていないタイミングでは、一切処理をしない(仕訳なし)という点が最大の特徴です。
それでは、現金主義ではどのように帳簿付けをするのか、仕訳例を見てみましょう。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 10,000 | 売上 | 10,000 |
(例2)商品100,000円を販売し、代金は後払いで預金に振り込まれた。
販売時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕訳なし | |||
入金時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 預金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
販売時点では現金の動きがないため、何も処理をしません。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
(例4)商品80,000円を仕入れ、代金は後払いで預金から振り込んだ。
仕入時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕訳なし | |||
支払時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 80,000 | 預金 | 80,000 |
発生主義の仕訳例
「発生主義」の帳簿付け(仕訳)は、現金の収受に関係なく、取引(売上や経費)が発生した時点で帳簿付けをします。
では、発生主義で個人事業主が、帳簿付けはどのようにするのか、仕訳例を見てみましょう。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 10,000 | 売上 | 10,000 |
販売と同時に現金の受け取りがあるので、現金主義と同じ仕訳です。
(例2)商品100,000円を販売し、代金は後払いで預金に振り込まれた
販売時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
入金時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 預金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
販売時で売上を計上しますが、代金は売上計上時点では未回収なので、「売掛金」という売上代金を回収する権利が発生したとして仕訳します。
入金時は売掛金が回収されて、預金の残高が増えたという仕訳になります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
購入と同時に現金の支払いがあるので、現金主義と同じ仕訳です。
(例4)商品80,000円を仕入れ、代金は後払いで預金から振り込んだ。
仕入時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 80,000 | 買掛金 | 80,000 |
支払時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 80,000 | 預金 | 80,000 |
商品を仕入れた段階で仕入れを計上します。代金は未払いなので「買掛金」という仕入代金を支払う義務が発生したとして仕訳します。支払時は買掛金を支払ったという仕訳になります。
売上(収益)は実現主義で仕訳する
実現主義は、実際にモノの引渡しやサービスの提供が行われ、代金を受け取る権利が確定した時点で売上の帳簿付けをする方法です。
発生主義では取引の発生に基づいて帳簿付けをするのが原則です。しかし、売上の場合は取引発生時に計上すると、見込まれる利益が実際に現金化されるかが不確実になるという欠点があります。そこで、売上についてはより確実性の高い「実現主義」が採用されています。
なお、実現主義は引渡しなどの事実をどこで認識するかで帳簿付けのタイミングが変わってきます。モノの引き渡しに関しての代表的な3つの認識基準をおさえておきましょう。
| 出荷基準 | 商品を出荷した時点で売上を認識する基準。出荷表などがそのよりどころとなる。 |
|---|---|
| 納品基準 | 相手先に商品が到着した時点で売上を認識する基準。納品書控などがそのよりどころとなる。 |
| 検収基準 | 相手先で商品の検品(チェック)が終了した時点で売上を認識する基準。相手先の検収書などがその証拠になる。 |
それでは、実現主義ではどのように帳簿付けをするのか、仕訳例を見てみましょう。
出荷基準を採用したケースの仕訳例
(例)商品100,000円の取引を受注し、先方へ納品した。代金は預金に振り込まれた。売上につき出荷基準を採用している
受注時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕訳なし | |||
出荷時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
納品時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕訳なし | |||
検収時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕訳なし | |||
入金時
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 預金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
出荷基準を採用しているため、出荷時点でモノを引き渡し、代金を受け取る権利を得たとして出荷時に売上を上げます。納品時、検収時には仕訳は発生しません。
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現金主義の特例とは?|青色申告かつ小規模事業者のみに認められる制度
「現金主義の特例」とは、青色申告をする個人事業主などの小規模事業者に認められる制度です。例外的に「売上や経費をいつ計上するか」のタイミングを実際のお金の動き(現金主義)にすることが認められています。
現金主義の特例は、帳簿の形式(簡易簿記か複式簿記か)を変更する制度ではありません。あくまで、売上や経費をいつの日付で計上するかというルールを、現金や預金の動きを基準とする方法に切り替えるためのものです。
個人事業主の帳簿付けは原則として、発生主義で行う必要があります。しかし、発生主義では売掛金や買掛金などを管理する必要があり、ある程度の簿記の知識が求められます。そこで、青色申告の小規模事業者には、特例として現金主義による所得計算が認められているのです。
なお、現金主義の特例を利用しているからといって、簡易簿記で帳簿付けをするわけではありません。「現金主義」「発生主義」は、いつ帳簿に記録するかという「計上のルール」で、どの形式で帳簿を付けるかの「複式簿記」「簡易簿記」とは別のルールだからです。
現金主義のメリット
「現金主義」のメリットは、現金の動きに合わせて記帳するため、発生主義に比べると記帳がシンプルになることです。
現金や預金が実際に動いた日を基準に記録するので、売上であれば入金された日、仕入れや経費であれば支払った日に計上できます。
また、発生主義のように売掛金や買掛金などの管理は必要ありません。現金主義では現金の動きに合わせて記帳するため、「いつ帳簿に記録すればよいか」を判断しやすい点が特徴です。
しかも、帳簿上の残高と実際の現金や預金の残高を照らし合わせやすく、記帳内容を確認しやすくなります。
現金主義の特例が使える3つの条件
現金主義の特例を受けるための条件は、次の3つです。
すべての条件を満たす個人事業主が対象です。
-
- 青色申告者であること
- 小規模事業者であること
- 提出期限までに届出書を提出すること
青色申告者であること
現金主義の特例は、青色申告者だけが受けられる制度です。
白色申告の場合は特例を受けることができません。白色申告者は発生主義で帳簿付けを行う必要があります。
小規模事業者であること
小規模事業者とは、その年の前々年分の事業所得と不動産所得の合計額が300万円以下である個人事業主のことです。
この合計額を判定する際、家族に支払う「青色事業専従者給与」の額は必要経費に算入しないで、差し引く前の金額で計算します。
家族に支払う給与が経費にできる「青色事業専従者給与」について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
提出期限までに届出書を提出すること
「現金主義」の特例を受けるには、「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を管轄する税務署に提出します。
提出期限は、特例を受けようとする年の3月15日までです。ただし、その年の1月16日以後に新規開業した事業者の場合は、開業の日から2か月以内が期限です。
現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書
-
※国税庁「A1-12 現金主義による所得計算の特例を受けるための手続
」
- ※この様式は、2026年7月現在公開されている様式です。変更になることもあります。
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現金主義の特例を受ける際の3つの注意点
現金主義の特例を受けるには、大きく3つの注意点があります。
-
- 青色申告特別控除は最大10万円
- 現金主義でも減価償却
- 青色申告決算書は現金主義用
現金主義では青色申告特別控除は上限10万円
現金主義の特例を利用した場合、青色申告特別控除は最大10万円となります。
複式簿記での記帳とe-Tax申告などの要件を満たすことで受けられる65万円(2027年分以降は75万円)の特別控除の適用はできません。
青色申告特別控除の要件については、下記の「青色申告特別控除とは?」を参考にしてください。
現金主義でも減価償却が必要
「減価償却」は現金主義であっても、取得価額10万円以上の資産を取得して事業で使用した場合は、必要です。
現金主義であっても支払時に全額を必要経費とすることはできません。耐用年数に応じて減価償却をする必要があります。
なお、青色申告の場合、「少額減価償却資産の特例」を選択すれば、取得価額40万円未満(2026年3月31日までの取得分は30万円未満)の減価償却資産を一括して経費にすることができます。「少額減価償却資産の特例」は、現金主義でも適用できます。
青色申告決算書は「現金主義用」を使用する
現金主義の特例を受けている場合、「青色申告決算書」は、専用の様式である「青色申告決算書(現金主義用)」を使用します。
「青色申告決算書(一般用)」とは様式が異なるので、専用様式を使用して決算書を作成してください。
青色申告決算書(現金主義)
-
※国税庁「令和8年分の所得税等の確定申告書(案)
」
- ※この確定申告書(案)は、2027年(令和9年)1⽉以降に使⽤が可能となる案として、2026年7月現在公開されている様式です。今後変更される場合があります。
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青色申告特別控除とは?
青色申告特別控除とは、青色申告を行う個人事業主が、所得金額から一定額を差し引ける制度です。控除額が大きいほど節税になります。
帳簿の形式や申告方法に応じて最大65万円(2027年分以降は最大75万円)の青色申告特別控除が受けられます。
ただし、現金主義の特例を利用した場合、青色申告特別控除は最大10万円となります。
2026年分の確定申告では、控除額は最大65万円になります。受けられる控除額分だけ課税所得を減らすことができます。
青色申告特別控除の区分(2026年分まで)
55万円または65万円の控除を受けるには、前提として以下のすべての要件を満たしている必要があります。
65万・55万円控除の要件をどれか一つでも満たさなければ、最大10万円の控除になります。
- 青色申告特別控除(55万円・65万円)の共通要件
-
- 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
- 現金主義による所得計算の特例を選択していない
- 正規の簿記の原則(複式簿記)により作成した貸借対照表と損益計算書の添付
- 期限内申告(原則翌年3月15日まで)
つぎに共通以外の要件を表にまとめました。
| 特別控除額 | 帳簿 | 控除を受けるための追加要件 |
|---|---|---|
| 65万円 | 複式簿記 | 共通要件にプラスして以下、①~②のいずれかを満たす ①e-Taxによる電子申告 ②優良な電子帳簿 |
| 55万円 | 複式簿記 | 共通要件を満たすが、上記①・②どちらも満たさず書面申告 |
| 10万円 | 簡易帳簿(簡易簿記) | 上記65万円控除、55万円控除の要件を満たさない青色申告者 |
なお、令和8年度税制改正により、2027年分(令和9年分)の青色申告から特別控除の要件と上限が変わります。上限は最大75万円になります。
2027年分以降の青色申告特別控除の区分
青色申告控除75万円・65万円の適用には、前提として以下のすべての要件を満たす必要があります。
75万・65万円控除の要件をどれか一つでも満たさなければ、最大10万円の控除になります。
- 青色申告特別控除(75万円・65万円)の共通要件
-
- 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
- 現金主義による所得計算の特例を選択していない
- 正規の簿記の原則(複式簿記)により作成した貸借対照表と損益計算書の添付
- 期限内申告(原則翌年3月15日まで)
つぎに共通以外の要件を表にまとめました。
| 特別控除額 | 帳簿 | 申告方法 | 共通以外の要件 |
|---|---|---|---|
| 最大75万円(新設) | 複式簿記 | e-Tax(電子申告) | 共通要件にプラスして以下、①~②のいずれかを満たす ①優良な電子帳簿 ②請求書データ等との自動連携(新設) |
| 最大65万円 | 複式簿記 | e-Tax(電子申告) | 共通要件を満たす |
| 最大10万円 | 複式簿記 | 書面(紙)での申告 | 共通要件を満たす |
| 最大10万円(※1,※2) | 簡易帳簿(簡易簿記) | e-Tax(電子申告)/書面(紙)での申告 | ・事業所得もしくは不動産所得に係る前々年の収入が1,000万円以下(事業所得及び不動産所得がある場合はいずれも1,000万円以下)の納税者 ・事業としての規模に満たない不動産所得者もしくは山林所得者等 |
- ※1不動産所得については、収入区分が1,000万円超である場合、事業的規模の方のみ控除対象外です。
- ※2事業的規模ではない規模(業務的規模)の方は、2027年分以降も最大10万円の控除を適用できます。なお、不動産所得が事業的規模ではない場合は、2027年分以降に複式簿記に移行したとしても、控除額は簡易帳簿の場合と同様に最大10万円です。
2027年分以降は65万円以上の特別控除を受けるために、e-Taxが必須になります。
書面での提出では、最大10万円の控除額になります。
さらに、簡易簿記(単式簿記)の場合は、前々年分の収入が1,000万円を超えると特別控除の対象になりません(特別控除額0円)。
現金主義の特例を利用している場合でも「前々年分の収入が1,000万円を超える」と青色申告特別控除の対象外になります。判定基準が前々年分の「所得」ではなく「収入(売上金額)」なので、間違えないようにしましょう。
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現金主義の特例を取りやめる場合の手続き
現金主義の特例の適用を取りやめて原則の発生主義に戻す場合は、「現金主義による所得計算の特例の適用を受けることの取りやめ届出書」を所轄の税務署へ提出します。
提出期限は、特例の適用を取りやめようとする年の3月15日までとなります。
2027年分の申告から現金主義の特例を取りやめる場合、2027年3月15日(月)までに届出書を提出します。
現金主義による所得計算の特例を受けることの取りやめ届出書
-
※国税庁「A1-13 現金主義による所得計算の特例を受けることの取りやめ手続
」
- ※この様式は、2026年7月現在公開されている様式です。変更になることもあります。
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確定申告ソフトで「発生主義×複式簿記」は難しくない!
「発生主義×複式簿記」による難解な帳簿付けも確定申告ソフトを使えば、簿記などの専門知識も必要ありません。確定申告の作業を楽に終えることができます。
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なお、優良な電子帳簿の要件を満たすには、個人事業主の場合、会計期間(1月1日から12月31日)を通じてすべての履歴を記録する必要があります。
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ソフトを使えば手間は同じ!白色申告を選ぶメリットがない理由
白色申告であっても、青色申告と同様に帳簿の作成義務があります。経費の計上の仕方にも違いはありません。また、簡易簿記であっても青色申告は可能です。
帳簿作成なら、確定申告ソフトを利用すれば、簿記の専門知識がなくても日々の取引を入力するだけで必要な帳簿や申告書類を作成できます。
また、青色申告をすることで、以下のような税制上のメリットがあります。
-
- 青色申告特別控除:最大65万円(2027年分以降は最大75万円)の控除が受けられる
- 純損失の繰越控除:赤字を3年間繰り越して翌年以降の所得と相殺できる
- 青色事業専従者給与:家族への給与を必要経費として計上できる
- 少額減価償却資産の特例:2026年4月1日以後に取得した40万円未満の資産を一括で必要経費に算入できる(2026年3月31日以前の取得分は30万円未満)
こうした特典を踏まえると、多くの個人事業主にとって、青色申告を選ばない理由はないかもしれません。
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よくあるご質問
白色申告の場合も、発生主義で記帳しなければいけませんか?
白色申告でも記帳と帳簿の保存が義務付けられており、発生主義による記帳(帳簿付け)が原則です。
現金主義の特例は青色申告者のみを対象とした制度であるため、白色申告では利用することはできません。
個人事業主が現金主義を使うには、何か条件がありますか?
現金主義の特例を受けることで、現金主義での記帳ができます。この特例を受けるには、(1)青色申告者であること、(2)前々年の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下であること、(3)期限内に届出書を提出していること、の3つの条件を満たす必要があります。
提出する届出書は「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」です。提出期限は、特例を受けようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新規開業した事業者の場合は、開業の日から2か月以内となります。
複式簿記に切り替えると、青色申告特別控除の金額は変わりますか?
青色申告特別控除の金額は、帳簿の形式や申告方法によって異なります。複式簿記で記帳し、e-Tax申告などの要件を満たすと、最大65万円(2027年分以降は最大75万円)の控除を受けられます。ただし、現金主義の特例の適用を受けている場合は、複式簿記でも最大10万円となりますので、取りやめの届出書をその年3月15日までに提出する必要があります。
詳しくは、こちらを参照してください。
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確定申告ソフトなら、簿記や会計の知識がなくても確定申告が可能
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【2027年分から改正】青色申告特別控除75万円の要件には「優良な電子帳簿」で対応
2027年分(令和9年分)から、青色申告特別控除が最大75万円に引き上げられます。この75万円控除を適用するための要件が 「優良な電子帳簿」もしくは、新設の「請求書データ等との自動連携」の対応です。
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2027年分以降で最大75万円の特別控除を目指すなら「やよいの青色申告 オンライン」を2026年から使用しておけば、2027年1月1日から優良な電子帳簿に対応できるので安心です。
※2027年分以降、65万円以上の青色申告特別控除の適用は、e-Taxでの電子申告など複数の要件を満たすことが必要です。
- ※「やよいの青色申告 オンライン」は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が審査する「「優良な電子帳簿」の機能要件承認」を満たし、電子帳簿ソフト法的要件認証製品一覧に登録されています。(認証番号:106800-00)
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※「電子帳簿ソフト法的要件認証制度
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この記事の監修者宮原 裕一(宮原裕一税理士事務所 代表税理士)
「宮原裕一税理士事務所」代表税理士。弥生認定インストラクター。
弥生会計を20年使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。経営者のサポートメンバーとして会計事務所を営む一方、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

