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住民税はいつから納付が必要?納付の時期や計算方法などを解説

住民税はいつから納付が必要?納付の時期や計算方法などを解説

個人事業主が納める主な税金には、所得税や消費税、住民税、などがあります。所得税や消費税は、原則として申告期限と納付期限が同じですが、住民税は所得税の確定申告の内容をもとに税額が決定され、後日送付される納税通知書によって納付するしくみです。

本記事では、住民税の計算方法や納付時期、納付できない場合の対処法について解説します。

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住民税とは居住する自治体に納める地方税

住民税とは、居住する自治体に納める地方税です。国と自治体は、住民に提供する行政サービスを分担しており、上下水道や消防・救急サービス、福祉、学校教育など、生活に身近な行政サービスは、自治体によって提供されています。住民税は、こうした自治体の行政サービスを支えるための税金です。

住民税には、都道府県に納付する道府県民税(都民税)と、市区町村に納付する市町村民税(特別区民税)があります。ただし、実際に納付する際は、両者をまとめて納付するため、区別して考える必要はありません。

また、住民税は個人住民税と法人住民税に分かれますが、住民個人が負担するのは個人住民税です。そのため、本記事では個人住民税を「住民税」と表記して解説します。

住民税の計算や納付の方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。

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いつから住民税を納付する?

住民税の納付方法は、確定申告を行う個人事業主と、年末調整の対象となる会社員などの給与所得者で異なります。ここでは、個人事業主と給与所得者に分けて、住民税の納付が始まる時期や徴収方法について解説します。

住民税の納付が始まる時期
  • 個人事業主は確定申告をした年の6月から
  • 給与所得者は就職した年の翌年6月から

個人事業主は確定申告をした年の6月から

個人事業主の場合、住民税の最初の納付期限は、初めて確定申告をした年の6月です。6月ごろになると、自宅に住民税決定通知書と納付書が送付されてくるので、6月末日、8月末日、10月末日、翌年1月末日の年4回、届いた納付書を使って納付期限内にそれぞれ納付します。これを普通徴収といい、個人事業主をはじめ、主に勤め先がない人に適用される徴収方法です。

住民税は金融機関やコンビニエンスストア、市区町村窓口などで納付でき、一部の自治体では、クレジットカード決済やスマホ決済も利用できます。

また、住民税は6月末に1年分をまとめて納付することもできるため、納付忘れや納付書の紛失が不安な場合は、まとめて納付するといいでしょう。口座振替での納付も可能で、一度手続きをすれば、その後は納付の手間がかかりません。

なお、個人事業主を廃業した場合でも、引き続き住民税の納付が必要です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、廃業した年の所得に対する住民税を翌年に納付しなければなりません。

給与所得者は就職した年の翌年6月から

会社員などの給与所得者の場合、就職した年の翌年6月以降、給与から住民税が差し引かれるようになります。これを特別徴収といい、勤め先が特別徴収義務者となって、納税者の毎月の給与から住民税を天引きし、本人に代わって納付します。

住民税は前年の所得を基に計算されるため、多くの場合、就職1年目は住民税の負担がありません。

1年目の年末調整で所得金額が確定すると、その所得金額を基に、自治体が住民税の額を計算します。住民税の額が決定すると、2年目の6月から3年目の5月までの12か月間、毎月の給与から均等に差し引かれます。賞与からの控除はなく、住民税額に端数がある場合は、6月分の給与で調整されます。

なお、住民税は前年分の所得を基に計算されるため、退職しても納付義務はなくなりません。給与所得者が退職する場合は、以下のいずれかの方法で、住民税の残額を納付します。

給与所得者が退職する場合の納付方法
  • 最後の給与や退職金から差し引いて一括納付する
  • 転職先の企業で特別徴収を継続する
  • 自分で納付書を使って納付する(普通徴収)

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住民税の算定期間

住民税の算定期間は、前年の1月から12月までです。住民税の額はこの期間の所得を基に計算され、翌年に納付します。そのため、年末調整や確定申告で前年の所得金額が確定している人は、住民税に関して申告をする必要はありません。

一方、年末調整や確定申告をしていない人は、所得などの条件に応じて自治体への住民税の申告が必要になる場合があります

ここでは、個人事業主と給与所得者に分けて、1年間の所得金額や住民税の算出について解説します。

個人事業主は1年間の売上と経費を基に計算する

個人事業主の場合は、1月から12月までの売上から経費を差し引いた金額が、1年間の所得金額です。この所得金額から所得控除などを差し引いた、課税所得金額を基に住民税が計算されます

個人事業主の所得金額は、一般的に取引の成立時点で売上があったとみなす発生主義で計算します。例えば、12月締め翌年1月払いの売上があった場合、発生主義ではこの売上は、翌年1月ではなく、12月の売上です。なお、取引先の倒産などによって未回収になってしまった売上については、その時点で必要経費になります。

ただし、一定の条件を満たす場合は、実際の入金のタイミングで売上があったとみなす現金主義を採用できます。この場合、12月締め翌年1月払いの売上は翌年1月に計上するため、その年の所得金額には含まれません。現金主義を採用している個人事業主は、1月から12月までに入金された金額を基に確定申告をします。

給与所得者は1年間の給与と賞与を基に計算される

給与所得者の場合、1月から12月までに支給された給与と賞与を基に、年末調整で所得金額と所得税を確定し、それに応じて住民税の額も決まります。4月入社の新社会人の場合は、4月から12月までの9か月間の給与と賞与から所得金額と所得税が決まり、翌年から住民税が課税されるというしくみです。

ただし、給与が月末締め翌月払いの企業では、12月分の給与は翌年1月に支払われるものの、この場合は前年の所得ではなく翌年の所得となります。

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個人事業主の場合、確定申告または住民税申告が必要

個人事業主の場合、納付すべき住民税の額は、所得税の確定申告を基に算出されます。

所得税の確定申告を行うと、申告内容が住所のある自治体に共有されるので、住民税申告を別途行う必要はありません。しかし、所得税の確定申告を行っていない場合は、自治体が住民税額算出の基となる所得金額を把握できないため、住民税申告が必要になります。

住民税申告を行わないと、所得金額を自治体が把握できず、国民健康保険料の算定や各種給付金の受給に影響する恐れがあります。例えば、年間所得が95万円以下(2024年分までは48万円)で確定申告が不要になる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。

なお、原稿料や講演料などのように報酬から源泉徴収されている場合は、確定申告を行うことで還付を受けられる可能性があります。源泉徴収とは、報酬を支払う側が、支払額からあらかじめ税金分を天引きし、受け取る側に代わって納付する制度です。

源泉徴収された金額が本来納めるべき税額より大きければ、確定申告を行うことで納めすぎた分の還付を受けられます。

このように確定申告が不要な場合でも、還付を受けられるなどのメリットがあるため、確定申告しておくのがおすすめです。

また、所得税の確定申告を行うには、日々の取引を記帳して売上と経費を管理しておかなくてはいけません。確定申告の際に慌てないように、日ごろから確定申告ソフトなどで帳簿を付けておきましょう。

住民税申告と所得税の確定申告については、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

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住民税はどれくらいの額を納付する?

個人住民税の内訳
  • 東京都の例

住民税は、所得金額にかかわらず定額の均等割と、前年の所得金額に応じて負担する所得割で構成されており、それぞれの税額を計算して合計すれば、住民税の額がわかります。

また、毎年6月ごろに納税者本人や勤務先に届く住民税決定通知書でも確認することが可能です。均等割と所得割の特徴をそれぞれ見ていきましょう。

均等割

均等割は、所得金額にかかわらず定額が課されます。均等割の額は自治体によって異なりますが、一般的には道府県民税(都民税)は年1,000円、市町村民税(特別区民税)は年3,000円で、合計年4,000円です。

2024年度からは、森林環境税として、住民税の均等割と併せて年額1,000円が徴収されています。

所得割

所得割は、所得金額に応じた額が課されます。所得割の額は、前年の1月1日から12月31日までの所得に、自治体ごとに決められた税率を掛けて算出されます。なお、所得割の税率は自治体によって異なりますが、一般的には道府県民税(都民税)が4%、市町村民税(特別区民税)は6%で、合計10%です。

なお、所得が一定額以下の場合、住民税は非課税になります。住民税が非課税になるケースは以下のいずれかに該当した場合です。

住民税が非課税になるケース
  • その年の1月1日現在、生活保護法による生活扶助を受けている方
  • 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦で、前年の合計所得金額が135万円以下の方(給与収入のみなら204万4千円未満)
  • 前年の合計所得金額が次の金額以下の方
    1. 1.扶養親族がいる方:合計所得金額が「35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+31万円」以下
    2. 2.扶養親族がいない方:合計所得金額45万円以下

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住民税額の計算方法

住民税額は、「所得割+均等割」で計算できますが、所得割を計算するには、所得金額や所得控除、税額控除を調べる必要があります。所得控除は、条件を満たす場合に所得金額から一定額を控除する制度で、税額控除は、課税所得金額を基に計算した所得税額から一定額を控除する制度のことです。

住民税額は、以下の計算式で求めます。

住民税額の計算方法
所得割額=(所得金額-所得控除額)×税率(10%)-税額控除額
住民税額=所得割額+均等割(道府県民税(都民税)1,000円+市町村民税(特別区民税)3,000円+森林環境税1,000円)

例えば、前年の課税所得が400万円で所得控除と税額控除がなく、自治体が標準税率だった場合、計算式にあてはめると以下のように計算できます。

住民税額の計算例
所得割:400万円×10%=40万円
住民税額:40万円+均等割(道府県民税(都民税)1,000円+市町村民税(特別区民税)3,000円+森林環境税1,000円)=40万5,000円

なお、所得割と均等割は、自治体ごとに税率や税額を設定できる税金です。そのため、標準税率(税額)と異なる場合があるため、お住まいの自治体のWebページで、所得割の税率や均等割の税額を確認しておきましょう。

住民税の計算方法については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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住民税の納付が遅れた場合のペナルティ

住民税の納付が遅れた場合、督促状が届きます。また、納付期限の翌日から延滞金が発生し、遅れた日数に応じて加算されます。納付が遅くなるほど、納めなくてはいけない延滞金額は大きくなるので、万が一納付が遅れてしまった場合は、できる限り早く納付することが大切です。

延滞金の金額は、納付期限の翌日から1か月までは、未納の税額に対して「延滞金特例基準割合+1%」(年7.3%が上限)で、それ以降の期間は、未納の税額に対して「延滞金特例基準割合+7.3%」(年14.6%が上限)です。参考までに、2026年の延滞金の税率は、納付期限の翌日から1か月間は2.8%、それ以降の期間は9.1%となっています。

なお、住民税を延滞したまま一定期間が過ぎた場合は、催告書が届く他、延滞金とは別に、以下のような流れで財産差し押さえなどの手続きが進められます。うっかり納付を忘れた場合もペナルティの対象になるので、自分で納付する必要がある個人事業主は、特に気を付けてください。

住民税を納付しない場合
  1. 1.
    納付期限を過ぎると督促状が届く
  2. 2.
    納付しないまま一定期間が過ぎると催告書が届く
  3. 3.
    納付しないと、財産差し押さえの可能性がある

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納付期限までに住民税の納付が難しい場合の対処方法

住民税を納付期限までに納付できない人は、速やかに自治体の税務課に相談してください。分納などの対応をとってもらえる可能性があります。また、納付書をなくしてしまった場合も、自治体の税務課に依頼すれば、新しい納付書を発行してもらうことが可能です。

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適切に住民税を納付するため正しく確定申告をしよう

住民税の額は前年の所得を基に計算します。個人事業主の場合は、確定申告で決定した課税所得金額を基に住民税の額が算出されるため、正しく確定申告をすることが重要です。

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よくあるご質問

住民税はいつから納付しますか?

住民税は、前年の所得を基に計算されるため、個人事業主の場合は確定申告を行った年の6月から、会社員などの給与所得者の場合は、働き始めて2年目から納付します。個人事業主の場合は自分で納付しますが、給与所得者の場合は勤め先が本人に代わって納付します。働き方によって徴収方法やタイミングが異なる点には注意しましょう。

住民税は1年に何回納付しますか?

住民税は働き方によって納付方法や納付タイミングが異なるため、一概に何回と答えることはできません。住民税の納付方法には、「普通徴収」と「特別徴収」の2つがあります。
個人事業主の場合は、原則として普通徴収です。6月に一括、または年4回(6月、8月、10月、翌1月)で、自分で納めます。
会社員などの給与所得者の場合は、原則として特別徴収です。年12回(6月から翌年5月まで)、勤務先が毎月の給与から住民税を天引きし、本人に代わって納付します。

住民税の納付書はいつごろ届きますか?

住民税を普通徴収で納付する場合、住民税の納付書は、毎年6月ごろに自治体から届きます。
なお、所得税の確定申告を行っていれば、自治体に申告内容が共有され、正しく住民税額が計算されますが、確定申告を行っていない場合は住民税申告が必要です。自治体が所得額を把握できないと、健康保険料の算定などに影響する可能性があります。

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この記事の監修者岡本匡史(岡本匡史税理士事務所 代表税理士)

岡本匡史税理士事務所新規タブで開く」の代表税理士。
1979年和歌山県生まれ。滋賀県立膳所高校、横浜国立大学経営学部卒業。城南信用金庫、公認会計士事務所勤務を経て、2012年に豊島区池袋にて岡本匡史税理士事務所を設立。
低価格で手厚いサポートを行うことを目標としており、特に開業前~開業5年目の法人・個人事業主の税務会計が得意。
毎年、市販の確定申告本や雑誌の監修にも携わっている。

岡本匡史(岡本匡史税理士事務所 代表税理士)

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