【算定基礎届は何から始める?】
基本スケジュールから『弥生給与 Next』の操作ステップ

「算定基礎届(定時決定)」は、年に1度、従業員の社会保険料を正しく見直すための大切な手続きです。

「毎年やらなきゃいけないのは分かっているけれど、何から手をつければいいか迷ってしまう…」という方も多いのではないでしょうか。

本ページでは、算定基礎届の「これだけは押さえておきたい基本」から全体のスケジュール、そして『弥生給与 Next』での操作ステップを解説します。

算定基礎届とは? 

毎年4月・5月・6月に支払われた給与の平均額をもとに、9月以降1年間の社会保険料の計算基礎となる「標準報酬月額」が決定されます。

この手続きを定時決定と呼び、その際に提出する書類が算定基礎届です。

算定基礎届は、7月1日から7月10日までに所定の方法で提出する必要があります。

まずは、「4~6月の給与を確認し、7月に算定基礎届を提出する」という流れを押さえましょう。

全体像を把握|やることスケジュール

算定基礎届(定時決定)の全体像とスケジュールは以下のとおりです。

4月から6月の給与確定から、算定基礎届の作成・提出、新しい社会保険料への切り替えまでの定時決定の年間スケジュール

『弥生給与 Next』での確認ポイントや操作ステップ

『弥生給与 Next』では、初めに[定時決定手続き]を作成します。

作成手順

1.[手続き]メニューをクリックします。

2.画面右上にある[手続きの新規作成](青色のボタン)をクリックします。

3.[社会保険]タブをクリックします。

4.[定時決定手続き]をクリックします。

弥生給与 Nextの手続きの新規作成画面にて、社会保険の定時決定手続きを選択する操作手順

5.[対象年]を選択し、[手続きを開始](青色のボタン)をクリックします。

弥生給与 Nextで定時決定手続きの対象年と期日を確認し、算定基礎届の手続きを開始する画面

「期日」について

  • 「期日」は、作業完了目安をお客様自身で管理するための項目です。

  • 見直し後の標準報酬月額を給与計算へ適用(転記)する目安として、初期値は10月31日が設定されています。

  • 「期日」の日付は、給与計算やその他の処理には一切影響しません。

[定時決定手続き]の進め方

[定時決定手続き]内に表示される5つの[やることリスト]に沿って、確認ポイントや操作をご案内します。

【Step1】4~6月分の給与データの確定

4~6月支給分の給与明細の作成を完了し、出勤日数や支給項目に漏れがないかを確認します。

[集計表]メニューを利用すると、一覧で確認できます。

  • 従業員ごとに、4~6月の支給内容を確認する場合→[賃金台帳]

  • 月ごとに、全従業員の支給内容を確認する場合→[明細一覧表]

確認手順

1.[集計表]メニューをクリックします。

2.[集計表の種類]で、「賃金台帳」または「明細一覧表」をクリックします。

3.出勤日数や支給項目に漏れがないかを確認します。

社会保険の計算対象となるのはどのような支給項目(報酬)ですか?

従業員の労務に対する対価として支給するものが該当します。

  • 対象となる  :基本給、役職手当、各種固定手当、残業代、通勤手当(非課税でも)、休業手当など

  • 対象とならない:退職金、解雇予告手当、出張旅費等の実費精算、結婚祝金など恩恵的・臨時的なもの など

詳細は、以下のページ「算定基礎届の書き方」内の「報酬に含まれる項目と含まれない項目を確認する」項目をご参照ください。

『弥生給与 Next』では、[明細項目の設定]画面にて、[報酬(社会保険)]にチェックが入っている支給項目が社会保険料の計算対象となります。

1.[設定]メニューをクリックします。

2.[明細設定]‐[明細項目管理]をクリックします。

3.[支給]枠を開き、確認したい支給項目右横の歯車マークをクリックします。

4.[計算や集計での取り扱い]で[報酬(社会保険)]のチェック有無を確認します。

弥生給与 Nextの明細項目設定画面で、支給項目が社会保険料の計算対象となるか確認・設定する操作

【Step2】従業員情報の確認・更新を行う

[従業員情報を確認・更新](青色のボタン)をクリックし、[業務情報]および[社会保険]項目から、算定基礎届の作成に必要な従業員情報に不足や変更がないか確認します。

弥生給与 Nextの従業員情報画面で、算定基礎届の作成に必要な社会保険や業務情報を確認・更新する操作

[業務情報]

  • 保険適用事業所が正しく設定されているか

[社会保険]

  • 社会保険の加入有無

  • 短時間勤務またはパート勤務の場合、勤務種別([被保険者区分])が適切に選択されているか 

  • 保険適用整理番号 

  • 改定前の標準報酬月額 

  • 2つ以上の事業所への勤務、産休・育休中の設定有無

短時間労働者(パート)の場合、どのように設定すればよいですか?

該当従業員の[社会保険]をクリックして、[被保険者区分]で[短時間労働者]([パート])を選択します。

「短時間労働者」と「パート」の違いは何ですか?

それぞれの定義は以下のとおりです。

短時間労働者

所定労働時間や日数がフルタイム勤務の従業員の4分の3未満であり、かつ以下の条件をすべて満たす従業員

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 雇用期間が2か月を超える見込みがある
  • 学生でない
  • 「特定適用事業所(※厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業など)」「任意特定適用事業所」「国・地方公共団体に属する事業所」で働いている

パート

週の勤務時間および月の勤務日数双方がフルタイムの4分の3以上ある従業員

「短時間労働者」と「パート」のどちらに該当するかによって、算定対象となる月を判断するための支払基礎日数の基準が異なります。

『弥生給与 Next』では、[被保険者区分]を正しく設定することで、算定対象月を自動集計することができます。

産休・育休の場合はどのような対応が必要ですか?

産休や育休等ですべての月が算定対象外となった場合は、従前の標準報酬月額が適用されます。

『弥生給与 Next』では、該当従業員の[社会保険]をクリックし、[産前産後・育児休業中である]にチェックをつけることで、自動的に従前の標準報酬月額が適用されます。

【Step3】算定基礎届の作成

やることリストの[算定基礎届の作成](青色のボタン)をクリックします。

基本的な算定基礎届の作成手順については、以下のページをご参照ください。

確認ポイント【1】

[算定基礎届の作成]画面にて[保険適用事業所]と[対象者]プルダウンを選択し、算定基礎届の対象となる従業員が正しくリストアップされているか確認します。

算定基礎届の対象となる従業員
  •  7月1日時点で社会保険の被保険者である従業員

  • 70歳以上被用者

算定基礎届の対象ではない従業員

①6月1日以降に社会保険の被保険者となった従業員

②6月30日以前に退職した従業員

③7月に月額変更届(随時改定)の提出対象となる従業員

④8月・9月に「月額変更予定」として申し出る従業員

算定基礎届の対象ではない従業員に着目すると、確認作業がスムーズに運びます。

  • 上記①②の従業員が[算定基礎届の作成]画面にて表示された場合

従業員情報が誤って登録されている可能性があるため、【Step2】従業員情報の確認・更新を行うに戻って従業員情報の設定を確認・修正します。

  • 上記③④の「月額変更予定者」について

原則として算定基礎届の対象ではないが、提出先によっては算定基礎届の提出を求められる場合があります。

算定基礎届の提出要否や、月額変更予定者として金額空欄のまま提出するかどうかは、管轄の年金事務所等へ確認してください。

『弥生給与 Next』では、4・5・6月のいずれかの月に固定的賃金(基本給や手当)の変動があった従業員を、自動的に「月額変更予定」と判定し、金額を空欄にする仕様です。

実際の状況に合わせて、以下のいずれかの対応を実施してください。

 

1. 実際には月額変更の対象ではない場合【算定基礎届に含める場合】

従業員の氏名をクリックし、[算定基礎届の編集]画面で[月額変更予定]のチェックを外してください。

金額が反映されます。

 

2. 実際に月額変更の対象となる場合【算定基礎届から外す場合】

提出先の指示に合わせて、以下のいずれかの方法で出力してください。

●月額変更予定者を外して提出する

 画面上部の[対象者]プルダウンで[対象者のみ]を選択し、出力対象から月額変更予定者を除外します。

●金額空欄のまま提出する

 初期状態([月額変更予定]のチェックを入れたまま)で出力します。

確認ポイント【2】

システムで自動集計された数値や金額が表示されるため、制度にあわせて「対象月から外す」や「金額を修正する」といった対応が必要な場合があります。

個別対応が必要な場合は、[算定基礎届の作成]画面から従業員を選択して、従業員ごとに[算定基礎届の編集]画面で該当項目を修正します。

個別修正が必要となる主なケース
新入社員や途中入社で1か月分の給与がない月がある従業員

下記手順で、1か月分の給与が支払われていない月を算定の対象から除外します。

 

1.該当する従業員の氏名をクリックし[算定基礎届の編集]画面を開きます。

2.報酬月額の欄で、対象外とする月の[算定対象]のチェックを外します。

3.画面右下の[保存]をクリックします。

 

(補足)

・4月または5月の途中に入社した従業員は、備考の[途中入社]に自動的にチェックが付きます。

・健康保険の資格取得日または入社年月日が自動で転記されます。

・給与の締切日や支給日は転記されない仕様のため、必要に応じて手入力するか、印刷後に手書きで追記してください。

・資格取得日以降の算定対象月が存在しない場合は修正平均額が算出できないため、システムが自動的に[従前の標準報酬月額を利用]と判定します。

遅配や昇給差額など金額にイレギュラーがある場合

下記手順で、差額内容を入力します。

 

1.該当する従業員の氏名をクリックし[算定基礎届の編集]画面を開きます。

2.[遡及支払額等]の欄に遡及支払月と金額を入力します。

3.[昇(降)給差]などの欄に必要な情報を入力します。

4.[遡及支払額を反映した修正平均額を転記]をクリックします。

5.内容を確認し画面右下の[保存]をクリックします。

 

(補足)

・画面上部の[従業員情報・給与情報の再取込]をクリックすると[算定基礎届の編集]画面で手入力した情報が初期化されます。

・手修正を行った後は再取込のボタンを押さないようご注意ください。

一時帰休や被保険者区分の変更があり、備考欄に記載する場合

下記手順で、備考欄に記載します。

 

1.該当する従業員の氏名をクリックし[算定基礎届の編集]画面を開きます。

2.画面下部の[備考]にある[その他]の入力欄に、以下のいずれかの内容を入力します。   

 ・被保険者区分の変更があった場合:その内容  

 ・一時帰休の場合:休業手当の支払い月と一時帰休の開始月(または解消した年月)

3.全角10文字(半角20文字)以内で入力します。

4.画面右下の[保存]をクリックします。

【Step4】算定基礎届の提出

作成した算定基礎届を事業所を管轄する年金事務所や、加入している健康保険組合に提出します。

提出期限7月1日~7月10日(土日に重なる場合は、翌平日)
提出先全国健康保険協会(協会けんぽ)
日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所健康保険組合
各健康保険組合が指定する提出先(多くの場合は組合本部や指定の窓口)
提出方法以下のうち、いずれかの方法で行う
・管轄の年金事務所へ郵送する
・管轄の年金事務所窓口に直接提出する
・電子媒体(CD・DVD)に記録して郵送する 
・e-Govやe-Gov外部連携API対応ソフトを使って電子申請を行う

【Step5】標準報酬月額の転記

算定基礎届を提出した後、標準報酬月額が見直されると、社会保険料が変更になる場合があります。

新しい社会保険料への切り替え時期について

当月徴収→9月支給の給与から変更

翌月徴収→10月支給の給与から変更

『弥生給与 Next』で「当月徴収」か「翌月徴収」どちらが適用されているかを確認するにはどうすればよいですか?

[設定]メニューの[給与規定]にて、「社会保険料の徴収時期の設定」を確認できます。

転記のタイミングについて

8月~9月頃に年金事務所(または健康保険組合)から届く「標準報酬月額決定通知書」と内容を照らし合わせながら、転記操作を行います。

転記操作を行うと即座に従業員情報が書き換わるため、必ず新等級で計算を行う月の給与計算のタイミングで転記操作を行います。

転記方法について

2つの入り口から転記できます。

いずれかの方法で転記作業を実施してください。

 

  • [定時決定手続き]内から転記する

  やることリスト「標準報酬月額の転記」枠内の[標準報酬月額を従業員情報に転記](青色のボタン)をクリックして、

  内容確認の上[上記の内容で転記]ボタンより実行します。

 

  • 新等級で計算を行う月の[給与支給手続き]から転記する

  [給与支給手続き]を作成して、手続き内に表示される[従業員情報に転記]のメッセージから転記します。

『弥生労務 Next』併用の勧め

『弥生給与 Next』 単体でも「算定基礎届用データの作成」までは完結しますが、次のような場合は『弥生労務 Next』を併用することで、運用が効率化されます。

  • 入退社・育休・復職等の社保・雇保手続きが年中発生している

  • 算定基礎届・月額変更届・賞与支払届などを電子申請で完結させたい

  • 従業員数が多く、紙や手入力での届出が負担になっている

『弥生労務 Next』を併用した場合の運用イメージ

  1. 1『弥生給与 Next』

    日常の給与計算、4〜6月データの確定

  2. 2『弥生労務 Next』

    給与データを連携し、下記の操作を実施

    • 資格取得・喪失、月額変更、算定基礎届 等を起票

    • e-Govと連携して電子申請

『弥生労務 Next』の初期設定や算定基礎届の申請方法について

下記ご利用ガイドやサポートページをご参照ください。

参考資料

算定基礎届について、より詳しい制度の内容を確認したい場合は、以下のページをご参照ください。